有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 14:11
【資料】
PDFをみる
【項目】
170項目
(1) 時代認識
世界経済は、コロナ禍から回復が進む一方でウクライナ情勢が膠着し、エネルギー・資源価格の高騰、インフレの進行と金融引き締めが複雑に絡みながら減速感が強まる流れとなりました。事業環境がますます不透明感を増すなか、当社は時代認識を研ぎ澄まし、Adaptability力を一層高め、ポストコロナの世界に立ち向かってまいります。
(2) 当社の存在意義(Purpose)~カガクでネガイをカナエル会社・カネカ~
当社は、社会の潮流を構造化し、「地球環境・エネルギーの危機」「食の危機」「健康(豊かに生きる)の危機」の3つをサステナビリティのクライシスと考え、事業領域としてきました。
当社は、「人と技術の創造的融合を繰り返し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、世界を健康にする」ことを存在意義と定義しております。
今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です
(3) 経営方針
当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。
サステナブルをめざす健康経営(ESG経営)
① カガクでネガイをカナエル会社カネカ
化学という「不思議の海」の冒険を通して、Dream をRealにし、人々の人生に役立つ会社になります。
② ソリューションプロバイダー
「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいて、Sustainability(持続可能社会)の構築に貢献します。(図1、2)
③ ハイブリッド経営
多様な技術を組み合わせ、価値あるソリューションを創り出すハイブリッド経営を推進し、「変革と成長」を加速させます。
④ 実験カンパニー
(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。
⑤ Task Force「Sustainability(SX)本部」(以下、SX本部)の役割
2022年4月1日付で、新たにTask Force「Sustainability(SX)本部」を立ち上げました。
不確実な社会環境の中、SX本部が中心となり「人間が人間らしく豊かに生きる」社会の実現を目指し、「人間性の回復-ルネッサンス(SX※)」に重点的に取り組みます。
※SX:
サステナブル社会に向けた課題の解決(Sustainability)+ 価値ある仕事を創造するDX

戦略プラットフォーム「3+5」3つのFocal Points(焦点)は、①命を育む人間性の回復“SX(Sustainability+DX)”、②M&Aによる構造改革の促進、③多様な人・事業領域・地域・技術に取り組むDiversityの促進です。この3点に重点を置いて、変革と成長を加速します。

選択と集中
① Domain
3つのクライシス(「環境・エネルギー」「食糧」「健康と豊かな暮らし」)をDomainとしたポートフォリオ変革を急ぎます。
② R&B(リサーチ&ビジネス)
革新的な素材開発(Breakthrough Technology)を進め、(未来への投資である)研究開発活動に経営資源を積極的に投入します。
③ 戦略的な資源投入
成長戦略に資するスピード・スケールのある投資をタイムリーに実行します。能力増強や新製品生産設備など事業拡大につながる投資を積極的に実行し、コア事業群を強化しながら、先端+大型新規事業の飛躍的成長によるポートフォリオ変革のスピードを上げます。
経営基盤の強化
① 新規事業の社会実装化をスピードアップ
スケールのあるテーマに「選択と集中」させ、R&Bの生産性を向上させます。
② DXによる業務の革新と高度化
社員の意欲と生産性を向上する新しい人事制度を導入し、Business Transformationを実践し、高い価値を創造し続ける組織・人づくりを実現します。
③ カネカ「1on1」の進化
強いPhysicalと勝つためのStrategy(Game Plan)を持った“One Teams”をつくり、現場の課題解決力を強化します。
④ オープンイノベーション
アライアンス、M&Aを積極的に実行し、事業ポートフォリオの変革と非連続な成長を加速させます。
図1 カネカタワー
・当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。
・自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。

図2 経営システムTransformationのトリプルPackage
・変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。
・時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。


(4) 経営戦略
① ポートフォリオの変革の推進
当社のハイブリッド経営は、多種多様な異種技術、ソリューションを組み合わせることで、ユニークで価値ある新たなソリューションを創り出し、社会問題の解決に貢献していくことを目指しています。投資の「選択と集中」を加速させ、事業ポートフォリオの変革を急ぎます。
マネのできないユニークな差別化技術開発に向けて、人、モノ、カネの戦略的な資源投入を行い、先端事業群の事業拡大を図り、収益を大きく伸ばします。また、コア事業群も徹底した差別化力の強化と、供給力を強化する設備投資により事業基盤を強靭化し、継続的に収益規模の拡大を図ります。












② グローバル戦略 – Think Global, Act Local –
地域に根ざした事業展開を可能にするグローバルネットワーク
ユニークな技術と製品を世界の隅々にまで届け、人の命や社会課題を解決する企業を目指しています。地域に根ざした活動を推進していきます。海外事業は文化の移植です。化学に国境はなく、文化の違いを乗り越えた現地発信(グローカル)にフォーカスしていきます。ボーダレスに価値あるソリューションをタイムリーに世界の市場に提供し、グローバルに存在感ある企業を目指します。Think Global, Act Local.
③ 人材戦略 - Trust & Respect –
カネカはHuman Driven Company
当社の成長をけん引しているのは、社員一人ひとりのチャレンジです。チャレンジできる環境を整え、機会を与え、成長を促進し、変革を実現する。これがHuman Driven Company、カネカの人材戦略です。
④ R&B戦略
人と技術の融合で未知の領域に挑むDreamology CompanyカネカのR&B
当社は社会のサステナビリティの構築に貢献するべく、「環境・エネルギーの危機」「食の危機」「健康の危機」の3つの領域をビジネスドメインとしています。Research & Businessは、研究(リサーチ)を社会実装(ビジネス)して初めて、真の研究と考えます。
Box(自らの領域)の外に飛び出す勇気を持って最先端技術を取り込み、自社の独自技術との異質な組み合わせでCreative Innovationを起こします。
⑤ モノづくり戦略
DXとカーボンニュートラルを両立させたサステナブルにつながる工場の実現
・カネカの未来は、モノづくりの現場の実践から創られます
安全を最優先とする「安全と信頼の工場」を前提に、新製品生産やコストダウン、省人化、高効率化を可能とする生産技術・プロセス技術を実現し、製造のグローバル競争力を徹底して強化しています。
・カネカのモノづくりを再興させる
R&Bとモノづくりを強くIntegrateさせた「R&B+P(Productions)」の取り組みを強化し、新規技術を競争力ある形でスピーディーに社会実装させていきます。「モノづくり」R&B・生産技術連携協議会を立ち上げ、取り組みを加速させています。研究開発型企業の強いモノづくりを実現すべく、「製造」「販売」それぞれの組織と「顧客・市場」をつなぐネットワーク的企画機能や能力を高め、さらにこれらの機能を統括し、全体をデザインする企画機能を高めています。
・デジタル活用と環境への対応
時代の変化に適切に対応するProactive企業として、生産革新・業務革新をスピーディーに実現する技術の活用を進めています。カーボンニュートラルへの社会の急速な変化に、Proactiveに先回りしていくことは企業が生き残っていくためには必須と考え、自社の脱炭素に加え、社会のカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいます。
⑥ コーポレートガバナンスの充実
当社は、社員一人ひとりの心と体の健康と、企業活動や姿勢が健全であるという「健康経営」に取り組んでいます。重要なことは、経営があるべき社会に熟慮し、姿勢を正して行動する企業統治力、コーポレートガバナンスの強化です。
パラダイムチェンジが進み、事業が拡大するなか、執行機能の強化が課題になります。イノベーションを行動の羅針盤“Scope of compass”にして未知を開くESG経営・健康経営を組織(現場)に定着させます。そのためには、各執行機能が全体知(Perspective)を反映させながら、現場を観察し、チョークポイントを発見する執行機能の強化に取り組んでまいります。自己変革を続け、経営目標を実現する体制づくり、コーポレートガバナンスの一層の充実を図ることが重要と考えています。SX本部が中心となって執行機能を強化します。
(5) 対処すべき課題
4月のIMFの世界経済見通しでは、GDP成長率は2022年見込み3.4%から2023年2.8%へ鈍化すると予測しています。インフレ抑制のための金融政策の動向や金融システム不安、ウクライナ情勢の混迷と地政学的分断の拡大等のリスクが想定され、先行きの不透明感はますます強まっています。
短期的には景気のリセッションや減速局面が想定されるなか、当社はAdaptability力をさらに発揮し、「選択と集中」に注力しながらSustainabilityの3つのクライシスをDomainとした事業ポートフォリオの変革に注力していきます。革新的な素材開発(Breakthrough Technology)を進め、未来への投資である研究開発活動に経営資源を積極投入し、Solution Providerとしてユニークな製品や技術の社会実装を実現していきます。
カネカのパーパス経営

今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。
「バイオものづくり」と化学が開くニューフロンティア

生命も地球も一つにつながっています。その共通のSubstanceは化学反応。どれもカネカがチャレンジしているニューフロンティアです。化学で”いのち”を育み、「地球生命」という大きな”いのち”を健康にする、そのテクノロジーこそが当社における「ライフサイエンス」の定義です。カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet、ゲノム編集技術、バイオ医薬品、再生・細胞医療、有機酪農乳製品事業、サプリメント、発酵培養プロセス技術など当社の「バイオものづくり」やPV Technology、E & I、医療器など、すべて「地球生命」という大きな「いのち」につながっています。化学が開くニューフロンティアです。ライフサイエンス領域の積極的な事業拡大によりポートフォリオ変革を実現し、飛躍的に収益を拡大してまいります。
カネカの「ハイブリッド経営」

イノベーションとは「違ったやり方でことを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせること。このことをカネカは「ハイブリッド経営」と呼んでいます。バイオ技術×高分子技術で技術と技術を組み合わせた「生分解性バイオポリマーGreen Planet」、Supplement×Foodsで製品と製品を組み合わせた「わたしのチカラQ10ヨーグルト」など、多数の新結合が生まれ、順調に成長しています。今後も続々と当社のハイブリッド経営を牽引する製品、技術、事業が登場します。
絆の再生 -Trust & Respect-

コロナ禍のなかで、世の中には、気づかないうちにコミュニケーション不足の空気が広がっているのではないかと考えています。コロナ禍の終わりは、「新しいTrust & Respect」の始まりです。顧客が、仲間たちが、Trust & Respectを取り戻し、真のOne Teamを再生します。
Sustainability(SX)本部のESG・健康経営活動を中心に、今年も「人間賛歌の経営」に取り組んでいきます。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。