有価証券報告書-第93期(2024/04/01-2025/03/31)
(当社の支配に関する基本方針)
(1)基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
但し、当社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社では、グループとして企業価値の向上・確保に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は、ⅰ)自社グループ一貫の開発・生産体制を備え、コスト競争力のある海外生産拠点を有し、国内市場において信頼されるポジションを維持するジェネリック医薬品事業、ⅱ)市場からの高評価を背景に普及が進む画期的なアレルギー検査製品、及びその基盤となるコア技術を擁する臨床検査薬事業、ⅲ)探索に特化した自社創薬機能、及びアルカリ化療法をはじめとする自社技術・ノウハウとのシナジーを重視した開発戦略により、効率性と開発確度を追求する新薬事業、というそれぞれ独自性がある3つの異なる事業を同時に推進し、ⅳ)それら事業の成果を海外へ展開するというユニークなビジネスモデルを維持していることです。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
(2)基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
①中期経営計画による取組み
当社は、近年ますますスピードが増している経済環境や制度の変化にタイムリーに対応すべく、2015年度より期間3ヶ年の中期経営計画を毎年ロールオーバーしております。この中期経営計画においては、3つの事業ドメインそれぞれに収益基盤を強化し成長軌道を確実なものとするべく、ⅰ)品質第一を前提に質を追求した特色ある「ジェネリック医薬品事業」の展開、ⅱ)ドロップスクリーンを軸にした「臨床検査薬事業」の業容拡大、ⅲ)アルカリ化療法の多面展開及び各パイプラインの開発進展・拡充による「新薬事業」の収益実現への取組みを継続・強化するとともに、ⅳ)これらの取組みの成果をベースにした海外への展開を一層推進・拡大することを掲げております。
まず、ジェネリック医薬品事業につきましては、国内市場が成熟期を迎える中で、事実上毎年薬価改定が実施されており、近時の薬価改定においては一部不採算品や最低薬価品の薬価引き上げ措置や、中間年改定自体の見直しの機運が高まるなど好転の兆しは見られるものの、依然として厳しい収益環境が続いています。一方で、他社品質問題に端を発したここ数年の市場全体の供給不安が未だ収束しておらず、このような状況下、当社は、品質の高い製品を安定して供給することを第一に、グループ横断的に品質保証体制の継続強化に取り組むとともに、2024年8月に新設備の実装工事を完了した日本薬品工業㈱つくば工場3号棟2階の早期商業生産開始に向けた対応、及びNippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.ベトナム工場のさらなる製造品目拡大、並びに、必要な人員増強や設備投資を継続的に実施するなど、安定供給の確保に向けた不断の努力を続けてまいります。営業面では、多様な販路を活用して利益品目の拡販に注力し、営業支援システムやAIツールも駆使した効率的な営業活動を推進してまいります。また、開発面では、開発・製造・販売を自社グループで一貫して手掛ける強みを活かし、品質への信頼性と発売後の安定供給を最優先で確保するべく開発初期からグループ関連部門と連携して開発を進めるとともに、開発品目の選定にあたっては、医療関係者や患者さんのニーズを反映した特色のある製品や、競争優位性を確保できる品目の選定を行っています。これに付随して、患者さんや医療現場のニーズを充たす付加価値医薬品やエッセンシャルドラッグの導入・販売にも引き続き取り組んでまいります。
次に、臨床検査薬事業につきましては、2024年度に国内累計設置台数1,400台を突破してなお高い潜在成長余地が期待されるドロップスクリーンについて、2025年度には累計2,000台を目指して販売体制を拡充するとともに、製品の改良、製造コストの低減など、あらゆる面で改善に努めてまいります。加えて、海外での発売に向けて、製品開発、各国法規制対応、パートナー選定などにも取り組んでいます。
新薬事業につきましては、うつ・不安をターゲットに住友ファーマ株式会社と共同研究開発を進めているオピオイドδ受容体作動薬「NC-2800」について、現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の下でフェーズⅡa試験の実施準備が進行中です。また、Delta-Fly Pharma株式会社から導入したアルカリ化療法によるがん微小環境改善剤「DFP-17729」の膵臓がんを対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験が2025年3月から、同じく同社から導入した抗がん剤候補化合物「DFP-14323」は、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんを対象としたフェーズⅢ試験が2024年2月から開始されています。アルカリ化療法剤についてはさらに、当社が協力し東北大学で進められていた慢性腎臓病に対する効果を検討する臨床研究において有用性が示唆されているところ、新たに2024年7月から名古屋大学において慢性腎臓病における腎保護効果について医師主導臨床研究が開始されています。P2X4受容体拮抗薬「NC-2600」は、従来からターゲットとしてきた神経障害性疼痛に加え、慢性咳嗽も対象疾患に加えて導出活動を推進しており、また、2024年11月には子宮内膜症に対する可能性が期待できる論文が鳥取大学から発表されました。以上のように有望な新薬候補テーマが大きく進展・拡充しており、これらをさらに着実に進展させることで順次収益貢献の実現を図ってまいります。
海外展開につきましては、ASEAN、中国を中心とする医薬品の事業基盤の強化、その一環として、Nippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.の機能を活用したベトナム及び周辺国・地域での開発・製造・販売品目の拡大を通じた当社グループの現地でのブランド確立、及び次なる市場候補である中東・アフリカでの開発品目選定を推進してまいります。
当社は、3つの事業ドメインにおけるこれらのミッションに一貫して継続的に取り組むことが、国内外の医薬品業界を取り巻く環境変化に対処するとともに、将来にわたる当社グループの持続的成長を可能とし、当社の企業価値、すなわち、株主共同の利益を維持・拡大する最良の方策であると考えます。
②コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、企業価値・株主共同の利益を維持・拡大させるために、株主の皆様から負託された経営責任を重く受け止め、経営組織とその運営のあり方の適正化に努め、株主の皆様はもとより、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーに対して一層の経営の透明性を高め、公正な経営を実現することを最重要事項としております。
当社は、会社の機関設計に関し、経営効率の向上とコーポレート・ガバナンスの強化を図ることを目的に、経営機能を「意思決定機能・監督機能」と「業務執行機能」とに分離し、前者を独立性の高い社外取締役が3名かつ3分の1以上の比率を占める取締役(会)に、後者を執行役員(会議)にそれぞれ配分しております。
また、監査役会設置会社として独立性の高い社外監査役2名を含む監査役の監査により経営の透明性・公正性を高め、取締役会の意思決定の監視・監督機能の強化を図っております。
社外取締役及び社外監査役は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)の定める独立役員の要件及び当社の定める社外役員の独立性判断基準を満たしており、いずれも当社からの独立性を有しております。当社は、所属する法律事務所の方針に従い届出は行わない社外取締役大向尚子を除き、これら社外役員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として同取引所に届け出ております。
また、リスク管理や内部統制システムの整備等を通じて内部管理体制の強化にも努めております。具体的には、内部統制基本方針や法令等遵守行動基準などに基づいた健全な企業活動を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。
これらの取組みにより株主の皆様をはじめとする様々なステークホルダーとの信頼関係をより一層強固なものにし、企業価値の継続的な向上を目指してまいります。
・基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2025年6月19日開催の第93回定時株主総会において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収への対応方針)について、2007年に導入した内容、並びに2010年、2013年、2016年、2019年及び2022年に改定された内容を一部再改定して更新することを上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、再改定後のプランを「本プラン」といいます。)。本プランの内容の概要は次のとおりであります。
1)目的
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、若しくは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したり、又は株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
2)本プランの概要
(a)本プランに係る手続の設定
本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示し、又は買付者等との交渉等を行うための手続を定めています。
(b)新株予約権の無償割当ての利用
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割当てます。
(c)特別委員会の利用及び株主意思の確認
本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立性のある社外取締役等から構成される特別委員会の客観的な判断を経るものとしています。
また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には事前又は事後に株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し(以下かかる株主総会を「株主意思確認株主総会」といいます。)、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。
(d)本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は最大約50%まで希釈化される可能性があります。
(e)情報開示
上記(a)ないし(d)の各手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。
3)本プランの有効期間、廃止
本プランの有効期間は、第93回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。
但し、有効期間の満了前であっても、ⅰ)当社の株主総会において第93回定時株主総会決議による当社取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、又は、ⅱ)当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い廃止されるものとします。
4)株主の皆様への影響
本新株予約権の無償割当て自体が行われていない場合には、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され新株予約権行使の手続を行わなければ、その保有する株式が希釈化される場合があります(但し、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得の手続を行った場合、保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません。)。
・上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
1)基本方針の実現に資する特別な取組みについて
将来にわたる当社グループの持続的成長のため3つの事業ドメインを中心とした各種取組み、コーポレート・ガバナンスの強化の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。
2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて
本プランは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものです。
また、本プランは、株主の承認を得た上で更新されており、一定の場合に本プランの発動の是非について株主意思確認株主総会において株主の皆様の意思を確認することができることや、有効期間が約3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるとされているなど株主意思を重視するものであること、買収への対応方針に関する公の指針の要件を完全に充足していること、独立性のある社外取締役等のみから構成される特別委員会の判断の重視や情報開示の仕組みが確保されていること、合理的な客観的発動要件が設定されていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものといえます。
したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。
(1)基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
但し、当社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社では、グループとして企業価値の向上・確保に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は、ⅰ)自社グループ一貫の開発・生産体制を備え、コスト競争力のある海外生産拠点を有し、国内市場において信頼されるポジションを維持するジェネリック医薬品事業、ⅱ)市場からの高評価を背景に普及が進む画期的なアレルギー検査製品、及びその基盤となるコア技術を擁する臨床検査薬事業、ⅲ)探索に特化した自社創薬機能、及びアルカリ化療法をはじめとする自社技術・ノウハウとのシナジーを重視した開発戦略により、効率性と開発確度を追求する新薬事業、というそれぞれ独自性がある3つの異なる事業を同時に推進し、ⅳ)それら事業の成果を海外へ展開するというユニークなビジネスモデルを維持していることです。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
(2)基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
①中期経営計画による取組み
当社は、近年ますますスピードが増している経済環境や制度の変化にタイムリーに対応すべく、2015年度より期間3ヶ年の中期経営計画を毎年ロールオーバーしております。この中期経営計画においては、3つの事業ドメインそれぞれに収益基盤を強化し成長軌道を確実なものとするべく、ⅰ)品質第一を前提に質を追求した特色ある「ジェネリック医薬品事業」の展開、ⅱ)ドロップスクリーンを軸にした「臨床検査薬事業」の業容拡大、ⅲ)アルカリ化療法の多面展開及び各パイプラインの開発進展・拡充による「新薬事業」の収益実現への取組みを継続・強化するとともに、ⅳ)これらの取組みの成果をベースにした海外への展開を一層推進・拡大することを掲げております。
まず、ジェネリック医薬品事業につきましては、国内市場が成熟期を迎える中で、事実上毎年薬価改定が実施されており、近時の薬価改定においては一部不採算品や最低薬価品の薬価引き上げ措置や、中間年改定自体の見直しの機運が高まるなど好転の兆しは見られるものの、依然として厳しい収益環境が続いています。一方で、他社品質問題に端を発したここ数年の市場全体の供給不安が未だ収束しておらず、このような状況下、当社は、品質の高い製品を安定して供給することを第一に、グループ横断的に品質保証体制の継続強化に取り組むとともに、2024年8月に新設備の実装工事を完了した日本薬品工業㈱つくば工場3号棟2階の早期商業生産開始に向けた対応、及びNippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.ベトナム工場のさらなる製造品目拡大、並びに、必要な人員増強や設備投資を継続的に実施するなど、安定供給の確保に向けた不断の努力を続けてまいります。営業面では、多様な販路を活用して利益品目の拡販に注力し、営業支援システムやAIツールも駆使した効率的な営業活動を推進してまいります。また、開発面では、開発・製造・販売を自社グループで一貫して手掛ける強みを活かし、品質への信頼性と発売後の安定供給を最優先で確保するべく開発初期からグループ関連部門と連携して開発を進めるとともに、開発品目の選定にあたっては、医療関係者や患者さんのニーズを反映した特色のある製品や、競争優位性を確保できる品目の選定を行っています。これに付随して、患者さんや医療現場のニーズを充たす付加価値医薬品やエッセンシャルドラッグの導入・販売にも引き続き取り組んでまいります。
次に、臨床検査薬事業につきましては、2024年度に国内累計設置台数1,400台を突破してなお高い潜在成長余地が期待されるドロップスクリーンについて、2025年度には累計2,000台を目指して販売体制を拡充するとともに、製品の改良、製造コストの低減など、あらゆる面で改善に努めてまいります。加えて、海外での発売に向けて、製品開発、各国法規制対応、パートナー選定などにも取り組んでいます。
新薬事業につきましては、うつ・不安をターゲットに住友ファーマ株式会社と共同研究開発を進めているオピオイドδ受容体作動薬「NC-2800」について、現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の下でフェーズⅡa試験の実施準備が進行中です。また、Delta-Fly Pharma株式会社から導入したアルカリ化療法によるがん微小環境改善剤「DFP-17729」の膵臓がんを対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験が2025年3月から、同じく同社から導入した抗がん剤候補化合物「DFP-14323」は、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんを対象としたフェーズⅢ試験が2024年2月から開始されています。アルカリ化療法剤についてはさらに、当社が協力し東北大学で進められていた慢性腎臓病に対する効果を検討する臨床研究において有用性が示唆されているところ、新たに2024年7月から名古屋大学において慢性腎臓病における腎保護効果について医師主導臨床研究が開始されています。P2X4受容体拮抗薬「NC-2600」は、従来からターゲットとしてきた神経障害性疼痛に加え、慢性咳嗽も対象疾患に加えて導出活動を推進しており、また、2024年11月には子宮内膜症に対する可能性が期待できる論文が鳥取大学から発表されました。以上のように有望な新薬候補テーマが大きく進展・拡充しており、これらをさらに着実に進展させることで順次収益貢献の実現を図ってまいります。
海外展開につきましては、ASEAN、中国を中心とする医薬品の事業基盤の強化、その一環として、Nippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.の機能を活用したベトナム及び周辺国・地域での開発・製造・販売品目の拡大を通じた当社グループの現地でのブランド確立、及び次なる市場候補である中東・アフリカでの開発品目選定を推進してまいります。
当社は、3つの事業ドメインにおけるこれらのミッションに一貫して継続的に取り組むことが、国内外の医薬品業界を取り巻く環境変化に対処するとともに、将来にわたる当社グループの持続的成長を可能とし、当社の企業価値、すなわち、株主共同の利益を維持・拡大する最良の方策であると考えます。
②コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、企業価値・株主共同の利益を維持・拡大させるために、株主の皆様から負託された経営責任を重く受け止め、経営組織とその運営のあり方の適正化に努め、株主の皆様はもとより、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーに対して一層の経営の透明性を高め、公正な経営を実現することを最重要事項としております。
当社は、会社の機関設計に関し、経営効率の向上とコーポレート・ガバナンスの強化を図ることを目的に、経営機能を「意思決定機能・監督機能」と「業務執行機能」とに分離し、前者を独立性の高い社外取締役が3名かつ3分の1以上の比率を占める取締役(会)に、後者を執行役員(会議)にそれぞれ配分しております。
また、監査役会設置会社として独立性の高い社外監査役2名を含む監査役の監査により経営の透明性・公正性を高め、取締役会の意思決定の監視・監督機能の強化を図っております。
社外取締役及び社外監査役は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)の定める独立役員の要件及び当社の定める社外役員の独立性判断基準を満たしており、いずれも当社からの独立性を有しております。当社は、所属する法律事務所の方針に従い届出は行わない社外取締役大向尚子を除き、これら社外役員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として同取引所に届け出ております。
また、リスク管理や内部統制システムの整備等を通じて内部管理体制の強化にも努めております。具体的には、内部統制基本方針や法令等遵守行動基準などに基づいた健全な企業活動を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。
これらの取組みにより株主の皆様をはじめとする様々なステークホルダーとの信頼関係をより一層強固なものにし、企業価値の継続的な向上を目指してまいります。
・基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2025年6月19日開催の第93回定時株主総会において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収への対応方針)について、2007年に導入した内容、並びに2010年、2013年、2016年、2019年及び2022年に改定された内容を一部再改定して更新することを上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、再改定後のプランを「本プラン」といいます。)。本プランの内容の概要は次のとおりであります。
1)目的
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、若しくは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したり、又は株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
2)本プランの概要
(a)本プランに係る手続の設定
本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示し、又は買付者等との交渉等を行うための手続を定めています。
(b)新株予約権の無償割当ての利用
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割当てます。
(c)特別委員会の利用及び株主意思の確認
本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立性のある社外取締役等から構成される特別委員会の客観的な判断を経るものとしています。
また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には事前又は事後に株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し(以下かかる株主総会を「株主意思確認株主総会」といいます。)、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。
(d)本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は最大約50%まで希釈化される可能性があります。
(e)情報開示
上記(a)ないし(d)の各手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。
3)本プランの有効期間、廃止
本プランの有効期間は、第93回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。
但し、有効期間の満了前であっても、ⅰ)当社の株主総会において第93回定時株主総会決議による当社取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、又は、ⅱ)当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い廃止されるものとします。
4)株主の皆様への影響
本新株予約権の無償割当て自体が行われていない場合には、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され新株予約権行使の手続を行わなければ、その保有する株式が希釈化される場合があります(但し、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得の手続を行った場合、保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません。)。
・上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
1)基本方針の実現に資する特別な取組みについて
将来にわたる当社グループの持続的成長のため3つの事業ドメインを中心とした各種取組み、コーポレート・ガバナンスの強化の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。
2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて
本プランは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものです。
また、本プランは、株主の承認を得た上で更新されており、一定の場合に本プランの発動の是非について株主意思確認株主総会において株主の皆様の意思を確認することができることや、有効期間が約3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるとされているなど株主意思を重視するものであること、買収への対応方針に関する公の指針の要件を完全に充足していること、独立性のある社外取締役等のみから構成される特別委員会の判断の重視や情報開示の仕組みが確保されていること、合理的な客観的発動要件が設定されていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものといえます。
したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。