有価証券報告書-第46期(令和2年1月21日-令和3年1月20日)

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2021/04/19 9:10
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文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、国内飲料事業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、グループ一丸となって将来の持続的成長をめざすべく、2014年に「グループ理念・グループビジョン」「グループスローガン」を制定しております。
「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。その実現のためにDyDoグループは、ダイナミックにチャレンジを続ける。」というグループ理念は、創業以来培ってきた共存共栄の精神を謳っております。お客様、従業員、取引先、地域社会、株主といったすべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、企業の成長とともに従業員が成長していくために、チャレンジする企業風土の醸成に取り組み、当社グループの文化である共存共栄の精神を未来へとつないでまいります。
0102010_001.pngまた、当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者に委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、業界有数の自販機網は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営業者)により管理しております。
このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために、「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを継続的に改善していくことが、株主共同の利益に資するものと考えております。
(2)経営戦略等
当社グループでは、日本国内の人口動態の変化をはじめとする中長期的な事業環境の変化が、ビジネスモデルに重要な影響を及ぼすリスクと事業機会を分析し、これまでの課題認識をふまえて、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」“世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ”を定めております。
SDGsのめざす未来の実現に、事業を通じて貢献することが私たちのミッションであり、持続可能な社会の実現によって、私たちも持続的に成長することができるとの想いが、その背景にあります。共存共栄の精神は、SDGsの原則である「誰一人取り残さない」にも通じるものです。2030年に向け、世界中の人々が楽しく健やかに暮らせる持続可能な社会の実現に貢献し、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上をめざしてまいります。
0102010_002.png「グループミッション2030」では、グループ理念・グループビジョンのもと、2030年までに成し遂げるべきミッションを4つのテーマごとに示し、その達成に向けたロードマップを描いております。
具体的には、2030年までの期間を「基盤強化・投資ステージ」「成長ステージ」「飛躍ステージ」の3つに区分し、それぞれのステージに応じた事業戦略を推進することにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオを形成してまいります。
コロナ禍により、短期的な業績への影響はありますが、当社グループのめざす方向性に変更はありません。持続的成長と中長期的な企業価値向上をめざすべく、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」と、その実現に向けた2019年度からの3カ年の行動計画「中期経営計画2021」を引き続き推進してまいります。
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●基本方針
0102010_004.png0102010_005.png
●ロードマップ
0102010_006.png(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
2019年度からの3カ年の行動計画「中期経営計画2021」は、「グループミッション2030」に定める当社グループのありたい姿の実現に向けた「基盤強化・投資ステージ」として、キャッシュ・フローの最大化とあわせて、成長戦略の推進にも積極的に取り組んでいくことから、3年間の固定的な定量目標は設定せず、主要指標のガイドラインを示し、事業環境の変化と重点戦略・投資戦略の進捗に応じた単年度目標を毎期設定する方針としております。
●「中期経営計画2021」主要指標のガイドライン
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なお、「中期経営計画2021」における重点戦略・投資戦略は以下のとおりであります。
●重点戦略
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●投資戦略
0102010_009.png(4)経営環境についての経営者の認識
2020年は、新型コロナウイルス感染症に翻弄された激動の一年となりました。ワクチン開発など明るい兆しはありますが、この先コロナ禍がどのように収束し、世の中がどのように変化していくのか、なかなか予測するのは難しそうです。しかしながら、引き続き「変化をチャンス」と捉え、柔軟な発想で迅速に行動していきたいと考えています。
一方で、コロナ禍でも変わることなく、加速していく大きなトレンドとして、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「SDGsへの取組み」の2つが挙げられます。DXについては、コロナ禍による人々の行動様式の変化によってデジタル化・オンライン化が一気に浸透した結果、デジタルを前提とした商品やサービスの開発、また生活者の行動変容は今後益々進んでいくものと思われます。もう一つのSDGsについても、コロナ禍において「経済・社会・環境の持続可能性」への注目が一段と高まっています。そこで、当社グループにおいて、2021年をSDGsへの取組みを本格的にスタートする年にしたいと考え、この度「DyDoグループSDGs宣言」を策定しました。
もとより、当社グループには、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」という共存共栄の理念が基本にあります。この共存共栄の精神は、SDGsの原則である「誰一人取り残さない」にも通じるものだと考えており、SDGsのめざす持続可能な社会の実現に向け、事業を通じて貢献することが私たちのミッションであると考えています。また、「グループミッション2030」で掲げる「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトする」というめざすべき姿は、SDGsに貢献することを考えて定めたものです。
国内飲料事業においては、「資源循環型社会の実現」をめざして、2030年までに「空き容器の回収率 100%」「プラスティック容器のサステナブル化60%」「自販機の平均寿命15年」という定量目標を設定しました。また、環境配慮活動として「LOVE the EARTH」プロジェクトを本年よりスタートします。これを機に、グループ全体でも取組みを推し進めていきますが、より本質的に取組みを継続するためには、社員一人ひとりの参画とパートナーシップが重要だと考えます。「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことができるよう、グループ全員が行動していきます。
ダイドーグループホールディングス株式会社
代表取締役社長 髙松 富也

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「グループミッション2030」の達成に向けて「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」の3つのテーマに取り組むことにより、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオの形成をめざしております。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による内外経済の停滞は、短期的な業績に影響を与えるリスクとなりますが、コロナ禍を契機とした消費者の価値観や行動様式の変容、DX(デジタルトランスフォーメーション)の急速な進展などによる大きな社会変革は、将来の成長に向けた新たなビジネスチャンスとなり得るものと考えております。
また、健康・予防・衛生に対する意識の変化、ワークスタイルに対する価値観の多様化、地球環境保護に対する問題意識の高まりなどによるリスクと機会への対応は、将来の持続可能性に関わる大きな課題となるものと認識しております。
2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」のもと、大きな社会変革に柔軟に対応し、イノベーションの創出により、人と社会に貢献する持続可能なビジネスモデルの構築をめざしてまいります。
①国内飲料事業のイノベーション
当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、創業来、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする独自のビジネスモデルによって発展してまいりました。業界有数の自販機網と、直販と共栄会によって一体的に運営する品質の高いオペレーション体制は、当社グループの大きな資産であり、キャッシュ・フローの源泉ともなっております。
コロナ禍により、消費者の行動様式は大きく変容し、在宅勤務の定着化などによる売れる場所の変化とともに、飲料業界全体の自販機を通じた販売数量は大きく減少しており、業界各社の自販機チャネルに対する取り組み姿勢にも変化が生じております。
当社グループは、コロナ禍を契機とした社会変革をビジネスチャンスと捉え、非対面・非接触の無人店舗である自販機が、サステナブルな社会にとって役立つものであり続けるために、大きな環境変化にも柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの構築にチャレンジしてまいります。
今後につきましては、オンライン商談を効果的に活用するインサイドセールスを交えながら、売れる場所の変化を的確に捉えた営業活動を推進し、収益性の高い自販機網の拡充を図るとともに、自販機オペレーション現場の働き方においても業界をリードする存在となるべく、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築を着実に推進することにより、自販機市場における確固たる優位性を確立してまいります。
スマートオペレーション体制の構築は、時代の変化やお客様のニーズの多様化をタイムリーに捉え、もっと身近で毎日の生活に役立つ事業へと進化するための基盤となるものと考えております。当社グループは、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、国内飲料事業がコアビジネスであり続けることをめざしてまいります。
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②海外での事業展開の拡大
当社グループの海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、豊富な若年層人口を背景に高い成長ポテンシャルを有しております。短期的には、コロナ禍による影響が懸念されるものの、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実な成長を続けており、中長期的にも成長が期待できる事業と位置付けております。また、中国飲料事業につきましては、これまで日本からの輸入商品の配荷拡大に取り組み、ブランド認知度の向上に努めてまいりましたが、2021年には中国での現地生産を開始することにより、収益構造の改善に取り組むこととしております。
一方、海外における戦略拠点の選択と集中の方針のもと、これまでキャッシュ・フローのマイナスが続いていたマレーシア飲料事業については、コロナ禍からの販売回復に目途が立たないと判断し、2020年10月20日をもって現地子会社の全株式を売却いたしました。
今後につきましては、海外事業セグメント全体の黒字確保を当面の目標としつつ、海外売上高の飛躍的成長の実現に向けて、海外事業戦略の再構築をすすめてまいります。
当社グループは、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、世界中に、こころとからだにおいしいものをお届けすることにより、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしてまいります。
③非飲料事業での第2の柱の構築
超高齢化社会・健康長寿社会が進展する中、コロナ禍を契機とした健康・予防・衛生に対する意識の高まりも相俟って、今後、ヘルスケア関連市場は着実に成長し、飲料・食品・医薬品といった業態間の垣根は、さらに低くなっていくことが想定されます。
当社グループは、世界中のお客様の健康や生活の質の向上に貢献する商品・サービスをお届けしていくために、非飲料事業での第2の柱の構築にチャレンジしてまいります。
既存事業におきましては、国内飲料事業を担うダイドードリンコ株式会社が運営するサプリメント等の通信販売が、主力商品である「ロコモプロ」を中心に高い成長を続けているほか、食品事業を担う株式会社たらみ(以下「たらみ」)は、様々な食感を自在に実現する「おいしいゼリー」を作る技術力とブランド力を大きな強みとして、着実に収益力を高めております。
成長投資といたしましては、医薬品関連事業を担う大同薬品工業株式会社(以下「大同薬品工業」)の関東工場新設や、奈良工場への医薬品・医薬部外品等のパウチ容器入り製品の製造ライン新設など、既存事業の競争力強化に向けた設備投資を積極化しております。また、新規事業領域拡大への取り組みとして、希少疾病の医療用医薬品事業に参入すべく設立したダイドーファーマ株式会社が、2021年1月に同社にとって初めてのライセンス契約を締結するなど、将来に向けた先行投資を行っております。
今後につきましては、大きな成長が期待されるヘルスケア領域の事業をさらに拡充すべく、シナジーが見込める投資機会の調査・検討を引き続きすすめてまいります。
当社グループは、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、「医療」と「食品」の垣根を越えた新たな市場を開拓し、既存事業と融合するヘルスケア領域での事業を第2の柱として構築することをめざしてまいります。
④人材をはじめとする「見えない資産」への投資
コロナ禍を契機とした社会変革により事業環境が大きく変化していく中で、お客様や社会に価値を提供し、持続的な成長を実現していくためには、イノベーションの担い手となり得る多様な人材の確保・育成と社内環境の整備が極めて重要な課題となります。
当社グループは、人材をはじめとする「見えない資産」への投資が、持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けた重要な課題であるとの認識のもと、従業員一人ひとりが心身共に健康で、最大限の力を発揮できる「ワーク・ライフ・シナジー」を実現すべく、2019年に「DyDoグループ健康宣言」を策定し、従業員自身が自らの健康への意識を高め、健康維持・増進に努めることができる環境の整備に取り組んでおります。
また、2020年6月にはグループの中核企業であるダイドードリンコ株式会社において、働き方や働く時間の自由度を高め、テレワークをベースとして、従業員が自律的に業務を推進する「新たな働き方」に移行したほか、2020年9月には「副業制度」「副業受入制度」を導入するなど、ワークスタイルに対する価値観の多様化に対応するとともに、イノベーションの創出につながる多様な知見・価値観・スキルを持つ自律型のプロフェッショナル人材を確保・育成するための取り組みを推進しております。
今後につきましては、「グループミッション2030」の達成に向けて、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化に引き続き取り組み、多様な価値観や能力を尊重しながら、ステークホルダーとの新たな共存共栄を推進してまいります。
0102010_011.png⑤グループ理念の浸透を通じたESG経営の推進
新型コロナウイルスの感染拡大や気候変動問題の深刻化などにより、事業環境の不確実性が増す中、経済・社会・環境の持続可能性に対するステークホルダーの要請は一段と高まっており、企業には社会のサステナビリティへの貢献がさらに求められております。
当社グループは、事業環境の不確実性に柔軟に対応し、中長期的な企業価値向上を実現するためには、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティの同期化が必要であるとの認識のもと、グループ理念の浸透を通じたESG経営を推進しております。
直近の取り組みといたしましては、資源循環型社会の実現に向けて、国内飲料事業において2030年までに達成すべき3つの重点目標を設定し、全社的な環境配慮活動として「みんなの LOVE the EARTH PROJECT」をスタートさせることといたしました。
また、SDGsのめざす持続可能な社会の実現に向け、事業を通じて貢献することが当社グループのミッションであるとの認識のもと、SDGsへの取り組みを本格化すべく2021年1月に「DyDoグループSDGs宣言」を公表いたしました。この取り組みをさらに推進し、次代に向けたイノベーションを創出していくためには、従業員一人ひとりが「グループ理念」「グループビジョン」に基づく共通の価値観を持って行動し、様々なステークホルダーの皆様とのパートナーシップを推進していくことが重要な課題となります。
今後とも、共存共栄の精神のもと、ESG経営を推進し、「グループミッション2030」達成への取り組みを通じて、社会的価値と経済的価値を実現することにより、当社グループの中長期的な企業価値向上につなげてまいります。
DyDoグループSDGs宣言
私たちのグループ理念は、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」という考えのもと、創業以来培ってきた「共存共栄の精神」を謳っています。この共存共栄の精神は当社グループの文化そのものであり、SDGsの原則である「誰一人取り残さない」にも通じるものです。
また、私たちは2030年のありたい姿として、グループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を定めました。SDGsのめざす未来の実現に向けて、事業を通じて貢献することが私たちのミッションです。
私たちは2030年に向け、SDGsへの貢献を通じ、世界中の人々が楽しく健やかに暮らせる持続可能な社会をめざしていきます。
2021年1月
ダイドーグループホールディングス株式会社
代表取締役社長 髙松 富也

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