有価証券報告書-第72期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 13:02
【資料】
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【項目】
144項目
(3)戦略
環境、社会、経済活動の諸課題は、企業のサステナビリティを脅かすリスクとなる一方、課題解決への取り組みは、新たな事業機会の創出につながります。
当社では、3つの重点課題に関わるリスクと事業機会を把握し、リスクの低減に努めるとともに、課題解決のための事業活動を通して持続可能な社会と企業の持続的成長を目指しています。
①気候変動と脱炭素社会
リスク
・自然災害や社会・経済活動の混乱による生産性の低下(豪雨、強風、積雪、熱中症等)
・気候変動に起因する資源生産量の減少・不足や建設資材の高騰
事業機会の創出
・再生可能エネルギー市場の拡大
・環境配慮型設計による競争力の獲得
当社では、環境配慮型建築計画を積極的に提案し、工事の施工を含めた総合サービスを提供しています。2020年からSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)『ZEBプランナー』に「設計」カテゴリーで登録し、省エネ建築物のプランニング及びZEBに関する補助金の申請に関与できる資格保持企業として、当社が研究・開発した「地下水循環型地中採放熱システム」(下記参照)の採用とあわせ脱炭素社会の実現に向けてお客様の貢献度を高める有効な手段となるよう、積極的に働きかけを行っています。
「地下水循環型地中採放熱システム」
石油等の化石燃料に依存しない低炭素社会に向け、再生可能エネルギーへの期待が市場で高まる状況にあって、地域のリーディングカンパニーとしての責務を自覚し、市場要求の負託に応えるなかで、2016年に「地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム」として特許を取得し、2019年に「地下水循環型地中採放熱システムHeat-Gw-Power」として商標登録した新技術に対し、更に高性能化したHeat-Gw-Powerカスケードタイプを開発・実装しました。これは、従来方式(ボアホール方式)と比して、イニシャルコストの大幅な低減を可能にしました。
2020年度においてHeat-Gw-Powerカスケードタイプは、環境省より環境技術実証(ETV)事業の実証済み技術としてETVロゴマークの交付を受け、その成果が環境省ウェブサイト等で公表されました。また、ETV事業における性能評価結果に基づき、同年12月に省エネ大賞「製品・ビジネスモデル部門:審査委員会特別賞」を受賞しています。
2023年4月には長野県飯山市内で当社が受注・施工した事務所建物にHeat-Gw-Powerを導入することで、ZEB及びBELS:5★の適合判定を受けました。
地球環境の保全が喫緊の課題となるなか、長野県においては2021年6月に、2050ゼロカーボン実現を目指した2030年度までの具体的なアクションとして「長野県ゼロカーボン戦略」が策定されました。
このような状況にあって、建物のゼロエネルギー(ZEB)化を実現するための手段として有望な、地中熱・地下水熱利用冷暖房技術「Heat-Gw-Powerカスケードタイプ」の普及拡大を図り、建築物の省エネ化を強力に推進しています。
②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
リスク
・情報漏洩
・DX人材の不足による戦力獲得競争の激化や育成の長期化
・DXを導入しないことによる企業イメージの悪化
事業機会の創出
・ICT施工(ドローンによる測量、ICT建設機械による施工、BIM/CIMの活用等)による生産性の向上
・国土交通省が推進するi-Construction対象工事の受注機会の増大
当社では、クラウドストレージにより情報の一元化と社内外の情報共有を推進するとともに、タブレット端末を支給し施工管理アプリ等を活用するなど、業務の効率化と生産性の向上を図ってきましたが、さらなる加速に向けて、DX推進室を新設し、BIM/CIMアプリやICT機器の選定・導入・配備、i-Constructionの内製化、AIやオープンデータの利活用の研究に積極的に取り組むとともに、従業員のDXリテラシー向上を図るため、計画的に教育訓練を行っています。
また、当社ではBIM/CIMを活用した設計・施工は、各部署単位で一部導入していましたが、DX推進室、BIM推進部、技術研究室が連携し、全社的な設備投資計画や教育計画を策定・実施しています。
その他、土木事業本部において、ドローンによる測量、ICT建設機械による施工を行っています。
③人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社は「信頼と技術で社会に貢献し、社員と家族が誇りと満足感を持てる“働きたい”企業」を実現すべく、「組織体制の改革:社員の採用・教育・評価体制の強化・推進」を重要な戦略の1つと考えています。加速する社会的価値の変化や思考の多様性に適応しながら、人材を最も重要な会社の「資本」と捉えて、その価値を最大限に生かすことで企業価値を高めていきます。
・採用計画
職務・エリア・年齢構成等を鑑み、中長期的な採用計画を策定しています。当計画に基づく採用活動では、当社の業務内容や働き方をより理解していただき入社後のミスマッチによる離職を未然に防ぐため、積極的な情報発信を行うとともに、学歴や性別、国籍にとらわれない人物本位の採用活動を行っています。
・教育制度
目指す社員像を設定し、目標に近づくために必要な事項を教育体系として設定しています。教育体系は、技術系と事務・営業系の2体系に区分し、教育目標・習得目標を新入社員から入社後25年目まで設定しています。教育体系に基づき、年度毎に実業務を通じたOJT研修と階層別教育・職務別教育のOFF-JT研修計画を策定し実施しています。また、新入社員研修に施工管理技士の資格取得プログラムを取り入れ、新入社員の早期戦力化を促進しています。他にも、職員ごとのニーズに応じた教育として定額制ビジネスセミナーを導入し、基礎学習から専門的な講座まで従業員のスキルにあわせた幅広いコースを用意し、自己学習の機会を提供することで、従業員一人ひとりのスキルの底上げを図っています。
・人材の多様性
当社は、女性・外国人・中途採用者の採用・管理職への登用等を公正公平な評価に基づいて行う方針を採っています。今後とも女性技術者を含めた中途採用者を積極的に行い、人材の多様化を図る方針です。
・ワーク・ライフ・バランスの実現
当社ではワーク・ライフ・バランスの実現に向け、働き方改革による労働時間の縮減や育児・介護と仕事の両立支援等を行うなど、メリハリのある働き方ができる職場作りを行いながら、会社と従業員とが良い関係を長く築けることができるような仕組みや風土作りに取り組んでいます。

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