有価証券報告書(内国投資証券)-第3期(令和2年12月1日-令和3年5月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、インフラ資産(再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権をいいます。以下同じです。)及びその敷地等(以下、インフラ資産と併せて「インフラ資産等」といいます。なお、以下、本投資法人が投資・取得し運用するものとされるインフラ資産等について言及する場合、「インフラ資産等」にはインフラ関連資産(注1)の裏付けとなるインフラ資産も含むものとします。)の特定資産へ投資し、取得したインフラ資産等を賃貸することによる運用を通じて、安定したキャッシュフロー及び収益を維持するとともに、中長期にわたる持続的な成長戦略を通じて、運用資産の規模拡大や収益の向上を目指します。また、それによって得られた利益を、運用資産の規模拡大及び収益の向上を実現しつつ投資主に最大限還元することを目指す、分配金を重視した運用方針をとることで、安定性と成長性を追求した運用による「投資主利益の最大化」を目指します。
また、本投資法人は、インフラ資産等の中でも、太陽光発電設備等を中心とする再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象として運用することによって、我が国における再生可能エネルギーの導入拡大を通じたクリーンな地球環境への寄与を目指します。再生可能エネルギーは、化石燃料による発電と比較し、発電時にCO2を排出しない方法によるものが多く、また、日本のエネルギー自給率の向上に貢献するものとして、日本にとって重要なエネルギー源として位置づけられているため、我が国における再生可能エネルギーの重要性は引き続き高まっていくことが期待されると同時に、導入量の十分な拡大余地があると考えています。また、その中でも太陽光発電設備等は既稼働案件の売買が多くなされており、他のインフラ資産等に比べて運用実績が蓄積されていることから、当面は太陽光発電設備等に重点投資を行う予定です。将来的には、風力発電設備や地熱発電設備といったインフラ資産等への投資も検討し、多様なポートフォリオの構築を目指します。本投資法人の投資口への投資を通じて、投資主に「社会に求められる良質なESG(注2)投資」を通じた有意義な社会貢献投資の機会を提供できると考えており、外部格付機関からも高い環境評価を得ています。さらに、本投資法人は、その資産運用会社において、透明性の高い組織運営体制をとることで、上述の投資機会を持続的に資本市場へ提供することが可能になると考えており、これを通じて「持続的な社会貢献」を目指します(本投資法人は、このようなコンセプトを『豊かな未来への責任投資』とのキャッチコピーで表現することがあります。)。
(注1) インフラ関連資産の定義は、後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類」をご参照ください。
(注2) ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
a. スポンサー総合力に裏付けられた成長力
本投資法人の資産運用会社であるジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社のスポンサーは、再生可能エネルギー発電事業及びインフラ事業、並びに当該事業に対する金融取引に関する実績が豊富な、丸紅、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の3社であり、本資産運用会社は、スポンサーとの間でそれぞれの多様な特性及び強みを活かすためのスポンサーサポート契約(注)を締結しています。丸紅を中心とするスポンサーグループは、総合商社、又は総合金融グループとして、太陽光発電事業を中心とする再生可能エネルギー発電事業のみならず、インフラ事業を含めて国内外で幅広い実績を有しており、本投資法人は、インフラ事業における豊富な実績・ノウハウと多様なネットワークを有するスポンサーグループの幅広いサポートを基盤として、持続的な資産規模の拡大を目指します。具体的には、スポンサーグループの長年の業歴によって培った経験とノウハウを活かして、スポンサーグループから「豊富な事業実績と経験」に基づいた「サステナビリティへのコミットメント」・「電力・インフラ事業における知見とノウハウ」・「資産運用力」及び「ネットワークと安定性」に資する「資金調達力」・「財務管理ノウハウ」・「物件取得機会」の提供を受けることが可能であると考えています。スポンサーグループにとっても、本投資法人に対して様々な物件情報や技術力、ノウハウ等を提供することにより、インフラ事業及び当該事業に対する金融取引に関する実績を積み重ねていくことが可能となります。このような本投資法人との互恵的協働関係を背景に、スポンサーサポート契約を通じて、スポンサーグループが開発・保有するインフラ資産等に関する物件情報や、スポンサー以外が保有するインフラ資産等に関する物件情報、ウェアハウジング機能、並びにインフラ資産等の運営等に係る関連事業等における支援の提供を受けることができると考えています。
本投資法人を含むインフラファンドにとって、投資対象となり得るインフラ施設は、再生可能エネルギー発電設備等の他に、空港、港湾、高速道路、ガス・石油のパイプライン等多岐にわたります。本投資法人は、当面の間は太陽光発電設備等を中心に投資を行いますが、再生可能エネルギー発電事業及びインフラ事業における豊富な実績・ノウハウと多様なネットワークを有するスポンサーの幅広いサポートを基盤とし、将来的には太陽光発電設備等以外の投資対象資産の取得も検討しながら、持続的な資産規模の拡大を目指します。
(注) 各スポンサーサポート契約の概要については、後記「② 本投資法人の特徴 (イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力 e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」をご参照ください。

b. 長期安定した分配金の仕組みと安定的な財務運営
(ⅰ) 長期安定的な分配金を生み出すストラクチャー
本投資法人が本書の日付現在で保有する25物件は、全て固定価格買取制度(再生可能エネルギー源(注1)を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格(注2)で一定の調達期間(注3)、電気事業者(注4)に買い取ることを義務づける制度をいいます。)が適用される太陽光発電設備等です。
本投資法人は、本投資法人が保有する太陽光発電設備を発電事業者である賃借人SPCに賃貸し、当該賃借人SPCから基本賃料と変動賃料を収受する、安定性とアップサイドを兼ね備えた賃料スキームを採用しています。本投資法人の保有資産の賃借人は、固定の調達価格により売電し、その収入を原資として、本投資法人に対して賃料を支払うため、発電量に大きな変動がない限り、本投資法人は、経済情勢や周辺環境の変化等の影響を受けることなく、賃料の確実な収受を見込むことができます。
さらに、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備の運営実績が豊富なオペレーターを選定することで、効率的かつ質の高い運営による安定したキャッシュフローの実現を図ります。なお、全ての保有資産に係るオペレーター業務を、後記「② 本投資法人の特徴 (イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力 b. 丸紅グループの電力・インフラ事業における実績」に記載のとおり、豊富な運営実績を有する丸紅に委託しています。
(注1) 「再生可能エネルギー源」とは、太陽光、風力、水力、地熱及びバイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除きます。)をいいます。)の各エネルギー源をいいます。
(注2) 再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取価格」ともいいます。
(注3) 再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取期間」ともいいます。
(注4) 「電気事業者」とは、再エネ特措法第2条第1項に規定する電気事業者をいい、旧再エネ特措法のもとでは、主に、東京電力エナジーパートナー株式会社及びその他の大手電力会社9社その他の小売電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号。その後の改正を含みます。)(以下「電気事業法」といいます。)第2条第1項第3号に規定する小売電気事業者をいいます。)を指し、現行再エネ特措法のもとでは、東京電力パワーグリッド株式会社及びその他の大手電力会社9社の送配電部門からなる一般送配電事業者(電気事業法第2条第1項第9号に規定する一般送配電事業者をいいます。)並びに特定送配電事業者(電気事業法第2条第1項第13号に規定する特定送配電事業者をいいます。また、一般送配電事業者と特定送配電事業者を併せて「送配電事業者」といいます。)を指します。
(ⅱ) 安定的な財務運営
本投資法人は、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目的として、スポンサーである丸紅の信用力に加え、スポンサーであるみずほ銀行の財務面でのサポートを基盤とした強固なバンクフォーメーションを構築し、計画的かつ機動的な財務戦略の立案・実行を図ります。特に再生可能エネルギー発電事業に対する融資について豊富な経験を持つみずほ銀行のサポートによって、複数の金融機関との間で強固な関係を築くことで、効率的な資金調達を実現し、安定的かつ健全な財務運営を目指します。
さらに、本投資法人は、本書の日付現在、信用格付業者である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期発行体格付(見通し)として、「A(安定的)」(注)を取得しており、今後も中長期的に安定的な財務基盤の構築を図る方針です。
(注) 「長期発行体格付」は、本投資法人に関する格付であり、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)に対する格付ではありません。なお、本投資口について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供された信用格付又は信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
c. 投資主利益の最大化
(ⅰ) 利益を超えた金銭の分配と再投資による利益分配向上の両立
本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備等は、その大部分が減価償却の対象となる資産となるため、不動産投資法人(J-REIT)に比べて、会計上の利益とキャッシュフローとの差異が大きくなります。本投資法人は、当該差異から生じる余剰資金の効率性を可能な限り高めることを目的として、本投資法人の借入債務返済後の減価償却費相当額を含むキャッシュフローを、再投資(投資対象資産の取得計画に沿った新規投資、保有資産の価値の維持・向上に向けて必要となる長期修繕計画及び資本的支出計画に沿った支出・積立等)に対応するために妥当と考える範囲で内部留保することとし、基本的に、内部留保後の余剰資金を、毎期継続的に利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として投資主に還元する方針です。本投資法人の分配方針の詳細については、後記「⑨ 財務方針 (ハ) 金銭の分配の方針」をご参照ください。余剰資金からの利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すとともに、再投資を通じた純利益に基づく分配金の増額を目指すことが、最終的には本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると考えています。
(ⅱ) 丸紅のセイムボート出資
本投資法人は、投資主と、スポンサーである丸紅及び本資産運用会社の利害を一致させ、投資主価値の中長期的な向上を実現するために、ガバナンス上の取組みとして丸紅からのセイムボート出資を受け入れています。なお、本書の日付現在で、丸紅は、発行済投資口数の2%程度(2,400口)を保有しています。丸紅は、その保有する本投資法人の投資口につき、特段の事情がない限り、保有を継続する意向であることを表明しています。これにより、スポンサーである丸紅が中長期的に本投資法人の投資口を保有する点でスポンサーの強いコミットメントが示されており、本投資法人の投資主及びスポンサーの相互の利益向上を図ることができると本投資法人は考えています。
② 本投資法人の特徴
(イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力
a. 総合商社としての丸紅グループとそのサステナビリティへの取組み
(ⅰ) 総合商社としての丸紅グループ
創業から約1世紀半、経済環境の激しい変化に対して、たゆまぬ変革を繰り返してきた丸紅グループは、主として、「生活産業」、「食料・アグリ・化学品」、「エネルギー・金属」、「電力・インフラ」、「社会産業・金融」の5つの分野で事業を展開(注)し、国内外の各地でプロジェクトを推進しています。世界中にネットワークを持つ丸紅グループを一つのプラットフォームと捉えた「Global crossvalue platform」(丸紅の企業理念)により、時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる課題を克服することで、社会・顧客に向けてソリューションを創出・提供しています。本投資法人は、丸紅グループが「Global crossvalue platform」に基づき様々な分野で獲得した情報力、分析力、プロジェクト開発力、オペレーション力等の知見やノウハウの提供を受けることで、成長機会を得ることができると考えています。
(注) 上記はスポンサーである丸紅グループの事業の概要を紹介する目的で掲載しているものであり、本投資法人の事業とは直接関係のない事業も含まれます。
(ⅱ) 丸紅グループのサステナビリティへの取組みを背景とした本投資法人の組成
丸紅グループは、気候変動、森林破壊、人権問題等が地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題となり、これらの課題に対して、企業の中長期的な方針を明確化し、実践することが非財務価値を含めた企業価値向上に直結すると考えています。上記の方針に基づいて環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の課題に取組み、国際的な規範を参照して、取組むべき課題を明確にするとともに活動の方向性を確認する一助としています。このように、環境や社会の要請を先取りして、プロアクティブにソリューションを提供し、経営理念を実践することこそが丸紅グループにとってのサステナビリティであるとの考えの下、丸紅グループはサステナビリティに関する取組方針として、下図のような環境・社会課題の解決に貢献するために4つの環境・社会マテリアリティを策定しています。
その一つの方針である「気候変動対策への貢献」の一環として、丸紅グループは「サステナビリティへの取組方針(石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について)」を定め、再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組みとして、自社グループの発電ポートフォリオにおける再生可能エネルギー電源の比率をネット発電容量ベースで2018年9月時点の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指しています。
また、「持続可能な森林経営、森林保全への貢献」の一環として、丸紅グループの事業活動における持続可能な森林経営と保護価値が高い森林の保全を推進し、無秩序な森林伐採に歯止めをかけるための取組みを約束する、森林経営方針を推進しています。再生可能エネルギー発電設備等を主要な投資対象とするインフラファンドである本投資法人の組成は、こうした丸紅グループの環境対策及び再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組方針を背景としています。


b. 丸紅グループの電力・インフラ事業における実績
(ⅰ) 国内
丸紅グループは、持続可能な社会の実現に向けた再生可能エネルギー事業の積極的な推進により、開発事業者や太陽光発電設備建設工事一括請負(EPC(注1))事業者として、国内で多数の太陽光発電の事業実績を有しています。2013年度には、国内IPP(注2)第1号案件の運転を開始し、以降、日本全国で太陽光発電設備の開発・運営・維持・管理を実施してきました。また、丸紅グループはパネルやパネル製造設備の販売から太陽光発電関連ビジネスに参入し、太陽光パネル、パワーコンディショナー(注3)、EV用急速充電器の販売をはじめ、太陽光発電事業の運営や、太陽光パネル及び蓄電池の試験・検査にも順次進出し、太陽光発電事業全体を担うまでに発展しました。2017年には、市場投入前のパネルや蓄電池が集まる試験所(米国)への出資を通じ、最新技術、業界動向を把握する体制も構築しています。20年以上にわたり行ってきた太陽光発電事業における幅広い事業実績によって蓄積した知見・ノウハウを発揮し、再生可能エネルギーの普及と電化社会の実現に貢献しています。
本投資法人は、スポンサーである丸紅の太陽光発電開発事業及び関連事業の豊富な経験に基づき、太陽光発電設備の売買情報や開発プロジェクトに関するマーケット情報等の提供を受けることによって、外部成長機会の確保や、プロジェクト分析及び適切な投資判断を通じた質の高い物件の選定に活かしていけると考えています。また、太陽光発電関連事業における幅広い実績を、発電事業オペレーションのノウハウ提供や質の高い太陽光パネルの設置等、本投資法人の保有資産の安定運用に活かしていくことが可能であると考えています。
また、丸紅グループは、太陽光発電事業以外の再生可能エネルギー事業も幅広く展開しており、風力発電や小水力発電、地熱発電、バイオマス発電等幅広い再生可能エネルギー発電の事業分野において、知見やノウハウを有しています。これらの再生可能エネルギー発電設備等は、環境アセスメントや開発の難しさにより、太陽光発電設備等に比べてより高度な案件分析力、開発力、管理運営力が必要となりますが、丸紅グループの技術力やプロジェクト管理力を活かして多数の事業実績を有しています。
本投資法人は、将来的に太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等の取得を検討する際に、丸紅グループの再生可能エネルギー発電事業における幅広い知見とノウハウを通じて、物件取得機会や案件分析力、運営管理ノウハウの提供を受けることが可能であると考えています。
(注1) Engineering, Procurement, Constructionの略称であり、太陽光発電設備等の建設等を請け負うことをいいます。
(注2) Independent Power Producerの略称で、発電から送電、小売までの全てを自前で行う一般電気事業者とは異なり、発電だけを行う独立系発電事業者のことをいいます。
(注3) 太陽光パネルで発電した直流の電気を交流に変換する設備をいいます。
(ⅱ) 海外
丸紅グループは、国内にとどまらず海外においても、強固な地域営業力と案件開発拠点及び資産管理体制、長年培ったEPCの知見やファイナンス組成力を活用することで、太陽光発電事業の開発・建設並びに保守・運転に主体的に参画し、安全かつ安定した電力の供給と発電所の運営を行っています。丸紅グループは、安定収益基盤である長期売電契約を締結済みのIPP事業案件を中心に、地域・電源においてグローバルにバランスのとれた資産ポートフォリオを構築しています。
また、インフラ事業においては、1960年代に海外電力設備の納入・建設に着手して以来、日系・欧米メーカーと積極的に、世界各国で発電・送電・変電のEPC案件の受注及びインフラ事業の受注実績を積み重ね、その知見とノウハウが、各種再生可能エネルギー発電事業及びインフラ運営事業に活かされています。保有資産は全て固定買取価格制度が適用される太陽光発電設備等であり、本投資法人は、当面の間は国内の太陽光発電設備等を中心に投資する方針ですが、丸紅グループの各事業グループのノウハウを結集した高い技術力とノウハウ、グローバル規模の協業ネットワーク等をできる限り活用することで、将来的には国内外の多様な発電設備等やインフラ資産等、幅広い資産の運用を検討でき、また案件分析力、オペレーション力、効率的な施設運営・管理等に活かすことができると考えています。
c. 丸紅グループのネットワークを活用した成長戦略
丸紅は、総合商社として太陽光発電関連事業者との幅広い取引実績を有し、外部ネットワークを通じた物件情報の取得や、パネル・蓄電池等の最新技術や業界動向を把握することができる体制を構築しています。かかる丸紅グループのネットワークの活用の一例として、本資産運用会社は、丸紅グループと太陽光発電関連事業における取引実績を有するプロスペックAZ及び丸紅と出資関係にあるみずほ丸紅リースとの間でそれぞれパイプラインサポート契約を締結しており、物件取得機会の拡大を図っています。また、丸紅は、自社グループ内に再生可能エネルギー関連事業を行っている企業を多数有しており、物件情報の収集だけでなく、オペレーションやO&M業務、電力小売事業等での協働を通じて、本投資法人保有資産の長期安定的な運営に活かす方針です。プロスペックAZ及びみずほ丸紅リースとの各パイプラインサポート契約の概要は、後記「e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」をご参照ください。

d. 丸紅グループの資産運用における実績
丸紅グループは、2003年12月に東京証券取引所投資信託証券市場に上場した、ユナイテッド・アーバン投資法人(UUR)のスポンサーとして、REITビジネスに参入しました。2021年6月末日時点で、UURの運用資産(取得価格ベース(注))は約6,728億円となっています。また、2014年には、UURで培ったREITの運営ノウハウを活用し、丸紅プライベートリート投資法人(MPR)を設立し、私募REITの運用を始めました。2021年3月末時点で、MPRの運用資産(取得価格ベース(注))は約2,896億円となっています。このように、着実にREITを成長させてきたグループとしてのノウハウやサポート力を、本投資法人の運用に活かしていきます。
なお、UUR及びMPRの資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社とは別法人であり、各社における情報管理体制も独立して整備されています。丸紅は、再生可能エネルギー発電設備等について、UUR及びMPRの資産運用会社に対して物件提供のコミットメント等の優先的取扱いを行っていません。
(注) 本d. において「取得価格」とは、原則として、UUR、MPRの各保有物件の売買契約に記載された売買価格(取得に係る諸費用及び消費税等を含みません。)をいいます。但し、UURの運用資産のうち、UURが日本コマーシャル投資法人との合併に伴い承継した物件については受入価格をいいます。
(注) 上記の各物件は、UUR又はMPRの保有物件であり、本投資法人は取得を予定していません。
e. 外部成長戦略
(ⅰ) パイプラインサポート会社のサポート等を通じたパイプラインの供給
パイプラインサポート会社が優先交渉権を有している太陽光発電設備等を中心として、日本全国にパイプラインを形成しています。さらに、スポンサーサポートを活かしたネットワークにより、パイプラインサポート会社以外の第三者からも物件取得機会を確保し、ブリッジファンド等を活用して優先交渉権の付与を受けることで、多様なルートからの物件取得を可能としています。パイプラインサポート会社とスポンサーのネットワークを活用したパイプラインの供給を通じて、ポートフォリオバランスに配慮しつつ、継続的な資産規模の拡大を目指します。
(ⅱ) 多様なソーシングルートによる物件取得
本投資法人は、本資産運用会社及びスポンサーグループがそれぞれ有するノウハウを相互に活用し、ブリッジファンド等の組成をはじめとした取得方法の多様化を図ることで、外部からの物件調達の機会を確保しています。その工夫の一環として、本投資法人は、マーケット動向に応じて物件取得のタイミングや取得物件数をコントロールし、機動的な物件取得を実現するため、ブリッジファンド等を活用することがあります。本投資法人は、総合商社である丸紅グループと総合金融グループであるみずほグループのインフラ市場における総合力、丸紅グループによるREITビジネスの実績に裏付けられた資産運用力、インフラ資産に関する本資産運用会社独自のノウハウを活用し、着実な外部成長を目指します。
物件取得にあたってはブリッジファンド等の組成をはじめとした取得方法への工夫を凝らすことで、外部やサポート会社などからの取得機会の確実な取込みを図っています。特にブリッジファンド等を活用することにより、ブリッジファンド等がマーケットで対象物件を取得することで、本投資法人による物件取得のタイミングや取得物件数のコントロールが可能となります。また、ブリッジファンド等では、完工済の物件のみならず開発中の物件や、株式や匿名組合出資持分を通じた投資等も柔軟に行うことが可能です。これらにより、本投資法人が取得する際の開発リスクの低減や、売主の様々な売却ニーズへの柔軟な対応可能性を視野に入れた幅広い売主からの物件売却情報を捕捉することが可能であり、本投資法人における外部調達機会の拡大を図ることができると考えています。
さらに、ブリッジファンド等の組成は、スポンサー系列のみずほ証券株式会社又はみずほ丸紅リースにアレンジを委託しており、それぞれの資金調達ネットワークとファイナンスに関するノウハウを活用することで、ブリッジスキームを活用した多様な物件取得機会の確保が可能となります。実際に、保有資産について、みずほ証券株式会社又はみずほ丸紅リースのアレンジするブリッジスキームを活用しています。

(ⅲ) ポストFITを見据えた成長戦略
固定価格買取制度対象となる太陽光発電設備の継続的な取得による資産規模拡大を中期的な目標としながら、ポストFIT(FIT制度からFIP制度(注1)への移行後)を見据えた長期的な視点として、固定価格買取制度対象外の太陽光発電設備等のほか、風力発電所や、地熱発電所といった太陽光発電設備以外の再生可能エネルギー発電設備等も取得対象資産に組み入れ、固定価格買取制度から自立したポートフォリオの構築を目指します。さらに将来的には、公共施設等運営権(コンセッション)などの再生可能エネルギー発電設備等以外のインフラ資産も取得対象資産に組み入れることで、より多様なポートフォリオを構築しながら、長期的に資産規模1,000億円(取得価格ベース)を目指します(注2)。
(注1) FIT制度とはFeed-in Tariffの略称で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことをいい、FIP制度とは、Feed-in Premiumの略称で、FIT制度に代わり新たに導入が予定されている、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度のことをいいます。
(注2) 上記の資産規模目標は、本書の日付現在の本投資法人の目標値であり、その実現や目標値の達成時期を保証又は約束するものではありません。また、上記のイメージ図はあくまで成長イメージを示したものであり、かかるイメージのとおりに成長を実現できることを保証又は約束するものでもありません。本投資法人の資産規模の拡大については、資金調達環境や、パイプラインに含まれる太陽光発電設備等の開発時期、その他の資産の取得機会の程度及び売主との交渉等によるため、資産規模目標を達成できず、また成長イメージと乖離する結果となる可能性があります。
(ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約
本資産運用会社は、各スポンサーとの間で、本書の日付現在、それぞれスポンサーサポート契約を締結しており、本投資法人は、下記の各種サポートの提供を受けます。また、丸紅グループとの太陽光発電関連事業における取引実績を背景としたネットワークを活用し、プロスペックAZ及びみずほ丸紅リースとの間でパイプラインサポート契約を締結しており、再生可能エネルギー発電設備等の取得検討機会の拡大を図っています。各スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約の概要は、以下のとおりです。
(a) 丸紅とのスポンサーサポート契約の概要
本資産運用会社と丸紅とのスポンサーサポート契約において、丸紅は、以下のサポートを提供することとされています。かかる丸紅とのスポンサーサポート契約により、本投資法人は丸紅から物件取得機会の提供を受けるとともに、丸紅の電力・インフラ事業における知見とノウハウを活用して運用資産の効率的かつ着実なオペレーション及びこれによる内部成長に努めるとともに、丸紅の信用力を背景として強固な財務基盤を構築します。また丸紅によるセイムボート出資により投資主価値の最大化を図ります。
A)売却、開発プロジェクト等に関するマーケット情報の提供
丸紅は、自ら又は自らの関係会社が売却対象として保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(a)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、本資産運用会社から要請があった場合は、やむを得ない事情がある場合を除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うものとします。また、丸紅は、自ら又は自らの関係会社以外の第三者が保有、開発する又は保有、開発を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について売却に係る情報を取得した場合には、当該本再生可能エネルギー発電設備等が本投資法人の取得対象となりうると合理的に判断された場合、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、要請のあった情報の提供を行います。但し、情報提供に関してやむを得ない事情がある場合においてはこの限りではありません。
B)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、将来における本投資法人による本再生可能エネルギー発電設備等の取得を実現するために、第三者が保有又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等について、本投資法人への譲渡を前提とする一時的な取得及び保有を丸紅に依頼することができるものとし、丸紅は、当該依頼があった場合には、本資産運用会社との間で、当該依頼について丸紅の関係会社による一時的な取得及び保有を含め誠実に協議を行うものとします。
C)保守運営業者の選定支援その他の業務支援
本資産運用会社は、本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について、(ⅰ)保守運営業務を実施する事業者の選定、(ⅱ)管理、運営又は増設等に係る補助業務、助言業務等、(ⅲ)本再生可能エネルギー発電設備等のデューディリジェンスに係る支援業務、及び(ⅳ)本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の収集、分析等を、丸紅に依頼することができるものとし、丸紅は、かかる依頼があった場合には、候補者の選定その他必要な支援を行うものとします。
D)人材及びノウハウの提供に関する協力
丸紅は、本資産運用会社からの要請があった場合、法令に反しない範囲内において、丸紅又はその関係会社が有する人材及びノウハウの本資産運用会社に対する提供について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、丸紅は、本資産運用会社からの要請があった場合、丸紅又はその関係会社による本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を商業上合理的な範囲で行うものとします。
E)調達期間終了後の売電支援
丸紅は、本資産運用会社から、本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について、当該設備において発電する本再生可能エネルギー電気の売却手段を早期に確保できるよう、再エネ特措法に定める調達期間の経過後の売電先の選定支援のサポート等を依頼された場合、発電設備の運転実績、その他発電設備の維持管理に係る情報等につき合理的な範囲で必要な支援を行うものとします。
F)資金調達に関する情報提供
丸紅は、本資産運用会社から、本投資法人が資金調達を実施するに際して資金提供を行う事業者やマーケット環境等に関する情報提供を依頼された場合、法令に反しない範囲内において、当該情報提供その他の支援を行うものとします。
G)境界紛争及び環境規制への対応に関する支援
丸紅は、本資産運用会社から本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等に関して、当該設備等を利用して行う事業に関連する土地について生じた又は生じるおそれのある境界紛争や環境規制について支援を求められた場合には、法令に反しない範囲内において、関係者との協議、交渉その他の対応について支援を行うものとします。
(b) みずほ銀行及びみずほ信託銀行とのスポンサーサポート契約の概要
本資産運用会社とみずほ銀行及びみずほ信託銀行とのスポンサーサポート契約において、みずほ銀行及びみずほ信託銀行は、以下のサポートを提供することとされています。かかるみずほ銀行及びみずほ信託銀行(以下本(b)において「スポンサー」と総称します。)とのスポンサーサポート契約により、本投資法人はスポンサーから物件取得機会の提供を受けるとともに、ウェアハウジングにおける資金調達の支援やバンクフォーメーション構築の支援を通じて財務面におけるサポートを受け、みずほ銀行を中心とする強固なバンクフォーメーションの構築を目指します。
A)売却、開発プロジェクト等に関するマーケット情報の提供
スポンサーは、自ら又は自らの関係会社が売却対象として保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(b)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、本資産運用会社から要請があった場合は、当該情報を提供できない事情があるときを除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うよう最大限努力するものとします。また、スポンサーは、自ら又は自らの関係会社以外の第三者が保有、開発する又は保有、開発を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について売却に係る情報を取得し、当該本再生可能エネルギー発電設備等が本投資法人の取得対象となりうると自ら判断した場合、又は本資産運用会社から要請があった場合は、当該情報を提供することができない事情があるときを除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うよう最大限努力するものとします。
B)ウェアハウジングにおける資金調達の支援
本資産運用会社は、将来における本投資法人による本再生可能エネルギー発電設備等の取得を実現するために、第三者が保有又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等について、本投資法人への譲渡を前提とする一時的な取得及び保有のための資金調達の支援をみずほ銀行に依頼することができます。みずほ銀行は、当該依頼を受けた場合には、本資産運用会社との間で、資金調達の支援の可否及び支援する際の条件について誠実に協議を行うものとします。
C)資金調達要請への対応及びバンクフォーメーション構築の支援
みずほ銀行は、本資産運用会社から、本投資法人の運営又は本再生可能エネルギー発電設備等の取得に係る資金調達の要請があった場合には、かかる要請に応じて情報提供、資金の借入れに関する相談への対応及び融資の提案、シンジケート団の組成等ファイナンスストラクチャーの構築及び構築のための活動等を可能な限り行うことに努めます。
D)財務戦略に関する助言提供
スポンサーは、本資産運用会社との間で諸条件を含め別途合意をした場合、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の財務戦略に関連する業務に関しアドバイス及び補助業務の受託を行うものとします。
E)人材及びノウハウの提供に関する協力
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、スポンサー又はその関係会社が有する人材及びノウハウの本資産運用会社に対する提供について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、スポンサー又はその関係会社による本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を商業上合理的な範囲で行うものとします。
(c) プロスペックAZとのパイプラインサポート契約の概要
A)保有プロジェクトの情報提供及び供給
プロスペックAZ(以下本(c)において「サポート会社」といいます。)は、本資産運用会社に対し、自らが保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(c)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、売却を計画する場合には、本資産運用会社に対し、本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、要請のあった情報の提供を行います。但し、第三者が保有し、又は開発中の本再生可能エネルギー発電設備等に係る情報の提供は、当該第三者の承諾を得たことを条件として行われるものとし、この場合、サポート会社は当該第三者から承諾を得るために商業上合理的な努力をするものとします。
B)優先交渉権の付与
a) 優先交渉権の付与
サポート会社は、本再生可能エネルギー発電設備等の本投資法人が取得可能な資産の売却を計画する場合、当該再生可能エネルギー発電設備等に関する情報を第三者に先立ち、本投資法人及び本資産運用会社に提供し、当該再生可能エネルギー発電設備等に関する優先交渉権(優先的に売買交渉を行う権利)を、本資産運用会社に付与します。優先交渉権は、本再生可能エネルギー発電設備等毎に、b)に定める優先交渉期間を定めた場合はその間効力を有するものとします。
b) 優先交渉権の有効期間
優先交渉期間は、サポート会社と本資産運用会社が別途合意する期間(但し、6ヶ月を超えない期間とします。)とします。
c) 購入の意思の通知
本資産運用会社は、優先交渉期間内にサポート会社に対し、本投資法人による購入の意思の有無を通知するものとします。
d) 優先交渉期間中の第三者への情報提供・売買交渉の禁止
サポート会社は、優先交渉期間中及びc)に基づく購入の意思がある旨の通知後における売買契約締結に向けた協議が継続する期間中、第三者に対して本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供、売買交渉を行ってはならないものとします。但し、優先交渉期間の経過後については、本資産運用会社及び本投資法人が、売買契約締結に向けた協議を不合理に遅延させた場合にはこの限りではありません。
e) 最終売却条件
優先交渉期間内に購入の意思がある旨の通知がなされず、又は売却条件が合意に達しなかった場合、サポート会社は、第三者との間で本再生可能エネルギー発電設備等の売却につき協議を開始することができるものとします。但し、第三者が提示する条件が、優先交渉期間内に本投資法人が提示した条件(もしあれば)と同等以下である場合には、サポート会社は、速やかに本資産運用会社にその旨を通知し、通知後遅滞なく本資産運用会社がサポート会社に対し当該第三者が提示する条件と同条件以上の条件を提示し、サポート会社がこれに同意した時は、本投資法人は、サポート会社より本再生可能エネルギー発電設備等を当該第三者に優先して購入することができるものとします。
C)保守運営業務の提供
サポート会社は、本投資法人及び本資産運用会社から保守運営業務の実施を依頼された場合、本投資法人が保有する本再生可能エネルギー発電設備等につき、別途締結する保守運営業務委託契約に基づく保守運営業務その他の必要な支援を行うものとします。
D)人材の確保に関する協力
サポート会社は、本資産運用会社から要請があった場合、法令に反しない範囲内において、人材の確保について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、サポート会社は、本資産運用会社からの要請があった場合、本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を行うものとします。
(d) みずほ丸紅リースとのパイプラインサポート契約の概要
A)保有プロジェクトの情報提供及び供給
みずほ丸紅リース(以下本(d)において「サポート会社」といいます。)は、自らが開発し若しくは保有する又は開発若しくは保有を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(d)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)であり、かつ、(1)サポート会社が第三者との間のリース契約に基づき保有している本再生可能エネルギー発電設備等、(2)サポート会社が第三者との間の延払売買契約に基づき保有している本再生可能エネルギー発電設備等、(3)サポート会社が第三者に対して優先交渉権又は先買権その他類似の権利を付与している本再生可能エネルギー発電設備等、その他一定の本再生可能エネルギー発電設備等(以下、総称して又は個別に「保有プロジェクト」といいます。)について、売却を計画する場合には、本資産運用会社及び本投資法人に対し、当該保有プロジェクトに関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、実務上合理的な範囲で要請のあった情報の提供を行います。
B)優先交渉権の付与
a) 優先交渉権の付与
サポート会社は、保有プロジェクトの売却を計画する場合、当該保有プロジェクトに関する情報を第三者に先立ち、本投資法人及び本資産運用会社に提供します。かかる提供を行ってから10営業日以内に、本投資法人又は本資産運用会社が、当該保有プロジェクトの購入を検討する意思をサポート会社に対して表明した場合には、サポート会社は、当該保有プロジェクトに関する優先交渉権(優先的に売買交渉を行う権利)を、本資産運用会社に付与します。優先交渉権は、保有プロジェクト毎に、b)に定める優先交渉期間を定めた場合はその間効力を有するものとします。
b) 優先交渉権の有効期間
優先交渉期間は、サポート会社と本資産運用会社が別途合意する期間(但し、6ヶ月を超えない期間とします。)とします。
c) 購入の意思の通知
本資産運用会社は、優先交渉期間内にサポート会社に対し、本投資法人による購入の意思の有無を通知するものとします。
d) 優先交渉期間中の第三者との売買交渉の禁止
サポート会社は、優先交渉期間満了日までの間、第三者との間で当該保有プロジェクトに関する売買交渉を行ってはならないものとします。
e) 最終売却条件
優先交渉期間内に購入の意思はある旨の通知がなされなかった場合、又は売却条件が合意に達しなかった場合、サポート会社は、第三者との間で当該保有プロジェクトの売却につき協議を開始することができるものとします。但し、第三者が提示する条件が、優先交渉期間内に本投資法人が本資産運用会社を通じて提示した条件(もしあれば)と同等以下である場合には、サポート会社は、速やかに本資産運用会社にその旨を通知し、通知後遅滞なく本資産運用会社がサポート会社に対し、当該第三者が提示する条件と同等以上の条件を提示したときは、本投資法人は、サポート会社より当該保有プロジェクトを当該第三者に優先して購入することができるものとします。
C)第三者売却プロジェクトに係る情報の優先提供
サポート会社は、第三者が保有し又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等(以下「第三者売却プロジェクト」といいます。)に係る売却・仲介情報を得た場合、本資産運用会社及び本投資法人に対して当該情報を提供するものとします。
D)ウェアハウジング業務の提供
本資産運用会社は、将来における本投資法人による第三者売却プロジェクトの取得を円滑に推進することを目的として、第三者売却プロジェクトの一時的な保有(ウェアハウジング業務)をサポート会社に依頼することができるものとし、サポート会社は、当該依頼を受けた場合、ウェアハウジング業務の提供について真摯に検討を行うものとします。なお、ウェアハウジング業務を提供するための諸条件については、本資産運用会社又は本投資法人及びサポート会社が別個、個別の第三者売却プロジェクト毎に協議のうえ、定めるものとします。
(ロ) 長期安定した分配金の仕組みと安定的な財務運営
a. 長期安定的な分配金を生み出すストラクチャー
(ⅰ) 本投資法人の仕組み
本投資法人は、主として太陽光発電設備等を中心としたインフラ資産等へ投資します。利益の配当等を投資法人の損金に算入するための要件(いわゆる「税務上の導管性要件」)を充足するため、本投資法人は、投資したインフラ資産等を賃貸して運用し、賃借人から賃料を受領します。保有資産についてはいずれも、再生可能エネルギー発電設備等の賃借並びに発電事業及び売電事業のみを行う再エネ発電事業者たる特別目的会社(SPC)が賃借人となり、賃借人SPCとオペレーター業務委託契約を結んだ丸紅がオペレーターとなっています。但し、今後取得する資産については丸紅以外の者がオペレーターとなる可能性があります。
(a) 本投資法人
本投資法人は、規約に基づき、投資主より払い込まれた資金等を、主として、太陽光発電設備等を中心としたインフラ資産等に投資します。税務上の導管性を充足するため、本投資法人は、投資したインフラ資産を賃借人に賃貸し、賃借人より賃料を受領することで運用します。また、当該賃借人SPCは、丸紅に対してオペレーター業務を委託しています。
(b) 本資産運用会社
本資産運用会社は、丸紅から90%、みずほ銀行から5%、みずほ信託銀行から5%の出資を受ける丸紅の子会社であり、本投資法人から資産運用業務を受託します。スポンサーグループからのサポートを受けつつ、本投資法人のために、再生可能エネルギー発電設備等への投資、投資したインフラ資産等の資産管理等を行います。
(c) スポンサー
スポンサーはそれぞれ、スポンサー及び本資産運用会社との間のスポンサーサポート契約に基づき、前記「(イ)スポンサー総合力に裏付けられた成長力 e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」に記載のとおり、本投資法人に対して、マーケット情報の提供等の多岐にわたる支援を行います。
(d) 賃借人
当該賃借人SPCは、事業内容を本投資法人からの太陽光発電設備の賃借と、当該太陽光発電設備を用いた発電事業及び売電事業に特化しており、併せて、当該SPCが倒産する可能性を低減するための措置(注)を講じています。本投資法人は、保有資産について、発電事業及び売電事業に特化したSPCを賃借人とすることにより、発電事業及び売電事業以外のリスクを賃借人が負担することを避け、賃借人の債務不履行リスク及び倒産リスクを低減することを目指しています。賃借人SPCは接続電気事業者との間で接続契約を締結し、再生可能エネルギー発電事業計画について経済産業大臣による認定その他の許認可を有し、その上で買取電気事業者との間で特定契約を締結しており、買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に対して当該売電収入を原資とした賃料を支払います。
(注) 賃料不払い等の債務不履行事由が生じた場合に賃貸借契約を解除し又は賃貸借契約を更新若しくは再契約せず、新たな賃借人へ賃貸借を行うことが可能になるよう、賃貸借契約上の条項を整備しています。また、債務不履行事由が生じるリスクを低減すべく、賃貸借契約上、積立金の設定その他の賃料債務等の履行を担保するための措置を設けています。本投資法人の賃料スキームについては、後記「(ⅱ) 賃料スキーム」をご参照ください。
(e) オペレーター
スポンサーである丸紅は、賃借人との間のオペレーター業務委託契約に基づき、保有資産に係る太陽光発電設備に関し、そのオペレーターとして賃借人から運営管理業務を受託しています。
(f) O&M業者
O&M業者は、賃借人からの委託を受けて、O&M業務を行います。なお、O&M業者は、O&M業務の一部を第三者に再委託することがあります。
(g) 接続電気事業者
電気事業者は、保有資産に係る発電事業者となる賃借人との間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、接続契約を締結します。接続契約に従い、再生可能エネルギー発電設備と電気事業者の変電用、送電用又は配電用の電気工作物を電気的に接続します。
(h) 特定契約における電気事業者
電気事業者は、発電事業者となる賃借人との間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、特定契約を締結し、賃借人から当該再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を調達価格により調達します。なお、2017年3月31日までに締結された特定契約は、その契約の期間が終了するまでの間は、再エネ特措法改正法による改正後の再エネ特措法に基づく特定契約とみなされるため、旧再エネ特措法に基づき小売電気事業者等との間で締結した特定契約を継続させることができます。また、当該特定契約を締結した小売電気事業者等は、その契約の期間が終了するまでの間は、再エネ特措法改正法による改正後の再エネ特措法による一般送配電事業者とみなされます。各保有資産の特定契約に係る買取電気事業者については、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ハ) 特定契約の内容」をご参照ください。
(ⅱ) 賃料スキーム
(a) 賃料スキームの概要
本投資法人は、本投資法人が保有する太陽光発電設備を発電事業者である賃借人SPCに賃貸し、賃借人SPCから基本賃料と変動賃料を収受する、安定性とアップサイドを兼ね備えた賃料スキームを採用しています。保有資産に共通する主な賃貸条件は以下のとおりです。

(b) 基本賃料と変動賃料を組み合わせた長期安定的な賃料スキーム
本投資法人は、保有発電設備の実際の発電量にかかわらず、客観的な発電量予測値に基づく一定水準の想定売電収入を基本賃料として受け取ります。基本賃料を設定することで、本投資法人の収益の安定化を図ります。
基本賃料は、各月の発電量予測値(P50)(注1)に基づく予想売電収入(A)(注2)の70%相当額から、想定必要経費(注3)を控除した金額とします。また、基本賃料の支払いを確保するため、賃借人SPCに一定額の金銭を積み立てることを義務付ける方針です(注4)。
変動賃料は、各月の実際の発電量が発電量予測値(P50)の70%を上回った場合に発生し、以下の計算によって算出される金額とします。
A)発電量予測値(P50)の70%超100%以下の場合
各月の実績売電収入(B)(注5)と予想売電収入の70%相当額との差額から、オペレーター変動報酬及び実績連動必要経費(注6)を控除した金額とします。
B)発電量予測値(P50)の100%を超える場合
各月の予想売電収入の30%相当額に、各月の実績売電収入と予想売電収入との差額の50%相当額を加えた金額から、オペレーター変動報酬及び実績連動必要経費を控除した額とします。
変動賃料の設定により、本投資法人の収益力の向上及び投資主への還元強化を目指しています。

<各賃料の計算式>A)基本賃料
予想売電収入(A)×70%‐想定必要経費
B)変動賃料
1) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の70%以下の場合には、変動賃料は発生しません。
2) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の70%超100%以下の場合
{B-(A×70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費
3) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の100%を超える場合{(B-A)×50%+A×(100%-70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費
(注1) 「発電量予測値(P50)」とは、超過確率P(パーセンタイル)50の数値(50%の確率で達成可能と見込まれる数値を意味します。)としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出された賃貸借期間における各月の発電量予測値をいいます。
(注2) 「予想売電収入」(A)とは、発電量予測値(P50)に対して、当該発電設備に適用される買取価格を乗じて得られる金額をいいます。
(注3) 「想定必要経費」とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他の費用のうち、基本賃料に対応する想定必要経費として本投資法人と協議の上合意した金額をいいます。
(注4) 賃借人との賃貸借契約において、賃借人が基本賃料1ヶ月分相当額(各月の基本賃料で最大となる月の基本賃料1ヶ月分相当額とします。)の金銭を積立口座に積み立てることを義務づけています。
(注5) 「実績売電収入」(B)とは、実際の発電量に対して、当該発電設備に適用される買取価格を乗じて得られる金額に、出力抑制補償金(もしあれば)及び利益保険に基づく利益補償金(もしあれば)を加えた金額をいいます。
(注6) 「実績連動必要経費」とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他本投資法人と協議の上合意した費用につき、実際に計上された必要経費(実費)が想定必要経費を超過した場合における当該超過分の金額をいいます(想定必要経費が実費を上回る場合は負の値になります。)。
(注7) 上記は賃料スキームに関するイメージ図であり、特定の発電設備における実際の賃料を示したものではありません。したがって、本投資法人が変動賃料を受け取れることや、賃借人SPCにおいて積立てがなされることを保証するものではありません。
(c) SPC積立口座による基本賃料不払いリスクの軽減
天候不順その他の理由により売電収入が基本賃料を下回った場合でも、直ちに本投資法人に対する賃料の支払が滞ることのないよう、予想売電収入額を超過する売電収入額を原資として、賃借人SPCが賃借する全ての再生可能エネルギー発電設備等の基本賃料1ヶ月分相当額を賃料等積立口座に積み立てることとしており、これにより本投資法人の賃貸収入等の保全を図ります。この賃借人への積立ては、各発電設備について、各月の実際の発電量が発電量予測値(P50)の100%を上回った場合に、実績売電収入と、予想売電収入との差額の50%相当額を原資として積み立てられます(なお、かかるSPC積立原資が負の値になるときはゼロとします。)。
(ⅲ) 信託スキームの活用
本投資法人は、物件取得や売却にあたり、将来的なポートフォリオ構築において柔軟な運用を行うべく、コストメリットを享受しやすい大規模案件をはじめとした一部物件において、信託受益権化スキームを採用しています。
信託受益権化スキームを採用する場合、再生可能エネルギー発電設備等そのものを現物資産で取得する場合と比較し、信託受託者による受託審査に時間を要し、また、信託受託者に対する信託報酬が発生することになります。しかしながら、再生可能エネルギー発電事業に関する複数の法律関係(再生可能エネルギー発電設備の所有権、再生可能エネルギー発電設備の敷地等に係る土地利用権(土地賃借権、地上権等)、O&M契約、EPC契約(再生可能エネルギー発電所に係る工事請負契約をいいます。以下同じです。)、特定契約、接続契約、保証書その他の事業関連契約上の地位や権利義務等)を包括して一つの信託受益権として把握し、取引を行うことが可能です。そのため、当該信託受益権のみを取得又は売却することで、再生可能エネルギー発電事業から生じる損益を移転することが可能であり、再生可能エネルギー発電設備等そのものを現物資産で取得又は売却する場合と比較し、取引の実施が相対的に容易といえます。
(注) 発電事業者SPC(賃借人)には倒産する可能性を低減するための措置が講じられています。
(ⅳ) 安定的な収益を生み出すポートフォリオ
太陽光発電事業において発生しうるリスクへの対策
太陽光発電事業において発生しうる主要なリスクとして、自然災害や事故・盗難により本投資法人の保有資産が毀損し、売電が停止した場合、賃借人SPCが収受する売電収入が減少するおそれがあります。そこで、自然災害や事故・盗難への対策として、本投資法人は賃借人SPCを被保険者として火災保険や利益総合保険に加入しています。毀損した保有資産は、修復期間は稼働停止となり、当該期間中は売電収入が得られなくなりますが、予想売電収入額に基づく売電収入は利益総合保険から補てんされることで、賃借人SPCが収受する売電収入が減少しないよう対策を施しています。また、パネルの劣化によるパフォーマンスの低下に対しては、パネルメーカーの保証を活用することにより対応します。

b. 財務戦略
(ⅰ) 基本方針
本投資法人は、スポンサーである丸紅の信用力や、みずほ銀行のサポートをベースとした最適な借入条件を実現し、安定的かつ健全な財務運営の実施を目指します。また、デット戦略とエクイティ戦略という2つの観点から、中長期的な収益性の維持及び向上並びに運用資産の規模拡大と価値の向上を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。エクイティ戦略については、投資口の追加発行は、金融環境、経済環境、市場動向、新たに取得する物件の取得時期、LTV等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に実施する方針です。デット戦略については、スポンサーであるみずほ銀行を中心とした強固なレンダーフォーメーションを構築しながら、投資法人債の起債を含む資金調達手法の多様化を目指します。LTV水準は、巡航ベースで60%程度とし、70%を上限とします。但し、新規資産取得に伴い、一時的にLTVの上限を超えることがあります。本投資法人の財務方針は、後記「⑨ 財務方針」をご参照ください。
(ⅱ) 格付の取得
本投資法人は、本書の日付現在、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、「A(安定的)」の長期発行体格付を付与されています。これは、本投資法人の安定的かつ健全な財務基盤が評価された結果であると本投資法人は考えています。
③ 再生可能エネルギーと投資環境
(イ) 日本の再生可能エネルギーへの取組みと固定価格買取制度の概要
a. エネルギーミックスによる政府の再生可能エネルギー導入推進策
日本の電力消費量は諸外国と比較して高い水準にある一方で、再生可能エネルギーの導入割合は低い水準となっています。政府作成による「エネルギー基本計画」(2014年4月)においても、再生可能エネルギーについては、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく旨が示されました。2015年7月、経済産業省は前記の「エネルギー基本計画」を踏まえ、実現可能な将来のエネルギー需給構造のあるべき姿として、「エネルギーミックス」を策定し、電源構成比に占める再生可能エネルギー割合を2030年度までに22%~24%にまで上昇させることを目標としています。さらに、2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」によって、再生可能エネルギーの「主力電力化」が明記され、2030年、2050年に向けた方針が示されました。今後も再生可能エネルギーの導入推進のための政策が実施されることが期待されます。現に、経済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会において、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策の方向性についての議論が継続的に行われています。また、前記の「エネルギー基本計画」においては、太陽光発電の発電コストや出力不安定性等による安定供給上の問題について触れられているものの、技術革新や、エネルギーマネジメントの実現等による改善策への取組みを進めることが期待されるとされています。そして、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会が取りまとめた「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会 報告書」(2016年2月)においても、国民負担の抑制との両立、特に太陽光発電についてはコスト効率的な導入の必要性が指摘されつつも、再生可能エネルギーの最大限の導入を制度見直しの目的として掲げており、同報告書を受けて立案され、2016年2月9日に国会に提出された再エネ特措法の改正法案の提案理由においても再生可能エネルギー源の利用の促進が掲げられています。
加えて、2021年4月、米国主催により気候サミット「Leaders Summit on Climate」が開催され、菅首相が参加し、2050年カーボンニュートラルの長期目標と整合的で、野心的な目標として、我が国が、2030年度において、温室効果ガスの2013年度からの46%削減を目指すことを宣言するとともに、さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく決意を表明しました。また、菅首相は、経済と環境の好循環を生み出し、2030年の野心的な目標に向けて力強く成長していくため、政府として再エネ等脱炭素電源を最大限活用するとともに、企業に投資を促すための十分な刺激策を講じるとの方針を表明しました。以上から、本投資法人は、太陽光発電市場の拡大、ひいては太陽光発電設備等の取得による本投資法人のポートフォリオの拡大を実現する環境がさらに整備されていく可能性があるものと考えています。
b. 固定価格買取制度の導入
2012年7月1日の再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入により、再生可能エネルギー発電設備の導入は増加の一途を辿り、再生可能エネルギー比率は10.1%(2012年度)から19.2%(2019年度)(注)に増加しました。2019年9月に資源エネルギー庁により公表された「国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案」によると、2020年3月末時点で再生可能エネルギー発電設備の導入量は5,459.7万kW(制度開始前の2.7倍)となっています。特に太陽光(非住宅)の発電設備導入量は、固定価格買取制度導入時点から2020年3月末までの間に4,329.5万kWとなりました。
その他の電源の固定価格買取制度導入時点から2020年3月末までの間の導入量は、風力160.4万kW、地熱7.8万kW、中小水力50.9万kW、バイオマス219.8万kWとなっています。
(注) 出所:認定NPO法人環境エネルギー政策研究所公表データ
c. 固定価格買取制度の基本的な仕組み
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)は、再生可能エネルギーの普及を図るため再エネ特措法により2012年7月1日に開始された、再生可能エネルギー電気を固定の調達期間にわたり、固定の調達価格で買い取ることを電気事業者に義務付ける制度です。固定価格買取制度により、発電事業者は安定的かつ継続的な売電収入を見込むことができ、再生可能エネルギー発電設備の高い建設コストの回収の見通しが立ちやすくなります。
本投資法人は、主として固定価格買取制度の下で再エネ特措法第9条第3項に定める認定を受けた再生可能エネルギー発電設備等に投資することにより、長期的かつ安定的な収益の確保を目指します。

d. 固定価格買取制度の見直し
再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担抑制の両立を図るため、改正再エネ特措法により、2017年4月1日より固定価格買取制度が改正されました。改正内容のうち発電事業者に影響のあるものとしては、主として以下が挙げられます。
・ 2,000kW以上の太陽光発電設備を対象に、売電価格を入札によるものとすること
・ 電力会社と接続契約を締結している(運転開始済みを含みます。)設備のみが制度の対象となること
・ 発電設備の認定制度を見直し、より適正な状態で発電設備を安全に運転できるようにすること
さらに2019年度からは入札制度の対象が500kW以上の太陽光発電設備まで拡大されています。
また、2019年4月1日に施行された措置により、2012年度から2014年度にFIT認定を受けた事業用太陽光発電のうち2016年7月31日までに接続契約を締結した未稼働案件についても、運転開始期限の設定と、運転開始のタイミングを踏まえた適切な調達価格の適用が行われることになりました。
e. 太陽光発電の発電コストと買取価格の推移
固定価格買取制度における太陽光発電設備を用いて発電された電気の調達価格は、技術革新や市場競争による建設コストの低下を反映して、年々引き下げられています。平成29年経済産業省告示第35号の2020年4月1日施行の改正では、10kW以上250kW未満の太陽光の2020年度の調達価格は、2019年度の14円/kWh(税抜)よりさらに引き下げられて10kW以上50kW未満の場合は13円/kWh(税抜)、50kW以上250kW未満の場合は12円/kWh(税抜)とされており、今後も引下げが続く可能性があります。但し、各再生可能エネルギー発電設備について、一度確定した調達価格又は調達期間が変更されることは原則としてありません。
また、調達価格は、国民負担抑制の観点に加えて、技術革新や市場競争によるシステム費用の低下見込みを反映して設定されるという側面もあるため、必ずしも調達価格の低下に比例して発電事業者全体の利益が損なわれるものではないと考えられます。厳密なコストコントロールと効率的な事業運営等によって、再生可能エネルギー発電事業の収益性は今後も維持され、また、2030年度のエネルギーミックスに向けて、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組みが引き続き積極的に推進されていくであろうという動向を踏まえると、再生可能エネルギー発電事業に係る市場拡大が図られていくものと考えています。
(ロ) 上場インフラファンド市場について
2015年4月、東京証券取引所は、インフラストラクチャー(以下「インフラ」といいます。)に対する投資ニーズの高まりやインフラ整備の社会的意義等を踏まえ、再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号。その後の改正を含みます。)第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいいます。)等を投資対象とする投資信託の受益証券又は投資法人の投資証券の取引市場(以下「上場インフラファンド市場」といいます。また、以下、上場インフラファンド市場に上場する投資信託又は投資法人を「上場インフラファンド」といいます。)を創設しました。
上場インフラファンド市場の創設は、新たに認定を取得する太陽光発電設備に加えて、認定後開発前段階での発電事業の権利の譲渡や、稼働済発電所の譲渡等の取引を活性化する可能性があり、このようなセカンダリー取引市場の成長を促進する効果も期待されます。
第一号銘柄の上場より約5年が経過し、これまで本投資法人を含む計7銘柄が東京証券取引所に上場しました。上場インフラファンド市場の市場規模は着実に拡大し、資産規模(取得価格ベース)で1,850億円を超える水準までに成長しています(2020年10月末時点)。
また、2020年4月27日より、東京証券取引所において、東京証券取引所上場インフラファンド全銘柄を対象とする「東証インフラファンド指数」の算出・公表も開始されました。国内では初となる、上場インフラファンドを対象とした投資信託も設定されていることから、今後は、「東証インフラファンド指数」に連動する新たな金融商品の開発を通じた投資資金の流入により、市場の更なる拡大が期待できると考えています。
(ハ) ESG投資への関心の高まり
a. ESG投資とは
投資を通じて社会の持続可能性(サステナビリティ)を高めることに貢献しようとする社会的責任投資(注)(SRI:Socially Responsible Investment)の中で、非財務情報である環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮した投資を行う手法を「ESG投資」といい、世界におけるESG投資の規模は拡大しています。今後日本でもESG投資の拡大が期待され、地球環境に貢献する再生可能エネルギー発電事業の発展にとって、ESG投資の拡大は追い風の一つになり得ると本投資法人は考えています。
(注) 企業の社会的責任への取組みを評価の基準に組み込んだ投資手法をいいます。

b. 拡大するESG投資
世界全体においてESG投資への関心が高まっており、日本国内においても、2015年9月にESGを投資の分析と意思決定に組み込むことを謳う国連責任投資原則(PRI)に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名し、翌年7月にはESGを考慮した3つの日本株のESG指数を選定して同指数に連動した運用を開始することを発表しました。2020年8月末時点で、日本におけるPRIへの署名機関数は85機関(注1)まで増加し、ESG投資は着実に広がっています。
また、世界的にも、投資にESGの視点を組み入れるPRIに、2020年8月末時点で3,332機関(資産運用規模103兆米ドル)(注1)が署名しており、世界のESG投資残高は2017年末時点(日本のみ2018年3月末時点)で30.6兆米ドル(注2)、日本のESG投資残高は2019年時点で336兆円(注3)にまで成長しています。
(注1) 出所:国土交通省「ESG投資の動向」
(注2) 出所:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT ALLIANCE“2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW”
(注3) 出所:日本サステナブル投資フォーラム「サステナブル投資残高調査2019」
(注) NPO法人日本サステナブル投資フォーラム「サステナブル投資残高調査2019」において回答のあった国内43機関の残高を示しています。
(注) 年数は報告書の公表年であり、数値自体は前年末(日本は前年度末)の数値を示しています。
出所:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT ALLIANCE“2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW”より本資産運用会社が作成。
c. ESG投資に関する本投資法人の取組み(グリーンエクイティ)
以下のとおり、近年、関心が高まりつつあるSDGsへの貢献を目的としたESG投資対象はグリーンボンドを中心にその規模を拡大しています。他方で、エクイティ市場におけるグリーン性評価取得は、その評価の基準を理由に希少性のあるものとなっています。本投資法人は、環境配慮への評価の高いESG投資対象たる上場インフラファンドとして、グリーンエクイティ(注)発行により更なるサステナブル投資への機会提供を図ります。

出所:「グリーンボンド」及び「サステナビリティボンド」について環境省「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」に基づき、また、「グリーンエクイティ」及び「サステナビリティエクイティ」については各発行体公表資料においてこれらに該当するものとされている件数に基づき、本資産運用会社が作成。
(注) 本投資法人は、2020年12月に実施した公募増資に関連して、2020年12月7日付で策定したグリーンエクイティ・フレームワークがグリーンボンド原則等の趣旨に準じるものであることを確認するため、第三者評価機関である株式会社投資情報センター(以下「R&I」といいます。)に評価を依頼し、R&Iよりセカンドオピニオンを取得しました。本投資法人は、かかる第三者評価機関による評価を取得した上で、グリーンエクイティ・フレームワークに則り本投資口を発行することがあり、かかるグリーンエクイティ・フレームワークに則って発行される投資口による資金調達方法を「グリーンエクイティ」と位置づけています。
④ ポートフォリオ構築方針
(イ) 基本方針
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備の量的拡大、質的向上に貢献しつつ、長期的な観点から着実な成長と安定した収益の確保を目指した運用を通じて投資主価値の最大化を目指し、さらに投資家の皆様に社会貢献投資の機会を提供するものとします。
本投資法人は、それぞれの投資対象地域において必要とされる社会的意義のある再生可能エネルギー発電設備を投資対象とし、特に太陽光発電設備等を中心としたポートフォリオの構築を進めるものとします。ポートフォリオの構築に当たっては、原則として以下の3項目を充たした物件を投資対象とします。
a. 1年以上の稼働実績を有すること
b. 発電設備の容量が500kW以上であること
c. 日本国内に立地していること
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益性を十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、必要なデューディリジェンスを行った上で、固定価格買取制度の適用の有無、発電出力、環境条件、接続電気事業者との系統連系その他の立地条件、太陽電池モジュールの製造業者及び性能その他の技術的要件、過去における発電実績、太陽光発電設備その他の再生可能エネルギー発電設備の設置・保守・運用に必要な用地の確保の有無等の投資基準を総合的に勘案して、取得について妥当性の判断を行います。太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
(ロ) 投資基準
a. 立地地域
本投資法人は、地域の活性化及び中長期な安定性の観点から、原則として日本全国を投資対象地域とします。但し、将来的な海外への投資を妨げないものとし、海外に立地する太陽光発電設備等に投資する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮します。
b. 固定価格買取制度の適用等
本投資法人は、原則として、再生可能エネルギー発電事業計画について経済産業大臣による認定を受け、認定事業者(後記「3 投資リスク (1)リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ト) 再エネ特措法に基づく認定が取り消される又は失効するリスク」に定義します。以下同じです。)が既に買取電気事業者との間で特定契約を締結し、接続電気事業者との系統連系が完了し、かつ、当該特定契約に基づく電気の供給を既に開始し、本投資法人の取得時点で1年以上の売電実績を有する再生可能エネルギー発電設備等を取得します。但し、固定価格買取制度の適用を受けない再生可能エネルギー発電設備についても、マーケット環境、対象資産の売電先や売電価格等の収益性及び安定性等を十分に勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける再生可能エネルギー発電設備に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該再生可能エネルギー発電設備に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力制御のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該再生可能エネルギー発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
c. 発電出力
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備の発電出力は、原則として500kW以上とします。但し、発電出力が500kW未満である太陽光発電設備についても投資資産の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
d. 環境条件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等の設置場所又は近接する適当な箇所における日射量その他の気象条件、自然災害等リスク、太陽光発電設備等に係る太陽電池モジュールの出力・効率等、パワーコンディショナーの出力・効率等、太陽電池モジュールの配置、角度等、日影等の周辺環境を踏まえて第三者によって算定された推定発電量を考慮するものとします。
本投資法人は、立地地域の気象条件等(降雪量、降雨量、降灰量及び風量を含みます。)や設置場所の地形、地盤、その他自然災害等のリスク等を考慮し、それらに適合する設計及び仕様により設置されたと判断した太陽光発電設備等について、ポートフォリオ構築方針等への適合性を総合的に勘案の上、太陽光発電設備等の取得を検討します。
e. 電気事業者等との系統連系その他の立地条件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等と電気事業者等の系統との接続地点までの距離、変電設備及び鉄塔等の当該太陽光発電設備等から系統への送電設備の設置状況及び当該設置場所に関する権利関係、その他の立地条件を考慮の上、長期的運用に支障がないと判断できる太陽光発電設備等の取得を検討します。
f. 太陽電池モジュール等の製造業者及び性能その他の技術的要件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材について、製造業者が提供する保証の内容、製造実績、製造業者の立地、能力及び信用力等について検証し、考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備等に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材の性能その他の技術的要件につき、当該太陽光発電設備等が立地する場所の気象条件、地理条件その他の立地条件を踏まえ、本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断できる太陽光発電設備等の取得を検討します。
g. 過去における発電実績
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等における過去における発電実績があれば、当該実績を考慮します。
h. 太陽光発電設備等の設置、保守・保安、運用に必要な用地の確保
本投資法人は、原則として、インフラ資産の設置、保守、運用に必要な用地(以下「発電設備用地」ということがあります。なお、発電設備用地は、再生可能エネルギー発電設備が設置されている用地のみをいい、当該設置場所から電力会社の系統に接続する地点までの送電線が経由する土地(以下「送電線敷設用地」といいます。)を含みません。)が、登記等により対抗要件を具備された所有権、賃借権(転借権を含みます。)又は地上権によって確保されたインフラ資産に投資します。但し、インフラ資産の発電設備用地の一部につき対抗要件が具備されていない場合等であっても、インフラ資産の設置、保守、運用に支障がないと合理的に判断できるときは、当該インフラに投資できるものとします。なお、発電設備用地が賃借権又は地上権により確保されている場合は、当該再生可能エネルギー発電設備に適用される調達期間(残存期間の全部又は大部分)を通じて発電設備用地を使用できると判断できることを必要とします。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
i. 事業用地の境界確定に関する方針
(ⅰ) 本投資法人が太陽光発電設備等を取得するに当たっては、境界について専門家の調査を実施し、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
(ⅱ) 前記(ⅰ)にかかわらず、各隣地との境界が以下のいずれかに該当し、専門家の調査を考慮の上、境界未確定のリスクが限定的と判断する場合には、例外的に、当該境界の確定を実施しないことができるものとします。
(a) 国土調査法(昭和26年法律第180号。その後の改正を含みます。)(以下「国土調査法」といいます。)に基づく地籍調査が完了している場合において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地の現所有者との関係及び当該敷地に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
(b) 当該境界について現況測量が実施されており、かつ、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じていない場合。
(c) 当該境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファー(間隔)がある場合において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地の現所有者との関係及び当該敷地に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
(d) 当該境界について境界確定を行うことが実務上難しい場合であって、隣地の所有者又は管理者から境界に関する指摘がなされておらず、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと合理的に判断できる場合。
(e) 太陽光発電設備等に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることが合意されており、境界未確定のリスクが発現した場合においても本投資法人が損害を被るおそれが限定的と判断できる場合。なお、売主に対して費用請求又は損害賠償請求できる期間については、一定の制限(原則として、2年間を下限とします。)を設けることができるものとします。
(f) 事業用地の隣地の所有者が事業用地の所有者と同一の場合で、境界に関する紛争又は認識の不一致が確認されない場合。
(ⅲ) 前記(ⅱ) (c)に規定する「境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファー(間隔)がある場合」に該当するか否かは、境界とフェンス、アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。
j. 再生可能エネルギー発電設備等以外のインフラ資産
本投資法人は、太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備等の種類及び特徴を勘案の上、前記(イ)及び本(ロ)を準用し、又は必要に応じ運用ガイドラインの変更を行った上で検討を行い、太陽光発電設備等への投資と同等の利益が得られるものとして本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものに投資するものとします。
⑤ フォワード・コミットメント等に関する方針
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
フォワード・コミットメント等を行う場合には、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさを勘案し、慎重に検討し対応します。また、先日付の買付け意向表明等を行う場合も、当該意向表明が取引への実質的な拘束力を持つ場合は、フォワード・コミットメント等を行う場合に準じた取扱いを行います。フォワード・コミットメント等を行う場合には、以下の事項を含む社内規程を遵守するものとします。
・ 原則として、フォワード・コミットメント等をした物件のうち未決済の物件の売買金額(取得予定金額)の合計が当該物件に係るコミットメント時点における本投資法人の保有資産残高(取得価格合計)の30%を上限とすること
・ 売買契約締結から物件引渡しまでの期間については、原則として、開発案件については2年間、完成済既存物件については3ヶ月間とすること
・ 決済予定日までに本投資法人の資金調達が完了していることを前提条件とする、資金調達不成就による解約については原則として違約金等を発生させない形とする、本投資法人の責めに帰すべき事由による解約に際しての違約金は一定の上限範囲内とする等、上場廃止要件を踏まえ、本投資法人の配当原資への影響等を勘案した条件を設定すること
また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかに、その旨及び当該フォワード・コミットメント等の概要(解約条件及び履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響)を開示します。
⑥ デューディリジェンスの実施
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、売主からの開示情報のみならず、独立した第三者である専門家からバリュエーションレポート及び不動産鑑定評価書、テクニカルレポート、自然災害ハザード調査報告書並びに必要に応じて法務調査報告書等を取得することで、客観性及び透明性を確保するとともに、本資産運用会社において別途定める「デューディリジェンスチェックリスト」に掲げる項目について適正なデューディリジェンスを行い、本資産運用会社が投資の可否を判断します。
⑦ 運営管理方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益確保及び個別資産の競争力維持の目的のもと、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化及び業務の効率化に努め、ポートフォリオ全体及び個別資産の特性に適合した施設運営、維持及び管理を費用対効果に配慮して実施していくものとします。
(イ) オペレーターの選定基本方針及びモニタリング
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定します。オペレーターの選定に際しては、別途定める「オペレーター選定基準」に従い、オペレーターが運営することとなる資産の種類及び地域における運営実績及び運営体制を確認するとともに、オペレーターの反社会的勢力該当性を確認するものとします。なお、本投資法人が投資する再生可能エネルギー発電設備に係るオペレーターは、「オペレーター選定基準」を充たすことを前提に、原則として丸紅に委託します。また、本資産運用会社は、オペレーターの選定後もモニタリングを適切に行います。
(ロ) O&M業者の選定基本方針及びモニタリング
本投資法人は、O&M業務等をO&M業者に委託することができます。O&M業者の選定に際しては、再生可能エネルギー発電設備の運営管理の経験や能力、実績、運用の継続性等、コストのみならず提供される業務の質も総合的に勘案して選定します。また、本資産運用会社は、O&M業者の選定後もモニタリングを適切に行います。
(ハ) 修繕計画の基本方針
a. 本投資法人は、オペレーター及びO&M業者と協議の上、適切に修繕、改修及び設備更新の計画を策定し、実施することで、中長期的な視点から資産価値及び収益の維持・向上を図ります。
b. 修繕工事、設備投資及び改修工事のための計画を「年度運用管理計画」において立案します。計画の立案に際しては、ポートフォリオ全体において可能な限り特定の時期に改修工事が集中しないように計画します。資本的支出については、減価償却費相当額とのバランス、費用対効果等を考慮して計画します。
(ニ) 付保方針
本投資法人は、火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保する方針です。但し、予想される個別の資産又はポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
a. 損害保険
火災・事故等に起因する建物への損害又は対人・対物事故に関する第三者からの損害賠償請求等に対処するため、必要な火災保険又は賠償責任保険等を付保します。
b. 地震保険
原則として物件単体のPMLの値が20%未満の投資対象資産を投資対象とするが、例外的に20%以上の投資対象資産に投資を行う場合においては、20%以上の部分に対して地震保険の付保等の必要な措置をとるものとします。
c. 引受保険会社
引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じて、複数の条件等を検討します。
(ホ) 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備等
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電設備等については、(ⅰ)当該再生可能エネルギー発電設備等により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ⅱ)当該再生可能エネルギー発電設備等を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電設備等を売却する場合は、後記「⑧ 売却方針」についても考慮します。但し、予め賃貸借期間満了後に賃借人へ所有権を移転させる旨の合意をしている場合には、当該合意に従います。
⑧ 売却方針
投資対象資産については中長期保有を原則とします。但し、投資対象資産の収支及び価値、並びに再生可能エネルギー発電設備市場の状況及び予測を総合的に勘案の上、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断した場合、又は投資主の利益の最大化に資すると判断した場合、以下に掲げる方針に従い、投資対象資産の売却を行います。また、例外的に、他の投資案件に付随して本投資法人の投資基準を満たさない投資対象資産を取得した場合には、短期間での売却を検討する場合があります。
(イ) 売却価格
投資対象資産の売却価格の決定に際しては、マーケット調査、取引事例等を十分考慮し、合理的に決定します。また、必要に応じてバリュエーションレポート及び鑑定評価書又は価格調査書等の取得による第三者意見を参考にします。
(ロ) 売却方法
売却に際しては、当該投資対象資産の将来にわたる収益性、売却資産の個別性、市場動向等を総合的に勘案し、相対取引・入札等の方法により売却先を決定するものとします。
⑨ 財務方針
本投資法人は、運用資産の中長期的に安定した収益の確保と着実な成長に資するため、財務活動の機動性及び資金繰りの安定性等に留意しつつ、本投資法人の投資口の発行及び借入れ並びに投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行うものとします。
(イ) 投資口の追加発行
投資口の追加発行は、金融環境、経済環境、市場動向、新たに取得する物件の取得時期、LTV等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。
(ロ) 借入れ等
a. 借入れ又は投資法人債の発行に際しては、金利動向、マーケット水準、財務の機動性、長期取引関係及び安全性のバランスを総合的に勘案し、借入期間、固定又は変動の金利形態、担保提供の要否及び手数料等の有利子負債調達条件を検討した上で、適切な資金調達を行います。
b. LTVは、資金余力の確保に留意した設定とし、巡航ベースでは60%程度とし、70%を上限とします。但し、リファイナンス・リスクの軽減又は新たな投資対象資産の取得のために、一時的にLTVの上限を超えることができるものとします。
c. 安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、スポンサーであるみずほ銀行を中心とする金融機関とのバンクフォーメーションを構築しつつ、借入先の分散による資金調達先の多様化にも積極的に取組みます。なお、借入先は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項第1号に定める適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
d. 各種必要資金を機動的に調達するために、コミットメントライン及び極度貸付枠等の融資枠の確保を必要に応じて検討します。
(ハ) 金銭の分配の方針
本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。
本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出等に影響を及ぼさず、かつ、再投資(投資対象資産の取得計画に沿った新規投資、保有資産の価値の維持・向上に向けて必要となる長期修繕計画及び資本的支出計画に沿った積立等)に対応するため、融資枠等の設定状況や中期的な減価償却費、繰延資産の金額と借入金の返済予定、資本的支出の金額のバランスを勘案の上、本投資法人が妥当と考える範囲で現預金を内部留保することとし、内部留保後の余剰資金から投資主に分配する方針です(注)。
また、本投資法人は、一般社団法人投資信託協会の規則に定める額を上限として、毎期継続的に分配可能金額(後記「(3)分配方針 ① 分配方針」に定義します。以下同じです。)を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行う方針ですが、利益超過分配の金額の具体的な目途を設けることはせずに、本投資法人が妥当と考える現金を留保した上で、その残額を毎期継続的に全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配し、投資主に還元することを目指します。
本投資法人は、かかる内部留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益の増加に基づく分配金の増額を図るとともに、上記の方針に基づく分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて、投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資するものと考えています。
分配可能金額を超える金銭の分配の実施及び金額の決定に当たっては、保有資産の競争力の維持・向上に向けて必要となる資本的支出の金額及び本投資法人の財務状況に十分配慮します。但し、経済環境、インフラ市場の動向、保有資産の状況及び財務の状況等を踏まえ、本投資法人が不適切と判断した場合には、分配可能金額を超えた金銭の分配を行いません(規約第37条第2項)。
また、本投資法人は、投資主との合意により本投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。本投資法人は、分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
分配可能金額を超える金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合のイメージ図は以下のとおりです。利益超過分配を実施した金額について、資産(現金)と純資産(出資総額又は出資剰余金)が減少します。
(注) クローズド・エンド型の投資法人は計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の60に相当する金額を限度として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行うことが可能とされています(一般社団法人投資信託協会「インフラ投資信託及びインフラ投資法人に関する規則」)。
(注)FFO(Funds From Operation)=当期純利益+減価償却費±再生可能エネルギー発電設備等売却損益
(ニ) 資金管理
a. 本投資法人は、必要な資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案の上、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b. 余剰資金は、安全性及び換金性の高い有価証券及び金銭債権へ投資を行う場合があります。
c. デリバティブ取引に係る権利は、本投資法人に係る負債又は本投資法人の運用資産から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限定します。
⑩ 開示の基本方針
(イ)本投資法人の資産運用業務に際しては、本投資法人に対する投資主の理解を促進し、その適正な評価のために、投資主に対して、本投資法人及び本資産運用会社に関する重要な情報(財務的・社会的・環境的側面の情報を含みます。)について公正かつ適切な開示を行います。
(ロ)情報開示については、金融商品取引法、投資信託及び投資法人に関する法律、会社法、その他の法令並びに本投資法人が上場する金融商品取引所及び投信協会が定める規程及び規則を遵守するとともに、正確かつ公平な開示に努めます。投資主に対して重要かつ有用な情報開示を行うことにより、資産運用についての説明責任を十分に果たすよう努めます。また、説明会、インターネット、各種印刷物を始めとするさまざまな情報伝達手段を活用し、投資主に対して分かり易い開示を行うよう努めます。
⑪ 利害関係者との取引についての指針
利害関係者との取引については、本資産運用会社において別途定める「利害関係者取引規程」に基づき行動するものとします。詳細は、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)本資産運用会社の自主ルール(利害関係者取引規程)」をご参照ください。
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、インフラ資産(再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権をいいます。以下同じです。)及びその敷地等(以下、インフラ資産と併せて「インフラ資産等」といいます。なお、以下、本投資法人が投資・取得し運用するものとされるインフラ資産等について言及する場合、「インフラ資産等」にはインフラ関連資産(注1)の裏付けとなるインフラ資産も含むものとします。)の特定資産へ投資し、取得したインフラ資産等を賃貸することによる運用を通じて、安定したキャッシュフロー及び収益を維持するとともに、中長期にわたる持続的な成長戦略を通じて、運用資産の規模拡大や収益の向上を目指します。また、それによって得られた利益を、運用資産の規模拡大及び収益の向上を実現しつつ投資主に最大限還元することを目指す、分配金を重視した運用方針をとることで、安定性と成長性を追求した運用による「投資主利益の最大化」を目指します。
また、本投資法人は、インフラ資産等の中でも、太陽光発電設備等を中心とする再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象として運用することによって、我が国における再生可能エネルギーの導入拡大を通じたクリーンな地球環境への寄与を目指します。再生可能エネルギーは、化石燃料による発電と比較し、発電時にCO2を排出しない方法によるものが多く、また、日本のエネルギー自給率の向上に貢献するものとして、日本にとって重要なエネルギー源として位置づけられているため、我が国における再生可能エネルギーの重要性は引き続き高まっていくことが期待されると同時に、導入量の十分な拡大余地があると考えています。また、その中でも太陽光発電設備等は既稼働案件の売買が多くなされており、他のインフラ資産等に比べて運用実績が蓄積されていることから、当面は太陽光発電設備等に重点投資を行う予定です。将来的には、風力発電設備や地熱発電設備といったインフラ資産等への投資も検討し、多様なポートフォリオの構築を目指します。本投資法人の投資口への投資を通じて、投資主に「社会に求められる良質なESG(注2)投資」を通じた有意義な社会貢献投資の機会を提供できると考えており、外部格付機関からも高い環境評価を得ています。さらに、本投資法人は、その資産運用会社において、透明性の高い組織運営体制をとることで、上述の投資機会を持続的に資本市場へ提供することが可能になると考えており、これを通じて「持続的な社会貢献」を目指します(本投資法人は、このようなコンセプトを『豊かな未来への責任投資』とのキャッチコピーで表現することがあります。)。
(注1) インフラ関連資産の定義は、後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類」をご参照ください。
(注2) ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
a. スポンサー総合力に裏付けられた成長力
本投資法人の資産運用会社であるジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社のスポンサーは、再生可能エネルギー発電事業及びインフラ事業、並びに当該事業に対する金融取引に関する実績が豊富な、丸紅、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の3社であり、本資産運用会社は、スポンサーとの間でそれぞれの多様な特性及び強みを活かすためのスポンサーサポート契約(注)を締結しています。丸紅を中心とするスポンサーグループは、総合商社、又は総合金融グループとして、太陽光発電事業を中心とする再生可能エネルギー発電事業のみならず、インフラ事業を含めて国内外で幅広い実績を有しており、本投資法人は、インフラ事業における豊富な実績・ノウハウと多様なネットワークを有するスポンサーグループの幅広いサポートを基盤として、持続的な資産規模の拡大を目指します。具体的には、スポンサーグループの長年の業歴によって培った経験とノウハウを活かして、スポンサーグループから「豊富な事業実績と経験」に基づいた「サステナビリティへのコミットメント」・「電力・インフラ事業における知見とノウハウ」・「資産運用力」及び「ネットワークと安定性」に資する「資金調達力」・「財務管理ノウハウ」・「物件取得機会」の提供を受けることが可能であると考えています。スポンサーグループにとっても、本投資法人に対して様々な物件情報や技術力、ノウハウ等を提供することにより、インフラ事業及び当該事業に対する金融取引に関する実績を積み重ねていくことが可能となります。このような本投資法人との互恵的協働関係を背景に、スポンサーサポート契約を通じて、スポンサーグループが開発・保有するインフラ資産等に関する物件情報や、スポンサー以外が保有するインフラ資産等に関する物件情報、ウェアハウジング機能、並びにインフラ資産等の運営等に係る関連事業等における支援の提供を受けることができると考えています。
本投資法人を含むインフラファンドにとって、投資対象となり得るインフラ施設は、再生可能エネルギー発電設備等の他に、空港、港湾、高速道路、ガス・石油のパイプライン等多岐にわたります。本投資法人は、当面の間は太陽光発電設備等を中心に投資を行いますが、再生可能エネルギー発電事業及びインフラ事業における豊富な実績・ノウハウと多様なネットワークを有するスポンサーの幅広いサポートを基盤とし、将来的には太陽光発電設備等以外の投資対象資産の取得も検討しながら、持続的な資産規模の拡大を目指します。
(注) 各スポンサーサポート契約の概要については、後記「② 本投資法人の特徴 (イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力 e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」をご参照ください。

b. 長期安定した分配金の仕組みと安定的な財務運営
(ⅰ) 長期安定的な分配金を生み出すストラクチャー
本投資法人が本書の日付現在で保有する25物件は、全て固定価格買取制度(再生可能エネルギー源(注1)を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格(注2)で一定の調達期間(注3)、電気事業者(注4)に買い取ることを義務づける制度をいいます。)が適用される太陽光発電設備等です。
本投資法人は、本投資法人が保有する太陽光発電設備を発電事業者である賃借人SPCに賃貸し、当該賃借人SPCから基本賃料と変動賃料を収受する、安定性とアップサイドを兼ね備えた賃料スキームを採用しています。本投資法人の保有資産の賃借人は、固定の調達価格により売電し、その収入を原資として、本投資法人に対して賃料を支払うため、発電量に大きな変動がない限り、本投資法人は、経済情勢や周辺環境の変化等の影響を受けることなく、賃料の確実な収受を見込むことができます。
さらに、本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備の運営実績が豊富なオペレーターを選定することで、効率的かつ質の高い運営による安定したキャッシュフローの実現を図ります。なお、全ての保有資産に係るオペレーター業務を、後記「② 本投資法人の特徴 (イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力 b. 丸紅グループの電力・インフラ事業における実績」に記載のとおり、豊富な運営実績を有する丸紅に委託しています。
(注1) 「再生可能エネルギー源」とは、太陽光、風力、水力、地熱及びバイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除きます。)をいいます。)の各エネルギー源をいいます。
(注2) 再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取価格」ともいいます。
(注3) 再エネ特措法第3条第1項に定める意味により、以下「買取期間」ともいいます。
(注4) 「電気事業者」とは、再エネ特措法第2条第1項に規定する電気事業者をいい、旧再エネ特措法のもとでは、主に、東京電力エナジーパートナー株式会社及びその他の大手電力会社9社その他の小売電気事業者(電気事業法(昭和39年法律第170号。その後の改正を含みます。)(以下「電気事業法」といいます。)第2条第1項第3号に規定する小売電気事業者をいいます。)を指し、現行再エネ特措法のもとでは、東京電力パワーグリッド株式会社及びその他の大手電力会社9社の送配電部門からなる一般送配電事業者(電気事業法第2条第1項第9号に規定する一般送配電事業者をいいます。)並びに特定送配電事業者(電気事業法第2条第1項第13号に規定する特定送配電事業者をいいます。また、一般送配電事業者と特定送配電事業者を併せて「送配電事業者」といいます。)を指します。
(ⅱ) 安定的な財務運営
本投資法人は、安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目的として、スポンサーである丸紅の信用力に加え、スポンサーであるみずほ銀行の財務面でのサポートを基盤とした強固なバンクフォーメーションを構築し、計画的かつ機動的な財務戦略の立案・実行を図ります。特に再生可能エネルギー発電事業に対する融資について豊富な経験を持つみずほ銀行のサポートによって、複数の金融機関との間で強固な関係を築くことで、効率的な資金調達を実現し、安定的かつ健全な財務運営を目指します。
さらに、本投資法人は、本書の日付現在、信用格付業者である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期発行体格付(見通し)として、「A(安定的)」(注)を取得しており、今後も中長期的に安定的な財務基盤の構築を図る方針です。
(注) 「長期発行体格付」は、本投資法人に関する格付であり、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)に対する格付ではありません。なお、本投資口について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供された信用格付又は信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
c. 投資主利益の最大化
(ⅰ) 利益を超えた金銭の分配と再投資による利益分配向上の両立
本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備等は、その大部分が減価償却の対象となる資産となるため、不動産投資法人(J-REIT)に比べて、会計上の利益とキャッシュフローとの差異が大きくなります。本投資法人は、当該差異から生じる余剰資金の効率性を可能な限り高めることを目的として、本投資法人の借入債務返済後の減価償却費相当額を含むキャッシュフローを、再投資(投資対象資産の取得計画に沿った新規投資、保有資産の価値の維持・向上に向けて必要となる長期修繕計画及び資本的支出計画に沿った支出・積立等)に対応するために妥当と考える範囲で内部留保することとし、基本的に、内部留保後の余剰資金を、毎期継続的に利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)として投資主に還元する方針です。本投資法人の分配方針の詳細については、後記「⑨ 財務方針 (ハ) 金銭の分配の方針」をご参照ください。余剰資金からの利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて投資主への分配金の向上を目指すとともに、再投資を通じた純利益に基づく分配金の増額を目指すことが、最終的には本投資法人、ひいては投資主の利益に資すると考えています。
(ⅱ) 丸紅のセイムボート出資
本投資法人は、投資主と、スポンサーである丸紅及び本資産運用会社の利害を一致させ、投資主価値の中長期的な向上を実現するために、ガバナンス上の取組みとして丸紅からのセイムボート出資を受け入れています。なお、本書の日付現在で、丸紅は、発行済投資口数の2%程度(2,400口)を保有しています。丸紅は、その保有する本投資法人の投資口につき、特段の事情がない限り、保有を継続する意向であることを表明しています。これにより、スポンサーである丸紅が中長期的に本投資法人の投資口を保有する点でスポンサーの強いコミットメントが示されており、本投資法人の投資主及びスポンサーの相互の利益向上を図ることができると本投資法人は考えています。
② 本投資法人の特徴
(イ) スポンサー総合力に裏付けられた成長力
a. 総合商社としての丸紅グループとそのサステナビリティへの取組み
(ⅰ) 総合商社としての丸紅グループ
創業から約1世紀半、経済環境の激しい変化に対して、たゆまぬ変革を繰り返してきた丸紅グループは、主として、「生活産業」、「食料・アグリ・化学品」、「エネルギー・金属」、「電力・インフラ」、「社会産業・金融」の5つの分野で事業を展開(注)し、国内外の各地でプロジェクトを推進しています。世界中にネットワークを持つ丸紅グループを一つのプラットフォームと捉えた「Global crossvalue platform」(丸紅の企業理念)により、時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる課題を克服することで、社会・顧客に向けてソリューションを創出・提供しています。本投資法人は、丸紅グループが「Global crossvalue platform」に基づき様々な分野で獲得した情報力、分析力、プロジェクト開発力、オペレーション力等の知見やノウハウの提供を受けることで、成長機会を得ることができると考えています。
(注) 上記はスポンサーである丸紅グループの事業の概要を紹介する目的で掲載しているものであり、本投資法人の事業とは直接関係のない事業も含まれます。
(ⅱ) 丸紅グループのサステナビリティへの取組みを背景とした本投資法人の組成
丸紅グループは、気候変動、森林破壊、人権問題等が地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題となり、これらの課題に対して、企業の中長期的な方針を明確化し、実践することが非財務価値を含めた企業価値向上に直結すると考えています。上記の方針に基づいて環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の課題に取組み、国際的な規範を参照して、取組むべき課題を明確にするとともに活動の方向性を確認する一助としています。このように、環境や社会の要請を先取りして、プロアクティブにソリューションを提供し、経営理念を実践することこそが丸紅グループにとってのサステナビリティであるとの考えの下、丸紅グループはサステナビリティに関する取組方針として、下図のような環境・社会課題の解決に貢献するために4つの環境・社会マテリアリティを策定しています。
その一つの方針である「気候変動対策への貢献」の一環として、丸紅グループは「サステナビリティへの取組方針(石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について)」を定め、再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組みとして、自社グループの発電ポートフォリオにおける再生可能エネルギー電源の比率をネット発電容量ベースで2018年9月時点の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指しています。
また、「持続可能な森林経営、森林保全への貢献」の一環として、丸紅グループの事業活動における持続可能な森林経営と保護価値が高い森林の保全を推進し、無秩序な森林伐採に歯止めをかけるための取組みを約束する、森林経営方針を推進しています。再生可能エネルギー発電設備等を主要な投資対象とするインフラファンドである本投資法人の組成は、こうした丸紅グループの環境対策及び再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組方針を背景としています。


b. 丸紅グループの電力・インフラ事業における実績
(ⅰ) 国内
丸紅グループは、持続可能な社会の実現に向けた再生可能エネルギー事業の積極的な推進により、開発事業者や太陽光発電設備建設工事一括請負(EPC(注1))事業者として、国内で多数の太陽光発電の事業実績を有しています。2013年度には、国内IPP(注2)第1号案件の運転を開始し、以降、日本全国で太陽光発電設備の開発・運営・維持・管理を実施してきました。また、丸紅グループはパネルやパネル製造設備の販売から太陽光発電関連ビジネスに参入し、太陽光パネル、パワーコンディショナー(注3)、EV用急速充電器の販売をはじめ、太陽光発電事業の運営や、太陽光パネル及び蓄電池の試験・検査にも順次進出し、太陽光発電事業全体を担うまでに発展しました。2017年には、市場投入前のパネルや蓄電池が集まる試験所(米国)への出資を通じ、最新技術、業界動向を把握する体制も構築しています。20年以上にわたり行ってきた太陽光発電事業における幅広い事業実績によって蓄積した知見・ノウハウを発揮し、再生可能エネルギーの普及と電化社会の実現に貢献しています。
本投資法人は、スポンサーである丸紅の太陽光発電開発事業及び関連事業の豊富な経験に基づき、太陽光発電設備の売買情報や開発プロジェクトに関するマーケット情報等の提供を受けることによって、外部成長機会の確保や、プロジェクト分析及び適切な投資判断を通じた質の高い物件の選定に活かしていけると考えています。また、太陽光発電関連事業における幅広い実績を、発電事業オペレーションのノウハウ提供や質の高い太陽光パネルの設置等、本投資法人の保有資産の安定運用に活かしていくことが可能であると考えています。
また、丸紅グループは、太陽光発電事業以外の再生可能エネルギー事業も幅広く展開しており、風力発電や小水力発電、地熱発電、バイオマス発電等幅広い再生可能エネルギー発電の事業分野において、知見やノウハウを有しています。これらの再生可能エネルギー発電設備等は、環境アセスメントや開発の難しさにより、太陽光発電設備等に比べてより高度な案件分析力、開発力、管理運営力が必要となりますが、丸紅グループの技術力やプロジェクト管理力を活かして多数の事業実績を有しています。
本投資法人は、将来的に太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等の取得を検討する際に、丸紅グループの再生可能エネルギー発電事業における幅広い知見とノウハウを通じて、物件取得機会や案件分析力、運営管理ノウハウの提供を受けることが可能であると考えています。
(注1) Engineering, Procurement, Constructionの略称であり、太陽光発電設備等の建設等を請け負うことをいいます。
(注2) Independent Power Producerの略称で、発電から送電、小売までの全てを自前で行う一般電気事業者とは異なり、発電だけを行う独立系発電事業者のことをいいます。
(注3) 太陽光パネルで発電した直流の電気を交流に変換する設備をいいます。
(ⅱ) 海外
丸紅グループは、国内にとどまらず海外においても、強固な地域営業力と案件開発拠点及び資産管理体制、長年培ったEPCの知見やファイナンス組成力を活用することで、太陽光発電事業の開発・建設並びに保守・運転に主体的に参画し、安全かつ安定した電力の供給と発電所の運営を行っています。丸紅グループは、安定収益基盤である長期売電契約を締結済みのIPP事業案件を中心に、地域・電源においてグローバルにバランスのとれた資産ポートフォリオを構築しています。
また、インフラ事業においては、1960年代に海外電力設備の納入・建設に着手して以来、日系・欧米メーカーと積極的に、世界各国で発電・送電・変電のEPC案件の受注及びインフラ事業の受注実績を積み重ね、その知見とノウハウが、各種再生可能エネルギー発電事業及びインフラ運営事業に活かされています。保有資産は全て固定買取価格制度が適用される太陽光発電設備等であり、本投資法人は、当面の間は国内の太陽光発電設備等を中心に投資する方針ですが、丸紅グループの各事業グループのノウハウを結集した高い技術力とノウハウ、グローバル規模の協業ネットワーク等をできる限り活用することで、将来的には国内外の多様な発電設備等やインフラ資産等、幅広い資産の運用を検討でき、また案件分析力、オペレーション力、効率的な施設運営・管理等に活かすことができると考えています。
c. 丸紅グループのネットワークを活用した成長戦略
丸紅は、総合商社として太陽光発電関連事業者との幅広い取引実績を有し、外部ネットワークを通じた物件情報の取得や、パネル・蓄電池等の最新技術や業界動向を把握することができる体制を構築しています。かかる丸紅グループのネットワークの活用の一例として、本資産運用会社は、丸紅グループと太陽光発電関連事業における取引実績を有するプロスペックAZ及び丸紅と出資関係にあるみずほ丸紅リースとの間でそれぞれパイプラインサポート契約を締結しており、物件取得機会の拡大を図っています。また、丸紅は、自社グループ内に再生可能エネルギー関連事業を行っている企業を多数有しており、物件情報の収集だけでなく、オペレーションやO&M業務、電力小売事業等での協働を通じて、本投資法人保有資産の長期安定的な運営に活かす方針です。プロスペックAZ及びみずほ丸紅リースとの各パイプラインサポート契約の概要は、後記「e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」をご参照ください。

d. 丸紅グループの資産運用における実績
丸紅グループは、2003年12月に東京証券取引所投資信託証券市場に上場した、ユナイテッド・アーバン投資法人(UUR)のスポンサーとして、REITビジネスに参入しました。2021年6月末日時点で、UURの運用資産(取得価格ベース(注))は約6,728億円となっています。また、2014年には、UURで培ったREITの運営ノウハウを活用し、丸紅プライベートリート投資法人(MPR)を設立し、私募REITの運用を始めました。2021年3月末時点で、MPRの運用資産(取得価格ベース(注))は約2,896億円となっています。このように、着実にREITを成長させてきたグループとしてのノウハウやサポート力を、本投資法人の運用に活かしていきます。
なお、UUR及びMPRの資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社とは別法人であり、各社における情報管理体制も独立して整備されています。丸紅は、再生可能エネルギー発電設備等について、UUR及びMPRの資産運用会社に対して物件提供のコミットメント等の優先的取扱いを行っていません。
(注) 本d. において「取得価格」とは、原則として、UUR、MPRの各保有物件の売買契約に記載された売買価格(取得に係る諸費用及び消費税等を含みません。)をいいます。但し、UURの運用資産のうち、UURが日本コマーシャル投資法人との合併に伴い承継した物件については受入価格をいいます。
(注) 上記の各物件は、UUR又はMPRの保有物件であり、本投資法人は取得を予定していません。e. 外部成長戦略
(ⅰ) パイプラインサポート会社のサポート等を通じたパイプラインの供給
パイプラインサポート会社が優先交渉権を有している太陽光発電設備等を中心として、日本全国にパイプラインを形成しています。さらに、スポンサーサポートを活かしたネットワークにより、パイプラインサポート会社以外の第三者からも物件取得機会を確保し、ブリッジファンド等を活用して優先交渉権の付与を受けることで、多様なルートからの物件取得を可能としています。パイプラインサポート会社とスポンサーのネットワークを活用したパイプラインの供給を通じて、ポートフォリオバランスに配慮しつつ、継続的な資産規模の拡大を目指します。
(ⅱ) 多様なソーシングルートによる物件取得
本投資法人は、本資産運用会社及びスポンサーグループがそれぞれ有するノウハウを相互に活用し、ブリッジファンド等の組成をはじめとした取得方法の多様化を図ることで、外部からの物件調達の機会を確保しています。その工夫の一環として、本投資法人は、マーケット動向に応じて物件取得のタイミングや取得物件数をコントロールし、機動的な物件取得を実現するため、ブリッジファンド等を活用することがあります。本投資法人は、総合商社である丸紅グループと総合金融グループであるみずほグループのインフラ市場における総合力、丸紅グループによるREITビジネスの実績に裏付けられた資産運用力、インフラ資産に関する本資産運用会社独自のノウハウを活用し、着実な外部成長を目指します。
物件取得にあたってはブリッジファンド等の組成をはじめとした取得方法への工夫を凝らすことで、外部やサポート会社などからの取得機会の確実な取込みを図っています。特にブリッジファンド等を活用することにより、ブリッジファンド等がマーケットで対象物件を取得することで、本投資法人による物件取得のタイミングや取得物件数のコントロールが可能となります。また、ブリッジファンド等では、完工済の物件のみならず開発中の物件や、株式や匿名組合出資持分を通じた投資等も柔軟に行うことが可能です。これらにより、本投資法人が取得する際の開発リスクの低減や、売主の様々な売却ニーズへの柔軟な対応可能性を視野に入れた幅広い売主からの物件売却情報を捕捉することが可能であり、本投資法人における外部調達機会の拡大を図ることができると考えています。
さらに、ブリッジファンド等の組成は、スポンサー系列のみずほ証券株式会社又はみずほ丸紅リースにアレンジを委託しており、それぞれの資金調達ネットワークとファイナンスに関するノウハウを活用することで、ブリッジスキームを活用した多様な物件取得機会の確保が可能となります。実際に、保有資産について、みずほ証券株式会社又はみずほ丸紅リースのアレンジするブリッジスキームを活用しています。

(ⅲ) ポストFITを見据えた成長戦略
固定価格買取制度対象となる太陽光発電設備の継続的な取得による資産規模拡大を中期的な目標としながら、ポストFIT(FIT制度からFIP制度(注1)への移行後)を見据えた長期的な視点として、固定価格買取制度対象外の太陽光発電設備等のほか、風力発電所や、地熱発電所といった太陽光発電設備以外の再生可能エネルギー発電設備等も取得対象資産に組み入れ、固定価格買取制度から自立したポートフォリオの構築を目指します。さらに将来的には、公共施設等運営権(コンセッション)などの再生可能エネルギー発電設備等以外のインフラ資産も取得対象資産に組み入れることで、より多様なポートフォリオを構築しながら、長期的に資産規模1,000億円(取得価格ベース)を目指します(注2)。
(注1) FIT制度とはFeed-in Tariffの略称で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことをいい、FIP制度とは、Feed-in Premiumの略称で、FIT制度に代わり新たに導入が予定されている、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度のことをいいます。(注2) 上記の資産規模目標は、本書の日付現在の本投資法人の目標値であり、その実現や目標値の達成時期を保証又は約束するものではありません。また、上記のイメージ図はあくまで成長イメージを示したものであり、かかるイメージのとおりに成長を実現できることを保証又は約束するものでもありません。本投資法人の資産規模の拡大については、資金調達環境や、パイプラインに含まれる太陽光発電設備等の開発時期、その他の資産の取得機会の程度及び売主との交渉等によるため、資産規模目標を達成できず、また成長イメージと乖離する結果となる可能性があります。
(ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約
本資産運用会社は、各スポンサーとの間で、本書の日付現在、それぞれスポンサーサポート契約を締結しており、本投資法人は、下記の各種サポートの提供を受けます。また、丸紅グループとの太陽光発電関連事業における取引実績を背景としたネットワークを活用し、プロスペックAZ及びみずほ丸紅リースとの間でパイプラインサポート契約を締結しており、再生可能エネルギー発電設備等の取得検討機会の拡大を図っています。各スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約の概要は、以下のとおりです。
(a) 丸紅とのスポンサーサポート契約の概要
本資産運用会社と丸紅とのスポンサーサポート契約において、丸紅は、以下のサポートを提供することとされています。かかる丸紅とのスポンサーサポート契約により、本投資法人は丸紅から物件取得機会の提供を受けるとともに、丸紅の電力・インフラ事業における知見とノウハウを活用して運用資産の効率的かつ着実なオペレーション及びこれによる内部成長に努めるとともに、丸紅の信用力を背景として強固な財務基盤を構築します。また丸紅によるセイムボート出資により投資主価値の最大化を図ります。
A)売却、開発プロジェクト等に関するマーケット情報の提供
丸紅は、自ら又は自らの関係会社が売却対象として保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(a)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、本資産運用会社から要請があった場合は、やむを得ない事情がある場合を除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うものとします。また、丸紅は、自ら又は自らの関係会社以外の第三者が保有、開発する又は保有、開発を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について売却に係る情報を取得した場合には、当該本再生可能エネルギー発電設備等が本投資法人の取得対象となりうると合理的に判断された場合、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、要請のあった情報の提供を行います。但し、情報提供に関してやむを得ない事情がある場合においてはこの限りではありません。
B)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、将来における本投資法人による本再生可能エネルギー発電設備等の取得を実現するために、第三者が保有又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等について、本投資法人への譲渡を前提とする一時的な取得及び保有を丸紅に依頼することができるものとし、丸紅は、当該依頼があった場合には、本資産運用会社との間で、当該依頼について丸紅の関係会社による一時的な取得及び保有を含め誠実に協議を行うものとします。
C)保守運営業者の選定支援その他の業務支援
本資産運用会社は、本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について、(ⅰ)保守運営業務を実施する事業者の選定、(ⅱ)管理、運営又は増設等に係る補助業務、助言業務等、(ⅲ)本再生可能エネルギー発電設備等のデューディリジェンスに係る支援業務、及び(ⅳ)本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の収集、分析等を、丸紅に依頼することができるものとし、丸紅は、かかる依頼があった場合には、候補者の選定その他必要な支援を行うものとします。
D)人材及びノウハウの提供に関する協力
丸紅は、本資産運用会社からの要請があった場合、法令に反しない範囲内において、丸紅又はその関係会社が有する人材及びノウハウの本資産運用会社に対する提供について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、丸紅は、本資産運用会社からの要請があった場合、丸紅又はその関係会社による本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を商業上合理的な範囲で行うものとします。
E)調達期間終了後の売電支援
丸紅は、本資産運用会社から、本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について、当該設備において発電する本再生可能エネルギー電気の売却手段を早期に確保できるよう、再エネ特措法に定める調達期間の経過後の売電先の選定支援のサポート等を依頼された場合、発電設備の運転実績、その他発電設備の維持管理に係る情報等につき合理的な範囲で必要な支援を行うものとします。
F)資金調達に関する情報提供
丸紅は、本資産運用会社から、本投資法人が資金調達を実施するに際して資金提供を行う事業者やマーケット環境等に関する情報提供を依頼された場合、法令に反しない範囲内において、当該情報提供その他の支援を行うものとします。
G)境界紛争及び環境規制への対応に関する支援
丸紅は、本資産運用会社から本投資法人が保有する、又は保有を予定している本再生可能エネルギー発電設備等に関して、当該設備等を利用して行う事業に関連する土地について生じた又は生じるおそれのある境界紛争や環境規制について支援を求められた場合には、法令に反しない範囲内において、関係者との協議、交渉その他の対応について支援を行うものとします。
(b) みずほ銀行及びみずほ信託銀行とのスポンサーサポート契約の概要
本資産運用会社とみずほ銀行及びみずほ信託銀行とのスポンサーサポート契約において、みずほ銀行及びみずほ信託銀行は、以下のサポートを提供することとされています。かかるみずほ銀行及びみずほ信託銀行(以下本(b)において「スポンサー」と総称します。)とのスポンサーサポート契約により、本投資法人はスポンサーから物件取得機会の提供を受けるとともに、ウェアハウジングにおける資金調達の支援やバンクフォーメーション構築の支援を通じて財務面におけるサポートを受け、みずほ銀行を中心とする強固なバンクフォーメーションの構築を目指します。
A)売却、開発プロジェクト等に関するマーケット情報の提供
スポンサーは、自ら又は自らの関係会社が売却対象として保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(b)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、本資産運用会社から要請があった場合は、当該情報を提供できない事情があるときを除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うよう最大限努力するものとします。また、スポンサーは、自ら又は自らの関係会社以外の第三者が保有、開発する又は保有、開発を予定している本再生可能エネルギー発電設備等について売却に係る情報を取得し、当該本再生可能エネルギー発電設備等が本投資法人の取得対象となりうると自ら判断した場合、又は本資産運用会社から要請があった場合は、当該情報を提供することができない事情があるときを除き、本資産運用会社に対し、当該本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うよう最大限努力するものとします。
B)ウェアハウジングにおける資金調達の支援
本資産運用会社は、将来における本投資法人による本再生可能エネルギー発電設備等の取得を実現するために、第三者が保有又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等について、本投資法人への譲渡を前提とする一時的な取得及び保有のための資金調達の支援をみずほ銀行に依頼することができます。みずほ銀行は、当該依頼を受けた場合には、本資産運用会社との間で、資金調達の支援の可否及び支援する際の条件について誠実に協議を行うものとします。
C)資金調達要請への対応及びバンクフォーメーション構築の支援
みずほ銀行は、本資産運用会社から、本投資法人の運営又は本再生可能エネルギー発電設備等の取得に係る資金調達の要請があった場合には、かかる要請に応じて情報提供、資金の借入れに関する相談への対応及び融資の提案、シンジケート団の組成等ファイナンスストラクチャーの構築及び構築のための活動等を可能な限り行うことに努めます。
D)財務戦略に関する助言提供
スポンサーは、本資産運用会社との間で諸条件を含め別途合意をした場合、法令等及び契約に反しない範囲で、本投資法人の財務戦略に関連する業務に関しアドバイス及び補助業務の受託を行うものとします。
E)人材及びノウハウの提供に関する協力
スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、スポンサー又はその関係会社が有する人材及びノウハウの本資産運用会社に対する提供について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、スポンサーは、本資産運用会社からの要請があった場合、スポンサー又はその関係会社による本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を商業上合理的な範囲で行うものとします。
(c) プロスペックAZとのパイプラインサポート契約の概要
A)保有プロジェクトの情報提供及び供給
プロスペックAZ(以下本(c)において「サポート会社」といいます。)は、本資産運用会社に対し、自らが保有、開発する又は保有、開発を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(c)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)について、売却を計画する場合には、本資産運用会社に対し、本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、要請のあった情報の提供を行います。但し、第三者が保有し、又は開発中の本再生可能エネルギー発電設備等に係る情報の提供は、当該第三者の承諾を得たことを条件として行われるものとし、この場合、サポート会社は当該第三者から承諾を得るために商業上合理的な努力をするものとします。
B)優先交渉権の付与
a) 優先交渉権の付与
サポート会社は、本再生可能エネルギー発電設備等の本投資法人が取得可能な資産の売却を計画する場合、当該再生可能エネルギー発電設備等に関する情報を第三者に先立ち、本投資法人及び本資産運用会社に提供し、当該再生可能エネルギー発電設備等に関する優先交渉権(優先的に売買交渉を行う権利)を、本資産運用会社に付与します。優先交渉権は、本再生可能エネルギー発電設備等毎に、b)に定める優先交渉期間を定めた場合はその間効力を有するものとします。
b) 優先交渉権の有効期間
優先交渉期間は、サポート会社と本資産運用会社が別途合意する期間(但し、6ヶ月を超えない期間とします。)とします。
c) 購入の意思の通知
本資産運用会社は、優先交渉期間内にサポート会社に対し、本投資法人による購入の意思の有無を通知するものとします。
d) 優先交渉期間中の第三者への情報提供・売買交渉の禁止
サポート会社は、優先交渉期間中及びc)に基づく購入の意思がある旨の通知後における売買契約締結に向けた協議が継続する期間中、第三者に対して本再生可能エネルギー発電設備等に関する情報の提供、売買交渉を行ってはならないものとします。但し、優先交渉期間の経過後については、本資産運用会社及び本投資法人が、売買契約締結に向けた協議を不合理に遅延させた場合にはこの限りではありません。
e) 最終売却条件
優先交渉期間内に購入の意思がある旨の通知がなされず、又は売却条件が合意に達しなかった場合、サポート会社は、第三者との間で本再生可能エネルギー発電設備等の売却につき協議を開始することができるものとします。但し、第三者が提示する条件が、優先交渉期間内に本投資法人が提示した条件(もしあれば)と同等以下である場合には、サポート会社は、速やかに本資産運用会社にその旨を通知し、通知後遅滞なく本資産運用会社がサポート会社に対し当該第三者が提示する条件と同条件以上の条件を提示し、サポート会社がこれに同意した時は、本投資法人は、サポート会社より本再生可能エネルギー発電設備等を当該第三者に優先して購入することができるものとします。
C)保守運営業務の提供
サポート会社は、本投資法人及び本資産運用会社から保守運営業務の実施を依頼された場合、本投資法人が保有する本再生可能エネルギー発電設備等につき、別途締結する保守運営業務委託契約に基づく保守運営業務その他の必要な支援を行うものとします。
D)人材の確保に関する協力
サポート会社は、本資産運用会社から要請があった場合、法令に反しない範囲内において、人材の確保について商業上合理的な範囲で協力するものとします。また、サポート会社は、本資産運用会社からの要請があった場合、本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な協力を行うものとします。
(d) みずほ丸紅リースとのパイプラインサポート契約の概要
A)保有プロジェクトの情報提供及び供給
みずほ丸紅リース(以下本(d)において「サポート会社」といいます。)は、自らが開発し若しくは保有する又は開発若しくは保有を予定している再生可能エネルギー発電設備等(以下本(d)において「本再生可能エネルギー発電設備等」といいます。)であり、かつ、(1)サポート会社が第三者との間のリース契約に基づき保有している本再生可能エネルギー発電設備等、(2)サポート会社が第三者との間の延払売買契約に基づき保有している本再生可能エネルギー発電設備等、(3)サポート会社が第三者に対して優先交渉権又は先買権その他類似の権利を付与している本再生可能エネルギー発電設備等、その他一定の本再生可能エネルギー発電設備等(以下、総称して又は個別に「保有プロジェクト」といいます。)について、売却を計画する場合には、本資産運用会社及び本投資法人に対し、当該保有プロジェクトに関する情報の提供を行うほか、本資産運用会社から要請があった場合には、実務上合理的な範囲で要請のあった情報の提供を行います。
B)優先交渉権の付与
a) 優先交渉権の付与
サポート会社は、保有プロジェクトの売却を計画する場合、当該保有プロジェクトに関する情報を第三者に先立ち、本投資法人及び本資産運用会社に提供します。かかる提供を行ってから10営業日以内に、本投資法人又は本資産運用会社が、当該保有プロジェクトの購入を検討する意思をサポート会社に対して表明した場合には、サポート会社は、当該保有プロジェクトに関する優先交渉権(優先的に売買交渉を行う権利)を、本資産運用会社に付与します。優先交渉権は、保有プロジェクト毎に、b)に定める優先交渉期間を定めた場合はその間効力を有するものとします。
b) 優先交渉権の有効期間
優先交渉期間は、サポート会社と本資産運用会社が別途合意する期間(但し、6ヶ月を超えない期間とします。)とします。
c) 購入の意思の通知
本資産運用会社は、優先交渉期間内にサポート会社に対し、本投資法人による購入の意思の有無を通知するものとします。
d) 優先交渉期間中の第三者との売買交渉の禁止
サポート会社は、優先交渉期間満了日までの間、第三者との間で当該保有プロジェクトに関する売買交渉を行ってはならないものとします。
e) 最終売却条件
優先交渉期間内に購入の意思はある旨の通知がなされなかった場合、又は売却条件が合意に達しなかった場合、サポート会社は、第三者との間で当該保有プロジェクトの売却につき協議を開始することができるものとします。但し、第三者が提示する条件が、優先交渉期間内に本投資法人が本資産運用会社を通じて提示した条件(もしあれば)と同等以下である場合には、サポート会社は、速やかに本資産運用会社にその旨を通知し、通知後遅滞なく本資産運用会社がサポート会社に対し、当該第三者が提示する条件と同等以上の条件を提示したときは、本投資法人は、サポート会社より当該保有プロジェクトを当該第三者に優先して購入することができるものとします。
C)第三者売却プロジェクトに係る情報の優先提供
サポート会社は、第三者が保有し又は開発する本再生可能エネルギー発電設備等(以下「第三者売却プロジェクト」といいます。)に係る売却・仲介情報を得た場合、本資産運用会社及び本投資法人に対して当該情報を提供するものとします。
D)ウェアハウジング業務の提供
本資産運用会社は、将来における本投資法人による第三者売却プロジェクトの取得を円滑に推進することを目的として、第三者売却プロジェクトの一時的な保有(ウェアハウジング業務)をサポート会社に依頼することができるものとし、サポート会社は、当該依頼を受けた場合、ウェアハウジング業務の提供について真摯に検討を行うものとします。なお、ウェアハウジング業務を提供するための諸条件については、本資産運用会社又は本投資法人及びサポート会社が別個、個別の第三者売却プロジェクト毎に協議のうえ、定めるものとします。
(ロ) 長期安定した分配金の仕組みと安定的な財務運営
a. 長期安定的な分配金を生み出すストラクチャー
(ⅰ) 本投資法人の仕組み
本投資法人は、主として太陽光発電設備等を中心としたインフラ資産等へ投資します。利益の配当等を投資法人の損金に算入するための要件(いわゆる「税務上の導管性要件」)を充足するため、本投資法人は、投資したインフラ資産等を賃貸して運用し、賃借人から賃料を受領します。保有資産についてはいずれも、再生可能エネルギー発電設備等の賃借並びに発電事業及び売電事業のみを行う再エネ発電事業者たる特別目的会社(SPC)が賃借人となり、賃借人SPCとオペレーター業務委託契約を結んだ丸紅がオペレーターとなっています。但し、今後取得する資産については丸紅以外の者がオペレーターとなる可能性があります。
(a) 本投資法人
本投資法人は、規約に基づき、投資主より払い込まれた資金等を、主として、太陽光発電設備等を中心としたインフラ資産等に投資します。税務上の導管性を充足するため、本投資法人は、投資したインフラ資産を賃借人に賃貸し、賃借人より賃料を受領することで運用します。また、当該賃借人SPCは、丸紅に対してオペレーター業務を委託しています。
(b) 本資産運用会社
本資産運用会社は、丸紅から90%、みずほ銀行から5%、みずほ信託銀行から5%の出資を受ける丸紅の子会社であり、本投資法人から資産運用業務を受託します。スポンサーグループからのサポートを受けつつ、本投資法人のために、再生可能エネルギー発電設備等への投資、投資したインフラ資産等の資産管理等を行います。
(c) スポンサー
スポンサーはそれぞれ、スポンサー及び本資産運用会社との間のスポンサーサポート契約に基づき、前記「(イ)スポンサー総合力に裏付けられた成長力 e. 外部成長戦略 (ⅳ) スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約」に記載のとおり、本投資法人に対して、マーケット情報の提供等の多岐にわたる支援を行います。
(d) 賃借人
当該賃借人SPCは、事業内容を本投資法人からの太陽光発電設備の賃借と、当該太陽光発電設備を用いた発電事業及び売電事業に特化しており、併せて、当該SPCが倒産する可能性を低減するための措置(注)を講じています。本投資法人は、保有資産について、発電事業及び売電事業に特化したSPCを賃借人とすることにより、発電事業及び売電事業以外のリスクを賃借人が負担することを避け、賃借人の債務不履行リスク及び倒産リスクを低減することを目指しています。賃借人SPCは接続電気事業者との間で接続契約を締結し、再生可能エネルギー発電事業計画について経済産業大臣による認定その他の許認可を有し、その上で買取電気事業者との間で特定契約を締結しており、買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に対して当該売電収入を原資とした賃料を支払います。
(注) 賃料不払い等の債務不履行事由が生じた場合に賃貸借契約を解除し又は賃貸借契約を更新若しくは再契約せず、新たな賃借人へ賃貸借を行うことが可能になるよう、賃貸借契約上の条項を整備しています。また、債務不履行事由が生じるリスクを低減すべく、賃貸借契約上、積立金の設定その他の賃料債務等の履行を担保するための措置を設けています。本投資法人の賃料スキームについては、後記「(ⅱ) 賃料スキーム」をご参照ください。
(e) オペレーター
スポンサーである丸紅は、賃借人との間のオペレーター業務委託契約に基づき、保有資産に係る太陽光発電設備に関し、そのオペレーターとして賃借人から運営管理業務を受託しています。
(f) O&M業者
O&M業者は、賃借人からの委託を受けて、O&M業務を行います。なお、O&M業者は、O&M業務の一部を第三者に再委託することがあります。
(g) 接続電気事業者
電気事業者は、保有資産に係る発電事業者となる賃借人との間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、接続契約を締結します。接続契約に従い、再生可能エネルギー発電設備と電気事業者の変電用、送電用又は配電用の電気工作物を電気的に接続します。
(h) 特定契約における電気事業者
電気事業者は、発電事業者となる賃借人との間で、再生可能エネルギー発電設備の固定価格買取制度に基づき、特定契約を締結し、賃借人から当該再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を調達価格により調達します。なお、2017年3月31日までに締結された特定契約は、その契約の期間が終了するまでの間は、再エネ特措法改正法による改正後の再エネ特措法に基づく特定契約とみなされるため、旧再エネ特措法に基づき小売電気事業者等との間で締結した特定契約を継続させることができます。また、当該特定契約を締結した小売電気事業者等は、その契約の期間が終了するまでの間は、再エネ特措法改正法による改正後の再エネ特措法による一般送配電事業者とみなされます。各保有資産の特定契約に係る買取電気事業者については、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ハ) 特定契約の内容」をご参照ください。
(ⅱ) 賃料スキーム
(a) 賃料スキームの概要
本投資法人は、本投資法人が保有する太陽光発電設備を発電事業者である賃借人SPCに賃貸し、賃借人SPCから基本賃料と変動賃料を収受する、安定性とアップサイドを兼ね備えた賃料スキームを採用しています。保有資産に共通する主な賃貸条件は以下のとおりです。

(b) 基本賃料と変動賃料を組み合わせた長期安定的な賃料スキーム
本投資法人は、保有発電設備の実際の発電量にかかわらず、客観的な発電量予測値に基づく一定水準の想定売電収入を基本賃料として受け取ります。基本賃料を設定することで、本投資法人の収益の安定化を図ります。
基本賃料は、各月の発電量予測値(P50)(注1)に基づく予想売電収入(A)(注2)の70%相当額から、想定必要経費(注3)を控除した金額とします。また、基本賃料の支払いを確保するため、賃借人SPCに一定額の金銭を積み立てることを義務付ける方針です(注4)。
変動賃料は、各月の実際の発電量が発電量予測値(P50)の70%を上回った場合に発生し、以下の計算によって算出される金額とします。
A)発電量予測値(P50)の70%超100%以下の場合
各月の実績売電収入(B)(注5)と予想売電収入の70%相当額との差額から、オペレーター変動報酬及び実績連動必要経費(注6)を控除した金額とします。
B)発電量予測値(P50)の100%を超える場合
各月の予想売電収入の30%相当額に、各月の実績売電収入と予想売電収入との差額の50%相当額を加えた金額から、オペレーター変動報酬及び実績連動必要経費を控除した額とします。
変動賃料の設定により、本投資法人の収益力の向上及び投資主への還元強化を目指しています。

<各賃料の計算式>A)基本賃料
予想売電収入(A)×70%‐想定必要経費
B)変動賃料
1) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の70%以下の場合には、変動賃料は発生しません。
2) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の70%超100%以下の場合
{B-(A×70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費
3) 各月の実績売電収入(B)が予想売電収入(A)の100%を超える場合{(B-A)×50%+A×(100%-70%)}-オペレーター変動報酬-実績連動必要経費
(注1) 「発電量予測値(P50)」とは、超過確率P(パーセンタイル)50の数値(50%の確率で達成可能と見込まれる数値を意味します。)としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出された賃貸借期間における各月の発電量予測値をいいます。
(注2) 「予想売電収入」(A)とは、発電量予測値(P50)に対して、当該発電設備に適用される買取価格を乗じて得られる金額をいいます。
(注3) 「想定必要経費」とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他の費用のうち、基本賃料に対応する想定必要経費として本投資法人と協議の上合意した金額をいいます。
(注4) 賃借人との賃貸借契約において、賃借人が基本賃料1ヶ月分相当額(各月の基本賃料で最大となる月の基本賃料1ヶ月分相当額とします。)の金銭を積立口座に積み立てることを義務づけています。
(注5) 「実績売電収入」(B)とは、実際の発電量に対して、当該発電設備に適用される買取価格を乗じて得られる金額に、出力抑制補償金(もしあれば)及び利益保険に基づく利益補償金(もしあれば)を加えた金額をいいます。
(注6) 「実績連動必要経費」とは、賃借人SPCに課される各種税金、オペレーター固定報酬その他本投資法人と協議の上合意した費用につき、実際に計上された必要経費(実費)が想定必要経費を超過した場合における当該超過分の金額をいいます(想定必要経費が実費を上回る場合は負の値になります。)。
(注7) 上記は賃料スキームに関するイメージ図であり、特定の発電設備における実際の賃料を示したものではありません。したがって、本投資法人が変動賃料を受け取れることや、賃借人SPCにおいて積立てがなされることを保証するものではありません。
(c) SPC積立口座による基本賃料不払いリスクの軽減
天候不順その他の理由により売電収入が基本賃料を下回った場合でも、直ちに本投資法人に対する賃料の支払が滞ることのないよう、予想売電収入額を超過する売電収入額を原資として、賃借人SPCが賃借する全ての再生可能エネルギー発電設備等の基本賃料1ヶ月分相当額を賃料等積立口座に積み立てることとしており、これにより本投資法人の賃貸収入等の保全を図ります。この賃借人への積立ては、各発電設備について、各月の実際の発電量が発電量予測値(P50)の100%を上回った場合に、実績売電収入と、予想売電収入との差額の50%相当額を原資として積み立てられます(なお、かかるSPC積立原資が負の値になるときはゼロとします。)。
(ⅲ) 信託スキームの活用
本投資法人は、物件取得や売却にあたり、将来的なポートフォリオ構築において柔軟な運用を行うべく、コストメリットを享受しやすい大規模案件をはじめとした一部物件において、信託受益権化スキームを採用しています。
信託受益権化スキームを採用する場合、再生可能エネルギー発電設備等そのものを現物資産で取得する場合と比較し、信託受託者による受託審査に時間を要し、また、信託受託者に対する信託報酬が発生することになります。しかしながら、再生可能エネルギー発電事業に関する複数の法律関係(再生可能エネルギー発電設備の所有権、再生可能エネルギー発電設備の敷地等に係る土地利用権(土地賃借権、地上権等)、O&M契約、EPC契約(再生可能エネルギー発電所に係る工事請負契約をいいます。以下同じです。)、特定契約、接続契約、保証書その他の事業関連契約上の地位や権利義務等)を包括して一つの信託受益権として把握し、取引を行うことが可能です。そのため、当該信託受益権のみを取得又は売却することで、再生可能エネルギー発電事業から生じる損益を移転することが可能であり、再生可能エネルギー発電設備等そのものを現物資産で取得又は売却する場合と比較し、取引の実施が相対的に容易といえます。
(注) 発電事業者SPC(賃借人)には倒産する可能性を低減するための措置が講じられています。(ⅳ) 安定的な収益を生み出すポートフォリオ
太陽光発電事業において発生しうるリスクへの対策
太陽光発電事業において発生しうる主要なリスクとして、自然災害や事故・盗難により本投資法人の保有資産が毀損し、売電が停止した場合、賃借人SPCが収受する売電収入が減少するおそれがあります。そこで、自然災害や事故・盗難への対策として、本投資法人は賃借人SPCを被保険者として火災保険や利益総合保険に加入しています。毀損した保有資産は、修復期間は稼働停止となり、当該期間中は売電収入が得られなくなりますが、予想売電収入額に基づく売電収入は利益総合保険から補てんされることで、賃借人SPCが収受する売電収入が減少しないよう対策を施しています。また、パネルの劣化によるパフォーマンスの低下に対しては、パネルメーカーの保証を活用することにより対応します。

b. 財務戦略
(ⅰ) 基本方針
本投資法人は、スポンサーである丸紅の信用力や、みずほ銀行のサポートをベースとした最適な借入条件を実現し、安定的かつ健全な財務運営の実施を目指します。また、デット戦略とエクイティ戦略という2つの観点から、中長期的な収益性の維持及び向上並びに運用資産の規模拡大と価値の向上を実現するために、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。エクイティ戦略については、投資口の追加発行は、金融環境、経済環境、市場動向、新たに取得する物件の取得時期、LTV等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に実施する方針です。デット戦略については、スポンサーであるみずほ銀行を中心とした強固なレンダーフォーメーションを構築しながら、投資法人債の起債を含む資金調達手法の多様化を目指します。LTV水準は、巡航ベースで60%程度とし、70%を上限とします。但し、新規資産取得に伴い、一時的にLTVの上限を超えることがあります。本投資法人の財務方針は、後記「⑨ 財務方針」をご参照ください。
(ⅱ) 格付の取得
本投資法人は、本書の日付現在、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、「A(安定的)」の長期発行体格付を付与されています。これは、本投資法人の安定的かつ健全な財務基盤が評価された結果であると本投資法人は考えています。
③ 再生可能エネルギーと投資環境
(イ) 日本の再生可能エネルギーへの取組みと固定価格買取制度の概要
a. エネルギーミックスによる政府の再生可能エネルギー導入推進策
日本の電力消費量は諸外国と比較して高い水準にある一方で、再生可能エネルギーの導入割合は低い水準となっています。政府作成による「エネルギー基本計画」(2014年4月)においても、再生可能エネルギーについては、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく旨が示されました。2015年7月、経済産業省は前記の「エネルギー基本計画」を踏まえ、実現可能な将来のエネルギー需給構造のあるべき姿として、「エネルギーミックス」を策定し、電源構成比に占める再生可能エネルギー割合を2030年度までに22%~24%にまで上昇させることを目標としています。さらに、2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」によって、再生可能エネルギーの「主力電力化」が明記され、2030年、2050年に向けた方針が示されました。今後も再生可能エネルギーの導入推進のための政策が実施されることが期待されます。現に、経済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会において、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた政策の方向性についての議論が継続的に行われています。また、前記の「エネルギー基本計画」においては、太陽光発電の発電コストや出力不安定性等による安定供給上の問題について触れられているものの、技術革新や、エネルギーマネジメントの実現等による改善策への取組みを進めることが期待されるとされています。そして、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会が取りまとめた「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会 報告書」(2016年2月)においても、国民負担の抑制との両立、特に太陽光発電についてはコスト効率的な導入の必要性が指摘されつつも、再生可能エネルギーの最大限の導入を制度見直しの目的として掲げており、同報告書を受けて立案され、2016年2月9日に国会に提出された再エネ特措法の改正法案の提案理由においても再生可能エネルギー源の利用の促進が掲げられています。
加えて、2021年4月、米国主催により気候サミット「Leaders Summit on Climate」が開催され、菅首相が参加し、2050年カーボンニュートラルの長期目標と整合的で、野心的な目標として、我が国が、2030年度において、温室効果ガスの2013年度からの46%削減を目指すことを宣言するとともに、さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく決意を表明しました。また、菅首相は、経済と環境の好循環を生み出し、2030年の野心的な目標に向けて力強く成長していくため、政府として再エネ等脱炭素電源を最大限活用するとともに、企業に投資を促すための十分な刺激策を講じるとの方針を表明しました。以上から、本投資法人は、太陽光発電市場の拡大、ひいては太陽光発電設備等の取得による本投資法人のポートフォリオの拡大を実現する環境がさらに整備されていく可能性があるものと考えています。
b. 固定価格買取制度の導入
2012年7月1日の再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入により、再生可能エネルギー発電設備の導入は増加の一途を辿り、再生可能エネルギー比率は10.1%(2012年度)から19.2%(2019年度)(注)に増加しました。2019年9月に資源エネルギー庁により公表された「国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案」によると、2020年3月末時点で再生可能エネルギー発電設備の導入量は5,459.7万kW(制度開始前の2.7倍)となっています。特に太陽光(非住宅)の発電設備導入量は、固定価格買取制度導入時点から2020年3月末までの間に4,329.5万kWとなりました。
その他の電源の固定価格買取制度導入時点から2020年3月末までの間の導入量は、風力160.4万kW、地熱7.8万kW、中小水力50.9万kW、バイオマス219.8万kWとなっています。
(注) 出所:認定NPO法人環境エネルギー政策研究所公表データ
c. 固定価格買取制度の基本的な仕組み
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)は、再生可能エネルギーの普及を図るため再エネ特措法により2012年7月1日に開始された、再生可能エネルギー電気を固定の調達期間にわたり、固定の調達価格で買い取ることを電気事業者に義務付ける制度です。固定価格買取制度により、発電事業者は安定的かつ継続的な売電収入を見込むことができ、再生可能エネルギー発電設備の高い建設コストの回収の見通しが立ちやすくなります。
本投資法人は、主として固定価格買取制度の下で再エネ特措法第9条第3項に定める認定を受けた再生可能エネルギー発電設備等に投資することにより、長期的かつ安定的な収益の確保を目指します。

d. 固定価格買取制度の見直し
再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担抑制の両立を図るため、改正再エネ特措法により、2017年4月1日より固定価格買取制度が改正されました。改正内容のうち発電事業者に影響のあるものとしては、主として以下が挙げられます。
・ 2,000kW以上の太陽光発電設備を対象に、売電価格を入札によるものとすること
・ 電力会社と接続契約を締結している(運転開始済みを含みます。)設備のみが制度の対象となること
・ 発電設備の認定制度を見直し、より適正な状態で発電設備を安全に運転できるようにすること
さらに2019年度からは入札制度の対象が500kW以上の太陽光発電設備まで拡大されています。
また、2019年4月1日に施行された措置により、2012年度から2014年度にFIT認定を受けた事業用太陽光発電のうち2016年7月31日までに接続契約を締結した未稼働案件についても、運転開始期限の設定と、運転開始のタイミングを踏まえた適切な調達価格の適用が行われることになりました。
e. 太陽光発電の発電コストと買取価格の推移
固定価格買取制度における太陽光発電設備を用いて発電された電気の調達価格は、技術革新や市場競争による建設コストの低下を反映して、年々引き下げられています。平成29年経済産業省告示第35号の2020年4月1日施行の改正では、10kW以上250kW未満の太陽光の2020年度の調達価格は、2019年度の14円/kWh(税抜)よりさらに引き下げられて10kW以上50kW未満の場合は13円/kWh(税抜)、50kW以上250kW未満の場合は12円/kWh(税抜)とされており、今後も引下げが続く可能性があります。但し、各再生可能エネルギー発電設備について、一度確定した調達価格又は調達期間が変更されることは原則としてありません。
また、調達価格は、国民負担抑制の観点に加えて、技術革新や市場競争によるシステム費用の低下見込みを反映して設定されるという側面もあるため、必ずしも調達価格の低下に比例して発電事業者全体の利益が損なわれるものではないと考えられます。厳密なコストコントロールと効率的な事業運営等によって、再生可能エネルギー発電事業の収益性は今後も維持され、また、2030年度のエネルギーミックスに向けて、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組みが引き続き積極的に推進されていくであろうという動向を踏まえると、再生可能エネルギー発電事業に係る市場拡大が図られていくものと考えています。
(ロ) 上場インフラファンド市場について
2015年4月、東京証券取引所は、インフラストラクチャー(以下「インフラ」といいます。)に対する投資ニーズの高まりやインフラ整備の社会的意義等を踏まえ、再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号。その後の改正を含みます。)第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいいます。)等を投資対象とする投資信託の受益証券又は投資法人の投資証券の取引市場(以下「上場インフラファンド市場」といいます。また、以下、上場インフラファンド市場に上場する投資信託又は投資法人を「上場インフラファンド」といいます。)を創設しました。
上場インフラファンド市場の創設は、新たに認定を取得する太陽光発電設備に加えて、認定後開発前段階での発電事業の権利の譲渡や、稼働済発電所の譲渡等の取引を活性化する可能性があり、このようなセカンダリー取引市場の成長を促進する効果も期待されます。
第一号銘柄の上場より約5年が経過し、これまで本投資法人を含む計7銘柄が東京証券取引所に上場しました。上場インフラファンド市場の市場規模は着実に拡大し、資産規模(取得価格ベース)で1,850億円を超える水準までに成長しています(2020年10月末時点)。
また、2020年4月27日より、東京証券取引所において、東京証券取引所上場インフラファンド全銘柄を対象とする「東証インフラファンド指数」の算出・公表も開始されました。国内では初となる、上場インフラファンドを対象とした投資信託も設定されていることから、今後は、「東証インフラファンド指数」に連動する新たな金融商品の開発を通じた投資資金の流入により、市場の更なる拡大が期待できると考えています。
(ハ) ESG投資への関心の高まり
a. ESG投資とは
投資を通じて社会の持続可能性(サステナビリティ)を高めることに貢献しようとする社会的責任投資(注)(SRI:Socially Responsible Investment)の中で、非財務情報である環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮した投資を行う手法を「ESG投資」といい、世界におけるESG投資の規模は拡大しています。今後日本でもESG投資の拡大が期待され、地球環境に貢献する再生可能エネルギー発電事業の発展にとって、ESG投資の拡大は追い風の一つになり得ると本投資法人は考えています。
(注) 企業の社会的責任への取組みを評価の基準に組み込んだ投資手法をいいます。

b. 拡大するESG投資
世界全体においてESG投資への関心が高まっており、日本国内においても、2015年9月にESGを投資の分析と意思決定に組み込むことを謳う国連責任投資原則(PRI)に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名し、翌年7月にはESGを考慮した3つの日本株のESG指数を選定して同指数に連動した運用を開始することを発表しました。2020年8月末時点で、日本におけるPRIへの署名機関数は85機関(注1)まで増加し、ESG投資は着実に広がっています。
また、世界的にも、投資にESGの視点を組み入れるPRIに、2020年8月末時点で3,332機関(資産運用規模103兆米ドル)(注1)が署名しており、世界のESG投資残高は2017年末時点(日本のみ2018年3月末時点)で30.6兆米ドル(注2)、日本のESG投資残高は2019年時点で336兆円(注3)にまで成長しています。
(注1) 出所:国土交通省「ESG投資の動向」
(注2) 出所:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT ALLIANCE“2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW”
(注3) 出所:日本サステナブル投資フォーラム「サステナブル投資残高調査2019」
(注) NPO法人日本サステナブル投資フォーラム「サステナブル投資残高調査2019」において回答のあった国内43機関の残高を示しています。
(注) 年数は報告書の公表年であり、数値自体は前年末(日本は前年度末)の数値を示しています。出所:GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT ALLIANCE“2018 GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENT REVIEW”より本資産運用会社が作成。
c. ESG投資に関する本投資法人の取組み(グリーンエクイティ)
以下のとおり、近年、関心が高まりつつあるSDGsへの貢献を目的としたESG投資対象はグリーンボンドを中心にその規模を拡大しています。他方で、エクイティ市場におけるグリーン性評価取得は、その評価の基準を理由に希少性のあるものとなっています。本投資法人は、環境配慮への評価の高いESG投資対象たる上場インフラファンドとして、グリーンエクイティ(注)発行により更なるサステナブル投資への機会提供を図ります。

出所:「グリーンボンド」及び「サステナビリティボンド」について環境省「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」に基づき、また、「グリーンエクイティ」及び「サステナビリティエクイティ」については各発行体公表資料においてこれらに該当するものとされている件数に基づき、本資産運用会社が作成。
(注) 本投資法人は、2020年12月に実施した公募増資に関連して、2020年12月7日付で策定したグリーンエクイティ・フレームワークがグリーンボンド原則等の趣旨に準じるものであることを確認するため、第三者評価機関である株式会社投資情報センター(以下「R&I」といいます。)に評価を依頼し、R&Iよりセカンドオピニオンを取得しました。本投資法人は、かかる第三者評価機関による評価を取得した上で、グリーンエクイティ・フレームワークに則り本投資口を発行することがあり、かかるグリーンエクイティ・フレームワークに則って発行される投資口による資金調達方法を「グリーンエクイティ」と位置づけています。
④ ポートフォリオ構築方針
(イ) 基本方針
本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備の量的拡大、質的向上に貢献しつつ、長期的な観点から着実な成長と安定した収益の確保を目指した運用を通じて投資主価値の最大化を目指し、さらに投資家の皆様に社会貢献投資の機会を提供するものとします。
本投資法人は、それぞれの投資対象地域において必要とされる社会的意義のある再生可能エネルギー発電設備を投資対象とし、特に太陽光発電設備等を中心としたポートフォリオの構築を進めるものとします。ポートフォリオの構築に当たっては、原則として以下の3項目を充たした物件を投資対象とします。
a. 1年以上の稼働実績を有すること
b. 発電設備の容量が500kW以上であること
c. 日本国内に立地していること
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、投資対象資産の特性及び市場環境等を十分に勘案し、当該物件の中長期にわたる収益性を十分に検証します。
投資対象資産の選定に際しては、必要なデューディリジェンスを行った上で、固定価格買取制度の適用の有無、発電出力、環境条件、接続電気事業者との系統連系その他の立地条件、太陽電池モジュールの製造業者及び性能その他の技術的要件、過去における発電実績、太陽光発電設備その他の再生可能エネルギー発電設備の設置・保守・運用に必要な用地の確保の有無等の投資基準を総合的に勘案して、取得について妥当性の判断を行います。太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等への投資に際しても、太陽光発電設備等への投資に準じた検討を行います。
(ロ) 投資基準
a. 立地地域
本投資法人は、地域の活性化及び中長期な安定性の観点から、原則として日本全国を投資対象地域とします。但し、将来的な海外への投資を妨げないものとし、海外に立地する太陽光発電設備等に投資する場合には、立地する国又は地域の特性及び情勢、発電事業に関する制度及び規制、電気の買取に関する法制度、信用力等及び電気の買取及び系統接続の条件その他の事情を総合的に考慮します。
b. 固定価格買取制度の適用等
本投資法人は、原則として、再生可能エネルギー発電事業計画について経済産業大臣による認定を受け、認定事業者(後記「3 投資リスク (1)リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ト) 再エネ特措法に基づく認定が取り消される又は失効するリスク」に定義します。以下同じです。)が既に買取電気事業者との間で特定契約を締結し、接続電気事業者との系統連系が完了し、かつ、当該特定契約に基づく電気の供給を既に開始し、本投資法人の取得時点で1年以上の売電実績を有する再生可能エネルギー発電設備等を取得します。但し、固定価格買取制度の適用を受けない再生可能エネルギー発電設備についても、マーケット環境、対象資産の売電先や売電価格等の収益性及び安定性等を十分に勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける再生可能エネルギー発電設備に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該再生可能エネルギー発電設備に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力制御のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。本投資法人は、再生可能エネルギー発電設備に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該再生可能エネルギー発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
c. 発電出力
本投資法人が取得を検討する太陽光発電設備の発電出力は、原則として500kW以上とします。但し、発電出力が500kW未満である太陽光発電設備についても投資資産の収益性、オペレーター及び地域性等を勘案の上、厳選して取得を行うことができるものとします。
d. 環境条件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等の設置場所又は近接する適当な箇所における日射量その他の気象条件、自然災害等リスク、太陽光発電設備等に係る太陽電池モジュールの出力・効率等、パワーコンディショナーの出力・効率等、太陽電池モジュールの配置、角度等、日影等の周辺環境を踏まえて第三者によって算定された推定発電量を考慮するものとします。
本投資法人は、立地地域の気象条件等(降雪量、降雨量、降灰量及び風量を含みます。)や設置場所の地形、地盤、その他自然災害等のリスク等を考慮し、それらに適合する設計及び仕様により設置されたと判断した太陽光発電設備等について、ポートフォリオ構築方針等への適合性を総合的に勘案の上、太陽光発電設備等の取得を検討します。
e. 電気事業者等との系統連系その他の立地条件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等と電気事業者等の系統との接続地点までの距離、変電設備及び鉄塔等の当該太陽光発電設備等から系統への送電設備の設置状況及び当該設置場所に関する権利関係、その他の立地条件を考慮の上、長期的運用に支障がないと判断できる太陽光発電設備等の取得を検討します。
f. 太陽電池モジュール等の製造業者及び性能その他の技術的要件
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材について、製造業者が提供する保証の内容、製造実績、製造業者の立地、能力及び信用力等について検証し、考慮します。
本投資法人は、太陽光発電設備等に用いられている太陽電池モジュール、パワーコンディショナーその他の機器・資材の性能その他の技術的要件につき、当該太陽光発電設備等が立地する場所の気象条件、地理条件その他の立地条件を踏まえ、本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断できる太陽光発電設備等の取得を検討します。
g. 過去における発電実績
本投資法人は、太陽光発電設備等に投資する際には、当該太陽光発電設備等における過去における発電実績があれば、当該実績を考慮します。
h. 太陽光発電設備等の設置、保守・保安、運用に必要な用地の確保
本投資法人は、原則として、インフラ資産の設置、保守、運用に必要な用地(以下「発電設備用地」ということがあります。なお、発電設備用地は、再生可能エネルギー発電設備が設置されている用地のみをいい、当該設置場所から電力会社の系統に接続する地点までの送電線が経由する土地(以下「送電線敷設用地」といいます。)を含みません。)が、登記等により対抗要件を具備された所有権、賃借権(転借権を含みます。)又は地上権によって確保されたインフラ資産に投資します。但し、インフラ資産の発電設備用地の一部につき対抗要件が具備されていない場合等であっても、インフラ資産の設置、保守、運用に支障がないと合理的に判断できるときは、当該インフラに投資できるものとします。なお、発電設備用地が賃借権又は地上権により確保されている場合は、当該再生可能エネルギー発電設備に適用される調達期間(残存期間の全部又は大部分)を通じて発電設備用地を使用できると判断できることを必要とします。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
i. 事業用地の境界確定に関する方針
(ⅰ) 本投資法人が太陽光発電設備等を取得するに当たっては、境界について専門家の調査を実施し、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
(ⅱ) 前記(ⅰ)にかかわらず、各隣地との境界が以下のいずれかに該当し、専門家の調査を考慮の上、境界未確定のリスクが限定的と判断する場合には、例外的に、当該境界の確定を実施しないことができるものとします。
(a) 国土調査法(昭和26年法律第180号。その後の改正を含みます。)(以下「国土調査法」といいます。)に基づく地籍調査が完了している場合において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地の現所有者との関係及び当該敷地に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
(b) 当該境界について現況測量が実施されており、かつ、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じていない場合。
(c) 当該境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファー(間隔)がある場合において、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地の現所有者との関係及び当該敷地に設置されている太陽光発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。
(d) 当該境界について境界確定を行うことが実務上難しい場合であって、隣地の所有者又は管理者から境界に関する指摘がなされておらず、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと合理的に判断できる場合。
(e) 太陽光発電設備等に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることが合意されており、境界未確定のリスクが発現した場合においても本投資法人が損害を被るおそれが限定的と判断できる場合。なお、売主に対して費用請求又は損害賠償請求できる期間については、一定の制限(原則として、2年間を下限とします。)を設けることができるものとします。
(f) 事業用地の隣地の所有者が事業用地の所有者と同一の場合で、境界に関する紛争又は認識の不一致が確認されない場合。
(ⅲ) 前記(ⅱ) (c)に規定する「境界と太陽光発電設備との間に十分なバッファー(間隔)がある場合」に該当するか否かは、境界とフェンス、アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。
j. 再生可能エネルギー発電設備等以外のインフラ資産
本投資法人は、太陽光発電設備等以外の再生可能エネルギー発電設備等に投資する際には、当該再生可能エネルギー発電設備等の種類及び特徴を勘案の上、前記(イ)及び本(ロ)を準用し、又は必要に応じ運用ガイドラインの変更を行った上で検討を行い、太陽光発電設備等への投資と同等の利益が得られるものとして本投資法人が適正と考える一定の水準を満たすと判断したものに投資するものとします。
⑤ フォワード・コミットメント等に関する方針
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
フォワード・コミットメント等を行う場合には、過大なフォワード・コミットメント等が本投資法人の財務に与える影響の大きさを勘案し、慎重に検討し対応します。また、先日付の買付け意向表明等を行う場合も、当該意向表明が取引への実質的な拘束力を持つ場合は、フォワード・コミットメント等を行う場合に準じた取扱いを行います。フォワード・コミットメント等を行う場合には、以下の事項を含む社内規程を遵守するものとします。
・ 原則として、フォワード・コミットメント等をした物件のうち未決済の物件の売買金額(取得予定金額)の合計が当該物件に係るコミットメント時点における本投資法人の保有資産残高(取得価格合計)の30%を上限とすること
・ 売買契約締結から物件引渡しまでの期間については、原則として、開発案件については2年間、完成済既存物件については3ヶ月間とすること
・ 決済予定日までに本投資法人の資金調達が完了していることを前提条件とする、資金調達不成就による解約については原則として違約金等を発生させない形とする、本投資法人の責めに帰すべき事由による解約に際しての違約金は一定の上限範囲内とする等、上場廃止要件を踏まえ、本投資法人の配当原資への影響等を勘案した条件を設定すること
また、フォワード・コミットメント等を行った場合には、速やかに、その旨及び当該フォワード・コミットメント等の概要(解約条件及び履行できない場合の本投資法人の財務に与える影響)を開示します。
⑥ デューディリジェンスの実施
本投資法人は、投資対象資産の取得に際しては、売主からの開示情報のみならず、独立した第三者である専門家からバリュエーションレポート及び不動産鑑定評価書、テクニカルレポート、自然災害ハザード調査報告書並びに必要に応じて法務調査報告書等を取得することで、客観性及び透明性を確保するとともに、本資産運用会社において別途定める「デューディリジェンスチェックリスト」に掲げる項目について適正なデューディリジェンスを行い、本資産運用会社が投資の可否を判断します。
⑦ 運営管理方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益確保及び個別資産の競争力維持の目的のもと、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化及び業務の効率化に努め、ポートフォリオ全体及び個別資産の特性に適合した施設運営、維持及び管理を費用対効果に配慮して実施していくものとします。
(イ) オペレーターの選定基本方針及びモニタリング
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定します。オペレーターの選定に際しては、別途定める「オペレーター選定基準」に従い、オペレーターが運営することとなる資産の種類及び地域における運営実績及び運営体制を確認するとともに、オペレーターの反社会的勢力該当性を確認するものとします。なお、本投資法人が投資する再生可能エネルギー発電設備に係るオペレーターは、「オペレーター選定基準」を充たすことを前提に、原則として丸紅に委託します。また、本資産運用会社は、オペレーターの選定後もモニタリングを適切に行います。
(ロ) O&M業者の選定基本方針及びモニタリング
本投資法人は、O&M業務等をO&M業者に委託することができます。O&M業者の選定に際しては、再生可能エネルギー発電設備の運営管理の経験や能力、実績、運用の継続性等、コストのみならず提供される業務の質も総合的に勘案して選定します。また、本資産運用会社は、O&M業者の選定後もモニタリングを適切に行います。
(ハ) 修繕計画の基本方針
a. 本投資法人は、オペレーター及びO&M業者と協議の上、適切に修繕、改修及び設備更新の計画を策定し、実施することで、中長期的な視点から資産価値及び収益の維持・向上を図ります。
b. 修繕工事、設備投資及び改修工事のための計画を「年度運用管理計画」において立案します。計画の立案に際しては、ポートフォリオ全体において可能な限り特定の時期に改修工事が集中しないように計画します。資本的支出については、減価償却費相当額とのバランス、費用対効果等を考慮して計画します。
(ニ) 付保方針
本投資法人は、火災又は事故等に起因する設備への損害、第三者からの損害賠償請求等のリスク、又は落雷若しくは風水災等偶然かつ突発的な事故により再生可能エネルギー発電設備等が損壊し、復旧するまでの間、発電(売電)が不可能になった場合の逸失利益に対処するため、必要な火災保険、損害賠償保険及び利益保険等を運用資産に付保する方針です。但し、予想される個別の資産又はポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
a. 損害保険
火災・事故等に起因する建物への損害又は対人・対物事故に関する第三者からの損害賠償請求等に対処するため、必要な火災保険又は賠償責任保険等を付保します。
b. 地震保険
原則として物件単体のPMLの値が20%未満の投資対象資産を投資対象とするが、例外的に20%以上の投資対象資産に投資を行う場合においては、20%以上の部分に対して地震保険の付保等の必要な措置をとるものとします。
c. 引受保険会社
引受保険会社の選定に際しては、保険代理店又は保険ブローカーを通じて、複数の条件等を検討します。
(ホ) 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備等
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電設備等については、(ⅰ)当該再生可能エネルギー発電設備等により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ⅱ)当該再生可能エネルギー発電設備等を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電設備等を売却する場合は、後記「⑧ 売却方針」についても考慮します。但し、予め賃貸借期間満了後に賃借人へ所有権を移転させる旨の合意をしている場合には、当該合意に従います。
⑧ 売却方針
投資対象資産については中長期保有を原則とします。但し、投資対象資産の収支及び価値、並びに再生可能エネルギー発電設備市場の状況及び予測を総合的に勘案の上、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断した場合、又は投資主の利益の最大化に資すると判断した場合、以下に掲げる方針に従い、投資対象資産の売却を行います。また、例外的に、他の投資案件に付随して本投資法人の投資基準を満たさない投資対象資産を取得した場合には、短期間での売却を検討する場合があります。
(イ) 売却価格
投資対象資産の売却価格の決定に際しては、マーケット調査、取引事例等を十分考慮し、合理的に決定します。また、必要に応じてバリュエーションレポート及び鑑定評価書又は価格調査書等の取得による第三者意見を参考にします。
(ロ) 売却方法
売却に際しては、当該投資対象資産の将来にわたる収益性、売却資産の個別性、市場動向等を総合的に勘案し、相対取引・入札等の方法により売却先を決定するものとします。
⑨ 財務方針
本投資法人は、運用資産の中長期的に安定した収益の確保と着実な成長に資するため、財務活動の機動性及び資金繰りの安定性等に留意しつつ、本投資法人の投資口の発行及び借入れ並びに投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の発行を行うものとします。
(イ) 投資口の追加発行
投資口の追加発行は、金融環境、経済環境、市場動向、新たに取得する物件の取得時期、LTV等を総合的に勘案の上、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。
(ロ) 借入れ等
a. 借入れ又は投資法人債の発行に際しては、金利動向、マーケット水準、財務の機動性、長期取引関係及び安全性のバランスを総合的に勘案し、借入期間、固定又は変動の金利形態、担保提供の要否及び手数料等の有利子負債調達条件を検討した上で、適切な資金調達を行います。
b. LTVは、資金余力の確保に留意した設定とし、巡航ベースでは60%程度とし、70%を上限とします。但し、リファイナンス・リスクの軽減又は新たな投資対象資産の取得のために、一時的にLTVの上限を超えることができるものとします。
c. 安定的な財務基盤を構築し、将来の成長戦略を支えるため、スポンサーであるみずほ銀行を中心とする金融機関とのバンクフォーメーションを構築しつつ、借入先の分散による資金調達先の多様化にも積極的に取組みます。なお、借入先は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項第1号に定める適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものとします。
d. 各種必要資金を機動的に調達するために、コミットメントライン及び極度貸付枠等の融資枠の確保を必要に応じて検討します。
(ハ) 金銭の分配の方針
本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備等は、その多くが都市部以外の地域に所在し、土地の価格が相対的に安いため、資産全体に占める償却資産の割合が一般的な不動産投資法人(いわゆるJ-REIT)に比べて相対的に高くなることが想定され、結果として高い減価償却費を計上することが見込まれます。他方で、太陽光発電設備に対する資本的支出や修繕費は、その資産の特性から減価償却費に比べて低額となる傾向があります。
本投資法人は、長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出等に影響を及ぼさず、かつ、再投資(投資対象資産の取得計画に沿った新規投資、保有資産の価値の維持・向上に向けて必要となる長期修繕計画及び資本的支出計画に沿った積立等)に対応するため、融資枠等の設定状況や中期的な減価償却費、繰延資産の金額と借入金の返済予定、資本的支出の金額のバランスを勘案の上、本投資法人が妥当と考える範囲で現預金を内部留保することとし、内部留保後の余剰資金から投資主に分配する方針です(注)。
また、本投資法人は、一般社団法人投資信託協会の規則に定める額を上限として、毎期継続的に分配可能金額(後記「(3)分配方針 ① 分配方針」に定義します。以下同じです。)を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行う方針ですが、利益超過分配の金額の具体的な目途を設けることはせずに、本投資法人が妥当と考える現金を留保した上で、その残額を毎期継続的に全額投資主に対して分配することで、必要な金銭を留保しつつ、できる限り多くの金銭を投資主に分配し、投資主に還元することを目指します。
本投資法人は、かかる内部留保された金銭を効率的に活用して資産の取得及び運用を行うことで純利益の増加に基づく分配金の増額を図るとともに、上記の方針に基づく分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と併せて、投資主への分配金の向上を目指すことが、最終的には、本投資法人、ひいては投資主の利益に資するものと考えています。
分配可能金額を超える金銭の分配の実施及び金額の決定に当たっては、保有資産の競争力の維持・向上に向けて必要となる資本的支出の金額及び本投資法人の財務状況に十分配慮します。但し、経済環境、インフラ市場の動向、保有資産の状況及び財務の状況等を踏まえ、本投資法人が不適切と判断した場合には、分配可能金額を超えた金銭の分配を行いません(規約第37条第2項)。
また、本投資法人は、投資主との合意により本投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第5条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場している東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。本投資法人は、分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も分配可能金額を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
分配可能金額を超える金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合のイメージ図は以下のとおりです。利益超過分配を実施した金額について、資産(現金)と純資産(出資総額又は出資剰余金)が減少します。
(注) クローズド・エンド型の投資法人は計算期間の末日に計上する減価償却費の100分の60に相当する金額を限度として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を行うことが可能とされています(一般社団法人投資信託協会「インフラ投資信託及びインフラ投資法人に関する規則」)。
(注)FFO(Funds From Operation)=当期純利益+減価償却費±再生可能エネルギー発電設備等売却損益(ニ) 資金管理
a. 本投資法人は、必要な資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる修繕及び資本的支出、本投資法人の運転資金、債務の返済並びに分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案の上、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b. 余剰資金は、安全性及び換金性の高い有価証券及び金銭債権へ投資を行う場合があります。
c. デリバティブ取引に係る権利は、本投資法人に係る負債又は本投資法人の運用資産から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限定します。
⑩ 開示の基本方針
(イ)本投資法人の資産運用業務に際しては、本投資法人に対する投資主の理解を促進し、その適正な評価のために、投資主に対して、本投資法人及び本資産運用会社に関する重要な情報(財務的・社会的・環境的側面の情報を含みます。)について公正かつ適切な開示を行います。
(ロ)情報開示については、金融商品取引法、投資信託及び投資法人に関する法律、会社法、その他の法令並びに本投資法人が上場する金融商品取引所及び投信協会が定める規程及び規則を遵守するとともに、正確かつ公平な開示に努めます。投資主に対して重要かつ有用な情報開示を行うことにより、資産運用についての説明責任を十分に果たすよう努めます。また、説明会、インターネット、各種印刷物を始めとするさまざまな情報伝達手段を活用し、投資主に対して分かり易い開示を行うよう努めます。
⑪ 利害関係者との取引についての指針
利害関係者との取引については、本資産運用会社において別途定める「利害関係者取引規程」に基づき行動するものとします。詳細は、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)本資産運用会社の自主ルール(利害関係者取引規程)」をご参照ください。