有価証券報告書(内国投資証券)-第11期(令和1年5月1日-令和1年10月31日)
(1)リスク要因
以下には、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)及び本投資法人の投資法人債(以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。なお、本投資法人は本書の日付現在において投資法人債を発行していませんが、今後投資法人債を発行する場合があることから、本投資法人債への投資に係るリスク要因も併せて記載しています。但し、以下は本投資口及び本投資法人債への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している個別の不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ル)個別信託不動産の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債の市場価格は下落する可能性があり、その結果として、本投資口又は本投資法人債の投資家が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資口又は本投資法人債の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資口の市場性に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資法人債の償還・利払に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象をヘルスケア施設に限定していることによるリスク
(ロ)投資対象不動産が地域的に偏ることに関するリスク
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ)土地の境界等に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ヌ)マスターリースに関するリスク
(ル)転貸に関するリスク
(ヲ)ヘルスケア施設に対する投資の特性及びオペレーターに関するリスク
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ)共有物件に関するリスク
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
(タ)借地物件に関するリスク
(レ)借家物件に関するリスク
(ソ)開発物件に関するリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
(ロ)投資主優待制度に関するリスク
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ニ)本投資法人の合併に向けた一連の取組みに関するリスク
① 本投資口又は本投資法人債の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債の市場価格の変動に関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換価する手段は、本投資口の売却に限定されます。
本投資口の市場価格は、本投資口が上場している東京証券取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。本投資口又は本投資法人債の市場価格は、国内外の金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。また、本投資法人はヘルスケア施設に特化しているため、本投資口の市場価格が他の投資法人の投資口とは異なる要因の影響を受けて変動する可能性があります。本投資法人若しくは資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資口又は本投資法人債の市場価格が下落することがあります。
本投資口又は本投資法人債の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資口又は本投資法人債を取得した価額で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資口の市場性に関するリスク
本投資口は、投資主の希望する時期や条件で取引できる保証も、常に買主が存在するとの保証もなく、譲渡価格を保証する第三者も存在しません。また、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資口の上場が廃止されます。本投資口の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資口の東京証券取引所における売却が困難若しくは不可能となった場合には、投資主は、本投資口を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損失を被る可能性があります。なお、本投資法人が投資法人債を発行した場合について、本投資法人債には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。また、本投資法人は、利益の範囲内で行う金銭の分配に加え、前記「1 投資法人の概況 (1)主要な経営指標等の推移 ③次期の見通し (ロ)今後の運用方針及び対処すべき課題 d.投資主に配慮した投資主還元策の設定 (ⅰ)利益を超える金銭の分配(利益超過分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し))の実施」に記載の方針に従い、継続的に利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行う方針を採用しています。当該利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行うに当たり、本投資法人では、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額を勘案し、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払い等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案し、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した上で、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、毎計算期間における減価償却費の40%を上限として利益超過分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を継続して実施する方針としています。
しかしながら、上記の方針にかかわらず、経済環境、不動産市場の動向、保有資産の状況及び財務の状況等によっては、利益を超える金銭の分配の額が変動する可能性や、利益を超える金銭の分配を一切行わない可能性があり、この場合には、投資主が利益を超える金銭の分配を踏まえて期待した投資利回りを得られない可能性があります。また、利益を超える金銭の分配の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。我が国の不動産投資信託証券市場(J-REIT市場)においては、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行う方針としている投資法人は少ないため、本投資法人の分配方針が市場においていかなる評価を受けるかは明らかでありません。また、投資法人の利益を超える金銭の分配に関する投信協会の規則等につき将来新たな改正が行われる場合には、改正後の投信協会の規則等に従って利益を超える金銭の分配を行う必要があることから、これを遵守するために、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)の額が本書記載の方針による金額と異なる可能性や、利益を超える金銭の分配を一時的に、又は長期にわたり行うことができなくなる可能性があります。
なお、本合併後の存続法人であるJRHにおいては、ポートフォリオの属性及び本合併に伴い計上する予定の負ののれんや既存の負ののれんの活用が可能であると考えられることに鑑み、当面の間、利益を超える金銭の分配を行うことは予定していません。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、賃貸借契約の終了等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ)賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、改修工事等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資口の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対しては、その期における投資口保有期間が異なるにもかかわらず、当該計算期間の期首から存在する投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
更に、追加発行の結果、本投資口1口当たりの価値に影響を与える可能性があります。
(ヘ)投資法人債の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じる可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象をヘルスケア施設に限定していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、主たる用途をヘルスケア施設(主たるタイプを有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅とする建物を含みますがこれらに限られません。)とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産をその投資対象としています。したがって、本投資法人の運用成績は、ヘルスケア施設需要と供給の関係、ヘルスケア施設に関連する法令、ガイドライン、介護保険等の制度改正等、ヘルスケア施設の収益性に影響を及ぼす要因により影響を受ける可能性があり、かかる要因等により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)投資対象不動産が地域的に偏ることに関するリスク
本投資法人が保有する不動産が、一定の地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、賃料水準の下落等が、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、スポンサー・サポート契約を締結しており、同社から提供される物件等に関する情報に基づく物件取得の機会を活用することを検討しています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、資産運用会社に物件等に関する情報の提供を受ける権利を与えるものにすぎず、大和証券グループ本社は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで確保されているわけではありません。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、またポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上のため適切であると考える場合には、迅速な外部成長を達成するために、他の投資法人との合併による外部成長手段を用いることを排除するものではありません。
かかる合併が行われた場合、運用ガイドラインに定めるポートフォリオ構築方針とは異なる資産構成になることや本投資法人の財務状況に変動が生じる可能性があります。更に、合併により本投資法人が企図するシナジー効果又は費用削減の効果等のメリットが得られず、また、合併の条件によっては本投資法人の投資主の持分が希薄化される可能性もあり、結果として、投資主に損害を及ぼす可能性があります。
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人は、保有する運用資産又はその原資産の全部又は一部を担保に供しており、今後、新規の借入れ又は既存の借入れについて新たに担保に供することがあります。この場合、本投資法人は、被担保債権を弁済しない限り、担保対象たる運用資産を処分し、又は運用不動産たる建物の建替等を行うに当たり、貸付人の承諾を取得する等の制限を受ける場合があります。その結果、本投資法人が必要とする時期や売却価格を含む条件で運用資産や運用不動産を処分等できないおそれがあります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合に出資する場合、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上に適切であると考える場合には、外部成長を達成するために、不動産を担保としている金銭債権及び不動産信託受益権を担保としている金銭債権を信託する信託受益権又は担保とする債券(以下「金銭債権等」といいます。)に投資を行うことがあります。かかる投資が行われた場合、金銭債権等の債務者から直接に担保としている不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
一方、金銭債権等の評価が下落した場合には、会計上の評価損が発生する可能性や、当該金銭債権等の回収を行う場合に、当初投資した金額未満しか回収することができず、投資損失が発生する可能性があります。また、投資した金銭債権等が債務不履行により予定された金利・信託配当等を受け取れなくなる可能性があります。
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合、本投資法人の投資を特定目的会社が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、特定目的会社の保有する不動産等が想定した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により、本投資法人が投資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、優先出資証券への投資は、特定目的会社が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証がない場合があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
大和証券グループ本社は、本書の日付現在、資産運用会社の発行済株式のすべてを保有しており、資産運用会社の親会社に該当します。大和証券グループ本社の子会社である大和証券株式会社は資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、また、資産運用会社の取締役の一部及び監査役には、同社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。更に、資産運用会社は、大和証券グループ本社とスポンサー・サポート契約を締結しています(スポンサー・サポート契約については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ② 本投資法人及び本投資法人の関係法人の運営上の役割、名称及び関係業務の概要」をご参照下さい。)。
すなわち、本投資法人及び資産運用会社は、大和証券グループ本社と密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いといえます。
したがって、本投資法人及び資産運用会社が大和証券グループ本社との間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人及び資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンドとの間で取引を行う場合や物件を共同して運用・維持する場合、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンドの利益を図るために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、すべての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、資産運用会社の役職員には、大和証券グループ本社の子会社である大和証券株式会社からの出向者である者及び大和証券グループ本社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。また、資産運用会社の役職員は、大和証券グループ本社の株式を取得することがあります。このため、大和証券グループ本社を含む大和証券グループと本投資法人の間に利益相反関係が生ずる場面では、資産運用会社の当該役職員と本投資法人との間でも同様に利益相反関係が生じる可能性があります。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の維持・向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、資産運用会社は、本投資法人の運用に当たりAIPヘルスケアジャパンとアドバイザリー契約を締結していますが、同社とのアドバイザリー契約が解除された場合等においては、資産運用会社がヘルスケア施設の運営・取得について知見を有する者から十分な情報提供や支援等を受けることができなくなり、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、AIPヘルスケアジャパンによるヘルスケア施設の運用実績は、本投資法人としての今後の運用実績を保証するものではありません。
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の執行役員及び資産運用会社の個々の人材の能力、経験、ノウハウに大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、又は将来的に必要とされる人材が確保できない場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
資産運用会社は、本投資法人の資産の運用に加えて、クローズド・エンド型の上場不動産投資法人である大和証券オフィス投資法人(DOI)及び日本賃貸住宅投資法人(JRH)の資産の運用を受託しています。DOIの投資対象はオフィスであり、JRHの投資対象は主たる用途を居住用施設(賃貸住宅)とする不動産等であるため、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることはありません。
また、資産運用会社は、非上場のオープン・エンド型不動産投資法人である大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人(DRP)、大和証券ホテル・プライベート投資法人(DHP)及び大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人(DLP)の資産の運用を受託しています。DRPの投資対象は主たる用途を居住用施設(高齢者を入居・利用の対象としたヘルスケア施設を除きます。)とする不動産等であり、DHPの投資対象は主たる用途を宿泊用施設(主たる用途が居住用施設であるものを宿泊用に提供するものは含みません。)とする不動産等でありDLPの投資対象は、主たる用途を物流施設とする不動産等であるため、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることはありません。
更に、資産運用会社は、その業務の一部として、投資助言業務を提供しています。投資助言業務における顧客と本投資法人が、特定の資産の賃貸借、取得又は処分に関して競合する場合において、本投資法人の投資運用業に際して取得したテナントや物件等に関する情報を本投資法人のために利用せず投資助言業務の顧客に提供する等、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、投資助言業務における顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。資産運用会社は、これら利益相反その他の弊害の防止を目的として、適切かつ合理的な措置を講じるよう努めています。具体的には、資産運用会社は、同社の社内規程において、投資助言業務においては、本投資法人、DOI、JRH、DRP、DHP若しくはDLPの運用対象とはならない物件を取得する場合、又は本投資法人、DOI、JRH、DRP、DHP若しくはDLPが取得の優先権を行使しないと判断した物件を取得する場合を除き、新規物件取得に関する助言は行わないこととしています。また、投資助言業務の顧客である投資ヴィークル・組合等と本投資法人との間の物件取引を制限することにより、利益相反が生ずる場面を極力回避しています。
上記以外にも、資産運用会社は、本投資法人以外の投資法人又は不動産ファンド等の資産運用業務を受託することが可能となっています。資産運用会社の顧客である他の投資法人又は不動産ファンド等と本投資法人が、特定の資産の賃貸借、取得又は処分に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず当該他の投資法人又は不動産ファンド等の利益を優先し、あるいはかかる取扱いをしない場合においても、同一の資産運用会社が運用する投資法人及び不動産ファンド等において取得機会が競合する結果、本投資法人の資産の賃貸借や取得又は処分に悪影響を及ぼす可能性があります。この点に関しては、投資一任業務の投資対象を主たる用途がヘルスケア施設以外である不動産等とすること、又は投資一任業務の投資対象を主たる用途がヘルスケア施設である不動産等とする場合であっても、本投資法人が取得の優先権を行使しないと判断した場合に限り、当該不動産等を取得するとすることで、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、利益相反が生じることを防止しています。
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられています(金融商品取引法第42条)。更に、資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を担当する部署を投資助言業務及び投資一任業務を担当する部署とは別の部署とした上で、双方の部署がそれぞれ有する情報を適切に管理することにより、上記のような弊害の未然防止に努めています。
兼業業務による弊害が生じないよう、上記のような措置がとられていますが、これらの措置が適切に運用されない場合には、本投資法人及び投資主に損害が発生する可能性があります。
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
本投資口及び本投資法人債の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象になっています。
本投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらすおそれがあります。
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資口について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運用形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券を投資対象とします。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」及び「(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、当該行政法規の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証や建物が適正に施工されているとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵の存在等が取得後に判明するおそれもあります(建物の施工を請負った建設会社又はその下請業者において、建物が適正に施工されない場合があり得るほか、建築資材の強度・機能等の不具合や基準への不適合がないとの保証はありません。)。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。更に、取得資産の売主は、いずれも主として不動産信託受益権の保有のみを目的とする法人で契約上瑕疵担保責任を負うこととされている場合であっても、瑕疵担保責任を負担するに足りる資力を有しない可能性があります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。隣地との越境や境界紛争に起因して損害賠償を請求される可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)土地の境界等に関するリスク
我が国においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約リスク、更新がなされないリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に、又は経済情勢に応じて、見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃借人との交渉によって市場実勢に合わせた賃料の増額が実現できる保証はなく、他方、賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、前記「(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク」と同様、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価値が下落する可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。本投資法人はいわゆる新耐震基準を満たさない既存不適格物件を取得する可能性があります。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致させる必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づく建築物移動等円滑化基準への適合義務、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下同じです。)又は地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。以下同じです。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず保有不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法又は収用、再開発若しくは区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事を実施したり、排出権などを取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、当該不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、不動産の取得時において、売主とその前所有者の間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主とその前所有者の間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ヌ)マスターリースに関するリスク
本投資法人が運用する不動産は、本投資法人以外のマスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者(賃貸人)とマスターリース契約を締結した上でエンドテナント(転借人)に対して転貸する、マスターリースの形態をとる場合があります。
このようなマスターリースの形態をとる不動産においては、マスターレッシーの財務状態が悪化した場合、エンドテナントからマスターレッシーに賃料が支払われたにもかかわらず、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヲ)ヘルスケア施設に対する投資の特性及びオペレーターに関するリスク
a.ヘルスケア施設の市場環境に関するリスク
前記「1 投資法人の概況 (2)投資法人の目的及び基本的性格 ② 投資法人の特色 (ロ)ヘルスケア施設を取り巻く状況」に記載のとおり、本投資法人は、高齢化率の上昇及び高齢者の一人暮らし人口の増加が見込まれる一方で、それに伴い不足する高齢者向け住宅の拡充の必要性という社会的需要等を背景として、ヘルスケア施設の供給が増加するものと考えていますが、本投資法人の想定どおりにヘルスケア施設の供給が増加する保証はなく、したがってこれを前提とする本投資法人の成長戦略の実現が困難となる可能性があります。
また、ヘルスケア施設の取得競争は激化しており、ヘルスケア施設の供給が増加する場合であっても、本投資法人が適正と判断する時期・条件でヘルスケア施設を取得できる保証はなく、また、前記「1 投資法人の概況 (2)投資法人の目的及び基本的性格 ② 投資法人の特色 (ヘ)本投資法人の果たす役割」に記載のアセットサイクル、グロースサイクル及びナレッジサイクルの形成を通じて業界における主導的な地位を確立できる保証もありません。
b.ヘルスケア施設に対する投資特性に関するリスク
ヘルスケア施設は、設備の陳腐化、所在地における交通環境・周辺環境・人口動態の変化、類似施設との競合、機械化が難しいサービスを提供する従業員の確保の失敗等によるサービスの質の低下、食中毒・集団感染などの事故の発生、入居者情報の漏洩、従業員による入居者に対する虐待、オペレーター又は施設に対する不利益な情報や風評の流布、その他様々な要素により、本投資法人、資産運用会社又はオペレーターの故意・過失に起因するか否かにかかわらず、集客力が低下し、その収益性や資産価値が悪影響を受ける可能性があります。
ヘルスケア施設においては、テナントであるオペレーターは入居者から一定の入居一時金又は前受家賃を収受する場合があります。入居一時金は、ヘルスケア施設毎に定められている償却期間・償却率によって償却され、入居者が償却期間内に退去する場合には、残存額が返還されることになります。前受家賃はヘルスケア施設毎に定められている規定に従って、入居者が償却期間内に退去する場合には、残存額が返還されることになります。本投資法人は、原則として、ヘルスケア施設を取得するに際し、入居契約、並びに入居一時金及び前受家賃の返還債務を承継せず、入居一時金等はオペレーターのみにより管理されますが、オペレーターと入居者の間で賃貸借契約が締結され又は賃貸借契約が成立していると評価される場合には、オペレーターから当該物件を取得することにより本投資法人又は信託受託者が賃貸人としての地位を承継し、オペレーターへの賃貸借を通じた入居者への転貸借に関する賃貸人たる地位の承継について入居者の同意を取得できない場合には、本投資法人が賃貸人として入居一時金等の返還債務を承継することとなります。また、オペレーターの事業内容又は財務内容が悪化した場合において、本来は本投資法人が債務を負担していないにもかかわらず、当該ヘルスケア施設に係る代替テナントの確保や本投資法人のレピュテーション維持その他の観点から、本投資法人において入居一時金残額の返還等の負担を余儀なくされる可能性があります。
また、ヘルスケア施設は、建物の構造、間取り、付帯施設、立地、建築基準法による制限等の点で、特異な建物の構造や設備を有することが多いことから、将来テナントが退去した際に、他の用途の建物への転用に費用負担が必要となり、また、転用できない場合には、用途が限定されているために購入先が限られることから想定した時期・価格で売却できない可能性があり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすおそれがあります。ヘルスケア施設では、固定資産に区分される建物、付属設備等だけでなく、家具、什器、備品、装飾品及び厨房機器等の償却資産についても、その定期的な更新投資がヘルスケア施設の競争力維持のために不可欠となります。本投資法人が施設及び設備の運営維持費並びにその更新投資に関する費用を負担すべき場合で、かかる費用がヘルスケア施設からの収益に比べ過大な場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、施設及び設備の更新投資がヘルスケア施設のオペレーター負担である場合であっても、当該オペレーターがその運営方針として本投資法人が必要と考える更新投資を行わない場合があり、また、当該オペレーターの信用力によっては、適切な更新投資を行うことができない可能性もあり、その結果、施設の競争力が低下し、当該施設の収益に悪影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。かかる場合、施設の競争力の低下を防止するために、本投資法人の負担において更新投資をせざるを得なくなる可能性があります。
また、ヘルスケア施設に関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等がヘルスケア施設の運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に悪影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性や、本投資法人の成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
c.オペレーターに関するリスク
本投資法人は、ヘルスケア施設の取得に当たり、そのテナントであるオペレーターの運営力、信用力等を重視し、そのサービスの質及び種類並びに長期的な信用力をデューデリジェンスを通じて慎重に確認した上で取得する方針ですが、オペレーターが期待どおりの運営成績を実現できる保証はありません。本投資法人は、その保有するヘルスケア施設について、原則として、オペレーターが固定金額の賃料を支払うことを内容とする長期の賃貸借契約を締結する方針であり、オペレーターによるヘルスケア施設の運営管理が適切に行われなかった場合その他オペレーターが十分なサービスを提供しない場合であってもオペレーターとの間の賃貸借契約を適時に終了させることができない場合があり、その結果、当該施設及び本投資法人のレピュテーションを損ない、また、当該施設の収益性や資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ヘルスケア施設について、法令上の規制・ノウハウ・財務体質等の各種要請から、オペレーター候補となりうる事業者は限定されており、更にオペレーターの変更については行政上の手続が必要となり当該手続につき既存のオペレーターの協力が必要となります。したがって、テナントであるオペレーターとの間の賃貸借契約が終了し若しくは終了させるべき事由が発生した場合であっても、機動的にオペレーターを変更することができず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、オペレーターによる施設運営の継続が困難となった場合やそのおそれが生じた場合に備えて、一定のオペレーターとの間で、本投資法人が対象施設の運営及び賃貸借契約の締結を依頼した場合に、当該各オペレーターはかかる依頼について誠実に協議する旨の運営のバックアップに関する協定を締結していますが、当該協定には法的拘束力がなく、また、あくまで本投資法人の依頼について誠実に協議することについて合意するに留まりますので、かかる協定によりオペレーターの円滑な変更及びヘルスケア施設の運営の承継が保証されているわけではありません。また、今後、当該協定を締結しているオペレーターの意向により、その内容が変更又は破棄される可能性もあります。また、本投資法人が保有する特定のヘルスケア施設につき、当該施設のオペレーターによる施設運営の継続が困難となった場合やそのおそれが生じた場合に備えて、運営のバックアップに関する協定とは別に、特定のオペレーターとの間で、いわゆるバックアップ・オペレーターとして、かかる場合に新たにオペレーターとして当該施設を賃借し運営する旨の合意を行う場合がありますが、かかるバックアップ・オペレーターへの施設運営の承継が円滑に行えるとの保証はなく、また、施設運営の承継がなされた場合においても当該施設の収益性が低下しないとの保証もありません。
ヘルスケア施設の収益性及び資産価値は、オペレーターの信用力、運営力、経験及びノウハウ並びにこれらを通じた本投資法人が所有するヘルスケア施設の入居者の満足度の維持・向上等に依存するところが大きいと考えられますが、オペレーターが業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を維持できるとの保証はありません。また、本投資法人の保有するヘルスケア施設のオペレーターやその属する企業集団における他のオペレーターにつき、本投資法人が保有する施設であるか否かにかかわらず、業務の懈怠その他義務違反があった場合、食中毒や集団感染などの事故の発生、入居者の転倒事故、入居者情報の漏洩、従業員による入居者への虐待その他の問題が生じた場合や、オペレーター若しくはその属する企業集団又はそれらの施設に対する不利益な情報や風評が流れた場合、当該オペレーター又はその属する企業集団における他のオペレーターが業務停止その他の行政処分を受けた場合等には、当該オペレーターが運用する本投資法人が保有するヘルスケア施設の運営に重大な支障が生じる可能性があり、ヘルスケア施設の収益性及び資産価値、ひいては本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、オペレーターやオペレーターが属する企業集団の組織再編や株式譲渡等により、オペレーターの変更又はオペレーターの親会社の異動が生じた場合、オペレーターの信用力や運営力、ひいては本投資法人が保有するヘルスケア施設のレピュテーション、収益性及び資産価値に影響を及ぼす可能性があります。
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定める暴力団、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。以下同じです。)の規制対象となる風俗営業者である場合には、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(カ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び当該分割請求において、現物分割が不可能又は分割によりその価格を著しく減少させるおそれがあるときには、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、特約の有効期間(5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その特約が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されており、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権と解されるおそれがあり、また、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押えられたり、賃借人に対する敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。
区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができるため、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権を処分するに際し、他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。これらの場合、本投資法人は、他の区分所有者に係る立替払金の償還を請求することができ、かかる請求権については区分所有法第7条により担保権(先取特権)が与えられていますが、当該他の区分所有者の資力の如何によっては、償還を受けることができない可能性があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。但し、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができません(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないとき又は抵当権等の実行が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合には、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払があらかじめ約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上、借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(タ)借地物件に関するリスク」の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、将来、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するためにあらかじめ開発段階で売買契約を締結する可能性があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地等の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。更に、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。更に、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形態で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を保有するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、原則として、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は、原則として債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、株式や社債のような典型的な有価証券ほどの流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。以下「旧信託法」といいます。)の解釈上及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。以下「新信託法」といいます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負った場合には、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有持分を処分するに際し、他の準共有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履行義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が準共有持分を処分する際に事前に優先交渉を他の準共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。その他、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に代金支払い・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。かかる売買契約が、買主の都合により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負うことになります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることもあります。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、代金支払い・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪影響を受ける可能性があります。
2019年11月19日付で締結した取得予定資産に係る売買契約は、フォワード・コミットメント等に該当します。当該売買契約においては、以下の規定又はこれに準じる内容の規定が置かれています。
・当該売買契約上、本投資法人の義務は、必要な資金の調達を完了したこと及び2019年11月19日付で日本賃貸住宅投資法人との間で契約を締結した合併の効力が発生すること等が前提条件とされています。売買契約上、かかる条件が成就しない場合、本投資法人は、売買代金の支払義務等を履行しないことにより売主に生じる損害等を補償する責任を一切負わないものとされています。
・当該売買契約において、いずれかの当事者が当該売買契約の条項に違反したとき(以下、かかる当事者を「違反当事者」といいます。)は、相手方当事者は、当該売買契約を解除することができ、かかる場合、相手方当事者は、違反当事者に対して違約金として売買代金の20パーセント相当額を請求できるものとされています。
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い」に記載する配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、計算期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の異動・減少、海外投資主比率の増加、資金の調達先、分配金支払原資の制限・不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない計算期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記(ホ) 「同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により導管性要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資口の市場価格に影響を及ぼすこともあります。
なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照下さい。
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
導管性要件のうち、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に規定する配当可能利益の額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。したがって、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる計算期間が生じる場合があり得ます。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の計算期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入れを行う場合には投資法人が租税特別措置法に規定する機関投資家以外の者から借入れを行っていないことという要件があります。したがって、本投資法人が何らかの理由により上記機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入れ又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の金額が租税特別措置法施行令に規定する配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
各計算期間毎に判定を行う導管性要件のうち、計算期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令で定めるものに該当していないこと(発行済投資口の総口数又は一定の議決権総数の50%超が1人の投資主グループによって保有されていないこと等)とする要件、すなわち、同族会社要件については、本投資口が市場で流通することにより、公開買付等により、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる計算期間が生じるリスクがあります。
本投資法人が同族会社要件を満たさなくなった場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
税法上、導管性要件のひとつに、計算期間末において投資法人の投資口が租税特別措置法に規定する機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(上記機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の日付現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る配当等の額、税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日。その後の改正を含みます。以下同じです。)が、2005年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されており、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用により、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。かかる場合には、遅延納付となった税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した計算期間の投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産の価格調査による調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物調査診断報告書及び地震リスク分析レポート等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の、予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
また、本投資法人は、ヘルスケア施設の取得に当たり、原則として、ヘルスケア分野における事業面、財務面等に関する助言実績を有する外部の調査会社が作成するマーケットレポートを取得し、投資対象資産周辺の高齢者人口の状況、施設の供給状況、投資対象資産に係る介護・医療サービス提供の体制及び内容、並びに設備及び稼働状況等を競合施設と比較検討することで、オペレーターの現在及び将来の市場競争力についても検討を行うこととしています。しかしながら、かかるマーケットレポートにより提示される外部の調査会社による分析、情報等は、個々の調査会社の分析に基づく、当該レポートの作成基準時点における分析に基づく意見を示したものに留まり、客観的に適正な投資対象周辺エリアの設定やその分析を示している保証はありません。
(ロ)投資主優待制度に関するリスク
本投資法人は、現在の法令、税務の取扱い、優待の内容及び利用状況の推定等を踏まえた本投資法人が取得し又は今後取得する物件に係るオペレーターとの合意を前提に、投資主優待制度を導入しています。したがって、これらの前提条件に変更がある場合、本投資主優待制度の内容等が変更され、又は実施が停止される場合があります。
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により売買契約において定められた前提条件が成就しない場合等においては、2019年11月19日付で売買契約を締結した取得予定資産の取得を実行することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、短期間に物件を取得することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
(ニ)本投資法人の合併に向けた一連の取組みに関するリスク
本投資法人は、2019年11月19日付で、JRHとの間で、合併契約を締結していますが、本合併が実現する保証はありません。また、今後の協議・検討の過程において本合併の諸条件が変更される可能性があります。本合併が実現しなかった場合や、本合併の諸条件が変更された場合には、本投資口の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
また、本合併が実現した場合においても、本投資法人が本合併及びこれに関連する一連の取引において企図した目的を達成できる保証はありません。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき適法に設立されており、執行役員1名及び監督役員2名並びにすべての執行役員及び監督役員により構成される役員会により運営され、原則として毎月1回の頻度で開催される役員会で、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の重要な業務遂行状況の報告を行っています。
この報告により、資産運用会社又はその利害関係者等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務遂行状況を適時に監視できる体制を維持しています。
本投資法人は、役員会において内部者取引管理規程を定め、インサイダー取引の防止に努めています。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、取締役会においてリスク管理規程を定め、各種リスク管理を行うため、取締役の中から代表取締役が指名する者をリスク管理統括責任者として任命し、各部の部長をリスク管理責任者としています。これによりリスクを総合的に管理できる体制を整備しています。リスク管理統括責任者は、リスク管理の状況について少なくとも3ヶ月に1回、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告しています。コンプライアンス委員会には、外部から招聘したコンプライアンスに精通した社外専門家が参加しており、これにより一定の外部牽制機能を確保しています。なお、コンプライアンス委員会及び取締役会は、原則として1ヶ月に1回開催され、必要に応じて随時リスク管理統括責任者に報告を求めることができることになっています。
資産運用会社は、コンプライアンス規程等を定めて、法令等の遵守、受託者としての善管注意義務及び忠実義務を果たすよう最善の努力を図っています。
また、内部者取引管理規程及び役職員の有価証券の売買に関する規程を整備し、資産運用会社の役職員によるインサイダー取引の防止に努めています。
以下には、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)及び本投資法人の投資法人債(以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。なお、本投資法人は本書の日付現在において投資法人債を発行していませんが、今後投資法人債を発行する場合があることから、本投資法人債への投資に係るリスク要因も併せて記載しています。但し、以下は本投資口及び本投資法人債への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している個別の不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ル)個別信託不動産の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債の市場価格は下落する可能性があり、その結果として、本投資口又は本投資法人債の投資家が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資口又は本投資法人債の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資口の市場性に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資法人債の償還・利払に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象をヘルスケア施設に限定していることによるリスク
(ロ)投資対象不動産が地域的に偏ることに関するリスク
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ)土地の境界等に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ヌ)マスターリースに関するリスク
(ル)転貸に関するリスク
(ヲ)ヘルスケア施設に対する投資の特性及びオペレーターに関するリスク
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ)共有物件に関するリスク
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
(タ)借地物件に関するリスク
(レ)借家物件に関するリスク
(ソ)開発物件に関するリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
(ロ)投資主優待制度に関するリスク
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ニ)本投資法人の合併に向けた一連の取組みに関するリスク
① 本投資口又は本投資法人債の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債の市場価格の変動に関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換価する手段は、本投資口の売却に限定されます。
本投資口の市場価格は、本投資口が上場している東京証券取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。本投資口又は本投資法人債の市場価格は、国内外の金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。また、本投資法人はヘルスケア施設に特化しているため、本投資口の市場価格が他の投資法人の投資口とは異なる要因の影響を受けて変動する可能性があります。本投資法人若しくは資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資口又は本投資法人債の市場価格が下落することがあります。
本投資口又は本投資法人債の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資口又は本投資法人債を取得した価額で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資口の市場性に関するリスク
本投資口は、投資主の希望する時期や条件で取引できる保証も、常に買主が存在するとの保証もなく、譲渡価格を保証する第三者も存在しません。また、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資口の上場が廃止されます。本投資口の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資口の東京証券取引所における売却が困難若しくは不可能となった場合には、投資主は、本投資口を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損失を被る可能性があります。なお、本投資法人が投資法人債を発行した場合について、本投資法人債には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。また、本投資法人は、利益の範囲内で行う金銭の分配に加え、前記「1 投資法人の概況 (1)主要な経営指標等の推移 ③次期の見通し (ロ)今後の運用方針及び対処すべき課題 d.投資主に配慮した投資主還元策の設定 (ⅰ)利益を超える金銭の分配(利益超過分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し))の実施」に記載の方針に従い、継続的に利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行う方針を採用しています。当該利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行うに当たり、本投資法人では、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額を勘案し、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払い等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案し、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した上で、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、毎計算期間における減価償却費の40%を上限として利益超過分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を継続して実施する方針としています。
しかしながら、上記の方針にかかわらず、経済環境、不動産市場の動向、保有資産の状況及び財務の状況等によっては、利益を超える金銭の分配の額が変動する可能性や、利益を超える金銭の分配を一切行わない可能性があり、この場合には、投資主が利益を超える金銭の分配を踏まえて期待した投資利回りを得られない可能性があります。また、利益を超える金銭の分配の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。我が国の不動産投資信託証券市場(J-REIT市場)においては、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行う方針としている投資法人は少ないため、本投資法人の分配方針が市場においていかなる評価を受けるかは明らかでありません。また、投資法人の利益を超える金銭の分配に関する投信協会の規則等につき将来新たな改正が行われる場合には、改正後の投信協会の規則等に従って利益を超える金銭の分配を行う必要があることから、これを遵守するために、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)の額が本書記載の方針による金額と異なる可能性や、利益を超える金銭の分配を一時的に、又は長期にわたり行うことができなくなる可能性があります。
なお、本合併後の存続法人であるJRHにおいては、ポートフォリオの属性及び本合併に伴い計上する予定の負ののれんや既存の負ののれんの活用が可能であると考えられることに鑑み、当面の間、利益を超える金銭の分配を行うことは予定していません。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、賃貸借契約の終了等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ)賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、改修工事等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資口の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対しては、その期における投資口保有期間が異なるにもかかわらず、当該計算期間の期首から存在する投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
更に、追加発行の結果、本投資口1口当たりの価値に影響を与える可能性があります。
(ヘ)投資法人債の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じる可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象をヘルスケア施設に限定していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、主たる用途をヘルスケア施設(主たるタイプを有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅とする建物を含みますがこれらに限られません。)とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産をその投資対象としています。したがって、本投資法人の運用成績は、ヘルスケア施設需要と供給の関係、ヘルスケア施設に関連する法令、ガイドライン、介護保険等の制度改正等、ヘルスケア施設の収益性に影響を及ぼす要因により影響を受ける可能性があり、かかる要因等により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)投資対象不動産が地域的に偏ることに関するリスク
本投資法人が保有する不動産が、一定の地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、賃料水準の下落等が、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、スポンサー・サポート契約を締結しており、同社から提供される物件等に関する情報に基づく物件取得の機会を活用することを検討しています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、資産運用会社に物件等に関する情報の提供を受ける権利を与えるものにすぎず、大和証券グループ本社は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで確保されているわけではありません。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、またポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上のため適切であると考える場合には、迅速な外部成長を達成するために、他の投資法人との合併による外部成長手段を用いることを排除するものではありません。
かかる合併が行われた場合、運用ガイドラインに定めるポートフォリオ構築方針とは異なる資産構成になることや本投資法人の財務状況に変動が生じる可能性があります。更に、合併により本投資法人が企図するシナジー効果又は費用削減の効果等のメリットが得られず、また、合併の条件によっては本投資法人の投資主の持分が希薄化される可能性もあり、結果として、投資主に損害を及ぼす可能性があります。
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人は、保有する運用資産又はその原資産の全部又は一部を担保に供しており、今後、新規の借入れ又は既存の借入れについて新たに担保に供することがあります。この場合、本投資法人は、被担保債権を弁済しない限り、担保対象たる運用資産を処分し、又は運用不動産たる建物の建替等を行うに当たり、貸付人の承諾を取得する等の制限を受ける場合があります。その結果、本投資法人が必要とする時期や売却価格を含む条件で運用資産や運用不動産を処分等できないおそれがあります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合に出資する場合、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上に適切であると考える場合には、外部成長を達成するために、不動産を担保としている金銭債権及び不動産信託受益権を担保としている金銭債権を信託する信託受益権又は担保とする債券(以下「金銭債権等」といいます。)に投資を行うことがあります。かかる投資が行われた場合、金銭債権等の債務者から直接に担保としている不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
一方、金銭債権等の評価が下落した場合には、会計上の評価損が発生する可能性や、当該金銭債権等の回収を行う場合に、当初投資した金額未満しか回収することができず、投資損失が発生する可能性があります。また、投資した金銭債権等が債務不履行により予定された金利・信託配当等を受け取れなくなる可能性があります。
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合、本投資法人の投資を特定目的会社が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、特定目的会社の保有する不動産等が想定した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により、本投資法人が投資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、優先出資証券への投資は、特定目的会社が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証がない場合があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
大和証券グループ本社は、本書の日付現在、資産運用会社の発行済株式のすべてを保有しており、資産運用会社の親会社に該当します。大和証券グループ本社の子会社である大和証券株式会社は資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、また、資産運用会社の取締役の一部及び監査役には、同社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。更に、資産運用会社は、大和証券グループ本社とスポンサー・サポート契約を締結しています(スポンサー・サポート契約については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ② 本投資法人及び本投資法人の関係法人の運営上の役割、名称及び関係業務の概要」をご参照下さい。)。
すなわち、本投資法人及び資産運用会社は、大和証券グループ本社と密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いといえます。
したがって、本投資法人及び資産運用会社が大和証券グループ本社との間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人及び資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンドとの間で取引を行う場合や物件を共同して運用・維持する場合、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンドの利益を図るために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、すべての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、資産運用会社の役職員には、大和証券グループ本社の子会社である大和証券株式会社からの出向者である者及び大和証券グループ本社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。また、資産運用会社の役職員は、大和証券グループ本社の株式を取得することがあります。このため、大和証券グループ本社を含む大和証券グループと本投資法人の間に利益相反関係が生ずる場面では、資産運用会社の当該役職員と本投資法人との間でも同様に利益相反関係が生じる可能性があります。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の維持・向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、資産運用会社は、本投資法人の運用に当たりAIPヘルスケアジャパンとアドバイザリー契約を締結していますが、同社とのアドバイザリー契約が解除された場合等においては、資産運用会社がヘルスケア施設の運営・取得について知見を有する者から十分な情報提供や支援等を受けることができなくなり、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、AIPヘルスケアジャパンによるヘルスケア施設の運用実績は、本投資法人としての今後の運用実績を保証するものではありません。
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の執行役員及び資産運用会社の個々の人材の能力、経験、ノウハウに大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、又は将来的に必要とされる人材が確保できない場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
資産運用会社は、本投資法人の資産の運用に加えて、クローズド・エンド型の上場不動産投資法人である大和証券オフィス投資法人(DOI)及び日本賃貸住宅投資法人(JRH)の資産の運用を受託しています。DOIの投資対象はオフィスであり、JRHの投資対象は主たる用途を居住用施設(賃貸住宅)とする不動産等であるため、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることはありません。
また、資産運用会社は、非上場のオープン・エンド型不動産投資法人である大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人(DRP)、大和証券ホテル・プライベート投資法人(DHP)及び大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人(DLP)の資産の運用を受託しています。DRPの投資対象は主たる用途を居住用施設(高齢者を入居・利用の対象としたヘルスケア施設を除きます。)とする不動産等であり、DHPの投資対象は主たる用途を宿泊用施設(主たる用途が居住用施設であるものを宿泊用に提供するものは含みません。)とする不動産等でありDLPの投資対象は、主たる用途を物流施設とする不動産等であるため、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることはありません。
更に、資産運用会社は、その業務の一部として、投資助言業務を提供しています。投資助言業務における顧客と本投資法人が、特定の資産の賃貸借、取得又は処分に関して競合する場合において、本投資法人の投資運用業に際して取得したテナントや物件等に関する情報を本投資法人のために利用せず投資助言業務の顧客に提供する等、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、投資助言業務における顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。資産運用会社は、これら利益相反その他の弊害の防止を目的として、適切かつ合理的な措置を講じるよう努めています。具体的には、資産運用会社は、同社の社内規程において、投資助言業務においては、本投資法人、DOI、JRH、DRP、DHP若しくはDLPの運用対象とはならない物件を取得する場合、又は本投資法人、DOI、JRH、DRP、DHP若しくはDLPが取得の優先権を行使しないと判断した物件を取得する場合を除き、新規物件取得に関する助言は行わないこととしています。また、投資助言業務の顧客である投資ヴィークル・組合等と本投資法人との間の物件取引を制限することにより、利益相反が生ずる場面を極力回避しています。
上記以外にも、資産運用会社は、本投資法人以外の投資法人又は不動産ファンド等の資産運用業務を受託することが可能となっています。資産運用会社の顧客である他の投資法人又は不動産ファンド等と本投資法人が、特定の資産の賃貸借、取得又は処分に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず当該他の投資法人又は不動産ファンド等の利益を優先し、あるいはかかる取扱いをしない場合においても、同一の資産運用会社が運用する投資法人及び不動産ファンド等において取得機会が競合する結果、本投資法人の資産の賃貸借や取得又は処分に悪影響を及ぼす可能性があります。この点に関しては、投資一任業務の投資対象を主たる用途がヘルスケア施設以外である不動産等とすること、又は投資一任業務の投資対象を主たる用途がヘルスケア施設である不動産等とする場合であっても、本投資法人が取得の優先権を行使しないと判断した場合に限り、当該不動産等を取得するとすることで、主たる用途をヘルスケア施設とする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、利益相反が生じることを防止しています。
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられています(金融商品取引法第42条)。更に、資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を担当する部署を投資助言業務及び投資一任業務を担当する部署とは別の部署とした上で、双方の部署がそれぞれ有する情報を適切に管理することにより、上記のような弊害の未然防止に努めています。
兼業業務による弊害が生じないよう、上記のような措置がとられていますが、これらの措置が適切に運用されない場合には、本投資法人及び投資主に損害が発生する可能性があります。
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
本投資口及び本投資法人債の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象になっています。
本投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらすおそれがあります。
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資口について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運用形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券を投資対象とします。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」及び「(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、当該行政法規の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証や建物が適正に施工されているとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵の存在等が取得後に判明するおそれもあります(建物の施工を請負った建設会社又はその下請業者において、建物が適正に施工されない場合があり得るほか、建築資材の強度・機能等の不具合や基準への不適合がないとの保証はありません。)。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。更に、取得資産の売主は、いずれも主として不動産信託受益権の保有のみを目的とする法人で契約上瑕疵担保責任を負うこととされている場合であっても、瑕疵担保責任を負担するに足りる資力を有しない可能性があります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。隣地との越境や境界紛争に起因して損害賠償を請求される可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)土地の境界等に関するリスク
我が国においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約リスク、更新がなされないリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下同じです。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に、又は経済情勢に応じて、見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃借人との交渉によって市場実勢に合わせた賃料の増額が実現できる保証はなく、他方、賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、前記「(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク」と同様、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価値が下落する可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。本投資法人はいわゆる新耐震基準を満たさない既存不適格物件を取得する可能性があります。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致させる必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づく建築物移動等円滑化基準への適合義務、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下同じです。)又は地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。以下同じです。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず保有不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法又は収用、再開発若しくは区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事を実施したり、排出権などを取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、当該不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、不動産の取得時において、売主とその前所有者の間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主とその前所有者の間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ヌ)マスターリースに関するリスク
本投資法人が運用する不動産は、本投資法人以外のマスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者(賃貸人)とマスターリース契約を締結した上でエンドテナント(転借人)に対して転貸する、マスターリースの形態をとる場合があります。
このようなマスターリースの形態をとる不動産においては、マスターレッシーの財務状態が悪化した場合、エンドテナントからマスターレッシーに賃料が支払われたにもかかわらず、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヲ)ヘルスケア施設に対する投資の特性及びオペレーターに関するリスク
a.ヘルスケア施設の市場環境に関するリスク
前記「1 投資法人の概況 (2)投資法人の目的及び基本的性格 ② 投資法人の特色 (ロ)ヘルスケア施設を取り巻く状況」に記載のとおり、本投資法人は、高齢化率の上昇及び高齢者の一人暮らし人口の増加が見込まれる一方で、それに伴い不足する高齢者向け住宅の拡充の必要性という社会的需要等を背景として、ヘルスケア施設の供給が増加するものと考えていますが、本投資法人の想定どおりにヘルスケア施設の供給が増加する保証はなく、したがってこれを前提とする本投資法人の成長戦略の実現が困難となる可能性があります。
また、ヘルスケア施設の取得競争は激化しており、ヘルスケア施設の供給が増加する場合であっても、本投資法人が適正と判断する時期・条件でヘルスケア施設を取得できる保証はなく、また、前記「1 投資法人の概況 (2)投資法人の目的及び基本的性格 ② 投資法人の特色 (ヘ)本投資法人の果たす役割」に記載のアセットサイクル、グロースサイクル及びナレッジサイクルの形成を通じて業界における主導的な地位を確立できる保証もありません。
b.ヘルスケア施設に対する投資特性に関するリスク
ヘルスケア施設は、設備の陳腐化、所在地における交通環境・周辺環境・人口動態の変化、類似施設との競合、機械化が難しいサービスを提供する従業員の確保の失敗等によるサービスの質の低下、食中毒・集団感染などの事故の発生、入居者情報の漏洩、従業員による入居者に対する虐待、オペレーター又は施設に対する不利益な情報や風評の流布、その他様々な要素により、本投資法人、資産運用会社又はオペレーターの故意・過失に起因するか否かにかかわらず、集客力が低下し、その収益性や資産価値が悪影響を受ける可能性があります。
ヘルスケア施設においては、テナントであるオペレーターは入居者から一定の入居一時金又は前受家賃を収受する場合があります。入居一時金は、ヘルスケア施設毎に定められている償却期間・償却率によって償却され、入居者が償却期間内に退去する場合には、残存額が返還されることになります。前受家賃はヘルスケア施設毎に定められている規定に従って、入居者が償却期間内に退去する場合には、残存額が返還されることになります。本投資法人は、原則として、ヘルスケア施設を取得するに際し、入居契約、並びに入居一時金及び前受家賃の返還債務を承継せず、入居一時金等はオペレーターのみにより管理されますが、オペレーターと入居者の間で賃貸借契約が締結され又は賃貸借契約が成立していると評価される場合には、オペレーターから当該物件を取得することにより本投資法人又は信託受託者が賃貸人としての地位を承継し、オペレーターへの賃貸借を通じた入居者への転貸借に関する賃貸人たる地位の承継について入居者の同意を取得できない場合には、本投資法人が賃貸人として入居一時金等の返還債務を承継することとなります。また、オペレーターの事業内容又は財務内容が悪化した場合において、本来は本投資法人が債務を負担していないにもかかわらず、当該ヘルスケア施設に係る代替テナントの確保や本投資法人のレピュテーション維持その他の観点から、本投資法人において入居一時金残額の返還等の負担を余儀なくされる可能性があります。
また、ヘルスケア施設は、建物の構造、間取り、付帯施設、立地、建築基準法による制限等の点で、特異な建物の構造や設備を有することが多いことから、将来テナントが退去した際に、他の用途の建物への転用に費用負担が必要となり、また、転用できない場合には、用途が限定されているために購入先が限られることから想定した時期・価格で売却できない可能性があり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすおそれがあります。ヘルスケア施設では、固定資産に区分される建物、付属設備等だけでなく、家具、什器、備品、装飾品及び厨房機器等の償却資産についても、その定期的な更新投資がヘルスケア施設の競争力維持のために不可欠となります。本投資法人が施設及び設備の運営維持費並びにその更新投資に関する費用を負担すべき場合で、かかる費用がヘルスケア施設からの収益に比べ過大な場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、施設及び設備の更新投資がヘルスケア施設のオペレーター負担である場合であっても、当該オペレーターがその運営方針として本投資法人が必要と考える更新投資を行わない場合があり、また、当該オペレーターの信用力によっては、適切な更新投資を行うことができない可能性もあり、その結果、施設の競争力が低下し、当該施設の収益に悪影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。かかる場合、施設の競争力の低下を防止するために、本投資法人の負担において更新投資をせざるを得なくなる可能性があります。
また、ヘルスケア施設に関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等がヘルスケア施設の運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に悪影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性や、本投資法人の成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
c.オペレーターに関するリスク
本投資法人は、ヘルスケア施設の取得に当たり、そのテナントであるオペレーターの運営力、信用力等を重視し、そのサービスの質及び種類並びに長期的な信用力をデューデリジェンスを通じて慎重に確認した上で取得する方針ですが、オペレーターが期待どおりの運営成績を実現できる保証はありません。本投資法人は、その保有するヘルスケア施設について、原則として、オペレーターが固定金額の賃料を支払うことを内容とする長期の賃貸借契約を締結する方針であり、オペレーターによるヘルスケア施設の運営管理が適切に行われなかった場合その他オペレーターが十分なサービスを提供しない場合であってもオペレーターとの間の賃貸借契約を適時に終了させることができない場合があり、その結果、当該施設及び本投資法人のレピュテーションを損ない、また、当該施設の収益性や資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ヘルスケア施設について、法令上の規制・ノウハウ・財務体質等の各種要請から、オペレーター候補となりうる事業者は限定されており、更にオペレーターの変更については行政上の手続が必要となり当該手続につき既存のオペレーターの協力が必要となります。したがって、テナントであるオペレーターとの間の賃貸借契約が終了し若しくは終了させるべき事由が発生した場合であっても、機動的にオペレーターを変更することができず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、オペレーターによる施設運営の継続が困難となった場合やそのおそれが生じた場合に備えて、一定のオペレーターとの間で、本投資法人が対象施設の運営及び賃貸借契約の締結を依頼した場合に、当該各オペレーターはかかる依頼について誠実に協議する旨の運営のバックアップに関する協定を締結していますが、当該協定には法的拘束力がなく、また、あくまで本投資法人の依頼について誠実に協議することについて合意するに留まりますので、かかる協定によりオペレーターの円滑な変更及びヘルスケア施設の運営の承継が保証されているわけではありません。また、今後、当該協定を締結しているオペレーターの意向により、その内容が変更又は破棄される可能性もあります。また、本投資法人が保有する特定のヘルスケア施設につき、当該施設のオペレーターによる施設運営の継続が困難となった場合やそのおそれが生じた場合に備えて、運営のバックアップに関する協定とは別に、特定のオペレーターとの間で、いわゆるバックアップ・オペレーターとして、かかる場合に新たにオペレーターとして当該施設を賃借し運営する旨の合意を行う場合がありますが、かかるバックアップ・オペレーターへの施設運営の承継が円滑に行えるとの保証はなく、また、施設運営の承継がなされた場合においても当該施設の収益性が低下しないとの保証もありません。
ヘルスケア施設の収益性及び資産価値は、オペレーターの信用力、運営力、経験及びノウハウ並びにこれらを通じた本投資法人が所有するヘルスケア施設の入居者の満足度の維持・向上等に依存するところが大きいと考えられますが、オペレーターが業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を維持できるとの保証はありません。また、本投資法人の保有するヘルスケア施設のオペレーターやその属する企業集団における他のオペレーターにつき、本投資法人が保有する施設であるか否かにかかわらず、業務の懈怠その他義務違反があった場合、食中毒や集団感染などの事故の発生、入居者の転倒事故、入居者情報の漏洩、従業員による入居者への虐待その他の問題が生じた場合や、オペレーター若しくはその属する企業集団又はそれらの施設に対する不利益な情報や風評が流れた場合、当該オペレーター又はその属する企業集団における他のオペレーターが業務停止その他の行政処分を受けた場合等には、当該オペレーターが運用する本投資法人が保有するヘルスケア施設の運営に重大な支障が生じる可能性があり、ヘルスケア施設の収益性及び資産価値、ひいては本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、オペレーターやオペレーターが属する企業集団の組織再編や株式譲渡等により、オペレーターの変更又はオペレーターの親会社の異動が生じた場合、オペレーターの信用力や運営力、ひいては本投資法人が保有するヘルスケア施設のレピュテーション、収益性及び資産価値に影響を及ぼす可能性があります。
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定める暴力団、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。以下同じです。)の規制対象となる風俗営業者である場合には、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(カ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び当該分割請求において、現物分割が不可能又は分割によりその価格を著しく減少させるおそれがあるときには、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、特約の有効期間(5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その特約が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されており、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権と解されるおそれがあり、また、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押えられたり、賃借人に対する敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。
区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができるため、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権を処分するに際し、他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。これらの場合、本投資法人は、他の区分所有者に係る立替払金の償還を請求することができ、かかる請求権については区分所有法第7条により担保権(先取特権)が与えられていますが、当該他の区分所有者の資力の如何によっては、償還を受けることができない可能性があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。但し、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができません(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないとき又は抵当権等の実行が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合には、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払があらかじめ約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上、借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(タ)借地物件に関するリスク」の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、将来、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するためにあらかじめ開発段階で売買契約を締結する可能性があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地等の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。更に、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。更に、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形態で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を保有するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、原則として、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は、原則として債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、株式や社債のような典型的な有価証券ほどの流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。以下「旧信託法」といいます。)の解釈上及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。以下「新信託法」といいます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負った場合には、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有持分を処分するに際し、他の準共有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履行義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が準共有持分を処分する際に事前に優先交渉を他の準共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。その他、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に代金支払い・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。かかる売買契約が、買主の都合により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負うことになります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることもあります。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、代金支払い・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪影響を受ける可能性があります。
2019年11月19日付で締結した取得予定資産に係る売買契約は、フォワード・コミットメント等に該当します。当該売買契約においては、以下の規定又はこれに準じる内容の規定が置かれています。
・当該売買契約上、本投資法人の義務は、必要な資金の調達を完了したこと及び2019年11月19日付で日本賃貸住宅投資法人との間で契約を締結した合併の効力が発生すること等が前提条件とされています。売買契約上、かかる条件が成就しない場合、本投資法人は、売買代金の支払義務等を履行しないことにより売主に生じる損害等を補償する責任を一切負わないものとされています。
・当該売買契約において、いずれかの当事者が当該売買契約の条項に違反したとき(以下、かかる当事者を「違反当事者」といいます。)は、相手方当事者は、当該売買契約を解除することができ、かかる場合、相手方当事者は、違反当事者に対して違約金として売買代金の20パーセント相当額を請求できるものとされています。
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い」に記載する配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、計算期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の異動・減少、海外投資主比率の増加、資金の調達先、分配金支払原資の制限・不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない計算期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記(ホ) 「同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により導管性要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資口の市場価格に影響を及ぼすこともあります。
なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照下さい。
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
導管性要件のうち、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に規定する配当可能利益の額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。したがって、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる計算期間が生じる場合があり得ます。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の計算期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入れを行う場合には投資法人が租税特別措置法に規定する機関投資家以外の者から借入れを行っていないことという要件があります。したがって、本投資法人が何らかの理由により上記機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入れ又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の金額が租税特別措置法施行令に規定する配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
各計算期間毎に判定を行う導管性要件のうち、計算期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令で定めるものに該当していないこと(発行済投資口の総口数又は一定の議決権総数の50%超が1人の投資主グループによって保有されていないこと等)とする要件、すなわち、同族会社要件については、本投資口が市場で流通することにより、公開買付等により、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる計算期間が生じるリスクがあります。
本投資法人が同族会社要件を満たさなくなった場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
税法上、導管性要件のひとつに、計算期間末において投資法人の投資口が租税特別措置法に規定する機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(上記機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の日付現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る配当等の額、税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日。その後の改正を含みます。以下同じです。)が、2005年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されており、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用により、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。かかる場合には、遅延納付となった税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した計算期間の投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産の価格調査による調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物調査診断報告書及び地震リスク分析レポート等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の、予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
また、本投資法人は、ヘルスケア施設の取得に当たり、原則として、ヘルスケア分野における事業面、財務面等に関する助言実績を有する外部の調査会社が作成するマーケットレポートを取得し、投資対象資産周辺の高齢者人口の状況、施設の供給状況、投資対象資産に係る介護・医療サービス提供の体制及び内容、並びに設備及び稼働状況等を競合施設と比較検討することで、オペレーターの現在及び将来の市場競争力についても検討を行うこととしています。しかしながら、かかるマーケットレポートにより提示される外部の調査会社による分析、情報等は、個々の調査会社の分析に基づく、当該レポートの作成基準時点における分析に基づく意見を示したものに留まり、客観的に適正な投資対象周辺エリアの設定やその分析を示している保証はありません。
(ロ)投資主優待制度に関するリスク
本投資法人は、現在の法令、税務の取扱い、優待の内容及び利用状況の推定等を踏まえた本投資法人が取得し又は今後取得する物件に係るオペレーターとの合意を前提に、投資主優待制度を導入しています。したがって、これらの前提条件に変更がある場合、本投資主優待制度の内容等が変更され、又は実施が停止される場合があります。
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合、その他相手方の事情等により売買契約において定められた前提条件が成就しない場合等においては、2019年11月19日付で売買契約を締結した取得予定資産の取得を実行することができない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、短期間に物件を取得することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
(ニ)本投資法人の合併に向けた一連の取組みに関するリスク
本投資法人は、2019年11月19日付で、JRHとの間で、合併契約を締結していますが、本合併が実現する保証はありません。また、今後の協議・検討の過程において本合併の諸条件が変更される可能性があります。本合併が実現しなかった場合や、本合併の諸条件が変更された場合には、本投資口の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
また、本合併が実現した場合においても、本投資法人が本合併及びこれに関連する一連の取引において企図した目的を達成できる保証はありません。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき適法に設立されており、執行役員1名及び監督役員2名並びにすべての執行役員及び監督役員により構成される役員会により運営され、原則として毎月1回の頻度で開催される役員会で、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の重要な業務遂行状況の報告を行っています。
この報告により、資産運用会社又はその利害関係者等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務遂行状況を適時に監視できる体制を維持しています。
本投資法人は、役員会において内部者取引管理規程を定め、インサイダー取引の防止に努めています。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、取締役会においてリスク管理規程を定め、各種リスク管理を行うため、取締役の中から代表取締役が指名する者をリスク管理統括責任者として任命し、各部の部長をリスク管理責任者としています。これによりリスクを総合的に管理できる体制を整備しています。リスク管理統括責任者は、リスク管理の状況について少なくとも3ヶ月に1回、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告しています。コンプライアンス委員会には、外部から招聘したコンプライアンスに精通した社外専門家が参加しており、これにより一定の外部牽制機能を確保しています。なお、コンプライアンス委員会及び取締役会は、原則として1ヶ月に1回開催され、必要に応じて随時リスク管理統括責任者に報告を求めることができることになっています。
資産運用会社は、コンプライアンス規程等を定めて、法令等の遵守、受託者としての善管注意義務及び忠実義務を果たすよう最善の努力を図っています。
また、内部者取引管理規程及び役職員の有価証券の売買に関する規程を整備し、資産運用会社の役職員によるインサイダー取引の防止に努めています。