有価証券報告書-第45期(平成31年1月21日-令和2年1月20日)

【提出】
2020/04/17 9:18
【資料】
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【項目】
157項目
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、国内飲料事業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、グループ一丸となって将来の持続的成長をめざすべく、2014年に新たな「グループ理念・グループビジョン」「グループスローガン」を制定しております。
0102010_001.png厳しい競争環境を勝ち抜き、お客様、従業員、取引先、地域社会、株主といったすべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、企業の成長とともに従業員が成長していくために、チャレンジする企業風土の醸成に取り組んでおります。
また、当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者に委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、業界有数の自販機網は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営業者)により管理しております。
このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために、「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを継続的に改善していくことが、株主共同の利益に資するものと考えております。
(2)経営戦略等
当社グループでは、日本国内の人口動態の変化をはじめとする中長期的な事業環境の変化が、ビジネスモデルに重要な影響を及ぼすリスクと事業機会を分析し、これまでの課題認識をふまえて、2030年の当社グループのありたい姿を示す「グループミッション2030」を定め、その実現に向けた2019年度からの3カ年の行動計画として「中期経営計画2021」を策定しております。
0102010_002.png「グループミッション2030」では、グループ理念・グループビジョンの実現のために2030年までに成し遂げるべきミッションを4つのテーマごとに示し、その達成に向けたロードマップを描いております。
具体的には、2030年までの期間を「基盤強化・投資ステージ」「成長ステージ」「飛躍ステージ」の3つに区分し、それぞれのステージに応じた事業戦略を推進することにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオを形成してまいります。
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(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
「中期経営計画2021」は、「グループミッション2030」に定める当社グループのありたい姿の実現に向けた「基盤強化・投資ステージ」として、キャッシュ・フローの最大化とあわせて、成長戦略の推進にも積極的に取り組んでいくことから、3年間の固定的な定量目標は設定せず、主要指標のガイドラインを示し、事業環境の変化と重点戦略・投資戦略の進捗に応じた単年度目標を毎期設定する方針としております。
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なお、「中期経営計画2021」における重点戦略・投資戦略は以下のとおりであります。
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(4)経営環境についての経営者の認識
わが国は人口減少社会に突入して久しく、それと同時に急速に少子高齢化が進んでいます。人口動態推移に基づく将来推計によると、2030年頃には高齢化率が3割を超えて、3人に1人が65歳以上になると予測されています。この変化に柔軟に対応し、DyDoグループとして継続的に成長していくためには、自販機ビジネスをコアビジネスとしながらもそのモデルを時代に合ったものへと進化させるとともに、国内飲料事業に次ぐ事業の柱を育て、事業ポートフォリオを変化させていく必要があります。そして、それを実現させるためには、目の前の事業の延長で物事を考えるのではなく、2030年にありたい姿を定め、事業を推進していくことが必要という考えから、昨年、グループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を掲げました。今後の人口構成の変化を踏まえ、健康寿命の延伸により生まれるニーズや、消費者としての高齢者の比率が高まることを背景として、人々の楽しく健やかな暮らしのお役に立っていきたいと考えています。
このような中、次に起こる問題として「2025年問題」というものがあります。いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護などの社会保障費が急増するという問題です。その一方で、1980年前後生まれ以降のデジタルネイティブがビジネスや社会を動かす主役になってきます。今後5年間で起きる人口構成の変化は、パラダイムシフトとも言うべき世の中の変化を、しかも急激にもたらす可能性があると言われています。
また、もうひとつの2025年問題として経済産業省が「2025年の崖」として警鐘を鳴らすのが、わが国のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れであり、これが大きな課題であると言われています。しかしながら、前述のデジタルネイティブの台頭とこの危機感が相まって、わが国でもDXが一気に進展する可能性があります。
このような急速な社会の変化は、当社グループのビジネスを大きく進化させるチャンスだと言えます。世の中の変化の兆しを敏感に察知し、率先して変革を行い、斬新な発想から新たな価値を生み出すことにより、世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへと進化していきます。
ダイドーグループホールディングス株式会社
代表取締役社長 髙松 富也

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」の基本方針において、各事業セグメントが目指すべき営業利益率を明確に定め、「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」の3つのテーマに取り組むことにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオの形成をめざしております。
0102010_007.png※図はイメージです。円の大きさは営業利益額を示し、2018年度を薄色、2030年度を濃色で表現。
① 国内飲料事業のイノベーション
当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、創業来、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする独自のビジネスモデルによって発展してまいりました。業界有数の自販機網と、直販と共栄会によって一体的に運営する品質の高いオペレーション体制は、当社グループの大きな資産であり、キャッシュ・フローの源泉ともなっております。
現在、国内飲料事業の売上高は、自販機1台あたりの売上高の低下や台数の減少等により、減収基調が続いております。また、お客様の購買行動の変化や労働力不足の問題が業績にも影響を与えはじめていることから、将来にわたるキャッシュ・フローの継続的拡大のためには、自販機網の維持・強化や商品ラインアップの最適化による増収基調への転換と自販機オペレーション体制のさらなる高度化が大きな課題となっております。
一方、労働力不足の問題は、流通・小売業界全体の将来にも重要な影響を与える大きな課題であることから、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする当社グループ独自のビジネスモデルは、テクノロジーを活用したイノベーションによって、時代の変化とともに進化し、強みを磨き続けることで、将来にわたってお客様や社会に価値を提供し続けていくことが可能になるものと考えております。
今後につきましては、自販機市場における確固たる優位性を確立すべく、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの開拓にかかる営業体制をさらに強化・増強するとともに、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築にチャレンジし、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、時代の変化やお客様のニーズの多様化をタイムリーに捉え、もっと身近で毎日の生活に役立つ事業へと進化することで、国内飲料事業がDyDoグループのコアビジネスであり続けることをめざしてまいります。
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② 海外での事業展開の拡大
当社グループの海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、豊富な若年層人口を背景に高い成長ポテンシャルを有しており、ミネラルウォーター「Saka」を中心に、高い売上成長を続け、収益性も大きく向上しておりますが、マレーシア・ロシア・中国につきましては、事業規模も小さく、現時点では収益面も厳しい状況にあります。
直近では、トルコ飲料事業の業績向上により、海外飲料事業セグメント全体の黒字化には一定の目途が立ったものの、海外飲料事業のさらなる成長に向けては、戦略拠点の選択と集中が大きな課題となっております。
今後につきましては、海外売上高の飛躍的成長の実現に向けて、新たな海外事業戦略の検討をすすめ、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、世界中に、こころとからだにおいしいものをお届けすることにより、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしてまいります。
③ 非飲料事業での第2の柱を構築
当社グループの祖業である大同薬品工業株式会社(医薬品関連事業、以下「大同薬品工業」)は、現在では、ドリンク剤の受託製造専業メーカーとして業界トップクラスの地位を築いており、高い製造品質と医薬品から化粧品までの幅広い顧客基盤を有することが、大きな強みとなっております。また、食品事業を担う株式会社 たらみは、様々な食感を自在に実現する「おいしいゼリー」を作る技術力とブランド力を大きな強みとして、フルーツゼリー市場においてトップシェアを有しております。これらの既存事業の持つ強みと特徴は、将来の非飲料事業の成長に向けた核になるものと考えております。
直近の取り組みといたしましては、希少疾病の医療用医薬品事業に新規参入すべく、2019年1月にダイドーファーマ株式会社を設立したほか、同年8月には、大同薬品工業の奈良工場へパウチラインを新設、同年10月には、群馬県館林市に大同薬品工業の関東新工場が竣工するなど、将来に向けた成長投資を積極化しております。
今後につきましては、超高齢化社会・健康長寿社会がさらに進展する中、大きな成長が期待されるヘルスケア分野における事業領域を「健康」「予防」から「未病」「治療」へと拡充すべく、当社グループの持つ強みとのシナジーが見込めるM&Aなどの投資機会の調査・検討をさらにすすめ、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、「医療」と「食品」の垣根を越えた新たな市場を開拓し、既存事業と融合するヘルスケア領域での事業を第2の柱として構築することをめざしてまいります。
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④ 人材をはじめとする「見えない資産」への投資
当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上のためには、人材をはじめとする「見えない資産」への投資が重要課題であるものと認識しております。
直近では、国内飲料事業において、お客様の購買行動の変化や労働力不足の問題が業績にも影響を与えはじめていることから、ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化や自販機オペレーション体制の高度化による生産性向上にチャレンジするとともに、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの新規開拓にかかる営業体制の増強に向けてキャリア採用を積極化し、組織体制のさらなる活性化を図っております。
今後につきましては、「グループミッション2030」の達成に向けて、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制を強化し、多様な価値観や能力を尊重しながら、ステークホルダーとの新たな共存共栄を推進してまいります。
0102010_010.png⑤ グループ共通の行動規範の浸透
当社グループは、「グループミッション2030」を通じて「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」に取り組むにあたり、「グループ理念」「グループビジョン」のもと、国境や事業の枠組みを越えて統一した判断基準のもとで行動ができるよう、グループ共通の行動指針として「グループ行動規範」を新たに制定いたしました。
直近では、その理解促進を図るため「DyDoグループ コンプライアンスハンドブック」を日本語と英語で制作し全従業員に配布したほか、自身の業務と行動規範との結びつきを考える研修を全国各地で実施するなど、グループ全体への浸透を図っております。
今後とも、グループ全員が一丸となって、「グループ理念」「グループビジョン」に基づく共通の価値観と高い倫理観をもって、持続的成長の実現と中長期的な企業価値向上にダイナミックにチャレンジしてまいります。
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