有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
4.重要な会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要な会計方針は以下のとおりであり、当連結財務諸表に記載しているすべての期間に一貫して適用されております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが、企業への関与による変動リターンに晒されている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しております。当社グループは子会社に対する支配を獲得する日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
なお、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
② 関連会社
関連会社とは、当該企業の経営方針に対して、当社グループが重要な影響力を有するが、当社グループにより支配されていない企業です。すべての関連会社に対して、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用しております。
関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表に調整を加えております。
(2)企業結合
当社グループは、取得法により企業結合の会計処理をしております。取得法に基づき、取得日の公正価値で測定された支払対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計を取得原価としております。
非支配持分は、被取得企業の識別可能資産及び負債の公正価値に対する持分割合相当額で測定しております。仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の企業結合に関連して発生した取得関連コストは、発生時に費用として処理しております。
企業結合の当初の会計処理が企業結合が生じた決算日までに完了していない場合、当該完了していない項目については最善の見積りに基づく暫定的な金額で測定しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして認識しております。
一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、生じた利得を純損益として認識しております。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として処理し、当該取引からのれんは認識しておりません。
(3)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。当社グループの在外営業活動体においては、主として現地通貨を機能通貨としておりますが、その企業の活動する経済環境が主に現地通貨以外である場合には、現地通貨以外を機能通貨としております。
② 外貨建取引
外貨建取引、すなわち各企業の機能通貨以外の通貨での取引は、取引日における為替レート又は為替レートが著しく変動していない場合には平均レートにより、機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにより機能通貨に換算し、換算差額は、原則として、純損益として認識しております。
③ 在外営業活動体
日本円以外を機能通貨としている在外営業活動体については、資産及び負債(取得により生じたのれんと公正価値の修正を含む)は期末日の為替レート、収益及び費用は、為替レートが著しく変動していない場合には、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素に含めて計上しております。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資から構成されております。
(5)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。取得原価は総平均法に基づいて算定しております。正味実現可能価額は、棚卸資産の見積販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した金額です。当社が製造した棚卸資産及び仕掛品については、通常操業度に基づく製造間接費の適切な配賦額を含めています。
(6)有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産は、測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しております。取得原価には、資産の取得に直接要したコスト、資産除去及び原状回復コストの見積金額の現在価値を含めております。また、一定の要件を満たした場合、資産の取得や建設などに直接起因した借入コストを当該資産の取得原価の一部として認識しております。
減価償却費は、資産の残存価額控除後の取得原価を償却するために、定額法により見積耐用年数にわたって認識しております。見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、報告期間の末日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・建物及び構築物 10-50年
・機械装置及び運搬具 5-25年
・工具、器具及び備品 3-10年
(7)無形資産
① 研究開発費
研究関連支出については、発生時に費用認識しております。開発関連支出については、信頼性をもって測定することができ、かつ製品又は工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しております。それ以外の支出は発生時に費用認識しております。
② のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。
のれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施しております。減損については「(8)非金融資産の減損」に記載しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。
③ 企業結合で取得した無形資産
企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
当初認識後、企業結合で取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しており、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・技術資産 5年
④ 個別に取得した無形資産
個別に取得した無形資産には、ソフトウェア等が含まれております。個別に取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しており、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・ソフトウェア 5年
(8)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産は、事象あるいは状況の変化により、その帳簿価額が回収できない可能性を示す兆候を各報告期間の末日に評価し、兆候がある場合に減損の有無について検討しております。
資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する金額については減損損失を認識しております。
回収可能価額とは、資産の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額であります。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損を検討するための資産は、他の資産からのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する個別資産又は最小の資産グループ(資金生成単位)にグループ分けされます。
のれんは、減損の兆候がある場合、または、減損の兆候がない場合は毎期同じ時期に減損テストを実施し、取得原価から減損損失累計額を控除した額が帳簿価額となります。
のれんを除く過去に減損を認識した有形固定資産及び無形資産については、各報告期間の末日において減損が戻入れとなる可能性について評価を行っております。
(9)金融商品
① 金融資産
(a)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融資産を認識しております。ただし、通常の方法で売買される金融資産は取引日に認識しております。金融資産は事後に償却原価で測定される金融資産又は公正価値で測定される金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は公正価値で当初測定しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産及び償却原価で測定される金融資産は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初測定しております。なお、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
1)償却原価で測定される金融資産
契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されること、また契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じるという要件がともに満たされる場合にのみ、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
2)公正価値で測定される金融資産
上記の2つの条件のいずれかが満たされない場合は、公正価値で測定される金融資産に分類されます。
その内、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じ、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産として分類しております。
また当社グループは、一部の資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に分類しております。
なお上記以外のデリバティブ資産等の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
(b)事後測定
金融資産は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
1)償却原価で測定される金融資産
実効金利法による償却原価に基づき測定しております。
2)公正価値で測定される金融資産
公正価値で測定しております。
公正価値の変動額は、金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定された資本性金融商品から生じる受取配当金については純損益で認識し、公正価値が著しく下落した場合又は処分を行った場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えております。
(c)認識の中止
金融資産は、投資からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が消滅したとき又は当該投資のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転し、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転したときに認識を中止します。
② 金融負債
(a)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融負債を認識しております。金融負債は、公正価値から取得に直接起因する取引コストを減額した金額で当初測定しております。
(b)事後測定
1)償却原価で測定される金融負債
実効金利法による償却原価に基づき測定しております。
2)純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の損益として認識しております。
(c)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が免責、取消し又は失効した場合に認識を中止しております。
③ 金融商品の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済するか、資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有する場合にのみ相殺しております。
(10)金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産について期末日に予想信用損失を見積っております。
当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヵ月の予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権については、常に全期間の予想信用損失で損失評価引当金を測定しております。当初認識時点から信用リスクの著しい増加があった場合には、全期間にわたる予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるか否かの判断にあたっては、主に期日経過の情報を考慮し、以下も考慮しております。
・金融資産の外部信用格付
・内部信用格付
・借手の経営成績
・借手の親会社等からの金融支援
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値をそれぞれの債務不履行発生リスクでウェイト付けした加重平均で測定しております。いずれの金融資産においても、履行強制活動を行ってもなお返済期日を大幅に経過している場合、債務者が破産、会社更生、民事再生、特別清算といった法的手続きを申し立てる場合など、債務不履行(デフォルト)と判断される場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。なお、当社グループは、償却原価で測定する金融資産に対する損失評価引当金は、資産の帳簿価額の総額から控除し、損失は純損益で認識します。また、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、当該金額を金融資産の帳簿価額から直接償却しております。
(11)デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブはデリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識を行い、当初認識後は期末日ごとに公正価値で再測定を行っております。再測定の結果生じる利得又は損失の認識方法は、デリバティブがヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質によって決まります。
当社グループは、一部のデリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産もしくは負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引のヘッジ)のヘッジ手段として指定を行っており、一部の外貨建借入金について在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定を行っております。
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係並びにこれらのヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。また、当社グループはヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかどうかについての評価も文書化しております。
ヘッジの有効性は継続的に評価しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと、並びにヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることのすべてを満たす場合に有効と判定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正価値の変動のうち有効部分は、その他の包括利益で認識しております。非有効部分に関する利得又は損失は、直ちに純損益として認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フローが純損益に影響を与える期に純損益に振り替えております。
ヘッジ手段の失効又は売却等によりヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計の適用を中止しております。ヘッジされた将来キャッシュ・フローがまだ発生すると見込まれる場合は、その他の包括利益に認識されている利得又は損失の累計額を引き続きその他の資本の構成要素として認識しております。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合等は、その他の包括利益に認識していた利得又は損失の累計額を直ちに純損益に振り替えております。
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有する一部の外貨建借入金は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の包括利益として認識しております。ヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の包括利益として認識した利得または損失の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振替えております。
(12)リース
当社グループは、契約の開始時に、特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。但し、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、短期リース又は少額資産のリースを除き、開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しております。短期リース及び少額資産のリースに係るリース料はリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
使用権資産の取得価額は、リース負債の当初測定額に、当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、リース期間にわたり、定額法で減価償却を行っており、連結財政状態計算書上、有形固定資産に含めて表示しております。リース負債は、支払われていないリース料をリースの計算利子率または計算利子率を容易に算定できない場合は、追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。一般的に当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。リース料は、実効金利法に基づき金融費用とリース負債の返済額とに配分しております。金融費用は連結損益計算書で認識しております。
(13)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
② 長期従業員給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として、確定拠出制度と確定給付型制度を採用しております。
確定給付型制度に関連して認識される負債(資産)は、報告期間の末日現在の確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額となっております。確定給付債務は、独立した数理人が予測単位積増方式を用いて毎期算定しております。計算の結果、当社グループに資産が生じる可能性がある場合、制度からの将来の現金の返還又は制度への将来掛金の減額の形で享受可能な経済的便益の現在価値を限度として資産を認識しております。経済的便益の現在価値の算定に際しては、該当する最低積立要件を考慮しております。確定給付債務の現在価値は、債務の支払見込期間に満期が近似しており、かつ給付が支払われる通貨建の優良社債の利率を用いて、見積将来キャッシュ・アウトフローを割り引くことで算定しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定による増減は、発生した期間に、その他の包括利益に計上した上で即時に利益剰余金に振り替えております。
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に、費用として認識しております。
③ 解雇給付
当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、または従業員が給与と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループは、(a)当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または、(b)当社グループが、解雇給付の支払を伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。
(14)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。
売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
(15)引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の振り戻しは金融費用として認識しております。
(16)株式資本
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を「資本金」及び「資本剰余金」に計上し、直接発行コスト(税効果考慮後)は「資本剰余金」から控除しております。
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。ストックオプション行使に伴う自己株式の処分を含め、自己株式を売却した場合は、処分差損益を「資本剰余金」として認識しております。普通株式は資本に分類しております。
(17)株式報酬制度
① ストックオプション制度
当社グループは、2017年6月まで資本性金融商品(オプション)を対価として、取締役、執行役員及び従業員からサービスを受け取る、持分決済型の株式報酬制度を運用しております。
当該制度の下で付与されるオプションの付与日における公正価値は、その権利確定期間にわたって費用認識し、同額を資本の増加として記載しております。当制度は2017年6月で廃止(ただし、取締役等に対しすでに付与した株式報酬型ストックオプションとしての新株予約権のうち未行使のものは今後も存続)しております。
② 譲渡制限付株式報酬制度
当社は、業績連動型報酬制度として、当社の取締役等に対して譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、当該制度に基づいて持分決済型の株式制度の会計処理を適用しております。
株式報酬の公正価値は、付与日における普通株式の公正価値を用いて算定しております。公正価値は権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(18)収益認識
IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップを適用することにより収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
顧客に対する製商品の販売契約については、顧客への製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。また、役務の提供については、当社グループが顧客との契約における履行義務の充足に従い、主に一定期間にわたり収益を認識しております。
(19)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合に認識されます。政府補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストが費用として認識される期間にわたって、規則的に純損益として認識されます。
資産の取得に対する補助金は、当該資産の帳簿価額を算定する際に直接減額しております。補助金は、減価償却費の減少として、当該償却資産の耐用年数にわたって純損益に認識されます。
(20)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定し、当該配当に関連した経済的便益が流入する可能性が高く、金額が信頼性をもって測定できる時に認識しております。
金融費用は、支払利息等から構成されております。意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(21)法人所得税
法人所得税は当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益で認識される項目あるいは資本に直接認識される項目に関係する場合を除いて、純損益で認識しております。
① 当期税金
当社グループは、当期の課税所得に基づき当期税金を認識しております。税額の算定には報告期間の末日において制定され、又は実質的に制定されている税率を用いております。未収法人所得税及び未払法人所得税は、税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定しております。
② 繰延税金
当社グループは、税務上と会計上の資産及び負債の金額に係る一時差異に対して、資産負債法により繰延税金を認識しております。原則として、繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金等が利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。ただし、次の一時差異に係る繰延税金資産及び負債は認識していません。
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
・会計上の純損益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引(企業結合を除く)における資産又は負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に解消しない可能性が高い一時差異
また、子会社及び関連会社への投資に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産は、予測可能な将来の期間に当該一時差異が解消し、かつ、当該一時差異からの便益を利用できる十分な課税所得が生じる可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに施行又は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される税率を使用しております。
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産及び負債が、同じ納税企業体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している同一又は異なる納税企業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合には、繰延税金資産及び負債は相殺しております。
(22)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、普通株主に帰属する当期利益を、当期間中の発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要な会計方針は以下のとおりであり、当連結財務諸表に記載しているすべての期間に一貫して適用されております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが、企業への関与による変動リターンに晒されている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しております。当社グループは子会社に対する支配を獲得する日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
なお、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
② 関連会社
関連会社とは、当該企業の経営方針に対して、当社グループが重要な影響力を有するが、当社グループにより支配されていない企業です。すべての関連会社に対して、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用しております。
関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しております。
共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該共同支配企業の財務諸表に調整を加えております。
(2)企業結合
当社グループは、取得法により企業結合の会計処理をしております。取得法に基づき、取得日の公正価値で測定された支払対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計を取得原価としております。
非支配持分は、被取得企業の識別可能資産及び負債の公正価値に対する持分割合相当額で測定しております。仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の企業結合に関連して発生した取得関連コストは、発生時に費用として処理しております。
企業結合の当初の会計処理が企業結合が生じた決算日までに完了していない場合、当該完了していない項目については最善の見積りに基づく暫定的な金額で測定しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして認識しております。
一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、生じた利得を純損益として認識しております。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として処理し、当該取引からのれんは認識しておりません。
(3)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。当社グループの在外営業活動体においては、主として現地通貨を機能通貨としておりますが、その企業の活動する経済環境が主に現地通貨以外である場合には、現地通貨以外を機能通貨としております。
② 外貨建取引
外貨建取引、すなわち各企業の機能通貨以外の通貨での取引は、取引日における為替レート又は為替レートが著しく変動していない場合には平均レートにより、機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにより機能通貨に換算し、換算差額は、原則として、純損益として認識しております。
③ 在外営業活動体
日本円以外を機能通貨としている在外営業活動体については、資産及び負債(取得により生じたのれんと公正価値の修正を含む)は期末日の為替レート、収益及び費用は、為替レートが著しく変動していない場合には、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素に含めて計上しております。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資から構成されております。
(5)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。取得原価は総平均法に基づいて算定しております。正味実現可能価額は、棚卸資産の見積販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した金額です。当社が製造した棚卸資産及び仕掛品については、通常操業度に基づく製造間接費の適切な配賦額を含めています。
(6)有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産は、測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しております。取得原価には、資産の取得に直接要したコスト、資産除去及び原状回復コストの見積金額の現在価値を含めております。また、一定の要件を満たした場合、資産の取得や建設などに直接起因した借入コストを当該資産の取得原価の一部として認識しております。
減価償却費は、資産の残存価額控除後の取得原価を償却するために、定額法により見積耐用年数にわたって認識しております。見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、報告期間の末日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・建物及び構築物 10-50年
・機械装置及び運搬具 5-25年
・工具、器具及び備品 3-10年
(7)無形資産
① 研究開発費
研究関連支出については、発生時に費用認識しております。開発関連支出については、信頼性をもって測定することができ、かつ製品又は工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しております。それ以外の支出は発生時に費用認識しております。
② のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。
のれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施しております。減損については「(8)非金融資産の減損」に記載しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。
③ 企業結合で取得した無形資産
企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
当初認識後、企業結合で取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しており、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・技術資産 5年
④ 個別に取得した無形資産
個別に取得した無形資産には、ソフトウェア等が含まれております。個別に取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しており、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・ソフトウェア 5年
(8)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産は、事象あるいは状況の変化により、その帳簿価額が回収できない可能性を示す兆候を各報告期間の末日に評価し、兆候がある場合に減損の有無について検討しております。
資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する金額については減損損失を認識しております。
回収可能価額とは、資産の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額であります。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損を検討するための資産は、他の資産からのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する個別資産又は最小の資産グループ(資金生成単位)にグループ分けされます。
のれんは、減損の兆候がある場合、または、減損の兆候がない場合は毎期同じ時期に減損テストを実施し、取得原価から減損損失累計額を控除した額が帳簿価額となります。
のれんを除く過去に減損を認識した有形固定資産及び無形資産については、各報告期間の末日において減損が戻入れとなる可能性について評価を行っております。
(9)金融商品
① 金融資産
(a)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融資産を認識しております。ただし、通常の方法で売買される金融資産は取引日に認識しております。金融資産は事後に償却原価で測定される金融資産又は公正価値で測定される金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は公正価値で当初測定しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産及び償却原価で測定される金融資産は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初測定しております。なお、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
1)償却原価で測定される金融資産
契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されること、また契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じるという要件がともに満たされる場合にのみ、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
2)公正価値で測定される金融資産
上記の2つの条件のいずれかが満たされない場合は、公正価値で測定される金融資産に分類されます。
その内、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じ、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産として分類しております。
また当社グループは、一部の資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に分類しております。
なお上記以外のデリバティブ資産等の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
(b)事後測定
金融資産は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
1)償却原価で測定される金融資産
実効金利法による償却原価に基づき測定しております。
2)公正価値で測定される金融資産
公正価値で測定しております。
公正価値の変動額は、金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定された資本性金融商品から生じる受取配当金については純損益で認識し、公正価値が著しく下落した場合又は処分を行った場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えております。
(c)認識の中止
金融資産は、投資からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が消滅したとき又は当該投資のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転し、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転したときに認識を中止します。
② 金融負債
(a)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融負債を認識しております。金融負債は、公正価値から取得に直接起因する取引コストを減額した金額で当初測定しております。
(b)事後測定
1)償却原価で測定される金融負債
実効金利法による償却原価に基づき測定しております。
2)純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の損益として認識しております。
(c)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が免責、取消し又は失効した場合に認識を中止しております。
③ 金融商品の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済するか、資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有する場合にのみ相殺しております。
(10)金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産について期末日に予想信用損失を見積っております。
当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヵ月の予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権については、常に全期間の予想信用損失で損失評価引当金を測定しております。当初認識時点から信用リスクの著しい増加があった場合には、全期間にわたる予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるか否かの判断にあたっては、主に期日経過の情報を考慮し、以下も考慮しております。
・金融資産の外部信用格付
・内部信用格付
・借手の経営成績
・借手の親会社等からの金融支援
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値をそれぞれの債務不履行発生リスクでウェイト付けした加重平均で測定しております。いずれの金融資産においても、履行強制活動を行ってもなお返済期日を大幅に経過している場合、債務者が破産、会社更生、民事再生、特別清算といった法的手続きを申し立てる場合など、債務不履行(デフォルト)と判断される場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。なお、当社グループは、償却原価で測定する金融資産に対する損失評価引当金は、資産の帳簿価額の総額から控除し、損失は純損益で認識します。また、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、当該金額を金融資産の帳簿価額から直接償却しております。
(11)デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブはデリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識を行い、当初認識後は期末日ごとに公正価値で再測定を行っております。再測定の結果生じる利得又は損失の認識方法は、デリバティブがヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質によって決まります。
当社グループは、一部のデリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産もしくは負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引のヘッジ)のヘッジ手段として指定を行っており、一部の外貨建借入金について在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定を行っております。
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係並びにこれらのヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。また、当社グループはヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかどうかについての評価も文書化しております。
ヘッジの有効性は継続的に評価しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと、並びにヘッジ関係のヘッジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることのすべてを満たす場合に有効と判定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正価値の変動のうち有効部分は、その他の包括利益で認識しております。非有効部分に関する利得又は損失は、直ちに純損益として認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フローが純損益に影響を与える期に純損益に振り替えております。
ヘッジ手段の失効又は売却等によりヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計の適用を中止しております。ヘッジされた将来キャッシュ・フローがまだ発生すると見込まれる場合は、その他の包括利益に認識されている利得又は損失の累計額を引き続きその他の資本の構成要素として認識しております。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合等は、その他の包括利益に認識していた利得又は損失の累計額を直ちに純損益に振り替えております。
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有する一部の外貨建借入金は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の包括利益として認識しております。ヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の包括利益として認識した利得または損失の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振替えております。
(12)リース
当社グループは、契約の開始時に、特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。但し、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、短期リース又は少額資産のリースを除き、開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しております。短期リース及び少額資産のリースに係るリース料はリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
使用権資産の取得価額は、リース負債の当初測定額に、当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、リース期間にわたり、定額法で減価償却を行っており、連結財政状態計算書上、有形固定資産に含めて表示しております。リース負債は、支払われていないリース料をリースの計算利子率または計算利子率を容易に算定できない場合は、追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。一般的に当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。リース料は、実効金利法に基づき金融費用とリース負債の返済額とに配分しております。金融費用は連結損益計算書で認識しております。
(13)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
② 長期従業員給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として、確定拠出制度と確定給付型制度を採用しております。
確定給付型制度に関連して認識される負債(資産)は、報告期間の末日現在の確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額となっております。確定給付債務は、独立した数理人が予測単位積増方式を用いて毎期算定しております。計算の結果、当社グループに資産が生じる可能性がある場合、制度からの将来の現金の返還又は制度への将来掛金の減額の形で享受可能な経済的便益の現在価値を限度として資産を認識しております。経済的便益の現在価値の算定に際しては、該当する最低積立要件を考慮しております。確定給付債務の現在価値は、債務の支払見込期間に満期が近似しており、かつ給付が支払われる通貨建の優良社債の利率を用いて、見積将来キャッシュ・アウトフローを割り引くことで算定しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定による増減は、発生した期間に、その他の包括利益に計上した上で即時に利益剰余金に振り替えております。
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に、費用として認識しております。
③ 解雇給付
当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、または従業員が給与と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループは、(a)当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または、(b)当社グループが、解雇給付の支払を伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。
(14)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。
売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
(15)引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の振り戻しは金融費用として認識しております。
(16)株式資本
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を「資本金」及び「資本剰余金」に計上し、直接発行コスト(税効果考慮後)は「資本剰余金」から控除しております。
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。ストックオプション行使に伴う自己株式の処分を含め、自己株式を売却した場合は、処分差損益を「資本剰余金」として認識しております。普通株式は資本に分類しております。
(17)株式報酬制度
① ストックオプション制度
当社グループは、2017年6月まで資本性金融商品(オプション)を対価として、取締役、執行役員及び従業員からサービスを受け取る、持分決済型の株式報酬制度を運用しております。
当該制度の下で付与されるオプションの付与日における公正価値は、その権利確定期間にわたって費用認識し、同額を資本の増加として記載しております。当制度は2017年6月で廃止(ただし、取締役等に対しすでに付与した株式報酬型ストックオプションとしての新株予約権のうち未行使のものは今後も存続)しております。
② 譲渡制限付株式報酬制度
当社は、業績連動型報酬制度として、当社の取締役等に対して譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、当該制度に基づいて持分決済型の株式制度の会計処理を適用しております。
株式報酬の公正価値は、付与日における普通株式の公正価値を用いて算定しております。公正価値は権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
(18)収益認識
IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップを適用することにより収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
顧客に対する製商品の販売契約については、顧客への製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。また、役務の提供については、当社グループが顧客との契約における履行義務の充足に従い、主に一定期間にわたり収益を認識しております。
(19)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合に認識されます。政府補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストが費用として認識される期間にわたって、規則的に純損益として認識されます。
資産の取得に対する補助金は、当該資産の帳簿価額を算定する際に直接減額しております。補助金は、減価償却費の減少として、当該償却資産の耐用年数にわたって純損益に認識されます。
(20)金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定し、当該配当に関連した経済的便益が流入する可能性が高く、金額が信頼性をもって測定できる時に認識しております。
金融費用は、支払利息等から構成されております。意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(21)法人所得税
法人所得税は当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益で認識される項目あるいは資本に直接認識される項目に関係する場合を除いて、純損益で認識しております。
① 当期税金
当社グループは、当期の課税所得に基づき当期税金を認識しております。税額の算定には報告期間の末日において制定され、又は実質的に制定されている税率を用いております。未収法人所得税及び未払法人所得税は、税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定しております。
② 繰延税金
当社グループは、税務上と会計上の資産及び負債の金額に係る一時差異に対して、資産負債法により繰延税金を認識しております。原則として、繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金等が利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。ただし、次の一時差異に係る繰延税金資産及び負債は認識していません。
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
・会計上の純損益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引(企業結合を除く)における資産又は負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に解消しない可能性が高い一時差異
また、子会社及び関連会社への投資に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産は、予測可能な将来の期間に当該一時差異が解消し、かつ、当該一時差異からの便益を利用できる十分な課税所得が生じる可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに施行又は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される税率を使用しております。
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産及び負債が、同じ納税企業体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している同一又は異なる納税企業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合には、繰延税金資産及び負債は相殺しております。
(22)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、普通株主に帰属する当期利益を、当期間中の発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。