有価証券報告書-第59期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 10:04
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかながらも回復基調が継続しており、個人所得・雇用環境にも改善の傾向が見られます。また、世界経済も米国を中心に回復の兆しがみられておりますが、東アジア情勢や中国経済、米国や欧州の政治動向等依然として不確定要素も多く、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当建設関連業界におきましては、公共投資や民間建設投資は底堅い動きで推移し業界全体としての市場環境は持ち直してきております。
このような状況下、当企業集団は、社会資本整備の一翼を担う企業集団として、東日本大震災等各地で頻発する災害の復興支援を継続して行っていくとともに、新たな管理本部のもと徹底した原価管理を貫き、ROEの改善を重視した方針のもと営業活動を展開してまいりました。
受注高は、前期の反動減もあり前年同期比6.8%減の13,229百万円となりましたが、売上高は期初の受注残高が前年同期と比べ増加していたこと等から、前年同期比2.4%増の12,154百万円となりました。
利益面につきましては、営業活動に必要な情報網を整備する体制を構築しつつ、今年度より全社横断的に発足させたROE改善のための活性化委員会による活動を開始しました。
その結果、徹底した原価管理と経費の削減に一丸となって取り組むことができ、これらの成果の一部を従業員に還元する施策を推進し、モチベーションの向上につなげるサイクルを確立しました。
これらの活動により営業損益は前年同期に比べ2倍強(101.2%増)の586百万円の利益となり、一定の経営改善をみるに至りました。また経常損益も前年同期に比べ2倍強(116.6%増)の589百万円の利益、親会社株式に帰属する当期純損益は374百万円の利益(前年同期比627.1%増)となりました。
当企業集団の前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであります。
(単位 千円)

年度別前期繰越受注高受注高売上高次期繰越高
前連結会計年度4,304,97714,194,87711,865,1716,634,683
当連結会計年度6,634,68313,229,72912,154,3017,710,111
増減2,329,706△965,148289,1291,075,428

当連結会計年度のセグメント別の業績等の概要は次のとおりであります。
また、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等は含まれておりません。
[土木関連事業]
法面保護工事が主体の当事業は、東日本大震災復興支援事業が一巡したこと及び受注案件の執行の遅れが一部で見られた結果、受注高は前年同期比7.0%減の3,191百万円となりました。しかしながら完工に至った工事案件も相当程度あったこと等から、売上高は前年同期比0.1%増の3,337百万円となりました。
利益面につきましては、前期に引き続き受注案件の事前調査の徹底による不採算工事の排除や、原価管理方針の徹底方針を継続した結果、営業損益は221百万円の利益(前年同期比64.6%増)となりました。
なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。
(単位 千円)

年度別前期繰越受注高受注高売上高次期繰越高
前連結会計年度845,1203,433,0593,334,616943,564
当連結会計年度943,5643,191,2443,337,900796,908
増減98,443△241,8143,284△146,655

[建築関連事業]
医療施設向けの放射線防護、電磁波シールド工事等が主体の当事業は、業界内での当企業集団の優位性を背景として、営業上の新たな施策を導入する等受注高は堅調に推移し、前年同期比1.9%増の5,691百万円となりました。売上高につきましては、工期が長期化している案件もある他、工事進捗自体の遅れもあること及び前期の反動減等から、前年同期比8.1%減の4,797百万円にとどまりました。
利益面につきましては、原価管理の徹底と作業の平準化による効率化により、採算性が相当程度改善されてきており、営業損益は、前年同期比36.3%増の604百万円となりました。
なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。
(単位 千円)

年度別前期繰越受注高受注高売上高次期繰越高
前連結会計年度2,851,4395,586,1385,219,2263,218,351
当連結会計年度3,218,3515,691,6574,797,5144,112,494
増減366,911105,519△421,711894,143

[型枠貸与関連事業]
消波根固ブロック製造用型枠の賃貸及びコンクリート二次製品の販売が主体の当事業は、震災復興支援関連の受注が一巡したほか一部に公共事業の予算執行の遅れが受注の遅れを招いている案件もあることから受注高は、前年同期比15.7%減の4,256百万円となりました。売上高につきましては過年度に受注していた案件が売上高に寄与し始めたこと等から前年同期比24.8%増の3,884百万円となりました。
利益面につきましては、売上高の増加はありましたものの、比較的採算性の良い事業分野がやや伸び悩んだこと等から営業損益は前年同期比4.2%減の119百万円にとどまりました。
なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。
(単位 千円)

年度別前期繰越受注高受注高売上高次期繰越高
前連結会計年度250,2795,050,3573,112,4372,188,199
当連結会計年度2,188,1994,256,7893,884,8232,560,166
増減1,937,920△793,567772,386371,966

[その他]
その他の分野には、不動産賃貸事業、戸建住宅販売事業、海外での事業等をまとめてその他としております。不動産賃貸事業は前年同期と同様に推移しておりますが、戸建住宅販売事業等は縮小の事業方針もあったことから、受注高は前年同期比28.2%減の90百万円、売上高も前年同期比32.6%減の134百万円となりました。
利益面につきましては、前連結会計年度において設備の減損を実施したことから償却負担が軽減されたこと等により営業損益は15百万円の損失(前年同期は109百万円の損失)となりました。
なお、当セグメントの前期繰越受注高、受注高、売上高、次期繰越高は次のとおりであり、損益については、「第5 経理の状況」の「セグメント情報等」の項を参照ください。
(単位 千円)

年度別前期繰越受注高受注高売上高次期繰越高
前連結会計年度358,136125,322198,891284,567
当連結会計年度284,56790,036134,062240,541
増減△73,569△35,285△64,829△44,025

(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が593百万円計上されたこと等から、256百万円増加し、1,436百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益593百万円及び減価償却費336百万円等により、1,430百万円の収入(前連結会計年度は585百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に定期預金の預入による支出及び賃貸用鋼製型枠の製作等による固定資産の取得による支出等により、339百万円の支出(前連結会計年度は368百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長短期借入金の返済による支出、リース債務の返済による支出等により、830百万円の支出(前連結会計年度は201百万円の支出)となりました。