有価証券報告書-第83期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、株主重視の基本姿勢を堅持しつつ、わが国製袋業界のパイオニアとして、『パッケージ関連事業を軸に、お客様のニーズと変化に積極果敢に挑戦すること』、『ステークホルダーへの責任を果たし、存在感のある強い会社を目指すこと』、『明るく活発で希望のある社風をつくり、社員とその家族の幸せを追求すること』を経営理念として掲げております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、営業利益の拡大及び営業利益率の改善を目指しており、その達成度を測るため、売上高、営業利益、営業利益率を重視しております。また、財務体質強化及び株主の持分に対する投資収益率の向上を目指す観点から、自己資本比率とROE(自己資本利益率)を重視した経営を行ってまいります。
(3) 経営環境
今後のわが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況が続くことが見込まれます。内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響が懸念されており、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
またレジ袋有料化について、昨今、海洋プラスチック等による汚染問題が世界的課題として注目されるなか、わが国では2019年5月31日に政府として『プラスチック資源循環戦略』の策定がなされました。その取り組みの一環として、経済産業省産業構造審議会・環境省中央環境審議会合同会議において審議が重ねられ、2019年12月27日に容器包装リサイクル法の関係省令が改正(施行は2020年7月1日から)されるとともに、制度の円滑な実施に向けて『プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン』が整備され、バイオマス素材の重量がレジ袋の重量の25%以上を占めるものなど、一定の環境性能が認められる製品については有料化の対象外となることが公表されました。
なお目下、感染症拡大の影響による外出自粛要請などにより、主要顧客である百貨店をはじめとする小売業界向けの需要が大幅に縮小しております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
今年度は『営業/調達改革の3カ年』と位置づけた中期経営計画の最終年度にあたりますが、上述(3)に記載の影響により当社グループを取り巻く経営環境は大きく変容することが予想されます。
中期経営計画における基本方針である
①営業、調達、生産、物流各部門の協働による収益力の強化
②全部門原価意識と市場・需要に応じた販売価格の徹底
③グループ一体経営の加速
④人の育成と活性化、開発力の強化、更なる品質向上へのチャレンジ
を重点に企業体質の変革を推進するとともに、感染症の収束、脱プラスチックの進展など今後の経営環境を展望し、新たな戦略としてEC(イーコマース)市場など国内成長分野の捕捉や、地球環境を考えた素材・包装製品の追求などにも取り組んでまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)及び(4)に記載の、経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①国内成長分野の捕捉
世の中の消費行動は新型コロナウイルス感染症収束後の行動変容が求められるなか、実店舗を介さない形へとさらに変容しつつあります。当社グループではEC市場の需要を新たな成長分野と捉え、営業・生産・調達各部門協働のもと、通販包装資材や食品包装資材への事業強化を行ってまいります。
②地球環境を考えた素材、包装製品の追求
社会における環境意識の高まりや脱プラスチックの流れを当社グループにおけるビジネスチャンスと捉え、紙製品事業においてはレジ袋有料化に伴う紙袋の需要増加に備えるため、環境負荷の少ないFSC認証紙の安定仕入に努めるほか、再生紙や新聞古紙など様々な素材を用いた印刷・製袋テストを実施、製品化につなげ、お客様の環境対応ニーズに応えてまいります。
また、化成品事業においては、レジ袋有料化が実施されるなど脱プラスチックが求められる社会的意識の変化もあり、今後売上の減少が見込まれますが、生産の面では製造工程においてバイオマス原料の配合割合を管理できる設備を整えるとともに、調達の面ではバイオマス原料を安定的に仕入れることが出来る体制を整え、品質を担保したうえで、主力製品であるレジ袋を安定的にお客様へお届けできるよう、製品への価値づけを主眼に取り組んでまいります。
③海外戦略、ロジスティック戦略、商社機能(ベンダーシステム)の経済効果追求及びマーケティング
包装資材に対してのお客様のニーズは常に変化しており、当社グループではその変化に的確かつ迅速に対応するため、東南アジアをはじめとする海外において仕入チャネルの開拓に取り組んでおります。現地メーカーとの協力関係をもとに、より競争力のある製品・商品を仕入れ、マーケティングを行うとともに直貿取引による経済効果を最大限に生かし収益力の強化につなげてまいります。