有価証券報告書-第94期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 11:17
【資料】
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【項目】
127項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な企業収益を背景とした雇用情勢や所得環境に改善が見られるなど、景気は総じて緩やかな回復基調が続いております。一方で中国をはじめとする新興国経済の減速、欧州各国の選挙や中近東及び東アジアでの地政学リスクの高まりを受け、先行きは不透明な状況が続いております。
精糖業界においては、依然として加糖調製品、異性化糖及び他の甘味料の浸食などにより、厳しい事業環境が続いております。
この様な経済環境の中で当社グループは、品質管理の徹底を図り、顧客満足度を高め、主力製品である砂糖では製品の安定供給に取り組んでまいりました。また、機能性食品では高付加価値提案型の販売活動に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高19,347百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益620百万円(同35.3%減)、経常利益856百万円(同10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は713百万円(同14.5%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①精糖
精糖事業につきましては、売上高12,255百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益1,156百万円(同9.3%減)の増収減益となりました。
海外原糖市況は期初ニューヨーク先物市場15.40セント(1ポンド当たり)で始まり、世界の砂糖需給が各地の異常気象のため、2期連続で大幅な供給不足になるとの見通しから、10月には最高値の23.90セントをつけました。その後、生産が消費を大きく上回るとの見通しから18セント台まで下げました。年明けにはインド減産見込みなどから一旦は反発したものの、大きく回復する力はなく、再び下げに転じ、16.76セントにて期末を迎えました。
一方、国内製品市況は期初東京現物相場188円(上白大袋1キログラム当たり)で始まり、海外原糖相場の上昇により10月に製品出荷価格を5円引き上げ、更に2月に3円を引き上げ、196円で期末を迎えました。
製品の荷動きについては、総じて当期は菓子類、冷菓などが好調に推移したものの、清涼飲料向けなどが減少した結果、ほぼ前年同期並みの販売数量となりました。
しかしながら、国産原料糖買入増加による仕入コストの上昇などにより営業利益は減益となりました。
②機能性素材
機能性素材事業につきましては、売上高6,377百万円(前年同期比5.4%減)、営業損失189百万円(前年同期 営業損失154百万円)の減収減益となりました。
機能性食品素材「イヌリン」は、タイの連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co.,Ltd.(以下、FTI社)での更なる品質安定化や拡販を図るため同社を100%子会社といたしました。売上高につきましてはFTI社が生産するタイ産イヌリンへの切り替えや製菓、製パン分野など新規採用は順調に増加したものの、大手ユーザー向け販売が回復せず、減収となりました。利益面ではタイ産イヌリンの品質安定化にコストを要したことで減益となりました。
切花活力剤「キープ・フラワー」は、花卉市場が縮小傾向にある中、水揚促進剤「ハイ・スピード」も含め拡販を図りましたが、ほぼ前年同期並みの売上高となりました。利益面では原料コストの抑制及び製造コストの削減を行った結果、増益となりました。
連結子会社ユニテックフーズ㈱におきましては、前期に好調であったゼラチン及びOEMの販売が、当期は通常の取引に留まった結果、減収減益となりました。
③不動産
不動産事業につきましては、売上高598百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益535百万円(同1.8%増)の減収増益となり、引続き安定収益確保に貢献いたしました。
売上高は8月に既存所有物件の売却を行ったため減収となったものの、維持管理費などの費用が減少したため増益となりました。
④その他食品
その他食品事業につきましては、DAY PLUS (THAILAND) Co.,Ltd.の製パン事業でありますが、セグメント業績は当期より連結しておりますので前年同期比の記載はありません。なお、当連結会計年度の業績は売上高116百万円となりましたが、工場本稼働の立ち遅れにより営業損失117百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ724百万円減少し、2,083百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は、621百万円(前年同期1,452百万円収入)となりました。これは主として、たな卸資産の増加等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果得られた資金は、667百万円(前年同期347百万円支出)となりました。これは主として、長期貸付けによる支出があったものの投資有価証券の売却による収入及び長期貸付金の回収による収入等があったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、773百万円(前年同期比60.4%増)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出及び連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出等があったことによるものであります。