有価証券報告書-第95期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社は、社是に「3S精神」という定義づけを行っている。「サービス、スピード、スペリオリティ」の3S精神は、理念体系の根幹をなすものであり、積水化学グループ約2万3千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるため、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪に、2020年代には現在の売上高・営業利益の水準を倍増させたいと考えている。積水化学グループでは、グループの企業価値ひいては株主共同の利益を中長期持続的に向上させるために、2017年度から2019年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を策定し、2017年4月よりスタートしている。
①前中期経営計画「SHINKA!-Advance 2016」の振り返り
前中期経営計画「SHINKA!-Advance 2016」(2014~2016年度)では、「SHINKA」をキーワードにビジネスモデルの進化とCSRの進化に取り組んだ結果、為替の影響などにより売上高や営業利益といった数値目標は未達となったが、グローバル化の拡大や事業構造改革の推進により営業利益は4期連続して最高益を更新、親会社株主に帰属する当期純利益も計画を上回るなど、大きな成果が得られた。さらに、株主還元の充実など資本効率の向上にも取り組み、新たに指標に加えたROE(自己資本利益率)は目標を上回り、株主価値の向上に繋げることができた。
<数値目標と実施結果>
②新中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」
新しい中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」は、積水化学グループの経営理念を起点として、「新次元の成長」へ向けた以下の戦略の実現を目指す。
イ)基本戦略「SHIFT」
SHIFTには、業績規模および企業姿勢において、成長の質を変えるという意味を込め、それぞれの文字が、取り組むべき基本戦略を表している。「新次元の成長」の大前提となる経営基盤の強化に取り組むとともに、「イノベーション」「フロンティア開拓」「収益力強化」の3つの取り組みを加速させる。技術や事業機会、人材、その他のリソースを3カンパニーの枠を超え社内外で融合(Fusion)させることにより、新たな価値を生み出し、成長の加速を図っていく。
ロ)融合(Fusion)による成長の加速
前回の中期経営計画において、新規の開発などを中心とした育成・創造テーマについて取り組んできた「協創」の取り組みを一段進化させ、既存事業も対象に技術、事業機会、経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図る。全社の売上高増分目標である約1,300億円の内、この「融合」による取り組みで500億円を創出する。例えば、環境・ライフラインカンパニーが手がける成形用プラスチックシートの技術と高機能プラスチックスカンパニーのフォームの技術を融合し、高性能な内装材の航空機メーカーへの採用を目指す。
ハ)投資の考え方
新中期経営計画の3年間に獲得するキャッシュに加え機動的な資金調達を行い、3,000億円を投資に活用する。戦略投資には前中期比でほぼ倍増となる2,000億円を見込んでおり、そのうち1,300億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、新たに環境貢献投資枠120億円を設定し、地球温暖化対策や省エネルギー対策に投入する予定である。
<中期経営計画の事業目標>
ニ)CSR経営の一層の強化について
積水化学グループの持続的成長を図っていくうえで、成長の基盤となるCSR経営の強化を図る。社会的要請の変化などを踏まえ、ESGの視点でCSRを見つめ直し、事業と一体となった取り組みを推進するため、当社グループのCSR概念図を改訂した。
コーポレート・ガバナンスを基盤に、3つの「社会への約束」を通じて事業プロセスにおける社会への責任を果たすとともに、「3つの際立ち」で事業を通じた社会課題解決に貢献することを目指す。また、企業価値向上に向けて株主の皆様をはじめとするステークホルダーの方々との関わりを強化し、建設的な対話を推進していく。
③ダイバーシティ経営への取り組み
積水化学グループは、「ダイバーシティマネジメント方針」を掲げ、全世界の従業員と経営幹部が一丸となって取り組んでいる。とくに、女性の活躍推進の取り組みに注力しており、2019年度に女性社員の基幹職200名、女性採用比率35%の達成を目指している。
<ダイバーシティマネジメント方針>
(3) 2017年度対処すべき課題
2017年は、当社が創立70周年を迎え、新たな中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」のスタートとなる節目の年になる。
国内外ともに経済の不確実性が高まり、厳しい経営環境が続くことが予想されるが、当社は、創立70周年の節目の年にスタートする新たな中期経営計画を「新次元の成長への第一歩」と位置づけ、成長路線にシフトし、未来への成長投資とたゆまぬ構造改革により量的成長と質的転換を推進する。
2017年度は、暮らしの質の向上と環境に貢献できる適切な事業機会をとらえ、売上数量の増加と構成の改善に注力する。また、原材料価格の上昇に対応した適切な製品価格設定に取り組むとともに、収益力強化を進め、環境変化に負けない強靭な事業体を構築していく。さらに、技術・事業機会・経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図る。
これらの取り組みにより、売上高1兆1,040億円、営業利益1,020億円、経常利益970億円、親会社株主に帰属する当期純利益630億円、ROE11.3%を目指す。
<住宅カンパニー>
<環境・ライフラインカンパニー>
<高機能プラスチックスカンパニー>
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えている。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断も、最終的には当社株主の意思に基づき行われるべきものと考えている。しかしながら、株式公開企業株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的や手法等に鑑み、明らかに、企業価値・株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、対象会社の長期的な株主価値を明らかに毀損すると考えられるものも想定される。当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に向上させるための戦略を策定し、その概要を株主・投資家に開示・説明している。前述のような濫用的かつ不適切な買収行為から、長期的な株主共同の利益を保護することが当社取締役会に課せられた重要な責務のひとつと認識し、大規模買付行為や買付提案に関する一定のルールを定めておくことがそのために必要であると考えている。
②買収防衛策の概要
当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」という。)は、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求める。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役または当社社外監査役のいずれかに該当する者で構成される独立委員会に提供され、その検討・評価を経るものとする。独立委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告する。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行う。なお、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件および取得条項を定めることがある。
本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の第95回定時株主総会の終結の時までとする。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または独立委員会の勧告により取締役会で本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとする。
③上記②の買収防衛策に対する当社取締役会の判断およびその理由
当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮し織り込むことにより、本プランが上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えている。
イ)株主意思の反映
本プランは、2014年6月26日開催の第92回定時株主総会において承認されている。上記②に記載したとおり、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになる。
ロ)独立性の高い社外者の判断の重視
当社は、本プランの導入にあたり、本プランの発動等の運用に際して、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置した。独立委員会の委員は3人以上とし、社外取締役または社外監査役から構成されるものとする。また、独立委員会の判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、本プランの運用は透明性をもって行われる。
ハ)対抗措置発動のための合理的かつ詳細な客観的要件の設定
本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、しかも、これらの客観的要件は、上記①に記載の基本方針において、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないとされる場合と一致させている。これにより、当社取締役会による恣意的な発動を防止する。
ニ)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、上記②に記載したとおり、当社の株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が当社の株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能である。したがって、本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではない。また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもない。
④買収防衛策の非継続(廃止)について
本プランは、当社の経営陣が中期経営計画に邁進できる環境整備の観点から、中期経営計画を組み込み、その必要性を株主に説明し、高い支持を得てきた。その結果、当社の連結営業利益は8期連続の増益、さらに4期連続して最高益を更新するなど、本プランは当社の企業価値向上に一定の貢献を果たしたと認識している。
したがって、本プランの本質的な有意性は消失したわけではないが、当社の経営状況や買収防衛策を取り巻く近時の動向、株主の意見、さらに独立社外役員が過半数を占める当社の指名・報酬等諮問委員会の答申を踏まえ、当社は、2017年4月11日開催の取締役会において、本プランの有効期間が満了する本年6月28日開催の第95回定時株主総会終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止することを決議し、第95回定時株主総会終結の時をもって、廃止した。
なお、当社は、本プランの有効期間満了後も引き続き、株主共同の利益の確保と企業価値の毀損防止の観点から、当社株式の大規模買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、株主が大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じていく。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社は、社是に「3S精神」という定義づけを行っている。「サービス、スピード、スペリオリティ」の3S精神は、理念体系の根幹をなすものであり、積水化学グループ約2万3千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
| ・Service: 企業活動を通じて社会的価値を創造する ・Speed: 積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する ・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する |
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
| 積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 |
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
| 1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。 2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。 3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。 4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。 5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 |
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるため、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪に、2020年代には現在の売上高・営業利益の水準を倍増させたいと考えている。積水化学グループでは、グループの企業価値ひいては株主共同の利益を中長期持続的に向上させるために、2017年度から2019年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を策定し、2017年4月よりスタートしている。
①前中期経営計画「SHINKA!-Advance 2016」の振り返り
前中期経営計画「SHINKA!-Advance 2016」(2014~2016年度)では、「SHINKA」をキーワードにビジネスモデルの進化とCSRの進化に取り組んだ結果、為替の影響などにより売上高や営業利益といった数値目標は未達となったが、グローバル化の拡大や事業構造改革の推進により営業利益は4期連続して最高益を更新、親会社株主に帰属する当期純利益も計画を上回るなど、大きな成果が得られた。さらに、株主還元の充実など資本効率の向上にも取り組み、新たに指標に加えたROE(自己資本利益率)は目標を上回り、株主価値の向上に繋げることができた。
<数値目標と実施結果>
| 目標項目 | 2016年度目標 | 2016年度実績 |
| 売上高 | 12,500億円 | 10,657億円 |
| 営業利益 | 1,000億円 | 964億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 560億円 | 608億円 |
| ROE(自己資本利益率) | 10.0%以上 | 11.3% |
②新中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」
新しい中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」は、積水化学グループの経営理念を起点として、「新次元の成長」へ向けた以下の戦略の実現を目指す。
| 中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」 「新次元の成長」への挑戦 |
| ◆ 2020年代の業容倍増目標に向けた第一歩。 成長の質をSHIFT(シフト)させる。 ◆ 量的成長(未来への成長投資)と質的転換(たゆまぬ構造改革)を図る。 ・戦略投資2,000億円(うちM&A投資1,300億円)、環境貢献投資120億円。 ・継続的な収益性改善と有望分野への資源配分で営業利益率10%以上を目指す。 ◆ 技術・機会・リソースの「融合」により、成長を加速させる。 ◆ ESG(環境、社会、企業統治)の視点で、事業と一体となったCSR経営を推進する。 |
イ)基本戦略「SHIFT」
SHIFTには、業績規模および企業姿勢において、成長の質を変えるという意味を込め、それぞれの文字が、取り組むべき基本戦略を表している。「新次元の成長」の大前提となる経営基盤の強化に取り組むとともに、「イノベーション」「フロンティア開拓」「収益力強化」の3つの取り組みを加速させる。技術や事業機会、人材、その他のリソースを3カンパニーの枠を超え社内外で融合(Fusion)させることにより、新たな価値を生み出し、成長の加速を図っていく。
ロ)融合(Fusion)による成長の加速
前回の中期経営計画において、新規の開発などを中心とした育成・創造テーマについて取り組んできた「協創」の取り組みを一段進化させ、既存事業も対象に技術、事業機会、経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図る。全社の売上高増分目標である約1,300億円の内、この「融合」による取り組みで500億円を創出する。例えば、環境・ライフラインカンパニーが手がける成形用プラスチックシートの技術と高機能プラスチックスカンパニーのフォームの技術を融合し、高性能な内装材の航空機メーカーへの採用を目指す。
ハ)投資の考え方
新中期経営計画の3年間に獲得するキャッシュに加え機動的な資金調達を行い、3,000億円を投資に活用する。戦略投資には前中期比でほぼ倍増となる2,000億円を見込んでおり、そのうち1,300億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、新たに環境貢献投資枠120億円を設定し、地球温暖化対策や省エネルギー対策に投入する予定である。
| 目標項目 | 前中期実績 | 新中期計画 | ||
| 戦 略 投 資 | 1,081億円 | 2,000億円 | ||
| 通 常 投 資 | 804億円 | 1,000億円 | ||
| うち 環境貢献投資 | - | 120億円 | ||
| 投 資 合 計 | 1,884億円 | 3,000億円 | ||
<中期経営計画の事業目標>
| 目標項目 | 2016年度実績 | 2019年度目標 |
| 売上高 | 10,657億円 | 12,000億円 |
| 営業利益 | 964億円 | 1,200億円 |
| 営業利益率 | 9.1% | 10% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 608億円 | 750億円 |
| ROE(自己資本利益率) | 11.3% | 12% |
| 海外売上高 | 2,518億円 | 3,000億円 |
| 国内売上高 | 8,139億円 | 9,000億円 |
ニ)CSR経営の一層の強化について
積水化学グループの持続的成長を図っていくうえで、成長の基盤となるCSR経営の強化を図る。社会的要請の変化などを踏まえ、ESGの視点でCSRを見つめ直し、事業と一体となった取り組みを推進するため、当社グループのCSR概念図を改訂した。
コーポレート・ガバナンスを基盤に、3つの「社会への約束」を通じて事業プロセスにおける社会への責任を果たすとともに、「3つの際立ち」で事業を通じた社会課題解決に貢献することを目指す。また、企業価値向上に向けて株主の皆様をはじめとするステークホルダーの方々との関わりを強化し、建設的な対話を推進していく。
③ダイバーシティ経営への取り組み
積水化学グループは、「ダイバーシティマネジメント方針」を掲げ、全世界の従業員と経営幹部が一丸となって取り組んでいる。とくに、女性の活躍推進の取り組みに注力しており、2019年度に女性社員の基幹職200名、女性採用比率35%の達成を目指している。
<ダイバーシティマネジメント方針>
| 「100年経っても存在感のある企業グループ」の実現の為には多様性が不可欠である、との認識に立ち、従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かす。その組織風土創りに向け、雇用や活躍機会の提供、成長を支援する様々な環境整備を、従業員との対話を通じて図り続ける。 |
(3) 2017年度対処すべき課題
| 2017年度目標 | 連結売上高 11,040億円 | ROE(自己資本利益率) |
| 連結営業利益 1,020億円 | 11.3% |
2017年は、当社が創立70周年を迎え、新たな中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」のスタートとなる節目の年になる。
国内外ともに経済の不確実性が高まり、厳しい経営環境が続くことが予想されるが、当社は、創立70周年の節目の年にスタートする新たな中期経営計画を「新次元の成長への第一歩」と位置づけ、成長路線にシフトし、未来への成長投資とたゆまぬ構造改革により量的成長と質的転換を推進する。
2017年度は、暮らしの質の向上と環境に貢献できる適切な事業機会をとらえ、売上数量の増加と構成の改善に注力する。また、原材料価格の上昇に対応した適切な製品価格設定に取り組むとともに、収益力強化を進め、環境変化に負けない強靭な事業体を構築していく。さらに、技術・事業機会・経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図る。
これらの取り組みにより、売上高1兆1,040億円、営業利益1,020億円、経常利益970億円、親会社株主に帰属する当期純利益630億円、ROE11.3%を目指す。
<住宅カンパニー>
| 創立70周年を記念して多彩なニーズに対応した新商品を順次投入するとともに分譲住宅を拡充し、新築住宅の販売を強化する。さらに、原材料価格の上昇や営業・生産体制の強化に伴う固定費増を売上増とコスト削減で補い、増収増益を狙う。 新築住宅事業は、スマートハウスや分譲住宅の販売に引き続き注力するとともに営業体制の強化を進め、受注の増大を図る。 リフォーム事業は、提案型営業スタイルへの転換を進め、外装・水廻りなどの戦略商材を中心に販売を強化する。さらに、不動産事業を中心にフロンティア事業の売上拡大を図る。 |
<環境・ライフラインカンパニー>
| 国内外の成長エンジンに経営資源を積極投入することにより成長路線にシフトし、前年度に続き、カンパニー最高益の更新を目指す。 国内事業は、原材料価格の上昇を受けた製品価格改定を確実に実行し収益基盤の安定化を図るとともに、開発体制の強化や社内外の「融合」の促進により、新製品・新分野の売上拡大を図る。 海外事業は、米国では成形用シート新工場の能力増強に着手し、旺盛な航空機需要を獲得する。管材・プラント管材・管路更生・機能材事業は、海外パートナーとの提携を強化し、競争力のある高付加価値製品の拡販を図る。 |
<高機能プラスチックスカンパニー>
| 戦略4分野を強化するとともに海外事業や新事業・新製品の拡大を図り、増収増益を目指す。 エレクトロニクス分野は、基板・半導体関連や有機EL分野の新製品投入を加速する。 車輌・輸送分野は、高機能品の採用部位の拡大などにより、グローバルレベルの売上拡大を目指す。 住インフラ材分野は、塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂や耐火材料の売上拡大を図る。 ライフサイエンス分野は、本年4月に経営統合した積水メディカル株式会社とエーディア株式会社によるシナジー拡大を図るとともに、検査薬や検査機器の海外における本格展開に注力し、売上拡大を目指す。 |
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えている。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断も、最終的には当社株主の意思に基づき行われるべきものと考えている。しかしながら、株式公開企業株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的や手法等に鑑み、明らかに、企業価値・株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、対象会社の長期的な株主価値を明らかに毀損すると考えられるものも想定される。当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に向上させるための戦略を策定し、その概要を株主・投資家に開示・説明している。前述のような濫用的かつ不適切な買収行為から、長期的な株主共同の利益を保護することが当社取締役会に課せられた重要な責務のひとつと認識し、大規模買付行為や買付提案に関する一定のルールを定めておくことがそのために必要であると考えている。
②買収防衛策の概要
当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」という。)は、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求める。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役または当社社外監査役のいずれかに該当する者で構成される独立委員会に提供され、その検討・評価を経るものとする。独立委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告する。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行う。なお、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件および取得条項を定めることがある。
本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の第95回定時株主総会の終結の時までとする。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または独立委員会の勧告により取締役会で本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとする。
③上記②の買収防衛策に対する当社取締役会の判断およびその理由
当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮し織り込むことにより、本プランが上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えている。
イ)株主意思の反映
本プランは、2014年6月26日開催の第92回定時株主総会において承認されている。上記②に記載したとおり、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになる。
ロ)独立性の高い社外者の判断の重視
当社は、本プランの導入にあたり、本プランの発動等の運用に際して、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置した。独立委員会の委員は3人以上とし、社外取締役または社外監査役から構成されるものとする。また、独立委員会の判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、本プランの運用は透明性をもって行われる。
ハ)対抗措置発動のための合理的かつ詳細な客観的要件の設定
本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、しかも、これらの客観的要件は、上記①に記載の基本方針において、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないとされる場合と一致させている。これにより、当社取締役会による恣意的な発動を防止する。
ニ)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、上記②に記載したとおり、当社の株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が当社の株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能である。したがって、本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではない。また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもない。
④買収防衛策の非継続(廃止)について
本プランは、当社の経営陣が中期経営計画に邁進できる環境整備の観点から、中期経営計画を組み込み、その必要性を株主に説明し、高い支持を得てきた。その結果、当社の連結営業利益は8期連続の増益、さらに4期連続して最高益を更新するなど、本プランは当社の企業価値向上に一定の貢献を果たしたと認識している。
したがって、本プランの本質的な有意性は消失したわけではないが、当社の経営状況や買収防衛策を取り巻く近時の動向、株主の意見、さらに独立社外役員が過半数を占める当社の指名・報酬等諮問委員会の答申を踏まえ、当社は、2017年4月11日開催の取締役会において、本プランの有効期間が満了する本年6月28日開催の第95回定時株主総会終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止することを決議し、第95回定時株主総会終結の時をもって、廃止した。
なお、当社は、本プランの有効期間満了後も引き続き、株主共同の利益の確保と企業価値の毀損防止の観点から、当社株式の大規模買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、株主が大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じていく。