有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
(1) 時代認識
コロナパンデミックは終息のめどが立たず、変化の時代を象徴する不透明な状態が続いています。経験したことのない変革期を迎えています。社会の価値観が大きく変化し、社会システムのパラダイムがシフトしています。デジタル技術(DX)の社会実装が進み、ビジネス界は異次元のスピードで「環境にやさしい健康で安全な暮らし」の実現に向かっています。キーワードは「サステナビリティ(持続可能社会)」です。
すでに、カーボンニュートラルを目指す脱炭素社会(持続可能社会)を構想する取り組みは加速し、大きな潮流となっており、全ての企業にとって、エネルギー、資源、食糧問題等に取り組み、技術革新を進めることが必須の経営課題となっています。
(2) 当社の存在意義
当社は、世界がこのようなサステナビリティの実現をめざす動きは、「人間性の回復(ルネッサンス)」を求めているものと考えています。
社会の潮流を構造化し、「地球環境・エネルギーの危機」「食の危機」「健康(豊かに生きる)の危機」の3つをサステナビリティのクライシスと考え、事業領域としてきました。
当社は「ESGやSDGsの取り組みを強化し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、サステナブルな社会の構築に貢献する」ことを存在意義と定義しております。
地球環境を守り、人間性の回復に貢献し「命を育む社会を支える」健康経営を進めてまいります。
(3) 経営方針、経営戦略
当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。
・当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」提言への賛同を表明し、①GHG排出削減、②循環型社会への貢献、③食糧資源の増産の3項目について取り組むことといたしました。
① サステナブルをめざす健康経営(ESG経営)
ⅰ.カガクでネガイをカナエル会社カネカ
化学という「不思議の海」の冒険を通して、環境負荷を低減し人々の人生に役立つ会社になります。
ⅱ.ソリューションプロバイダー
「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいてソリューションプロバイダーの道を進みます。
図1、2
ⅲ.実験カンパニー
(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。
② 選択と集中
ⅰ. 重点領域
3つのクライシス(「環境・エネルギー」「食糧」「健康と豊かな暮らし」)を重点領域としてサステナブルの視点でポートフォリオ変革を急ぎます。
ⅱ.R&B(リサーチ&ビジネス)
革新的な素材開発(Breakthrough Technology)により社会課題を解決し、サステナブルな社会の実現に貢献します。
ⅲ. コア事業群の強化
キャッシュを生むコア事業群を強化しながら、(未来への投資である)研究開発活動に経営資源を積極的に投入します。
③ 経営基盤の強化
ⅰ.新規事業の社会実装化をスピードアップ
スケールのあるテーマに「選択と集中」させ、R&Bの生産性を向上させます。
ⅱ.業務の変革とDX
時代に合致する新しい制度を導入し、(AIではできない)人間的価値を回復させる(ルネッサンス-人間性の回復)Work Culture創出に取り組みます。一人ひとりが価値を生む生産性の高い組織・人づくりを実現します。
ⅲ.カネカ「1on1」
ねらいどおり、仕事と人の成長を両立させる制度として運用を図ります。
ⅳ.オープンイノベーション
アライアンス、M&Aを積極的に実行し、事業ポートフォリオの変革を加速させます。
図1 カネカタワー「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-
・当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。
・自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。

図2 経営システムTransformationのトリプルPackage
・変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。
・時代認識/仕掛け/成果のトライアングル(変革と成長のトライアングル)は、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。

(4) ポートフォリオの変革
① Earthology Chemical Solution
化学素材の無限の可能性を引き出し、持続可能型社会を支え、地球環境と生活の革新に貢献します。
・生分解性ポリマー「Green Planet™」は今後大型新規事業化を目指します。PV & Energy management SVはカーボンニュートラル社会への貢献を目指します。
・Vinyls and Chlor-Alkali SV、Performance Polymers(MOD) SV、Performance Polymers(MS) SV、Foam & Residential Techs SV、Performance Fibers SVのコア事業群については、ユニークな特性を生かし世の中の変化に対応した製品群のラインナップを急ぎます。
・E & I Technology SVは5Gに代表されるAIやIoTなどの社会の急速なデジタル化、スマート化、デバイスの高機能化への動きを先取りし、ソリューションを提供する素材開発に注力していきます。

② Active Human Life Solution
化学を軸に、食と医療を一つにとらえ、人々に健康で活力のある人生をもたらす革新的なソリューションを提供します。
・Foods & Agris SVはおいしさに加え食を健康の原点とする食生活の質的向上に貢献する素材を提供してまいります。乳製品など新規事業の本格事業化、サプリメントとの協業によるNutrition価値を追求した製品を開発してまいります。
・Medical SVはユニークな医療デバイスの開発を進め、イノベーティブな医療技術をグローバルに市場開拓を進めます。
・Pharma & Supplemental Nutrition SVは一方でジェネリック化する医薬品市場に注力し新しいAPI製品を開発するとともに、カネカユーロジェンテックを中心としたワクチンや感染症医薬品などバイオ医薬の成長を実現します。還元型コエンザイムQ10を柱とするサプリメント素材の多様化・品揃えを進めてまいります。

(5) 経営施策
① R&B(リサーチ&ビジネス)戦略
当社は多様な事業、多様な技術、Only One、グローバルNo.1の技術から生み出したオリジナル製品により社会課題の解決に貢献してまいりました。世界は今、サステナブルな社会への潮流を加速させています。
ⅰ.自らの技術を磨き、将来の種創出に向けての「選択と集中」を行います。
ⅱ.オープンイノベーションやM&Aなど、世の中の最先端技術、事業資産を融合させ、「実験カンパニー」としてチャレンジを続けます。
ⅲ.新しい技術の創出と社会実装により、付加価値の高いポートフォリオに変革し、サステナブル社会の構築に貢献します。
② モノづくり戦略
世界がサステナブル社会への潮流を加速するなか、私たちの技術を製品化し、市場に広く採用されることで社会課題の解決に貢献する(市場の高い評価を得る)ことが、研究開発型企業としての当社のモノづくりの理想像と考えています。その実現に向け、「製造」「販売」それぞれの組織と「顧客・市場」をつなぐネットワーク的企画機能や能力を高め、さらにこれらの機能を統括し(束ね)、全体をデザインする企画機能を高機能化することに取り組んでまいります。
③ グローバル戦略
当社は、これまで常に世界を視野に置き、他社に先駆けた事業展開を推進してきました。現在ではグローカル(現地発信の事業展開)に軸足を置き、世界各地の特性にあわせた技術開発、素材開発を加速させています。今後も現地に根差した展開を推し進め、価値あるソリューションをタイムリーに世界の市場に提供し、グローバルに存在感ある企業を目指します。
④ 人材戦略
・「Human Driven Company」こそ当社の経営思想の背骨であり、仕事を通じて人の成長を企図する「Work Shop」を制度化したものが「カネカ1on1」です。「カネカタワー(図1)」においても、経営革新力を支える「実験カンパニー」の背骨であります。
・「人の成長」と「仕事の成果」はコインの表と裏であり、「カネカ1on1」を通じて人材育成と目標達成を同時に実現することを目指しています。
・一人ひとりが価値を生む生産性の高い組織・人づくりを実現します。

⑤ コーポレートガバナンスの充実
当社は、社員一人ひとりの心と体の健康と、企業活動や姿勢が健全であるという「健康経営」に取り組んでいます。重要なことは、経営があるべき社会に熟慮し、姿勢を正して行動する企業統治力、コーポレートガバナンスの強化です。
パラダイムチェンジが進み、事業が拡大するなか、執行機能の強化が課題になります。イノベーションを行動の羅針盤“Scope of compass”にして未知を開くESG経営・健康経営を組織(現場)に定着させます。そのためには、各執行機能が全体知(Perspective)を反映させながら、現場を観察し、チョークポイントを発見する執行機能の強化に取り組んでまいります。
自己変革を続け、経営目標を実現する体制づくり、コーポレートガバナンスの一層の充実を図ることが重要と考えています。
(6) 対処すべき課題
4月発表のIMF見通しは、先進諸国における大規模な経済対策やワクチン接種の拡大が功を奏し、2021年の世界経済は6.0%のプラス成長に急回復すると予想しています。しかし、①コロナパンデミックがいつどんな風に終息するのか、②地球温暖化を原因とする自然災害は予測不可能ではないか、③米中対立の再燃をはじめ地政学的リスクは高まってはいないか、などを考えると不透明性は否定しようもなく、引き続き情勢を注視していく必要があります。
このコロナ禍のなかで、当社は世界に広がる社員やその家族の健康と安全を守ることを最優先しながら、世界各国・各地域でエッセンシャルビジネスと目される多くの事業群で生産維持に努め、製品の安定供給の責任を果たしてきました。
同時に新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン関連製品や健康増進に資するサプリメント、衛生用製品素材などの提供を拡大し、着実に事業ポートフォリオの変革を進めています。
想像を超えたスピードとスケールで社会システムのパラダイムがシフトしており、自らがパラダイムチェンジャーとして変化を先取りし、タイムリーに対応することが不可欠であります。変化は当社にとって大きな飛躍のチャンスと捉え、PainをGainにする無限の可能性に挑戦してまいります。
コロナパンデミックは終息のめどが立たず、変化の時代を象徴する不透明な状態が続いています。経験したことのない変革期を迎えています。社会の価値観が大きく変化し、社会システムのパラダイムがシフトしています。デジタル技術(DX)の社会実装が進み、ビジネス界は異次元のスピードで「環境にやさしい健康で安全な暮らし」の実現に向かっています。キーワードは「サステナビリティ(持続可能社会)」です。
すでに、カーボンニュートラルを目指す脱炭素社会(持続可能社会)を構想する取り組みは加速し、大きな潮流となっており、全ての企業にとって、エネルギー、資源、食糧問題等に取り組み、技術革新を進めることが必須の経営課題となっています。
(2) 当社の存在意義
当社は、世界がこのようなサステナビリティの実現をめざす動きは、「人間性の回復(ルネッサンス)」を求めているものと考えています。
社会の潮流を構造化し、「地球環境・エネルギーの危機」「食の危機」「健康(豊かに生きる)の危機」の3つをサステナビリティのクライシスと考え、事業領域としてきました。
当社は「ESGやSDGsの取り組みを強化し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、サステナブルな社会の構築に貢献する」ことを存在意義と定義しております。
地球環境を守り、人間性の回復に貢献し「命を育む社会を支える」健康経営を進めてまいります。
(3) 経営方針、経営戦略
当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。
| ・不確実な社会環境の中、「人間が人間らしく豊かに生きる」社会の実現を目指し、「人間性の回復-ルネッサンス(SX※)」に重点的に取り組みます。 ※SX: サステナブル社会に向けた課題の解決(Sustainability)+ 価値ある仕事を創造するDX | ![]() |
・当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」提言への賛同を表明し、①GHG排出削減、②循環型社会への貢献、③食糧資源の増産の3項目について取り組むことといたしました。
① サステナブルをめざす健康経営(ESG経営)
ⅰ.カガクでネガイをカナエル会社カネカ
化学という「不思議の海」の冒険を通して、環境負荷を低減し人々の人生に役立つ会社になります。
ⅱ.ソリューションプロバイダー
「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいてソリューションプロバイダーの道を進みます。
図1、2
ⅲ.実験カンパニー
(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。
② 選択と集中
ⅰ. 重点領域
3つのクライシス(「環境・エネルギー」「食糧」「健康と豊かな暮らし」)を重点領域としてサステナブルの視点でポートフォリオ変革を急ぎます。
ⅱ.R&B(リサーチ&ビジネス)
革新的な素材開発(Breakthrough Technology)により社会課題を解決し、サステナブルな社会の実現に貢献します。
ⅲ. コア事業群の強化
キャッシュを生むコア事業群を強化しながら、(未来への投資である)研究開発活動に経営資源を積極的に投入します。
③ 経営基盤の強化
ⅰ.新規事業の社会実装化をスピードアップ
スケールのあるテーマに「選択と集中」させ、R&Bの生産性を向上させます。
ⅱ.業務の変革とDX
時代に合致する新しい制度を導入し、(AIではできない)人間的価値を回復させる(ルネッサンス-人間性の回復)Work Culture創出に取り組みます。一人ひとりが価値を生む生産性の高い組織・人づくりを実現します。
ⅲ.カネカ「1on1」
ねらいどおり、仕事と人の成長を両立させる制度として運用を図ります。
ⅳ.オープンイノベーション
アライアンス、M&Aを積極的に実行し、事業ポートフォリオの変革を加速させます。
図1 カネカタワー「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-
・当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。
・自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。

図2 経営システムTransformationのトリプルPackage
・変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。
・時代認識/仕掛け/成果のトライアングル(変革と成長のトライアングル)は、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。

(4) ポートフォリオの変革
① Earthology Chemical Solution
化学素材の無限の可能性を引き出し、持続可能型社会を支え、地球環境と生活の革新に貢献します。
・生分解性ポリマー「Green Planet™」は今後大型新規事業化を目指します。PV & Energy management SVはカーボンニュートラル社会への貢献を目指します。
・Vinyls and Chlor-Alkali SV、Performance Polymers(MOD) SV、Performance Polymers(MS) SV、Foam & Residential Techs SV、Performance Fibers SVのコア事業群については、ユニークな特性を生かし世の中の変化に対応した製品群のラインナップを急ぎます。
・E & I Technology SVは5Gに代表されるAIやIoTなどの社会の急速なデジタル化、スマート化、デバイスの高機能化への動きを先取りし、ソリューションを提供する素材開発に注力していきます。

② Active Human Life Solution
化学を軸に、食と医療を一つにとらえ、人々に健康で活力のある人生をもたらす革新的なソリューションを提供します。
・Foods & Agris SVはおいしさに加え食を健康の原点とする食生活の質的向上に貢献する素材を提供してまいります。乳製品など新規事業の本格事業化、サプリメントとの協業によるNutrition価値を追求した製品を開発してまいります。
・Medical SVはユニークな医療デバイスの開発を進め、イノベーティブな医療技術をグローバルに市場開拓を進めます。
・Pharma & Supplemental Nutrition SVは一方でジェネリック化する医薬品市場に注力し新しいAPI製品を開発するとともに、カネカユーロジェンテックを中心としたワクチンや感染症医薬品などバイオ医薬の成長を実現します。還元型コエンザイムQ10を柱とするサプリメント素材の多様化・品揃えを進めてまいります。

(5) 経営施策
① R&B(リサーチ&ビジネス)戦略
当社は多様な事業、多様な技術、Only One、グローバルNo.1の技術から生み出したオリジナル製品により社会課題の解決に貢献してまいりました。世界は今、サステナブルな社会への潮流を加速させています。
ⅰ.自らの技術を磨き、将来の種創出に向けての「選択と集中」を行います。
ⅱ.オープンイノベーションやM&Aなど、世の中の最先端技術、事業資産を融合させ、「実験カンパニー」としてチャレンジを続けます。
ⅲ.新しい技術の創出と社会実装により、付加価値の高いポートフォリオに変革し、サステナブル社会の構築に貢献します。
② モノづくり戦略
世界がサステナブル社会への潮流を加速するなか、私たちの技術を製品化し、市場に広く採用されることで社会課題の解決に貢献する(市場の高い評価を得る)ことが、研究開発型企業としての当社のモノづくりの理想像と考えています。その実現に向け、「製造」「販売」それぞれの組織と「顧客・市場」をつなぐネットワーク的企画機能や能力を高め、さらにこれらの機能を統括し(束ね)、全体をデザインする企画機能を高機能化することに取り組んでまいります。
③ グローバル戦略
当社は、これまで常に世界を視野に置き、他社に先駆けた事業展開を推進してきました。現在ではグローカル(現地発信の事業展開)に軸足を置き、世界各地の特性にあわせた技術開発、素材開発を加速させています。今後も現地に根差した展開を推し進め、価値あるソリューションをタイムリーに世界の市場に提供し、グローバルに存在感ある企業を目指します。
④ 人材戦略
・「Human Driven Company」こそ当社の経営思想の背骨であり、仕事を通じて人の成長を企図する「Work Shop」を制度化したものが「カネカ1on1」です。「カネカタワー(図1)」においても、経営革新力を支える「実験カンパニー」の背骨であります。
・「人の成長」と「仕事の成果」はコインの表と裏であり、「カネカ1on1」を通じて人材育成と目標達成を同時に実現することを目指しています。
・一人ひとりが価値を生む生産性の高い組織・人づくりを実現します。

⑤ コーポレートガバナンスの充実
当社は、社員一人ひとりの心と体の健康と、企業活動や姿勢が健全であるという「健康経営」に取り組んでいます。重要なことは、経営があるべき社会に熟慮し、姿勢を正して行動する企業統治力、コーポレートガバナンスの強化です。
パラダイムチェンジが進み、事業が拡大するなか、執行機能の強化が課題になります。イノベーションを行動の羅針盤“Scope of compass”にして未知を開くESG経営・健康経営を組織(現場)に定着させます。そのためには、各執行機能が全体知(Perspective)を反映させながら、現場を観察し、チョークポイントを発見する執行機能の強化に取り組んでまいります。
自己変革を続け、経営目標を実現する体制づくり、コーポレートガバナンスの一層の充実を図ることが重要と考えています。
(6) 対処すべき課題
4月発表のIMF見通しは、先進諸国における大規模な経済対策やワクチン接種の拡大が功を奏し、2021年の世界経済は6.0%のプラス成長に急回復すると予想しています。しかし、①コロナパンデミックがいつどんな風に終息するのか、②地球温暖化を原因とする自然災害は予測不可能ではないか、③米中対立の再燃をはじめ地政学的リスクは高まってはいないか、などを考えると不透明性は否定しようもなく、引き続き情勢を注視していく必要があります。
このコロナ禍のなかで、当社は世界に広がる社員やその家族の健康と安全を守ることを最優先しながら、世界各国・各地域でエッセンシャルビジネスと目される多くの事業群で生産維持に努め、製品の安定供給の責任を果たしてきました。
同時に新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン関連製品や健康増進に資するサプリメント、衛生用製品素材などの提供を拡大し、着実に事業ポートフォリオの変革を進めています。
想像を超えたスピードとスケールで社会システムのパラダイムがシフトしており、自らがパラダイムチェンジャーとして変化を先取りし、タイムリーに対応することが不可欠であります。変化は当社にとって大きな飛躍のチャンスと捉え、PainをGainにする無限の可能性に挑戦してまいります。
