有価証券報告書-第85期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/26 11:59
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有報資料

(1) 業績
当期におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和を背景に雇用・所得環境の改善が進む中で、緩やかな回復基調が続きました。かかる状況下で、企業の業況観は一時見られた慎重さが和らぎ、設備投資にも緩やかながら回復の兆しが見られる状況となっています。海外に目を向けると、英国のEU離脱や米国のトランプ政権発足など市場の予想を覆すイベントが度々起き、その都度、為替相場や日本の株価が大きな影響を受けた年となりました。さらに、中国をはじめとする新興国の景気下振れリスクや米欧の保護主義的政策の行方など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
医薬品業界においては、相次ぐ高額薬剤の薬価収載が医療保険財政を圧迫するのではという懸念の声に対し、平成28年7月の中央社会保険医療協議会で「薬価制度改革に向けて、薬価の在り方全般について抜本的な見直しを行うこと」の提案が厚生労働省よりなされました。さらに同年12月には政府が発表した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の中で、現在は2年に1度行われている市場実勢価格の調査に加え、その間の年にも大手医薬品卸売業者などを対象に調査を行い、価格の乖離の大きな品目について薬価改定を行うことなどを明らかにしました。その具体的内容については、平成29年度中に結論を得ることとしていますが、本制度変更が今後の医薬品業界に与える影響は少なくないものと予想されます。
このような環境下で、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保、並びに生産性及び効率性の向上に資する施策を一層推し進めてまいりました。
また、ジェネリック医薬品事業と並行して取り組んでいるミッション、「高尿酸血症領域」や「自社開発創薬」に関しましても、複数の開発品目において、それぞれの試験が順調に進展しております。当社グループはまだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのために、画期的な自社創薬の開発に取り組んでいます。
セグメントの業績は次のとおりです。
① 医薬品事業
1) 医療用医薬品
(a) ジェネリック医薬品
当期においては前立腺癌治療剤の「ビカルタミドOD錠」や気管支喘息治療剤である「モンテルカスト錠」など4成分5品目を発売いたしました。
販売面では、国のジェネリック医薬品使用促進策を背景に、保険薬局や大学病院をはじめとする基幹病院において数量面での拡大が続いたものの、平成28年4月からの診療報酬改定に伴う薬価改定の影響により、売上の伸びは前期を割る結果となりました。当社においても、新たに盛り込まれた外来後発医薬品使用体制加算の見直しなどの促進策で、これまでジェネリック医薬品の使用に積極的でなかった医療機関を中心に採用が進みましたが、売上は前期を維持するにとどまり、また、同業他社向けの販売である導出売上も伸び悩みました。
一方で、オンコロジー関連医薬品については、大学病院をはじめとするがん診療連携拠点病院を中心に質の高い情報提供を行うことで着実に採用が進展しました。
(b) 主力品
主力品であるアルカリ化療法剤「ウラリット-U配合散・配合錠」につきましては、ジェネリック医薬品への置き換え等により市場における競争は激化しておりますが、これまで実施して来た痛風並びに高尿酸血症における酸塩基平衡改善の重要性の啓発活動に加え、近年、高尿酸血症や代謝性アシドーシスが慢性腎臓病を進展させること、アシドーシスに対するアルカリ化療法による慢性腎臓病の進展抑制効果等の報告が増加していることを踏まえ、更なるアルカリ化療法剤投与の重要性に関して普及活動を強化しています。
(c) 海外販売
海外での販売につきましては、当期末時点で韓国、タイ、中国の3か国において6品目の承認を取得し、販売しております。その他にもASEANを中心に5品目を申請中であり、さらに複数品目について申請の準備を進めています。
以上の結果、ジェネリック医薬品の売上高は前期比0.6%の増収となりましたが、ウラリットをはじめとする主力3品の売上高は20.9%の減収となり、医療用医薬品全体では1.3%の減収となりました。
なお、医療用医薬品の売上高比率を薬効別にみますと、循環器官用薬及び呼吸器官用薬30.9%、消化器官用薬19.6%、ウラリット等の代謝性医薬品16.4%、神経系及び感覚器官用薬9.9%、病原生物用薬6.5%、腫瘍用薬3.2%、その他の医薬品13.5%となっています。
(d) 研究開発
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の支援を受け、当社と九州大学が共同で研究を進めている「NC-2600」(P2X4受容体アンタゴニスト)は、世界で初めてグリア細胞をターゲットとした神経障害性疼痛治療薬であり、平成28年6月よりフェーズⅠ試験をスタートしています。
また、当社と北里大学、筑波大学、国立精神・神経医療研究センターの4者による共同研究で開発を行っている抗うつ・抗不安薬「NC-2800」(オピオイドδ受容体アゴニスト)についても、同じくAMEDの支援を受けながら、当期は前臨床試験を進めてまいりました。平成28年11月には、これまでの研究の成果として、神経科学分野で世界最大の学会である「北米神経科学学会年会」において、既存の抗うつ薬で治療効果を得るまでに長期の投与を必要とするうつ病モデル動物で、NC-2800が投与早期から低用量で優れた治療効果が期待できることなどを発表いたしました。
さらに、当社グループの3つのミッションの1つである高尿酸血症の治療薬として開発を進めている尿酸降下薬「NC-2500」(キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬)については、同年6月より、より望ましい結果を得られると判断された改良製剤によるフェーズⅠ試験を進めております。また、NC-2500に続く新規の尿酸降下薬として開発を行っている「NC-2700」(URAT1阻害薬)については、当期に前臨床試験を開始しています。
(e) 生産体制
グループ全体の生産能力増強及び製造コスト削減を目的とするベトナムでの製造工場建設につきましては、当初計画通りに工事が進捗し、平成29年3月には建物の引渡しを受け、その後は工場稼働に向けた準備を行っています。また、現地で中心となって製造に携わっていくベトナム人社員の採用を行い、日本薬品工業株式会社(以下、日本薬品工業)の茨城工場及びつくば工場での半年間の研修を終えるなど、平成30年度の商業生産開始に向けハード・ソフトの両面で着実に準備を進めているところです。
一方、国内においてもジェネリック医薬品の需要増加に対応するため、日本薬品工業つくば工場3号棟において1階部分の設備追加実装を行い、生産能力の強化に努めました。
2) 臨床検査薬
主力製品・自社開発のアレルギー検査薬オリトンIgE『ケミファ』」及び測定機器の『DiaPack3000』とヘモグロビンA1c検査薬及び測定装置「HLC-723G11」は、ともに近年注力してきた新規施設への設置効果があらわれ好調に推移し、臨床検査薬全体の売上高は前期を上回る結果となりました。
以上により、医薬品事業全体の売上高は34,551百万円(前期比0.1%増)、営業利益は2,805百万円(前期比9.2%減)となりました。
② その他
受託試験事業、ヘルスケア事業及び不動産賃貸事業である「その他」の事業では受託試験事業の厳しい競争環境の中、受注が堅調に推移したことなどから売上高は1,137百万円(前期比4.2%増)となり、営業利益は30百万円(前期比45.0%減)となりました。
以上の結果、各セグメントを通算した業績は当期の連結売上高が35,689百万円(前期比0.2%増)、連結営業利益が2,836百万円(前期比9.8%減)、連結経常利益が2,849百万円(前期比3.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,054百万円(前期比4.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により2,737百万円増加いたしました。また投資活動においては2,504百万円の減少、財務活動においては787百万円の増加となりました。
この結果、当期末の現金及び現金同等物(以下、資金)は8,084百万円(前期末比13.3%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、営業活動による資金は法人税等の支払及びたな卸資産の増加などがあったものの、主に税金等調整前当期純利益の計上により、2,737百万円の増加(前期は2,450百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、投資活動による資金は主に固定資産の取得により、2,504百万円の減少(前期は151百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、財務活動による資金は長期借入金の返済、自己株式の取得及び配当金の支払などがあった一方で、長期借入れがあり、787百万円の増加(前期は935百万円の減少)となりました。

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