有価証券報告書-第89期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)アルカリ化療法に関する臨床研究の成果を最大限に活用する
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、2015年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。
(3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境
2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化することが懸念されておりますが、医薬品業界においても新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う患者さんの受診抑制や医療機関への情報提供活動の抑制などの影響に加え、2019年10月および2020年4月の2度にわたり行われた薬価改定に続き、2021年4月には毎年の薬価改定がスタートするなど厳しい事業環境が続いています。また、昨今ではジェネリック医薬品の信頼性にかかわる品質問題が他社において発生していますが、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保に注力するとともに、生産性および効率性の向上に資する施策を推し進めております。
(4) 会社の対処すべき課題
① ジェネリック医薬品
1) 販売
国内ジェネリック医薬品市場はオーソライズドジェネリックの台頭による競争の激化、さらには価格帯集約化などの度重なる薬価制度改革の影響で、事業環境が著しく変化してきました。当社グループはこれまでも開発や製造など、サプライチェーン全般にわたってさまざまな取り組みを行ってきましたが、その最終段階として、いかなる環境においても持続的な成長を実現する事業構造への転換を図るために、2020年7月にグループ医薬営業を中心とした構造改革を実施しました。まず組織再編として、日本ケミファと日本薬品工業の医薬営業体制を一元化し、これを統括する「グループ医薬営業本部」を設置しました。そしてそれに伴い、営業人員規模の適正化と国内拠点の統廃合を推し進め、徹底的なリソースの効率化を図っています。
現在は設置されたグループ医薬営業本部のもとで、従来の卸ルートに加えて、販社ルートや大手調剤チェーン、グループ病院との一部直接取引など、ジェネリック医薬品の多様な販路に対応し、グループ全体で売上を伸ばす販売戦略に取り組んでいます。
2) 品質保証
当社グループでは安全でより良い医薬品の品質を確保するため、品質保証部門が中心となり、省令に従って定期的に製造業者等への監査、すなわち製造施設設備・製造記録及び試験記録等の確認を通し、医薬品の製造管理及び品質管理が適正に実施されていることを、原則的に3年に1回の頻度で確認しています。あわせて、重大な製品クレーム等が発生した場合には臨時に監査を行い、迅速かつ適切な措置を講じ再発防止に努めています。さらに、医療関係者の皆さまに安心して当社製品をご使用いただけるように、原薬製造所の国名の情報開示や、原薬の安定的な調達のために原薬を複数の製造所から購入するマルチソース化にも積極的に取り組んでいます。
また、当社グループの製造部門を担う日本薬品工業では、日本ケミファの品質保証部門と相互に協力しながら情報を共有し、品質向上に向けた取り組みを協同して行うことで、随時、製造所から情報が共有され、医薬品の品質を適時的確に判断するための連携体制を十分に取っています。
同社の工場ではGMP(Good Manufacturing Practice 適正製造規範)3原則に従い、「人為的な誤りを最小限にすること」、「医薬品の汚染及び品質低下を防止すること」、「高い品質を保証するシステムを設計すること」を遵守した製造管理及び品質管理を行っており、一例として、コンピュータによる生産管理システムの導入、バーコードシステムによる原材料管理、すべての製品データを振り返るための年間照査、承認事項を遵守することの重要性に対する教育訓練の実施、不適事項が発生した場合に対するCAPA(Corrective Action, Preventive Action 是正処置及び予防処置)管理を含めた再発防止策の徹底などが挙げられます。また、いずれの製造所も規制当局による査察を定期的に受けており、適合の結果を得ています。
3) 生産体制
Nippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.(以下「NC-VN社」という)のベトナム工場が2018年11月に商業生産を開始して以降、製造量の多い、あるいはコストメリットの出しやすい品目を中心に国内工場から同工場への製造移管を進めており、将来的にはグループ製品の3割程度を生産できる体制とし、グループの製造能力拡大と生産コスト引き下げを実現していきます。また、国内製造拠点についてはその高い技術力を生かし、新製品や受託品の製造を担うマザー工場としての活用を拡大してまいります。
4) 開発
ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、市場競争の激化を踏まえ、他社競争優位性のある品目の開発や、国内外企業との共同開発にも積極的に取り組み、医療関係者、患者さんのニーズを反映した特長を有する製品や、付加価値のある製品の開発と市場への投入を目指してまいります。
また開発の組織体制については、製剤・分析における新たな技術への挑戦を行う「製剤技術開発部」と、海外企業との連携強化と共同開発を推進する「海外技術開発部」の二部制に組織再編し、開発ターゲット品目の確実な市場投入と、スピーディーに開発を推進する取り組みにチャレンジしています。
② アルカリ化療法剤
当社グループがウラリットで培ってきたアルカリ化療法剤については、さまざまな方面で展開が進んでいます。
まず、創薬ベンチャーであるDelta-Fly Pharma株式会社とライセンス契約を締結した抗がん剤DFP-17729は、がん細胞周辺の微小環境改善作用を有し、酸性に傾いているがん細胞周囲の微小環境をアルカリ化することによる難治性がんの画期的治療効果が期待されています。末期の膵臓がん患者を対象とするフェーズⅠ/Ⅱ試験を2020年11月にスタートし、その後、フェーズⅠ部分での安全性が確認されたことから、2021年4月には試験施設を追加したうえでフェーズⅡ部分へと移行いたしました。試験の対象となる膵臓がんは早期発見が難しく、特に末期では満足できる治療剤がない状況にあるため、一日も早い新薬の開発が期待されています。
また、当社グループが協力を行いながら東北大学で進められている、アルカリ化療法剤と慢性腎臓病(以下「CKD」という)との関連を解明する臨床研究「CKOARA Study」は、初期的なデータ解析を終えて手ごたえを得たことから、AIやリアルワールドデータ(以下「RWD」という)を活用し追加の解析を行っており、それらの成果につきましては近いうちに学会で発表が行われ、論文化されるものと見込んでいます。さらにこの研究で集められたデータを応用し、クエン酸塩の機能性表示食品としての開発を進めているところです。
③ 新薬開発
1) パイプライン
新薬の研究開発については、領域を絞り込み、その領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、得られた成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。この方針のもと、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という)の「CiCLE事業」に採用されている、オピオイドデルタ受容体作動薬「NC-2800」(抗うつ、抗不安薬)については、間もなくフェーズⅠ試験をスタートする予定であり、あわせて早期導出に向けた活動も進めていきます。
また、P2X4受容体拮抗薬「NC-2600」については、これまでの神経障害性疼痛に加え、慢性咳嗽などの適応症にフォーカスした導出活動を開始しており、ファーストインクラスの化合物としての可能性を深掘りしながら、早期の導出を目指します。
さらに、「NC-2500」(キサンチンオキシドレダクターゼ阻害薬)と「NC-2700」(URAT1阻害薬)についても、そのユニークな特性を国内外の企業へアピールしながら導出活動を行っており、共同開発なども含め、さまざまな可能性を検討しています。
2) 新技術を活用した新薬・臨床開発
当社グループは進歩が著しいAIなど新技術を活用した手法を導入することで、有望な創薬テーマの創出や開発プロセスの迅速化、業務の効率化などにつなげたいと考え、現在、デジタル技術に強みを持つベンチャー企業2社への出資や業務提携を行っています。
AI創薬ベンチャーである株式会社MOLCUREとは、創薬プロセスの初期段階における化合物の探索と最適化のプロセスを効率化することを目指しています。同社との協業により当社グループとして初めてAIを用いた創薬に着手し、新たな創薬プロセスを導入することができました。
デジタル医療を推進するサスメド株式会社とは、特定の開発候補テーマに関して、同社のAIシステムとRWDを用いた多面的な分析を行い、効率的な治験デザインを構築するチャレンジを行っています。加えて、2021年2月には同社のブロックチェーン技術を使った臨床試験の効率化について、具体的な検討を開始したことを発表しました。
④ Plus1 海外展開
1) 海外販売
2020年に中国で権威ある高血圧関連学会が定めたガイドラインにおいて、「カルバン錠」が標準的な治療製剤の選択肢として収載されたことを活用し、今後は主要都市での販促活動を本格化していきます。さらに同国での申請が受理され審査が始まっている品目や、現地でBE試験(biological equivalence study生物学的同等性試験)を予定している品目もあり、引き続き中国での実績を着実に積み上げてまいります。
一方、ベトナムではNC-VN社が同国で販売申請中の品目について、複数の現地卸より取り扱いの希望が寄せられており、現地販売チャネルの開拓を進めてまいります。
また、臨床検査薬事業においては、アレルギー市場の大きな中国でオリトンの承認品目の拡大が見込まれており、2021年度中に追加承認を経て、同地で本格的なプロモーションを開始したいと考えています。さらにドロップスクリーンについても海外での展開を具体的に検討していきます。
2) 開発
現在、日本向け製品の製造を行っているNC-VN社は、将来的には同社を足掛かりにベトナム国内や周辺国での販売を行うことも視野に入れています。また今後、海外で本格的に自社製品を販売するために、2019年4月に創設された当社「海外技術開発部」と協同し、ASEAN市場に向けた用量規格の製剤を開発しており、できるだけ早期に申請を行いたいと考えています。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)アルカリ化療法に関する臨床研究の成果を最大限に活用する
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、2015年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。
(3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境
2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化することが懸念されておりますが、医薬品業界においても新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う患者さんの受診抑制や医療機関への情報提供活動の抑制などの影響に加え、2019年10月および2020年4月の2度にわたり行われた薬価改定に続き、2021年4月には毎年の薬価改定がスタートするなど厳しい事業環境が続いています。また、昨今ではジェネリック医薬品の信頼性にかかわる品質問題が他社において発生していますが、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保に注力するとともに、生産性および効率性の向上に資する施策を推し進めております。
(4) 会社の対処すべき課題
① ジェネリック医薬品
1) 販売
国内ジェネリック医薬品市場はオーソライズドジェネリックの台頭による競争の激化、さらには価格帯集約化などの度重なる薬価制度改革の影響で、事業環境が著しく変化してきました。当社グループはこれまでも開発や製造など、サプライチェーン全般にわたってさまざまな取り組みを行ってきましたが、その最終段階として、いかなる環境においても持続的な成長を実現する事業構造への転換を図るために、2020年7月にグループ医薬営業を中心とした構造改革を実施しました。まず組織再編として、日本ケミファと日本薬品工業の医薬営業体制を一元化し、これを統括する「グループ医薬営業本部」を設置しました。そしてそれに伴い、営業人員規模の適正化と国内拠点の統廃合を推し進め、徹底的なリソースの効率化を図っています。
現在は設置されたグループ医薬営業本部のもとで、従来の卸ルートに加えて、販社ルートや大手調剤チェーン、グループ病院との一部直接取引など、ジェネリック医薬品の多様な販路に対応し、グループ全体で売上を伸ばす販売戦略に取り組んでいます。
2) 品質保証
当社グループでは安全でより良い医薬品の品質を確保するため、品質保証部門が中心となり、省令に従って定期的に製造業者等への監査、すなわち製造施設設備・製造記録及び試験記録等の確認を通し、医薬品の製造管理及び品質管理が適正に実施されていることを、原則的に3年に1回の頻度で確認しています。あわせて、重大な製品クレーム等が発生した場合には臨時に監査を行い、迅速かつ適切な措置を講じ再発防止に努めています。さらに、医療関係者の皆さまに安心して当社製品をご使用いただけるように、原薬製造所の国名の情報開示や、原薬の安定的な調達のために原薬を複数の製造所から購入するマルチソース化にも積極的に取り組んでいます。
また、当社グループの製造部門を担う日本薬品工業では、日本ケミファの品質保証部門と相互に協力しながら情報を共有し、品質向上に向けた取り組みを協同して行うことで、随時、製造所から情報が共有され、医薬品の品質を適時的確に判断するための連携体制を十分に取っています。
同社の工場ではGMP(Good Manufacturing Practice 適正製造規範)3原則に従い、「人為的な誤りを最小限にすること」、「医薬品の汚染及び品質低下を防止すること」、「高い品質を保証するシステムを設計すること」を遵守した製造管理及び品質管理を行っており、一例として、コンピュータによる生産管理システムの導入、バーコードシステムによる原材料管理、すべての製品データを振り返るための年間照査、承認事項を遵守することの重要性に対する教育訓練の実施、不適事項が発生した場合に対するCAPA(Corrective Action, Preventive Action 是正処置及び予防処置)管理を含めた再発防止策の徹底などが挙げられます。また、いずれの製造所も規制当局による査察を定期的に受けており、適合の結果を得ています。
3) 生産体制
Nippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.(以下「NC-VN社」という)のベトナム工場が2018年11月に商業生産を開始して以降、製造量の多い、あるいはコストメリットの出しやすい品目を中心に国内工場から同工場への製造移管を進めており、将来的にはグループ製品の3割程度を生産できる体制とし、グループの製造能力拡大と生産コスト引き下げを実現していきます。また、国内製造拠点についてはその高い技術力を生かし、新製品や受託品の製造を担うマザー工場としての活用を拡大してまいります。
4) 開発
ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、市場競争の激化を踏まえ、他社競争優位性のある品目の開発や、国内外企業との共同開発にも積極的に取り組み、医療関係者、患者さんのニーズを反映した特長を有する製品や、付加価値のある製品の開発と市場への投入を目指してまいります。
また開発の組織体制については、製剤・分析における新たな技術への挑戦を行う「製剤技術開発部」と、海外企業との連携強化と共同開発を推進する「海外技術開発部」の二部制に組織再編し、開発ターゲット品目の確実な市場投入と、スピーディーに開発を推進する取り組みにチャレンジしています。
② アルカリ化療法剤
当社グループがウラリットで培ってきたアルカリ化療法剤については、さまざまな方面で展開が進んでいます。
まず、創薬ベンチャーであるDelta-Fly Pharma株式会社とライセンス契約を締結した抗がん剤DFP-17729は、がん細胞周辺の微小環境改善作用を有し、酸性に傾いているがん細胞周囲の微小環境をアルカリ化することによる難治性がんの画期的治療効果が期待されています。末期の膵臓がん患者を対象とするフェーズⅠ/Ⅱ試験を2020年11月にスタートし、その後、フェーズⅠ部分での安全性が確認されたことから、2021年4月には試験施設を追加したうえでフェーズⅡ部分へと移行いたしました。試験の対象となる膵臓がんは早期発見が難しく、特に末期では満足できる治療剤がない状況にあるため、一日も早い新薬の開発が期待されています。
また、当社グループが協力を行いながら東北大学で進められている、アルカリ化療法剤と慢性腎臓病(以下「CKD」という)との関連を解明する臨床研究「CKOARA Study」は、初期的なデータ解析を終えて手ごたえを得たことから、AIやリアルワールドデータ(以下「RWD」という)を活用し追加の解析を行っており、それらの成果につきましては近いうちに学会で発表が行われ、論文化されるものと見込んでいます。さらにこの研究で集められたデータを応用し、クエン酸塩の機能性表示食品としての開発を進めているところです。
③ 新薬開発
1) パイプライン
新薬の研究開発については、領域を絞り込み、その領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、得られた成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。この方針のもと、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という)の「CiCLE事業」に採用されている、オピオイドデルタ受容体作動薬「NC-2800」(抗うつ、抗不安薬)については、間もなくフェーズⅠ試験をスタートする予定であり、あわせて早期導出に向けた活動も進めていきます。
また、P2X4受容体拮抗薬「NC-2600」については、これまでの神経障害性疼痛に加え、慢性咳嗽などの適応症にフォーカスした導出活動を開始しており、ファーストインクラスの化合物としての可能性を深掘りしながら、早期の導出を目指します。
さらに、「NC-2500」(キサンチンオキシドレダクターゼ阻害薬)と「NC-2700」(URAT1阻害薬)についても、そのユニークな特性を国内外の企業へアピールしながら導出活動を行っており、共同開発なども含め、さまざまな可能性を検討しています。
2) 新技術を活用した新薬・臨床開発
当社グループは進歩が著しいAIなど新技術を活用した手法を導入することで、有望な創薬テーマの創出や開発プロセスの迅速化、業務の効率化などにつなげたいと考え、現在、デジタル技術に強みを持つベンチャー企業2社への出資や業務提携を行っています。
AI創薬ベンチャーである株式会社MOLCUREとは、創薬プロセスの初期段階における化合物の探索と最適化のプロセスを効率化することを目指しています。同社との協業により当社グループとして初めてAIを用いた創薬に着手し、新たな創薬プロセスを導入することができました。
デジタル医療を推進するサスメド株式会社とは、特定の開発候補テーマに関して、同社のAIシステムとRWDを用いた多面的な分析を行い、効率的な治験デザインを構築するチャレンジを行っています。加えて、2021年2月には同社のブロックチェーン技術を使った臨床試験の効率化について、具体的な検討を開始したことを発表しました。
④ Plus1 海外展開
1) 海外販売
2020年に中国で権威ある高血圧関連学会が定めたガイドラインにおいて、「カルバン錠」が標準的な治療製剤の選択肢として収載されたことを活用し、今後は主要都市での販促活動を本格化していきます。さらに同国での申請が受理され審査が始まっている品目や、現地でBE試験(biological equivalence study生物学的同等性試験)を予定している品目もあり、引き続き中国での実績を着実に積み上げてまいります。
一方、ベトナムではNC-VN社が同国で販売申請中の品目について、複数の現地卸より取り扱いの希望が寄せられており、現地販売チャネルの開拓を進めてまいります。
また、臨床検査薬事業においては、アレルギー市場の大きな中国でオリトンの承認品目の拡大が見込まれており、2021年度中に追加承認を経て、同地で本格的なプロモーションを開始したいと考えています。さらにドロップスクリーンについても海外での展開を具体的に検討していきます。
2) 開発
現在、日本向け製品の製造を行っているNC-VN社は、将来的には同社を足掛かりにベトナム国内や周辺国での販売を行うことも視野に入れています。また今後、海外で本格的に自社製品を販売するために、2019年4月に創設された当社「海外技術開発部」と協同し、ASEAN市場に向けた用量規格の製剤を開発しており、できるだけ早期に申請を行いたいと考えています。