有価証券報告書-第73期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)
有報資料
(1) 業績
当連結会計年度(平成28年7月1日から平成29年6月30日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済は回復しているものの、中国をはじめとするアジア新興国の景気の下振れリスクや米国・欧州の経済政策に関する不確実性の高まりから、景気の先行きが不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く経営環境は、コンサルタント国内事業では公共事業における防災・減災やインフラ老朽化対策、コンサルタント海外事業ではインフラシステム輸出戦略の推進、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新などの需要がそれぞれ堅調に推移いたしました。一方、都市空間事業では英国のEU離脱の影響により、英国における建築設計需要に足踏みがみられました。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-AIM(2015年7月から2018年6月まで)に基づき、「主力3事業の持続的成長」、「新事業の創出と拡大」および「自律と連携」を基本方針として、「グローバル展開の一層の進化」「主力事業の深化による一層の業域拡大と収益性の向上」「新事業領域の創出に向けて総合技術力の真価を発揮」の3つの重点課題に取り組んでまいりました。また、これらを実現するための全社共通施策として、「次世代基幹技術の開発と生産性のさらなる向上」「人財確保と育成の強化」「コラボレーションの促進とコーポレートガバナンスの強化」を積極的に推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、主に交通運輸分野における複数の大型案件を受注したこと、前連結会計年度末より連結子会社としたBDP HOLDINGS LIMITEDおよびその子会社(以下、総称して「BDP社」)の業績が加わったことにより、受注高は前期比33.8%増の117,442百万円(為替影響額およびBDP社の受注残高を除く前期の受注高は87,768百万円)となりました。売上高は前期比23.8%増の101,338百万円、営業利益は前期比15.7%増の5,464百万円、経常利益は前期比36.5%増の5,958百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比80.3%増の3,288百万円となりました。
当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、重点事業の設定による事業領域とシェアの拡大、業務プロセスの改革による品質と収益性の向上およびアライアンスの積極的な活用を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比9.4%増の48,265百万円となりました。また、売上高は前期比6.7%増の43,516百万円、営業利益は前期比11.6%増の3,298百万円、経常利益は前期比11.3%増の3,299百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、地域密着型の受注・生産体制の整備に取り組み、わが国ODA(政府開発援助)事業のシェア拡大による安定した事業基盤の確立および都市型事業/PPP事業(官民連携)による事業規模の拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比44.0%増の41,573百万円となりました。また、売上高は前期比11.0%増の24,491百万円、営業利益は前期比63.2%増の1,887百万円、経常利益は前期比363.5%増の1,772百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、徹底したコストダウンによる価格競争力の向上とコスト削減提案をはじめとする営業力の強化、コンサルティング・製品・工事分野の融合・連携、製品・技術開発の推進および機電コンサルタント部門の強化拡大を推進してまいりましたが、大型案件で成約が遅れていることにより受注高が前期を下回りました。他方、拡大する水力発電市場に対応する人員の増強により販売費および一般管理費が増加しました。
以上の結果、受注高は前期比4.3%減の14,087百万円となりました。また、売上高は前期比0.3%増の17,577百万円、営業利益は前期比12.0%減の2,683百万円、経常利益は前期比12.4%減の2,649百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、BDP社による英国での事業の拡大およびアジア地域でのグループ連携により、都市開発・建築分野の業容拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は13,460百万円、売上高は14,347百万円、営業利益は81百万円、経常利益は57百万円となりました。
なお、都市空間事業では、前連結会計年度よりBDP社を連結子会社として貸借対照表のみ連結し、当連結会計年度より損益計算書も連結しております。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業では、本社ビルの建替えに伴い、同ビルにおける賃貸収入が減少しました。
以上の結果、売上高は前期比7.9%減の473百万円、営業利益は前期比3.9%増の401百万円、経常利益は前期比4.3%増の401百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当期末の現金及び現金同等物は、17,083百万円となり、前期末に比べて7,682百万円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,376百万円の収入(前期は379百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益5,194百万円に加え、前受金が増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,172百万円の支出(前期は17,705百万円の支出)となりました。これは、主に投資有価証券の取得等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,846百万円の収入(前期は15,199百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入れによる収入等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成25年 6月期 | 平成26年 6月期 | 平成27年 6月期 | 平成28年 6月期 | 平成29年 6月期 | |
| 自己資本比率(%) | 60.8 | 62.4 | 62.6 | 50.6 | 47.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 39.2 | 50.0 | 43.7 | 23.6 | 43.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 0.2 | 1.8 | 1.9 | 46.1 | 3.6 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 1,519.0 | 29.3 | 18.0 | 7.1 | 31.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)平成25年6月期は、決算期変更により3か月決算となっておりますので、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、3か月のキャッシュ・フロー及び利払いに対する数値となっております。