有価証券報告書-第91期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 11:55
【資料】
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【項目】
139項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
第91期は、中期経営計画「MGC Advance2017」の最終年度にあたりますが、目標としておりました最終年度経営指標のうち、売上高は未達となったものの、営業利益、経常利益、ROEは1年前倒しで達成し、最終年度は更に利益を伸長させ、2年連続で過去最高益を更新しました。
この主たる要因は、前中期経営計画で「不採算事業の再構築」を行い、構造改革が成果を上げてきたこと、また外部経済環境の追い風にも支えられて「中核事業を中心とした既存事業の収益」が大きく向上した結果によるものです。
第92期からスタートしました新中期経営計画「MGC Advance2020:MGCグループ もっと大きな夢に!」では、MGCグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、新たな基本方針「MGCグループの企業価値の向上」と「MGCグループを取り巻くステークホルダーからの信頼の醸成」を掲げ、これらを実現するために、5項目からなる施策を進めていきます。
◆MGCグループビジョン 「社会と分かち合える価値の創造」
◆新中期経営計画「MGC Advance2020:MGCグループ もっと大きな夢に!」
●基本方針
-MGCグループの企業価値の向上
-MGCグループを取り巻くステークホルダーからの信頼の醸成
■施策
-中核事業を中心とした既存事業の収益力強化
-新規事業の創出と育成
-最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行
-MGCグループ一体となった経営の推進
-持続的成長を支える<質>の向上
当社グループは、中核事業として、資源エネルギーから、メタノールや過酸化水素、ポリカーボネート、メタキシレンジアミン・MXナイロンといった化学品・素材製品、さらにはシート・フィルム、発泡プラスチック、エレクトロニクスケミカル、BT系材料、脱酸素剤「エージレス®」といった機能製品まで幅広く事業を展開し、社会に価値を提供しています。これら中核事業に今後も重点的に経営資源を投じ、収益力を更に強化します。
さらに、当社グループは、「新規事業の創出と育成」に引き続き注力していきます。とりわけ、社会のメガトレンドを念頭に置きながら、「医・食」、「情報・通信」、「モビリティ」の領域に積極的な投資を行う計画です。
また、「不採算事業の再構築」に一定の目処がたったことを踏まえ、新中期経営計画では、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」を新たな施策として掲げました。国際情勢の変動、不透明なエネルギー市況、予測困難な為替動向などの外部環境の変化にも耐えうるよう、M&Aを含めた積極的な投資戦略を立案・実行し、汎用製品、機能製品、新規事業の各々がMGCグループをバランス良く支える最適な事業ポートフォリオを構築してまいります。
「MGCグループ一体となった経営の推進」に関しましては、前中期経営計画で掲げた「グループ全体の経営効率改善」を更に進め、MGCグループ3商社の統合、経理システムのグループ共通化・統合化に継続して取り組みます。
さらに、グループ全体に亘る安全意識・文化の一層の向上と内部統制・コンプライアンス体制の一層の強化に加えて、MGCグループが保有する人材、技術、情報、資金、ブランド、特許などの経営資源の<質>を向上させることで、持続的な成長を実現していきます。
●目標とする経営指標(MGC Advance2020最終年度)
連結指標目標値
(2020年度)
売上高(億円)7,500
営業利益(億円)650
経常利益(億円)900
ROE(自己資本利益率)12%以上

<前提条件>為替:110円/US$
原油価格(Dubai):2018年度~2020年度 60US$/BBL
中期経営計画では、最終年度(2020年度)の連結経営指標として、売上高7,500億円、営業利益650億円、経常利益900億円、ROE(自己資本利益率)12%以上の目標を掲げました。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米国を中心とした貿易摩擦の動向や地政学的リスクなどの懸念材料もあり、今後の経済情勢は依然として先行き不透明な状況にありますが、当社グループは中期経営計画の基本方針を実現するための各種施策を着実に実行することで、持続的成長を実現していきます。
この経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載されている計画、目標等の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて判断したものであり、不確実性を内包するものです。実際の業績等は、様々な要因によりこうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。