有価証券報告書-第72期(平成30年6月1日-令和1年5月31日)

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2019/08/28 13:03
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有報資料

研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。また第72期におきましては、長年の技術開発の成果として高付加価値野菜の生産のため“低カリウム野菜の栽培方法”で特許を取得致しました(特許第6513057号)。当連結会計年度の研究開発費の総額は、665,883千円となっております。
セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。
(1)種苗事業
くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当連結会計年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第69回全日本野菜品種審査会におきましてレタス・ホウレンソウ・ダイコン・コマツナ・コカブで5点が入賞いたしました。また第60回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはキャベツ・エダマメ・ヒマワリで5点が、第66回千葉県野菜品種審査会におきましてはエダマメ1点が入賞いたしました。
当連結会計年度につきましては、野菜類8品種・飼料作物類5品種を新発売といたしました。新しい作型に対応できる品種(タマネギ)や特徴のある品種(トマト・エン麦)、栽培しやすい品種(ハクサイ・レタス・トウモロコシ等)で、普及に向け産地へ推進しております。
野菜類では、黄色い果実が売り場で目を引く中玉トマト“イエローホープ”、形状が良く収穫しやすい春・秋まき栽培兼用ハクサイ“菜時黄(さいじき)”、食味の良い超極早生タマネギ“アリオン”、サラダに向く極早生赤タマネギ“レッドアロー”、ベと病の抵抗性を付与し栽培しやすい春どり用レタス“ユースフル”、晩抽性で赤色の発色が良いレッドリーフレタス“晩抽タフレッド”、葉数が多く収穫作業が容易なホウレンソウ“スナイパー”、暑さに強い小ネギ“ブラックアロー”を発表いたしました。飼料作物類では、倒伏に強く雌穂収量の高い北海道用トウモロコシ“KD085ベローナ”、倒伏と病気に強いトウモロコシ“KD106エダム”、サツマイモネコブセンチュウ密度抑制効果を有するエン麦“ヒットマン”を発表いたしました。“ヒットマン”につきましては、“シルクスイート®”に代表されるカンショ(サツマイモ)栽培に効果的に利用できる品種です。また、競技場やゴルフ場・公園などの用途に向け、耐暑性と耐病性に優れた芝草“コンパス2”、厳寒期でも葉色の濃いウインターオーバーシード用芝草“アスパイヤー”をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。
波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモの新品種開発とウイルスフリー化を進めております。
カンショ(サツマイモ)では、新品種の育成を最重点課題としています。現在、有望な系統の産地試験を継続して行っており、食感や食味で新規性のある新品種候補が育成されてきております。オリジナル品種“シルクスイート®”は消費者、市場関係者、生産農家においての評価が年々高くなっており、更なる栽培面積の増加が期待されます。また、既存の主力品種である“ベニアズマ”、“なると金時”では、産地の要望にあった「形状が安定して秀品率の高い」新系統を育成し、普及に向けて栽培試験を進めております。
ヤマノイモでは、新品種の育成とオリジナル品種“ネバリスター”の改良を重点課題として試験を進めております。新品種育成では、短型で堀取り易く粘りが強いものを目標に開発を進め、有望な系統は産地での試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。
“ネバリスター”は食味が大変良く高い評価のため栽培面積が増加しています。さらなる普及のため収量性を向上させるよう改良に取り組んでおります。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、515,750千円であります。
(2)花き事業
花き育種研究室では営利栽培農家向けとホームユース向けの花き類・野菜類の開発を行っております。当連結会計年度の一般社団法人日本種苗協会主催の第64回及び65回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウの3品目について計6回の出品を行い、7点が入賞し、うちユーストマでは“K480”が1位一等特別賞を受賞いたしました。また前年度の第63回全日本花卉品種審査会で1位一等特別賞を受賞したユーストマの“ジュリアスラベンダー”に農林水産大臣賞が授与されました。
当連結会計年度につきましては、5品目で合計26品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては11品種を新発売とし、その中で“ジュリアススノー”と“ジュリアスブルー”は人気のジュリアスシリーズの追加色となり、このシリーズの強化を図ることが出来ました。また、“ルカゴールド”は当社では初めての黄色系品種で、これまでになかった売り上げが期待されます。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を5品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を5品種新発売といたしました。オリジナリティーの高い大輪スプレー系品種“14084-02”を来期より本格的に販売することになり、カーネーションの新しい市場を開拓することが期待されます。スターチス・シヌアータやデルフィニウム、カスミソウなどにつきましても、有望系統の拡大試作を実施しており、販売に向けて種子や親株の準備を行っております。また、ユーストマやカーネーション、スターチス・シヌアータにつきましては、海外での試作も行っており、今後は海外向け品種の開発にも力を入れてまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、67,061千円であります。
(3)施設材事業
農業者人口の減少や天候不順による野菜生産の不安定リスクを軽減するため養液栽培のニーズは高まっています。開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした他社にはないプラント開発を行っております。今年4月19日には“低カリウム野菜の栽培方法”で特許を取得いたしました。当社の栽培プラント開発と養液管理技術開発による結果です。今までに7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”(ワンカットで葉がバラバラになりボリュームのある盛り付けができるリーフレタス)、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地で導入されています。現在、植物生理に基づいた高度なハウス内環境制御技術の構築を作物ごとに行うとともに、養液栽培の環境負荷の低減を可能にするプラントの開発を行っております。加えて、より一層の生産効率を上げるため養液栽培向け品種の開発を行っております。今後も既存販売地域での実績を基盤として新しい地域の展開を進めてまいります。
なお、当事業に係る研究開発費の金額は、83,071千円であります。

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