有価証券報告書-第216期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 13:02
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【項目】
186項目
(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標
当社グループは、「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」という経営理念のもと「お客様から選ばれ続ける企業」を目指している。戦略基本方針においては、持続的な社会実現へ貢献するために、「Governance/事業基盤の整備」を基本方針の1つとして位置づけ、「組織風土改革、人材育成」「技術伝承、事業所整備」に取り組んでいる。人的資本に関しては、優先課題として「人権の尊重」「働きがいのある会社づくり」「ダイバーシティの推進」を掲げており、これら優先課題にかかわる当社グループの基本的な考え方として「ユニチカ人権方針」「ユニチカ健康経営宣言」「ユニチカダイバーシティ経営方針」を2022年7月の取締役会で決議した。それぞれの優先課題においてKPIと目標を定め、その実現に向けた施策を展開している。
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①人権の尊重
当社グループでは様々な事業運営に関して諸規程やルールを明文化し、遵守を徹底していくことで安全・安心な職場環境を促進している。社会的使命を果たす基本的方針として「ユニチカグループ企業行動憲章」を制定し、事業活動において守るべきことを具体的に「ユニチカグループ行動基準」として定めており、そのなかですべての人々の人権を尊重する経営(多様性・人格・個性を尊重する働き方含む)に取り組んできた。また、昨今の人権尊重の高まり・重要性を踏まえ、2022年7月に「ユニチカ人権方針」を制定した。これまでも大阪同和・人権問題企業連絡会会員として、人権啓発情報の収集など幅広く人権問題に取り組んできたが、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に依拠し、事業に関連する全てのステークホルダーの人権を守りながら事業活動を推進していくことを「ユニチカ人権方針」に示している。
また2023年9月には、政府が示した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」や日本繊維産業連盟による「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」の趣旨を理解し、外国人技能実習生を含むライツホルダーの人権を尊重すべく、サプライチェーンの関係取引先のご協力も得て、「責任ある企業行動実施宣言」を宣言した。
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a.人権関連教育の実施
ユニチカグループ企業行動憲章の1つにある「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」という考えのもと、人権啓発推進組織を整備し、従業員に対してe-ラーニングや昇格者研修の機会に人権研修を実施した。また、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、妊娠・出産・育児などに関するマタニティハラスメント、及び介護に関するハラスメントについて、各事業所・グループ会社に相談窓口を設置するとともに、e-ラーニングなどで啓発を行うことで、従業員の意識・認識を高めている。今後は、全てのステークホルダーの人権を尊重することへの理解を深めるために、国内・海外の従業員に対して「ユニチカ人権方針」の周知と人権教育を適宜行っていく計画である。
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KPI人権関連教育の実施率(海外を含む全グループ)
2025年度実績76%
2030年度目標100%
(2026年~2030年に1回以上教育を受けた社員の割合)

b.人権デューデリジェンス
「人権デューデリジェンス」については、ガイドラインに基づき、チェック項目の評価とサプライチェーンの「見える化」を実施した。一次サプライチェーンについては商流上の位置付けの把握はできているものの、末端の商流把握が難しいことを改めて確認した。特定したリスクの防止・軽減に向けた行動に引き続き取り組み、是正及び軽減を図っていく。
②働きがいのある会社づくり
当社グループでは、「働きがいのある会社づくり」をサステナビリティの優先課題として定め、各種施策に取り組んでいる。
a.従業員の健康
・健康経営優良法人の認定取得
2022年7月に「ユニチカ健康経営宣言」を策定し、代表取締役社長執行役員のもと健康経営®(※1)を推進している。以前から、メンタルヘルスや生活習慣病対策などの取り組みを進めていたことが認められ、当社グループの一部(※2)は、2023年3月から2026年3月までの4年連続で「健康経営優良法人」の認定を受けている。引き続き、会社、産業医、健康管理スタッフ、健康保険組合などが連携し、特定保健指導参加率の向上や喫煙率の低下を始め、さらなる従業員の健康維持増進を図っていく。2030年に向けては「健康経営優良法人制度」の大規模法人部門で認定された企業のうち、健康経営度調査結果の上位500法人を示す「ホワイト500」の認定取得に取り組む。
※1.「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※2.ユニチカ㈱、日本エステル㈱、ユニチカトレーディング㈱、ユニチカテキスタイル㈱、ユニチカグラスファイバー㈱
0102010_010.png0102010_011.png・メンタルヘルスの取組
厚生労働省の「労働者の心の健康保持増進のための推進」に基づいて、入社時及び昇格時にメンタルヘルス研修を行い、従業員の「心の健康づくり」に積極的に取り組んでいる。また、毎年ストレスチェックを実施し、メンタルヘルスケアの一次予防として、高ストレス者にはストレスが軽減されるよう対応を進めている。
・復職支援ガイドライン
長期療養から円滑に復職できるよう「復職支援ガイドライン」を定めている。
・生活習慣病対策
35歳未満の定期健診時(年1回)では、法定項目ではない血液検査や心電図検査を実施し、中高年になる前から従業員自身が健康管理に関心を持つよう働きかけている。
・感染症予防対策
インフルエンザ予防接種を各事業所にて実施し、従業員のインフルエンザ発症や重症化の予防に努めている。
b.安全衛生に対する取組
当社グループでは、中央安全衛生委員会を中心として、「休業災害ゼロ」を目指した安全衛生活動を各事業所、各関連会社で実施している。グループ内の安全衛生担当者が参加する安全衛生管理者会議を年3回開催し、労働災害の解析と対策、全社的な課題への取組状況、法規制の改正動向などの情報を共有している。
c.防災活動への取組
・防災対策の強化
「従業員の命を守る」という基本的な使命と、「事業を継続する」というステークホルダーへの責任を果たすためには、東日本大震災のような巨大災害に対する備えが必要である。2021年7月にユニチカ防災対策要綱の改訂と防災体制及び災害対策の整備を行い、2024年10月に中央防災対策委員会による防災委員会を実施し全社に防災の重要性を周知した。また、生産施設の安全管理を徹底する社内基準として「新設備等の安全衛生及び環境に関する事前評価指針」を制定している。設備の新設・改造などを行う場合は、この基準に照らし、設計時と完成検査時の計2度にわたり厳正な審査を行い、災害防止に努めている。
・防災訓練の実施
事故や自然災害に備えた訓練活動にも積極的に取り組んでおり、春や秋の火災予防運動実施時期には各事業所で地震・火災発生を想定した全体訓練を実施している。
・大規模災害への備え
大規模災害の発生によって電車などの公共交通機関が麻痺した場合、従業員が途中で帰宅困難者になったり、警察や消防の救助活動の妨げになったりすることを防ぐため、事業所内に一昼夜留まるよう「帰宅基準」を定め、災害対策用資器材や飲料水、保存用食品の備蓄を進めている。また、近隣住民の皆様からの応援要請や自治体からの協力要請に応えることができるよう体制を整えている。
③ダイバーシティの推進
2022年7月に「ユニチカダイバーシティ経営方針」を策定した。当社グループは、新しい価値を創出するため、多様な人材を活かし、ダイバーシティ経営を推進している。
0102010_012.png0102010_013.pnga.女性活躍推進
・研修、意識改革
ダイバーシティ推進、とりわけ女性活躍推進を加速させるために、企業風土の改革が必須であるとの考えから、役員を含めたマネジメント層の研修や、選抜型の女性キャリア研修を実施している。また、上長と候補者が面談を通して対話を深めることで、将来目指すべき管理職としての姿を共有し、モチベーション向上とキャリア支援を図っている。このような取り組みを継続していくことで意識改革を進め、女性管理職比率の向上を図っていく。
・採用、配置、育成
新卒採用については、「総合職本社新卒採用女性比率」の数値目標を掲げており、厚生労働省「公正な採用選考について」を遵守、独自の「ユニチカ新卒採用面接マニュアル」を作成し、公正な採用活動を推進している。
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KPI女性管理職比率(海外を含む全グループ)
2025年度実績5.7%
2030年度目標20%

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KPI総合職本社新卒採用女性比率(ユニチカ)
2025年度実績-
2030年度目標30%

b.多様な働き方の推進
・多様性の受容
育児・介護中や疾病治療中の者、障がい者、海外出身者、LGBTQ+、若手、高齢者など、それぞれが個々の「違い」を受け入れ、認め、その多様性を活かすことが当社グループの力を高めていくことに繋がると考えており、入社時研修や階層別教育において理解を促している。障がい者雇用では、地域の支援学校卒業生や作業訓練所の出身者を積極的に受け入れ、障がい者雇用を推進している。雇用の場を提供することで地域に貢献するだけでなく、障がい者一人ひとりが組織の一員として能力を発揮する環境作りをすることで、従業員が多様性を理解する機会にもなっている。
・ワークライフバランス
社員の仕事と生活の両立(ワークライフバランス)を促進するため、ノー残業デーの実施や、法定を上回る育児休職、産後休暇、子ども看護等休暇、介護休暇などの制度を設けている。育児や介護をする従業員から要望が多かった半日年休は、年14回(計7日)まで取得でき、3歳以上、小学校3年生終期までの間に勤務時間を1時間短縮できる制度を運用しており、また男性の育児休職取得も推奨している。さらに多様な働き方を支援していくために、一部部署ではフレックスタイム制度を整備するほか、リモートワーク(在宅勤務)を活用し、ディーセント・ワークを促進している。
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KPI男性育休取得比率(国内全グループ)
2025年度実績92.3%
2030年度目標85.0%

c.人材育成と中核人材プール
・教育体系の整備
従業員全体の能力の一層の底上げが、組織力の基盤をより強固にするとの考えから、教育体系を整備している。人材育成においては、従業員のキャリアパスを踏まえた「OJT」がその幹であると位置づけ、若手社員のフォローアップと指導者に対する教育・支援をより効果的に行う仕組みとしている。「OJT」を補完する仕組みである「OFF-JT」では、階層別教育、機能別教育、グローバル人材育成プログラムを充実させている。
0102010_017.png・中核人材の育成とプール
企業価値を高める次世代リーダーとなる中核人材について、特定の階層・領域における人材プールを策定し育成を図り、定期評価、個別育成計画策定、アサインメントの年次レビュー実施率100%を目指して取り組んでいる。将来の経営人材候補:「経営人材」、生産現場の中堅幹部候補:「生産幹部人材」、デジタル技術を活用した変革・改善を推進する人材:「DX人材」という3つの人材プールを定め、各人材プールに求められるポテンシャルを有した人材を選抜して育成を行うことによって、エンゲージメントの高い人材の確保が期待できる。
「経営人材」プールは、国内外拠点のトップを含むものとし、年功や過去の評価にとらわれることなく、職責にあった実力本位の人材を抜擢している。育成においては実践的なビジネススキルを身に付けるために社外ビジネススクールへ参加する機会を与え、登用、異動、研修などの状況については定期的に代表取締役社長執行役員に報告を行って共有を図る(年次レビュー)。将来のCEOサクセッションプランにも繋がるものと位置づけて、取り組んでいく。
「生産幹部人材」プールは、事業所採用者で入社後3年間実施される「若手技能職研修」修了者や、これまでに取り組みを進めてきた「技能向上推進」の育成対象者などの中から優秀者を選抜している。技能の習熟やQC手法により現場の課題解決を図るという「技術」重視のOJT・OFF-JTに加え、リーダーひいては生産幹部人材に必要なヒューマンスキル、すなわち「人」に焦点を当てたプログラムを本格的に実施していく。
「DX人材」プールは、高度なデジタルトランスフォーメーションを実現する人材を育成し、IT人材の裾野を拡大することを目標としている。オンライン学習プラットフォームを使用し、学習コンテンツを4段階のスキルレベル(Level 0:「知識のインプット」、Level 1:「知っているから使えるへ」、Level 2:「使えるから業務改善へ」、Level 3:「業務改善から改革へ」)に設定し、育成を図っている。1年単位の継続した受講期間を設け、従業員による自律的なリスキリングやアップスキリングを推進している。また、スキルレベルの指標(ラーニングパス、アセスメント)を用意し従業員へ公開している。これにより、より高いレベルを目指す道標および測定ツールとして使用し、スキルレベルの向上と高度人材のプール化を進めている。
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KPI中核人材プールの年次レビュー実施率(ユニチカ)
2025年度実績未実施
2030年度目標実施率100%

d.組織風土・環境整備
・CFTによる組織活性化
IT教育における裾野を拡大するとともに多様な人材が共に尊重し成長できる風土を醸成するために、CFT(Cross-functional Team:組織横断で編成されたチーム)活動を推進している。このCFTの取り組みは、縦割り型組織を崩すことも狙いの1つであり、また全社課題を見渡すことのできる職場環境を従業員に提供するきっかけにもなっている。2025年度は、「RPAの市民開発」をテーマアップし、複数の事業部門、製造部門、管理部門の人材が参画している。また女性を積極的にメンバーに選抜、チーム活動のコーディネーターにも任命することで女性リーダーの育成の場としての役割も果たしている。
・人事評価制度とローテーション
従業員がモチベーションやマインドを高く持って、能力向上とキャリア開発に取り組み自らの成長を図れるよう、様々な育成プログラムを展開しており、体系的・継続的に推進することにより企業競争力を高めていくことを目指している。
人事評価制度では、従業員の期待役割や能力開発目標を明確にするとともに、その役割に応えて成果を上げた者を公正に評価できるよう運用している。具体的には、1年間のコンピテンシー・能力・役割の向上、成果達成、業務遂行プロセスの状況に基づき評価する人事考課や、年2回の目標管理制度に基づく業績評価などを実施し、昇給・昇格、賞与に反映する。上司によるフィードバックを通じて従業員の今後の能力開発を図っている。
また、個々の従業員のキャリア開発はもとより、組織間シナジーを生み出しビジネスチャンスや業績の向上に繋げる狙いから「人事ローテーション」を実施しており、従業員の自己申告による配置希望なども踏まえながら、より効果的な運用を図っている。

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