有価証券報告書-第88期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指す
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、2015年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。
(3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境
医薬品業界につきましては、2019年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針2019)」に、前年度に引き続き当社の主要テーマである慢性腎臓病の予防に重点的に取り組むことが盛り込まれました。一方で、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、2021年度薬価改定の具体的な対象範囲などの課題について結論を得て、着実に改革を推進するとしています。
また、2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化されることが懸念されております。医薬品業界についても、患者さんの受診抑制などにより、2020年度第1四半期は前年同期間比5%前後の需要減少が見込まれるとの民間調査機関の試算もあるなど、厳しい状況が予想されます。当社グループにおいては、MRの病院への訪問が著しく制限されているなか、WEBやEメールを活用するなどして、医療機関の要望に沿う形で情報提供活動を展開し、その影響を最小限にすべく取り組んでいます。また、感染症拡大防止および予防のため、工場を除く従業員の勤務形態を原則在宅勤務とし、出張禁止やWEB会議の利用など様々な対応を行うことで、全ての医療関係者および従業員の安全を確保しつつ、ベトナム工場を含めた製造ラインの稼働を維持し医薬品の安定供給に支障が出ることが無いように努めております。
(4) 会社の対処すべき課題
① 販売
1) 国内販売
当社がジェネリック医薬品事業に本格的に進出して20年を迎えますが、近年ではオーソライズドジェネリックの台頭やそれに対抗するための競争激化に加え、価格帯集約化といった薬価の改定など、ジェネリック医薬品を取り巻く環境が大きく変化していることから、当社事業についても抜本的な改革が必要となっています。斯かる状況に対応するために、2021年3月期において、ジェネリック医薬品事業のグループ内サプライチェーンの効率化、経費・人件費の適正化に加え、ITを活用した販売体制をスピード感をもって構築し、今後、想定される将来環境の変化においても利益を上げられる事業構造への転換を図ってまいります。また、2020年6月発売予定品の情報提供活動については、当社製品の特長を一つでも多くの医療機関に対してお伝えするため、これまでよりも販売体制づくりを早め、各種の準備に万全を期して臨んでいきます。
主力品のウラリットについては、今後も腎臓内科、泌尿器科、代謝系内科などの専門医から得られた痛風・高尿酸血症における酸性尿の改善及びアシドーシスの酸塩基平衡改善の重要性を示すデータを活用しながら、医師・薬剤師などの医療関係者はもとより、患者さんへの有用な情報の発信を続け、痛風・高尿酸血症における尿アルカリ化療法の啓発、認知向上に努めてまいります。また、「骨太の方針2019」でも慢性腎臓病(以下、CKD)予防への取り組みが取り上げられる中、引き続き東北大学で進められている尿アルカリ化薬とCKDの関連を解明する臨床研究への協力を行うとともに、そのデータを活用し、他社とのアライアンスの中で早期に成果を臨床現場に届ける可能性を探っていくほか、さらに、この研究データにもとづくクエン酸塩の健康食品の開発など、新しい展開を検討してまいります。
ピコプレップ配合内用剤については、本剤の特長である患者受容性のメリットを訴求していくとともに、大口既採用先での回転率アップにフォーカスした活動に注力していきます。
さらに、製品ポートフォリオ強化の一環としてジェネリック医薬品事業とのシナジーを創出することを企図し、2020年5月、マイランEPD合同会社との間でマクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド®」3製品の日本における販売移管、商標権使用許諾及び製造販売承認の承継に関する基本契約を締結いたしました。当製品については、2020年7月1日付で販売移管し、以後は当社が同製品の販売及び情報提供・収集活動を行います。その後、厚生労働省などへの必要な全ての手続きを経て製造販売承認を承継する予定です。
2) 海外販売
海外においては、ASEAN、中国などで申請中の品目について早期に承認を得るとともに、申請準備段階にある品目についてもなるべく早く申請手続きに入り、品目数の拡大を図ってまいります。同時に、各地域における信頼できるパートナーの発掘にも尽力し、展開エリアを拡大していきます。
② 研究開発
新薬の研究開発については、領域を絞り込み、その領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、得られた成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。この方針のもと、現在のパイプラインである、NC-2500(キサンチンオキシドレダクターゼ阻害薬)、NC-2600(P2X4受容体拮抗薬)、NC-2700(URAT1阻害薬)のユニークな特性などを国内外の企業へアピールし、導出交渉を進めていきます。特にNC-2600については、神経障害性疼痛に限らず、その他の具体的な適応症の可能性についても探索するなど、ファースト・イン・クラスとしての可能性を深掘りしながら、さらなる導出機会を創出し化合物の価値を高めていきます。また、NC-2800(オピオイドδ受容体作動薬)については、AMEDの支援のもとで2021年のフェーズⅠ試験開始を目指し準備を進めつつ、早期導出を実現してまいります。加えて、AI創薬ベンチャーMOLCUREとの共同研究により、最新の創薬技術導入にチャレンジするとともに、2020年3月に当社と締結したライセンス契約に基づき、当社と創薬ベンチャーDelta-Fly Pharmaによる抗がん剤新薬の開発もスタートし、将来のパイプライン充実に向けた基盤づくりが進んでまいります。
ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、収益性を重視した戦略への転換を進めており、他社競争優位性のある品目の開発や、国内外企業との共同開発にも積極的に取り組み、特長のある製品の品揃えに努めてまいります。また、海外で本格的に自社製品を販売するために、2019年4月にGE開発部の業務を分割し「海外技術開発部」を創設いたしました。現在は開発品目を選定し、数年後の海外先行発売を目指して準備を進めているところです。さらに、原薬のコスト低減などサプライチェーン全体のコスト見直しにも取り組んでいきます。
③ 臨床検査薬事業
2020年2月に販売を開始したドロップスクリーンについては、販売パートナー企業とともに「アレルギースクリーニング検査の院内測定」の啓発、普及を促進していきます。また、その製品特長を活かし欧州やアジアでの展開を早期に実現していきたいと考えています。
アレルギー検査薬「オリトン」については、中国での展開のための準備を進めてまいりましたが、アレルゲン試薬の承認品目数が一定程度揃う目途がついたことから、来年度から現地パートナーと共同で中国マーケットにおいて市場を形成することを目指していきます。
④ 生産体制
NC-VN社ベトナム工場への製造移管を進め、同工場の稼働が通常操業の状態に近づくと、製造コストが国内での製造と比較して2割から3割程度低減できることが見込まれ、当社グループの製造能力は年間14億錠から段階的に20億錠へ拡大します。今後もコストメリットが見込める品目を中心に国内工場から移管を進め、グループ全体で製造コストの削減に取り組んでまいります。さらに、将来的には同工場を現地での開発やASEAN諸国への販売拡大の足掛かりとすることも目指しており、当社グループが海外での事業展開を拡大していくためにも、ベトナム工場の価値を最大限に引き上げていきたいと考えています。
⑤ 品質保証
製造品目数や生産能力の拡大に伴い、原薬を含めた取扱製剤に対する品質管理の重要性が増しております。今後も日本薬品工業と連携のうえ、国内外の製剤及び原薬製造所への査察を強化し、自社製販品のみならず、導入品も含めた品質の確保に努めてまいります。
⑥ 労働環境
当社は、ダイバーシティ推進を重要な経営課題の一つと位置づけており、性別、年齢、国籍、障がいの有無、キャリアや働き方に対する価値観などが異なる多様な人材が、その個性や能力を十分に発揮することにより、会社がより大きく成長していくことができると考えています。これまで、「ノー残業デーの設定」や「20時以降の時間外労働の原則禁止と朝残業の推奨」など、長時間労働防止への取り組みを進めてまいりましたが、近年では「有給休暇の事前登録制度の導入」や「男性の育児休業取得を義務化」などを実施し、より一層のワークライフバランス向上を図ることで、社員と会社の健全な発展を目指しています。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指す
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、2015年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。
(3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境
医薬品業界につきましては、2019年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針2019)」に、前年度に引き続き当社の主要テーマである慢性腎臓病の予防に重点的に取り組むことが盛り込まれました。一方で、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、2021年度薬価改定の具体的な対象範囲などの課題について結論を得て、着実に改革を推進するとしています。
また、2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化されることが懸念されております。医薬品業界についても、患者さんの受診抑制などにより、2020年度第1四半期は前年同期間比5%前後の需要減少が見込まれるとの民間調査機関の試算もあるなど、厳しい状況が予想されます。当社グループにおいては、MRの病院への訪問が著しく制限されているなか、WEBやEメールを活用するなどして、医療機関の要望に沿う形で情報提供活動を展開し、その影響を最小限にすべく取り組んでいます。また、感染症拡大防止および予防のため、工場を除く従業員の勤務形態を原則在宅勤務とし、出張禁止やWEB会議の利用など様々な対応を行うことで、全ての医療関係者および従業員の安全を確保しつつ、ベトナム工場を含めた製造ラインの稼働を維持し医薬品の安定供給に支障が出ることが無いように努めております。
(4) 会社の対処すべき課題
① 販売
1) 国内販売
当社がジェネリック医薬品事業に本格的に進出して20年を迎えますが、近年ではオーソライズドジェネリックの台頭やそれに対抗するための競争激化に加え、価格帯集約化といった薬価の改定など、ジェネリック医薬品を取り巻く環境が大きく変化していることから、当社事業についても抜本的な改革が必要となっています。斯かる状況に対応するために、2021年3月期において、ジェネリック医薬品事業のグループ内サプライチェーンの効率化、経費・人件費の適正化に加え、ITを活用した販売体制をスピード感をもって構築し、今後、想定される将来環境の変化においても利益を上げられる事業構造への転換を図ってまいります。また、2020年6月発売予定品の情報提供活動については、当社製品の特長を一つでも多くの医療機関に対してお伝えするため、これまでよりも販売体制づくりを早め、各種の準備に万全を期して臨んでいきます。
主力品のウラリットについては、今後も腎臓内科、泌尿器科、代謝系内科などの専門医から得られた痛風・高尿酸血症における酸性尿の改善及びアシドーシスの酸塩基平衡改善の重要性を示すデータを活用しながら、医師・薬剤師などの医療関係者はもとより、患者さんへの有用な情報の発信を続け、痛風・高尿酸血症における尿アルカリ化療法の啓発、認知向上に努めてまいります。また、「骨太の方針2019」でも慢性腎臓病(以下、CKD)予防への取り組みが取り上げられる中、引き続き東北大学で進められている尿アルカリ化薬とCKDの関連を解明する臨床研究への協力を行うとともに、そのデータを活用し、他社とのアライアンスの中で早期に成果を臨床現場に届ける可能性を探っていくほか、さらに、この研究データにもとづくクエン酸塩の健康食品の開発など、新しい展開を検討してまいります。
ピコプレップ配合内用剤については、本剤の特長である患者受容性のメリットを訴求していくとともに、大口既採用先での回転率アップにフォーカスした活動に注力していきます。
さらに、製品ポートフォリオ強化の一環としてジェネリック医薬品事業とのシナジーを創出することを企図し、2020年5月、マイランEPD合同会社との間でマクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド®」3製品の日本における販売移管、商標権使用許諾及び製造販売承認の承継に関する基本契約を締結いたしました。当製品については、2020年7月1日付で販売移管し、以後は当社が同製品の販売及び情報提供・収集活動を行います。その後、厚生労働省などへの必要な全ての手続きを経て製造販売承認を承継する予定です。
2) 海外販売
海外においては、ASEAN、中国などで申請中の品目について早期に承認を得るとともに、申請準備段階にある品目についてもなるべく早く申請手続きに入り、品目数の拡大を図ってまいります。同時に、各地域における信頼できるパートナーの発掘にも尽力し、展開エリアを拡大していきます。
② 研究開発
新薬の研究開発については、領域を絞り込み、その領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、得られた成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。この方針のもと、現在のパイプラインである、NC-2500(キサンチンオキシドレダクターゼ阻害薬)、NC-2600(P2X4受容体拮抗薬)、NC-2700(URAT1阻害薬)のユニークな特性などを国内外の企業へアピールし、導出交渉を進めていきます。特にNC-2600については、神経障害性疼痛に限らず、その他の具体的な適応症の可能性についても探索するなど、ファースト・イン・クラスとしての可能性を深掘りしながら、さらなる導出機会を創出し化合物の価値を高めていきます。また、NC-2800(オピオイドδ受容体作動薬)については、AMEDの支援のもとで2021年のフェーズⅠ試験開始を目指し準備を進めつつ、早期導出を実現してまいります。加えて、AI創薬ベンチャーMOLCUREとの共同研究により、最新の創薬技術導入にチャレンジするとともに、2020年3月に当社と締結したライセンス契約に基づき、当社と創薬ベンチャーDelta-Fly Pharmaによる抗がん剤新薬の開発もスタートし、将来のパイプライン充実に向けた基盤づくりが進んでまいります。
ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、収益性を重視した戦略への転換を進めており、他社競争優位性のある品目の開発や、国内外企業との共同開発にも積極的に取り組み、特長のある製品の品揃えに努めてまいります。また、海外で本格的に自社製品を販売するために、2019年4月にGE開発部の業務を分割し「海外技術開発部」を創設いたしました。現在は開発品目を選定し、数年後の海外先行発売を目指して準備を進めているところです。さらに、原薬のコスト低減などサプライチェーン全体のコスト見直しにも取り組んでいきます。
③ 臨床検査薬事業
2020年2月に販売を開始したドロップスクリーンについては、販売パートナー企業とともに「アレルギースクリーニング検査の院内測定」の啓発、普及を促進していきます。また、その製品特長を活かし欧州やアジアでの展開を早期に実現していきたいと考えています。
アレルギー検査薬「オリトン」については、中国での展開のための準備を進めてまいりましたが、アレルゲン試薬の承認品目数が一定程度揃う目途がついたことから、来年度から現地パートナーと共同で中国マーケットにおいて市場を形成することを目指していきます。
④ 生産体制
NC-VN社ベトナム工場への製造移管を進め、同工場の稼働が通常操業の状態に近づくと、製造コストが国内での製造と比較して2割から3割程度低減できることが見込まれ、当社グループの製造能力は年間14億錠から段階的に20億錠へ拡大します。今後もコストメリットが見込める品目を中心に国内工場から移管を進め、グループ全体で製造コストの削減に取り組んでまいります。さらに、将来的には同工場を現地での開発やASEAN諸国への販売拡大の足掛かりとすることも目指しており、当社グループが海外での事業展開を拡大していくためにも、ベトナム工場の価値を最大限に引き上げていきたいと考えています。
⑤ 品質保証
製造品目数や生産能力の拡大に伴い、原薬を含めた取扱製剤に対する品質管理の重要性が増しております。今後も日本薬品工業と連携のうえ、国内外の製剤及び原薬製造所への査察を強化し、自社製販品のみならず、導入品も含めた品質の確保に努めてまいります。
⑥ 労働環境
当社は、ダイバーシティ推進を重要な経営課題の一つと位置づけており、性別、年齢、国籍、障がいの有無、キャリアや働き方に対する価値観などが異なる多様な人材が、その個性や能力を十分に発揮することにより、会社がより大きく成長していくことができると考えています。これまで、「ノー残業デーの設定」や「20時以降の時間外労働の原則禁止と朝残業の推奨」など、長時間労働防止への取り組みを進めてまいりましたが、近年では「有給休暇の事前登録制度の導入」や「男性の育児休業取得を義務化」などを実施し、より一層のワークライフバランス向上を図ることで、社員と会社の健全な発展を目指しています。