有価証券報告書-第157期(2022/04/01-2023/03/31)
4. 重要な会計方針
本連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下の通りです。当社グループは、これらの会計方針について、本連結財務諸表に記載されている全ての期間において同一の会計方針として適用しています。
連結の基礎
(i) 子会社
子会社とは、当社グループがその会社の財務及び営業の方針を支配する力を有する全ての事業体のことであり、一般的には、その会社の議決権の過半数を保有する当該会社です。当社グループが他の事業体を支配しているかどうかの判断に際しては、ストック・オプションによる現時点で行使可能な(あるいは転換可能な)潜在的議決権の存在と影響を考慮しています。当社グループが議決権の50%超を支配している子会社の財務諸表は、その子会社に対する支配が当社グループに移転した日から当該支配が終了する日まで連結財務諸表に含まれます。
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を採用しています。子会社の取得のために移転された対価は、移転した資産、発生した負債、及び当社グループが発行した資本持分の公正価値の合計です。移転された対価には、条件付対価契約から生じた資産又は負債の公正価値が含まれます。取得関連費用は発生時に費用処理されます。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発負債は、当初、取得日の公正価値で測定されます。
移転された対価、被取得企業の非支配持分について識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額として当社グループが認識した金額、及び段階取得の場合には当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値の合計額が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額は、のれんとして計上されます。割安購入により、この金額が取得した子会社の純資産の公正価値を下回る場合、差額は連結損益計算書で直接認識されます(無形資産 (i) のれんを参照)。
グループ会社間の取引高、残高及びグループ会社間取引における未実現利益は消去されます。未実現損失についても、取引により資産に減損の証拠が無い限り、消去を行っています。当社グループを構成する全ての子会社は、共通の会計方針を使用しており、3月31日を決算日として連結財務諸表に反映しています。
(ii) 非支配持分
当社グループと非支配持分の所有者との間で行われる当社グループの子会社持分の変動について、子会社に対する支配の変更を伴わない場合には、資本取引として会計処理しており、のれん、又は利得及び損失が計上されることはありません。
(iii) ジョイント・ベンチャー
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループと他の当事者が、ある経済的活動を行う場合に共同支配を確立するための契約上の取決めです。当社グループでは、このような共同支配される経済的活動はジョイント・ベンチャーを通じて行われており、ジョイント・ベンチャーの資本に対する持分を有しています。従って当社グループは、共同支配を確立するための契約上の取決めのそれぞれについて、共同支配事業ではなくジョイント・ベンチャーに該当するものと判断しています。当社グループは、各ジョイント・ベンチャーのパートナーとの間で、当該ジョイント・ベンチャー契約以外の重要な契約上の取決めは無いものと考えています。当社グループは、ジョイント・ベンチャーの資本に対する持分について、関連会社と同様に、持分法を用いて会計処理しています。
(iv) 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有している事業体であり、通常、議決権株式の20%以上50%未満を保有しています。重要な影響力とは、投資先の財務及び経営上の方針の決定に参加するパワーであるが、これらの方針に対する支配又は共同支配ではないものです。関連会社に対する持分は、取得当初は取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理されています。当社グループは、各関連会社の出資者との間で、当該関連会社による通常の事業活動の中で生ずる契約以外の重要な契約上の取決めは無いものと考えています。関連会社に対する投資は、取得に際して識別されたのれん相当額を含んでいます。
ジョイント・ベンチャー及び関連会社の取得後の業績に対する当社グループの持分は、連結損益計算書において反映されており、また、取得後のその他の包括利益の変動に対する持分は、その他の包括利益で認識されます。これら取得後の純資産の変動の累計額が、投資の帳簿価額に対して調整されています。関連会社の損失に対する当社グループの持分が、当該関連会社に対する持分(無担保債権を含む)と同額以上である場合には、当該関連会社に代わって債務の引受け又は支払いの義務を負わない限り、持分を超過する損失は認識しません。
当社グループとジョイント・ベンチャー及び関連会社との間の取引から生じる未実現利益は、当該関連会社に対する持分の範囲で消去を行っています。未実現損失についても、取引により資産に減損の証拠が無い限り、消去を行っています。
ジョイント・ベンチャー及び関連会社は、当社グループと同一の報告期間で作成された監査済み財務諸表、もしくはこれが利用可能でない場合には、未監査の財務諸表に基づき、会計処理されています。これらの当社グループと同一の報告期間で作成された財務諸表の入手が実務上不可能な場合には、当社グループの報告期間より前3ヶ月以内の日に終了する報告期間で作成された財務諸表を使用しています。なお、必要に応じて、ジョイント・ベンチャー及び関連会社の財務諸表に対して、当社グループの会計方針と整合させるための修正を行っています。連結決算日との間に生じた重要な取引又は事象については、連結上必要な調整を行っております。
持分法適用会社に対する純投資を構成する金融債権及び持分の減損損失(該当ある場合には、それらの戻入益を含む)は連結損益計算書において、持分法適用会社に対する金融債権の減損損失及び持分法投資に関するその他の利益(損失)にそれぞれ別項目で表示しています。持分法適用会社の売却による利益または損失も持分法投資に関するその他の利益(損失)に含まれることになります。これらの科目は連結損益計算書において、持分法による投資利益の上段及び下段に表示しています。
セグメント情報
当社グループの最高意思決定機関は、取締役会です。当社グループでは、取締役会に提出される内部報告と整合した方法により、事業セグメントの業績の外部報告を行っています。取締役会は、事業セグメントへの資源配分及び業績評価について責任を負います。
外貨換算
(i) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個別財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨(機能通貨)で作成されます。連結財務諸表は、親会社(日本板硝子株式会社)の機能通貨である日本円で表示されます。
(ii) 取引及び残高
外貨建て取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算されます。取引の決済並びに外貨建ての貨幣性資産及び負債の期末日の為替レートによる換算から生ずる為替差損益は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジ及び純投資ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、連結損益計算書で認識されます。
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産に分類される持分証券の為替換算差額は、資本の中の公正価値の変動額に含まれます。
(iii) 在外子会社
当社グループの表示通貨とは異なる通貨を機能通貨とする全てのグループ企業の業績及び財政状態は、超インフレーション経済下の通貨を機能通貨としているアルゼンチンの子会社を除き、次の通り表示通貨に換算されます。
・連結貸借対照表の資産及び負債は、期末日の為替レートで換算されます。
・連結損益計算書の収益及び費用は、平均為替レートで換算されます。但し、当該平均為替レートが、取引日における為替レートの累積的影響の合理的な概算値とはいえない場合には、取引日の為替レートで換算されます。
・このように計算された結果生じる換算差額は、資本の構成項目である在外営業活動体の換算差額にて認識されます。
なお、アルゼンチンの子会社の業績及び取引は、超インフレ会計の適用により期末日の為替レートで当社グループの表示通貨に換算されます。
連結財務諸表において、在外事業体に対する純投資の換算から生ずる換算差額、並びにこのような純投資に対するヘッジ手段として指定された借入金や他の通貨による金融商品の換算から生ずる換算差額は、ともに資本の構成項目である在外営業活動体の換算差額に含まれます。在外事業体を売却した場合には、こうした換算差額は、売却損益の一部として連結損益計算書で認識されます。
2010年3月31日以前に認識されていた累積為替換算差額は、利益剰余金の内訳において「利益剰余金(IFRS移行時の累積換算差額)」の科目名称にて区分計上されています。2010年4月1日以降に発生する為替換算差額は、その他の資本の構成要素において在外営業活動体の換算差額として計上されます。
在外事業体の取得に伴い発生したのれん、無形資産並びにその公正価値への調整額については、当該在外事業体の資産及び負債として扱われ、期末日の為替レートで換算されます。
有形固定資産(自社所有)
土地と建物は、主として当社グループの製造設備に関するものです。土地は取得原価から減損損失累計額控除後の金額(リースにより調達している場合には、減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の金額)で計上されています。土地以外の全ての有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上されています。取得原価には、その資産の取得に直接付随する全ての費用を含んでいます。また、取得原価には、外貨建ての有形固定資産の購入に対して指定された有効なキャッシュ・フロー・ヘッジに係る利得及び損失のうち、資本から振り替えられた金額も含んでいます。
借入費用は、重要性のある有形固定資産の建設プロジェクトに関して、資産の建設期間に係る、当社グループの追加借入利息について資産化されます。資産化された借入費用は、関連する資産の経済的耐用年数にわたって減価償却されます。
当初取得以降に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理されます。他の全ての修繕並びに維持にかかる費用は、発生時に連結損益計算書で認識されます。
自社所有の土地は減価償却を行いません。自社所有の土地以外の有形固定資産の減価償却は、取得価額から残存価額を控除した金額について、以下の見積耐用年数にわたり定額法で算定しています。
残存価額と耐用年数は、技術の変化、耐用年数にわたる使用程度並びに市場環境を考慮して、毎期末日に見直され、必要な場合には変更されます。
減損テストの結果、減損損失を認識する場合には、資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額されます。(詳細は後段の「資産の減損」参照)
処分により発生する利得及び損失は、処分金額と当該資産の帳簿価額との差額により算出され、連結損益計算書に計上されます。
リースを含む契約による原資産を使用する権利を表す使用権資産については、後段の「リース」をご参照ください。
投資不動産
投資不動産は、主として土地、事務所の建物及び小規模な事業所、並びに当社グループによって使用されていないその他の不動産から構成されており、長期にわたり賃貸料収入を得る目的で保有されています。投資不動産は、取得原価で当初認識され、当初認識後は、割引キャッシュ・フロー法又は外部の鑑定評価によって毎年算定される公正価値(オープン・マーケット価格に近似)で計上されます。公正価値の変動は、連結損益計算書においてその他の収益又はその他の費用の一部として計上されます。
無形資産
(i) のれん
のれんは、定期的に減損のテストが行われ、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上されます。グループ企業の売却により発生する利得及び損失には、売却された企業に関連するのれんの帳簿価額が含まれています。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合からの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位に配分されます。各資金生成単位は、主要な報告セグメントを地域別に区分した単位としています(資産の減損を参照)。
(ii) 商標権及びライセンス
商標権及びライセンスは、取得原価で当初認識されます。商標権及びライセンスは、一定の耐用年数を有し、当初認識後は取得原価から償却累計額を控除した金額で計上されます。商標権及びライセンスの償却費は、取得価額を見積耐用年数(20年以内)にわたり定額法で算定しています。
(iii) ソフトウェア
取得したソフトウェアのライセンスは、当該ソフトウェアの取得に要した原価に基づき資産として計上されます。償却費は、見積耐用年数(5年~10年)にわたり定額法で算定しています。
ソフトウェアのプログラムを開発もしくは維持するための支出は、発生時に費用として認識されます。ただし、当社グループによって支配される識別可能で固有なソフトウェアに直接関連する原価について、当該原価を上回る経済的便益の獲得能力が1年を超えて見込まれる場合には、無形資産として認識されます。直接的に発生した原価には、ソフトウェアの開発に要した労務費並びに開発に直接的に帰属する間接費の金額が含まれます。
無形資産として認識されたソフトウェアの開発費の償却費は、見積耐用年数(10年以内)にわたり定額法で算定しています。
(iv) 研究開発費
研究費は、発生時に費用認識されます。開発プロジェクト(当社グループ内で使用される新規もしくは改良された製品又はプロセスの設計及びテスト)において発生した支出は、当該プロジェクトがビジネスとして成功し技術上の実行可能性が確立する可能性、あるいはグループ内で改良されたプロセスを生み出す可能性が高く、かつ金額を信頼性をもって測定できる場合にのみ、無形資産として認識されます。そうでない場合、開発費は発生時に費用認識されます。当初費用認識された開発費は、その後の会計期間において無形資産として認識されることはありません。無形資産に計上された開発費の償却費は、当該製品の商業生産が可能となった日もしくは当該プロセスが使用可能となった最初の日より、予測使用期間(製品は5年以内、製造プロセスは20年以内)にわたり定額法で算定されます。
(v) 買収により発生した無形資産
2006年6月のピルキントン社買収に伴い、取得された純資産の公正価値の一部として識別された無形資産は、顧客との関係、ノウハウ、ライセンス契約、ピルキントン・ブランド、その他のブランド、開発途上技術及び技術資産から構成されます。これらは無形資産に計上され、償却費は、次の通り無形資産のカテゴリー毎に、当社グループに便益がもたらされると期待される期間を見積り、当該期間を耐用年数として定額法で算定されます。
(注1)ピルキントン・ブランドは耐用年数が確定できないため、償却の対象ではありませんが、定期的に減損テストが実施されます。
(注2)ノウハウ、ライセンス契約、その他のブランド、開発途上技術及び技術資産は償却が終了しており、当連結会計年度末(2023年3月末)時点の帳簿価額はいずれもゼロとなっています。
資産の減損
耐用年数を確定できない無形資産は、償却の対象ではなく、定期的に減損テストが実施されます。償却対象の資産についても、帳簿価額を回収することができない可能性を示す兆候があった場合に減損テストが実施されます。減損損失は帳簿価額が回収可能価額を上回る場合に認識されます。回収可能価額は、資産の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額です。減損テストを実施するに際して、個々の資産は、そのキャッシュ・フローが相互に独立して識別可能な最小単位(資金生成単位)でグループ分けされます。
将来キャッシュ・フローを予測するには、市場の成長率、販売数量、市場価格等の様々な前提条件や見積りが使用されます。将来キャッシュ・フローの予測は、過去からの傾向、市場の環境並びに業界の傾向を参照して算定した将来の売上高及び営業費用の最善の見積りに基づいています。これらの前提条件は、経営者及び取締役会によって見直しが行われます。将来キャッシュ・フローの予測値は、評価日における資本コストにリスク・プレミアムを加えた適切な割引率によって調整されます。回収可能価額の算定に使用される税引前加重平均資本コストに基づく割引率は、地域毎に適切な水準で設定され、のれんの減損テストにも使用されます(注記16参照)。
財務リスク管理
財務リスクの要因
当社グループは、グローバルに事業活動及び財務活動を行っているため、外国為替リスク、燃料価格リスク、借入金の調達コスト及び金利に関するリスクといった市場リスク、並びに信用リスクや流動性リスクなどの様々な財務リスクを有しています。当社グループは、金融商品を用いてグループの財政状態及び業績に与える影響を最小限にするように財務リスク管理を実施しています。
財務リスク管理は、取締役会が承認した方針に基づいて、当社グループの財務部門(以下「グループ財務」)が行っています。グループ財務は、グループの事業部門との緊密な協力関係の下で財務リスクを識別し、評価し、ヘッジしています。全般的なリスク管理について文書化された原則に加えて、外国為替リスク、燃料価格リスク、金利リスク、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の利用、信用リスク、並びに十分な流動性の確保等の特定分野について文書化された取組方針が、取締役会の承認により策定されています。
(i) 市場リスク
(a) 外国為替リスク
当社グループは、グローバルに事業活動を行っており、主にユーロ、ポンド及び米ドルといった様々な通貨に関して生じる外国為替リスクを有しています。外国為替リスクは、将来の商取引、認識されている資産及び負債、並びに在外営業活動体に対する正味投資額から発生しています。
将来の商取引又は既に認識している資産及び負債に起因する外国為替リスクを管理するため、グループ子会社は、グループ財務との間で為替予約契約を利用しています。外国為替リスクは、将来の商取引又は既に認識されている資産や負債が企業の機能通貨と異なる通貨建である場合に発生します。グループ財務は、外部金融機関との為替予約契約を通じて、通貨毎のネットポジションを管理する役割を担っています。
各子会社は、グループ財務との為替予約契約について、必要に応じて公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しています。
特定の資産、負債もしくは将来の商取引に係る外国為替リスクについては、グループレベルで外部金融機関との間で為替予約契約を締結し、ヘッジとして指定しています。
グループのリスク管理方針として、将来の外貨建の商取引がほぼ確実に発生すると見込まれる場合には、外国為替リスクをヘッジすることにしています。
当社グループは、在外営業活動体に対する一定の投資をしており、在外営業活動体の純資産は、外貨の換算に伴う外国為替リスクを有しています。グループの在外営業活動体の純資産から生じる外国為替リスクは、主として同じ外貨建の借入金を通じて管理しています。
当社グループの為替レートの変動に対する影響は、主として、連結財務諸表の作成に際し現地通貨で表示される資産、負債、収益、並びに費用を円換算する過程において発生します。他の条件に変動が無い前提では、為替レートが他の主要通貨に対して1%円高になれば、2023年3月期における連結貸借対照表の資本の額が約3,000百万円減少(2022年3月期は約4,000百万円減少)し、また、2023年3月期における連結損益計算書の当期損失が約400百万円減少(2022年3月期は当期利益が約100百万円減少)します。
(b) 燃料価格リスク
当社グループは、主に重油やガスなどのエネルギーを大量に消費するため、これらエネルギーの価格変動リスクを有しています。当社グループは、向こう12ヶ月間に予想される購入量の20~100%の範囲、その先の4年間は予想される購入量の0~80%の範囲でヘッジを行うことを方針としています。
(c) 金利リスク
当社グループは、重要性のある有利子資産を有していないため、これらの資産からの損益及びキャッシュ・フローが市場金利に左右されることは実質的にありません。
当社グループの金利リスクは、主として長期借入金から発生します。当社グループでは、変動金利の借入金により将来キャッシュ・フローの変動リスクを、また固定金利の借入金により公正価値の変動リスクを、それぞれ有しています。当社グループでは、借入金の30~70%を固定金利とすることを方針にしています。他の条件に変動が無い前提では、1%の金利の上昇は、年間2,458百万円(2022年3月期は年間2,870百万円)の金利費用の増加につながります。
当社グループは、キャッシュ・フローの金利リスクを支払固定・受取変動の金利スワップ取引により管理しています。こうした金利スワップ取引には、変動金利の借入金を固定金利の借入金に変換する実質的効果があります。当社グループは、金利スワップ契約に従い、想定元本に基づき算定された契約金利(固定金利)と変動金利との差額について、特定の期日に受け渡しする取決めを相手先との間で有しています。
金利ベンチマークの改正に伴う当社グループのリスク管理戦略の変更はありません。ポンド及び米ドルLIBORの移行はいずれも完了しました。主要なリスクは確認されていません。
(ii) 信用リスク
当社グループは、自動車ガラスのOEM先への債権以外には信用リスクの過度な集中はありません。当社のグループ方針として、製品の販売は過去の信用情報に基づき実行することにしています。デリバティブ金融商品の使用は、信用力の高い金融機関との取引に限定しています。当社グループは、各金融機関との信用リスクのエクスポージャーの金額に上限を設定することを方針としています。
注記43「関連当事者との取引」に記載の通り、当社グループでは、ジョイント・ベンチャー及び関連会社に対する貸付金等の債権を保有しています。当社グループでは、ジョイント・ベンチャー及び関連会社に対するこれらの貸付金等の債権について、独立第三者間取引に適用される条件に基づき管理するとともに、債権が弁済される十分な見込みがある場合にのみ貸付等が実行されるようにしています。
(iii) 流動性リスク
当社グループは、十分な現金及び現金同等物を確保するとともに、借入限度枠の設定により資金調達能力を維持することを方針としています。事業環境のいかなる変動にも対応するため、グループ財務では、未使用の借入限度枠を十分に確保することによって、機動的な資金調達能力を維持するよう努めています。
金融商品
当社グループは、金融商品(金融資産及び負債)を以下の通り、純損益を通じて公正価値を測定する金融資産及び負債、償却原価で測定する金融資産及び負債並びにその他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の各カテゴリーに分類しています。
当社グループの経営者は、当初認識時に金融商品の分類を決定し、期末日ごとに分類が適切かどうかについての再評価を行っています。こうした金融商品の分類の決定及び再評価に際しては、当該金融商品に係る契約上のキャッシュ・フローの特性と、当該金融商品を保有するための事業モデルが考慮されます。
(i) 純損益を通じて公正価値を測定する金融資産及び負債
このカテゴリーは、売買目的保有金融資産と当初認識時に純損益を通じて公正価値を測定するものと指定された金融資産の2つのサブ・カテゴリーに分類されます。金融資産は、短期間で売却する目的で取得された場合、このカテゴリーに分類されます。デリバティブも、有効なヘッジ取引におけるヘッジ手段に指定されない限り、売買目的保有に分類されます。このカテゴリーに分類される金融資産及び負債は、売買目的で保有される場合、あるいは期末日から12ヶ月以内に売却が実現すると見込まれる場合、流動資産及び流動負債に計上されます。当社グループは、当連結会計年度末時点において、ヘッジ要件を満たさないデリバティブを除き、このカテゴリーに分類される金融資産及び負債を保有していません。
(ii) 償却原価で測定する金融資産及び負債
このカテゴリーに分類される金融資産は、当社グループの連結貸借対照表において、売上債権及びその他の債権として計上されています。売上債権及びその他の債権は、支払額が固定もしくは決定可能なデリバティブ以外の金融資産で、活発な市場における公表価格が存在しないものです。当社グループが貨幣、財貨もしくは役務を相手先に直接提供し、その結果発生する債権を売買する意図を持たない場合、当該債権はこのカテゴリーに分類されます。このカテゴリーに分類される金融資産は、期末日から12ヶ月を超えて満期日が到来するため非流動資産に計上されるものを除き、流動資産に計上されます。
このカテゴリーに分類される金融負債は、当社グループの連結貸借対照表において、社債及び借入金又は仕入債務及びその他の債務として計上しています。社債及び借入金は、主として金融機関との間で締結された借入契約に基づき発生するものであり、期末日から12ヶ月以内に満期日が到来する場合は流動負債に、また12ヶ月を超えて満期日が到来する場合は非流動負債に、それぞれ計上されます。仕入債務及びその他の債務は、支払額が固定もしくは決定可能なデリバティブ以外の金融負債で、活発な市場における公表価格が存在しないものです。当社グループが財貨や役務をサプライヤーから受領する際に発生する債務は、このカテゴリーに分類され、社債及び借入金と同様に、想定された決済日までの期間に応じて流動負債と非流動負債に区分して計上されます。
償却原価で測定する金融資産及び負債が、当該金融資産及び負債が相手先への金融アレンジメントの供与もしくは相手先からの金融アレンジメントの提供を含んだ取引条件により発生する場合には、実効金利法を用いて償却原価によって測定されます。一方、当該金融資産及び負債が金融アレンジメントを伴わない通常の事業過程において発生する場合には、当初認識時に測定された価額が償却原価として維持されます。
社債及び借入金は、社債、借入金、リース負債及び非支配持分に対する固定額の配当金の支払義務で構成されます。社債及び借入金は、公正価値で当初認識され、それ以降は償却原価で計上されます。付随する取引費用については、関連する社債及び借入金の満期までの期間にわたり連結損益計算書において認識しています。取引費用控除後の正味手取金額と返済価額との差額は、実効金利法を用いて借入期間にわたり連結損益計算書において認識されます。
資本の性格を有していない優先株式は、連結貸借対照表において負債に計上され、直近の償還価額により測定されます。資本の性格を有していない優先株式に係る配当金は、連結損益計算書において支払利息として認識されます。借入金は、当社グループが期末日後少なくとも12ヶ月間その返済を繰り延べる無条件の権利を有しない限り、流動負債に計上されます。
当社グループは、償却原価で測定する金融資産(債権等)の評価において予想信用損失モデルを適用しており、また適切な場合には、個々の債権等に対する個別の貸倒引当金の認識についても考慮しています。予想信用損失モデルでは、将来予測に基づく複数のシナリオを用いて、債権等のグループに対する信用損失(減損)の可能性を検討します。売上債権に対する貸倒引当金は、当社グループが当初の取引条件に基づき債権の全て又は一部を回収できないと見込まれる場合には、個別の売上債権に対して認識されます。この場合、貸倒引当金の金額は、売上債権の帳簿価額と、当該売上債権から回収が見込まれる将来キャッシュ・フローを実効金利法により割り引いた現在価値との差額となります。債権等のグループに対して予想信用損失モデルを適用する場合には、個別の債権等については回収可能であり信用損失の発生が見込まれない場合であっても、貸倒引当金が認識される可能性があります。貸倒引当金の変動は、連結損益計算書において認識されます。なお、契約資産についても同様の方法で評価をしています。
売上債権が債権流動化スキームを通じて金融機関に売却される場合において、当社グループが当該債権に対して重要なリスクと経済価値を保持していない場合、又はリスクと経済価値を部分的に保持しているが当該債権に対する支配をもはや保持していない場合には、当該債権の認識は中止されます。
(iii) その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産は、当社グループがその投資先に対して重要な影響力を行使することができないデリバティブ以外の金融資産です。このカテゴリーには、その保有が売買目的でなく、その他の包括利益を通じて公正価値を測定するという取消不能の選択をした持分金融商品に対する投資、又は契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却により支払額が固定もしくは決定可能と見込まれる負債性金融商品に対する投資が含まれます。
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産は、公正価値で当初認識され、当初認識以降も公正価値で測定されます。公正価値の変動に伴う未実現の利得及び損失は、連結包括利益計算書において認識され、資本(その他の資本の構成要素)の構成項目であるその他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の公正価値に計上されます。当社グループは、当該金融資産又はグルーピングされた金融資産に減損が生じているかどうかについて、期末日ごとに評価を行います。このカテゴリーに分類された負債性金融商品に減損が生じている場合には、それまで連結包括利益計算書を通じて認識されていた公正価値の変動による累計額は組替調整され、連結損益計算書において損失が認識されます。
デリバティブ及びヘッジの会計処理
デリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行い、当初認識後の再測定も公正価値で行っています。デリバティブに係る再測定の結果生じる利得又は損失の認識方法は、ヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質及びヘッジの有効性によって決定されています。当社グループは、一部のデリバティブについて、以下のいずれかの指定をしています。(a)認識されている資産もしくは負債の公正価値の変動のヘッジ、又は確定約定の公正価値の変動のヘッジ(公正価値ヘッジ)(b)認識されている資産又は負債、もしくは可能性の非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動リスクのヘッジ(キャッシュ・フロー・ヘッジ)(c)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ(純投資ヘッジ)
当社グループは、ヘッジの開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目標及び戦略について文書化しています。当社グループはまた、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために極めて有効的であるかどうかについての評価も文書化しています。期間に関連していると考えられるヘッジ契約において、ヘッジに係るコストは、連結損益計算書においてヘッジ関係の有効期間にわたって期間按分し認識されます。
ヘッジ会計が適用されるデリバティブの公正価値の変動は、次の通り会計処理されます。
(i) 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産をヘッジ対象とする場合には連結包括利益計算書を通じて資本に認識され、それ以外の資産等をヘッジ対象とする場合には連結損益計算書に認識されます。この結果、ヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジ対象の公正価値の変動に整合するような形で認識されることになります。
(ii) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、連結包括利益計算書を通じて資本で認識しています。非有効部分に関する利得又は損失は、連結損益計算書に即時に認識しています。
資本に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期(例えば、ヘッジした予定売上が発生する期)に、組替調整額として純損益に振り替えています。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(例えば、棚卸資産)もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定時における計上額に含めています。
ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性がなくなった時点で、資本に計上されている利得又は損失の累計額を連結損益計算書に振り替えています。
(iii) 純投資ヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理しています。ヘッジ手段に係る利得又は損失のうちヘッジの有効部分に係るものは、連結包括利益計算書で認識しています。非有効部分に関する利得又は損失は、連結損益計算書に即時に認識しています。
資本に計上された利得又は損失の累計額は、在外営業活動体が部分的に処分又は売却された時点で連結損益計算書に振り替えています。
(iv) ヘッジ要件を満たさないデリバティブ取引
一部のデリバティブ取引はヘッジ要件を満たさないものがあります。このような取引から生じる公正価値の変動は、連結損益計算書に即時に認識しています。
公正価値の見積り
活発な市場で取引される金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産)の公正価値は、期末日現在の市場相場価格に基づいています。当社グループが保有している金融資産に用いられる市場相場価格は、現在の買呼値です。金融負債に用いられる市場相場価格は、現在の申し込み価格です。なお、持分法で会計処理される投資に減損の兆候が存在する場合には、当該金融資産の回収可能価額について、使用価値及び処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額で測定しています。
活発な市場で取引されていない金融商品の公正価値は、評価技法を用いて測定しています。当社グループは様々な方法を用い、また期末日現在の市場相場価格に基づく仮定を行っています。
為替予約契約の公正価値は、期末日における為替予約の市場レートにより算定しています。金利スワップ契約の公正価値は、期末日において観察されるイールド・カーブに基づき見積られる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。商品スワップ契約の公正価値は、期末日における先物市場価格により算定しています。
金融負債の公正価値は、当該金融負債から発生するキャッシュ・フローを、信用リスクを反映した割引率と、通貨スワップ・レートに、適切なスプレッドを加算した利率によって割り引いたうえで算定しています。
非上場株式の公正価値は、入手可能な場合は将来予測を用いて算定していますが、多くの場合において入手困難であるため期末日の純資産価額に基づき算定しています。
棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の額で評価されます。原価は、主として先入先出法により算定しています。製品及び仕掛品の原価は、設計費、原材料費、直接労務費、その他の直接費並びに正常生産能力等に基づき行われた製造間接費の配賦額から構成されています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、販売に要する見積り費用を控除した額です。棚卸資産の原価には、原材料の購入に関連する有効なキャッシュ・フロー・ヘッジに係る利得又は損失のうち、資本から振り替えられた額が含まれています。
連結貸借対照表に計上される棚卸資産の帳簿価額は、定期的に見直しをしています。長期にわたり滞留している場合、もしくは当社グループが販売によって原価の全て又は一部を回収できる見込みがない場合には、棚卸資産の帳簿価額を見積正味実現可能価額まで減額しています。
契約を獲得するために発生したコストは、それが回収可能であると判断された場合は棚卸資産として認識されます。このコストは契約が有効な期間にわたって定額法で償却されます。
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払いの銀行預金、当初の満期日が3ヶ月以内の流動性が高い短期投資並びに銀行当座借越契約から構成されます。但し、銀行当座借越契約は、連結貸借対照表上は、流動負債に借入金として計上されます。
リース
リース(借手)
当社グループは契約の開始時に、契約がリースであるか、またはリースを含むかを評価し、契約の履行が特定された資産の使用に依存するかどうかに焦点を当てます。評価には、当社グループが識別された資産の使用から、実質的に全ての経済的便益を得られるか、及び資産の使用を指示する権利を有するかの判断が含まれます。判定基準を満たす場合、当社グループはリース開始日に使用権資産及びリース負債を貸借対照表において認識します。
当社グループは、地域の規制やビジネス慣行に応じた異なる期間や条件で約3,000ものリースを行っています。一部のリースには延長オプションと解約オプションが含まれており、当社グループが延長オプションを行使することが合理的に確実であり、解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合、リース期間に反映します。
(使用権資産)
使用権資産はまず、リース料総額の割引現在価値から当初直接コストや前払リース料、原資産の原状回復に係る費用の見積額を調整して測定されます。その後、使用権資産は原価から減価償却累計額と減損損失を差し引いた金額で測定され、リース負債の再測定により調整されます。
使用権資産は、当社グループの連結貸借対照表では有形固定資産に含めて表示されます。償却費は、リース期間又は使用権資産の残存見積耐用年数のうち、いずれか短い期間で定額法により計上します。
減損が発生した場合、資産の帳簿価額は直ちに回収可能額まで減額されます。(詳細は前述の「資産の減損」を参照)
(リース負債)
リース負債は、類似の特性を有する複数のリース契約に対して単一の割引率を適用する実務上の便法を適用し、報告日において割引計算されたリース料総額で測定されます。
リース負債の測定で使用する割引率は、リース料総額とリース資産の現在価値を等しくするリースの計算利子率を適用します。リースの計算利子率の特定が容易でない場合は、リース契約期間及びリース契約上の通貨、当社グループの借手としての財政状態、リース契約に基づき貸手に提供されている担保の性質を考慮し算出する、追加借入利子率を使用します。
リース負債は、当社グループの連結貸借対照表では社債及び借入金に含めて表示されます。リース負債は実効金利法により測定され、支払利息は連結損益計算書に計上されます。
(セール・アンド・リースバック取引)
当社グループが資産を売却し、買主との間でリース契約を締結することにより即座に資産の使用権を再取得した場合、この取引はセール・アンド・リースバック取引と見なされます。この取引が純粋なリース契約であるのか、あるいは資産を用いた資金調達手法であるのかを当社グループは判定します。
資産が売却されたと判定した場合、当社グループはその取引をセール・アンド・リースバック取引として会計処理を行います。使用権資産と関連するリース負債は、将来のリース料とその他の関連する要素に基づき認識します。初期測定時における使用権資産の価値は、原資産の帳簿価額を上限に、リース負債認識額を売却資産の公正価値で割った結果を乗じて計算します。この使用権資産の価値に対する制約は、当社グループが引き続き保持する持分が原資産の従前の原価に基づいて計算されることを担保しています。
会計処理の観点から資産が売却されていないと判定した場合、その取引は担保付資金調達の形態をとるものとして会計処理を行います。当該資産は引き続き連結貸借対照表上で有形固定資産として認識し、売却が減損の兆候であると見なされない限り、その売却によって資産の価値は修正されません。金融負債は割引計算された将来のリース料の総額によって認識しますが、リース負債ではなくその他の借入金として認識します。
(短期リース・少額リース)
当社グループは、12ヶ月以内の短期リースと原資産が少額のリースについては使用権資産及びリース負債として認識しないことを選択しました。これらのリースについては、リース料はリース期間にわたり定額で費用として認識します。
リース(貸手)
当社グループが未利用の賃借物件または所有物件を賃貸し、これら物件で経常的に発生する費用と相殺または軽減させる契約を締結することがまれにあります。このようなケースで当社グループは、借手が資産の使用から実質的に全ての経済的便益を得られ、資産の使用を指示する権利を有する場合はファイナンス・リースに分類します。そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。
当社グループは、賃貸開始日における将来支払われるサブリース料の現在価値に基づき、ファイナンス・リースと見なされる全てのサブリースの純投資を認識します。この純投資は、当社グループの連結貸借対照表の債権に含まれています。その後、この純投資は実効金利法を使用して償却原価ベースで測定されます。
オペレーティング・リースから受け取るサブリース料は、リース期間にわたる定額法で損益計算書で認識します。
法人所得税
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産負債法により、資産及び負債の税務基準額と連結財務諸表上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対して認識しています。但し、当該一時差異が企業結合ではなく、かつ、取引日に会計上の純損益及び課税所得(欠損金)に影響を与えない取引において資産又は負債の当初認識から生じる場合は、繰延税金は認識されません。繰延税金の算定には、貸借対照表日までに制定又は実質的に制定されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される法定税率(及び税法)を使用しています。
繰延税金資産は、一時差異を利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しています。子会社又は関連会社に対する投資から生じる将来加算及び減算一時差異について繰延税金を計上していますが、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールしており、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合は繰延税金を認識していません。なお、のれんの当初認識時における一時差異については、繰延税金負債を認識していません。
関連する当期の未収法人所得税を当期の未払法人所得税と相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ繰延税金資産及び繰延税金負債が同一の税務当局によって同一の納税企業体に課せられたものである場合、当該繰延税金資産と繰延税金負債は相殺しています。
従業員給付
(i) 年金
当社グループは世界各地に様々な退職給付制度を有しています。退職給付制度は通常、保険会社もしくは信託会社が管理する基金への支払いを通じて積み立てており、積立金額は定期的な数理計算によって算定されます。当社グループは確定給付制度及び確定拠出制度を有しています。
確定給付制度に関連して連結貸借対照表で認識される負債は、報告期間の末日現在の確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除しています。確定給付型の退職給付債務は、毎期、独立した年金数理人が予測単位積増方式を用いて算定しており、退職給付債務の現在価値は、関連する年金債務の期間に満期が近似しており、かつ給付が支払われる通貨建ての優良社債の市場利回りに基づく割引後見積将来キャッシュ・フローで算定しています。
当社グループが年金資産の積立超過額の返還に対して無条件の権利を有する場合には、当該年金制度の積立超過額からその返還に際して課税されると見込まれる税金の額を控除した金額によって、退職給付に係る資産が認識されます。
当期の勤務費用は、従業員の当期の勤務に対して発生し、連結貸借対照表上の退職給付債務を増加させ、連結損益計算書の営業費用に計上されます。
過去勤務費用は、発生時に連結損益計算書で即時認識されます。
確定給付負債の純額に係る金融費用は、該当地域毎に確定給付負債の純額に対して個別の割引率を適用することによって算定されます。
数理計算上の差異は、実績値への修正及び数理計算上の仮定の変更から生じ、IAS第19号「従業員給付」に基づき連結包括利益計算書を通して資本に計上しています。
当社グループは、確定拠出型の退職給付制度については、公的又は私的管理の年金保険制度に対し、強制、契約上又は任意で拠出金を支払っています。拠出金の支払いを行っている限り、グループに追加的な支払い債務は発生しません。拠出金の前払いは、現金の払い戻し又は将来の支払額の減額が可能である範囲で資産として認識しています。
(ii) その他の従業員給付
当社グループのアメリカの連結子会社では、退職した従業員の一部に対して退職後医療給付を提供しています。これらの給付の受給資格は、通常、従業員が定年まで勤務し、かつ一定の最低勤続年数を完了していることを条件として与えられます。これらの給付の予想コストは、確定給付年金制度で用いられるのと同様の会計処理方法により、雇用期間にわたって未払計上されます。実績値への修正及び数理計算上の仮定の変更から生じた数理計算上の差異は、IAS第19号「従業員給付」に基づき発生した期間に連結包括利益計算書に計上しています。これらの債務は毎期、独立した有資格者の年金数理人が評価しています。
(iii) 解雇給付
当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が解雇給付と引き替えに自発的退職に応じる都度、解雇給付が支給されます。当社グループが、現従業員を解雇することに関する詳細で正式な計画を有しており、その撤回可能性がない場合、又は従業員が自発的退職に応じる見返りとして解雇給付を支給する場合には、雇用の終了が明確に確約された時点で、当社グループは解雇給付を認識しています。
(iv) 利益配分(賞与及びマネージメント・インセンティブ・プラン)
当社グループは、利益配分(賞与及びマネージメント・インセンティブ・プラン)について損益及びキャッシュ・フローの達成度に基づき債務及び費用を認識しています。当社グループは、契約上の義務がある場合、又は推定的債務を生じさせるような過去の慣行が存在する場合には引当金を計上しています。
引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を持つ資源が流出する可能性が高く、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識されます。例えば保険契約のように、当社グループが引当金を決済するために必要な支出の一部又は全部の補填を期待できる時には、補填の受け取りがほぼ確実な場合に限り、補填は別個の資産として認識されます。連結損益計算書において、引当金繰入額は、補填として認識された金額との純額により表示されます。将来の営業損失に対しては引当金を認識していません。
同種の債務が多数ある場合、決済に要するであろう資源の流出の可能性は同種の債務全体を考慮して決定しています。同種の債務のうちある一つの項目について流出の可能性が低いとしても、引当金を認識しています。
全ての引当金について、将来の支出が12ヶ月を超え、貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、現在価値に割り引いて認識しています。時の経過による引当金の増加は、毎期、連結損益計算書の金融費用に計上しています。現在価値への割引においては、各地域毎に当該引当金に特有のリスクを反映させた割引率を使用しています。
顧客との契約から生じる収益
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用に伴い、収益は次の5ステップを用いて認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を決定する
ステップ4:取引価格を契約における各履行義務に配分する
ステップ5:各履行義務が充足された時点で収益を認識する
当社グループには建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3つの主要な戦略事業単位(SBU)があり、各事業はグローバルに組織されています。
建築用ガラス事業は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しています。このセグメントには、太陽電池パネル用ガラス事業も含まれます。主な顧客は、当社が供給するガラス製品を自社製品に加工する製造業、建設会社やハウジングメーカー、卸売業者、及び小売店になります。
自動車用ガラス事業は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しています。主な顧客は、世界的な自動車メーカーや補修用ガラス製品の卸売業者になります。
高機能ガラス事業は、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイド、エンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、様々な事業からなっています。主な顧客は、当社が供給するガラス製品を自社製品に加工する製造業者になります。
この3SBUの事業活動から得られる収益の流れを分析すると、契約の性質と状況から次のように分類できます。
(i) ガラス及びガラス製品の販売による収益
収益の多くはガラス及びガラス製品の販売によりもたらされています。当社グループでは通常、特定の注文書を顧客との契約と見なしており、場合によっては包括契約が適用されます。包括契約が適用される注文書の場合、包括契約と注文書に記載されている期日と条件は、どのように収益を認識するかを決定する根拠となります。注文確認と履行義務の充足との間が1年間あるいはそれ以内である場合は、顧客との契約は短期であると考えられます。
ほとんどの場合、ガラス及びガラス製品が顧客に引き渡され、所有権が移転した時点で収益を認識しています。これは支配の移転により履行義務が充足されたという判断に基づきます。他の仮定を使う特別な理由が無い限り、ひとたび顧客がガラス及びガラス製品を自らの施設で検収する、あるいは当社グループの施設にて引き取りが完了した時点で、ガラス及びガラス製品に対する支配は顧客に移転したものと考えています。
(ii) 役務提供による収益
役務提供による収益は、役務が提供されて契約条件に基づく義務が充足された時点で認識されます。契約内容により、収益は一時点又は一定の期間にわたって認識するものがあります。
(iii) エンジニアリング契約による収益
当社グループのエンジニアリング契約は通常、ガラスフロート窯の建設や補修、又は外部顧客あるいはジョイント・ベンチャーなど関連当事者の重要性のある資産に関連したものです。この種の契約は、資産の製作または拡張の進捗に応じて顧客がその資産を支配するため、一定の期間にわたり充足する履行義務を表します。この理由は、その資産が顧客の敷地内に存在し、移転することが現実的でない規模のものであるためです。エンジニアリング契約による収益は、報告期間に実際に提供した役務と最終的に提供するであろう役務の合計との比率で認識されます。これには、収益が確実に測定可能な特定のマイルストーンが契約に明確に定められている場合を除いて、インプット法が適用されます。
状況が変化した場合は、収益、費用、又は完了までの進捗度の見積りが修正されます。結果として生じる収益や費用の見積りの増減は、状況の変化が生じた会計期間の純損益に反映されます。
(iv) ロイヤリティ及びライセンス契約による収益
当社グループは、特許や開発した技術などの知的財産の使用許可を与えるライセンス契約を顧客との間で締結している場合があります。ロイヤリティ及びライセンス契約による収益は、顧客に提供される当社グループの技術へアクセスできる権利の内容によって、一時点又は一定の期間にわたって認識されます。
ライセンスの対象が、契約開始時に存在している当社グループの特定の技術である場合、収益はライセンス供与した時点で全額認識することになります。
ライセンスの対象が、契約開始時に存在し、かつライセンス期間中も開発が継続される当社グループの特定の技術である場合、収益は契約期間にわたって徐々に認識することになります。
当社グループからの継続的なサポート義務を含むライセンスから生じる収益は、通常はサポート提供義務とライセンス供与義務と区別されないため、契約期間にわたり徐々に認識することになります。
(v) 金型による収益
当社グループは、顧客の仕様に合わせたガラス製品を生産するために金型を製作しています。金型の販売による収益は、関連する契約の特定の事実及び状況の判断に基づいて認識されます。
金型の製作の履行義務が、ガラス及びガラス製品と分けられる場合、金型は製作された時点で棚卸資産として認識します。収益は、金型の支配が顧客へ移転した時点で独立販売価格で認識します。請求額と独立販売価格に差がある場合は契約資産として認識し、収益を契約期間にわたりインプット法又はアウトプット法により調整します。
金型の製作の履行義務が、ガラス及びガラス製品と分けられず、支配が当社グループに留まる場合、金型は有形固定資産として貸借対照表で認識します。顧客の負担金は繰延収益として認識し、アウトプット法により契約期間にわたり収益に計上します。
収益認識に関する判断事項
取引価格にはリベートや値引きなど収益を減少させる変動対価の見積りが含まれます。全ての見積りは、見積りが行われた時点での当社グループの過去の経験及び当社グループの最良の判断に基づいています。取引価格に含まれる変動対価は、変動対価の性質に応じて期待価値法または最も可能性の高い金額を用いて見積もられています。これらの見積りは報告期間ごとに再評価され、重大な戻入が生じない可能性が非常に高い範囲で取引価格に含めています。
契約の大部分は単一の履行義務を有しており、その取引価格は契約に記載されています。複数の履行義務を有する契約については、当社グループは独立販売価格に基づいて取引価格を各履行義務に配分します。独立販売価格は、当社グループが約束した財またはサービスを個別に顧客に販売するであろう価格です。
約束された財又はサービスの顧客への引き渡しから、支払いを受けるまでの期間が1年以内の契約が原則であることから、実務上の便法を適用し、重大な金融要素の影響について取引価格を調整しないことを選択しています。
利息収入
利息収入は実効金利法により認識しています。減損された金融債権の金利は、当該金融資産の金利が現金回収される場合に認識します。
配当収入
配当収入は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しています。
個別開示項目
当社グループでは、グループの経営成績に対する正しい理解に資するため、連結損益計算書の損益項目を個別開示項目として表示することがあります。一般的には、個別開示項目は金額に重要性がある、あるいは一過性の性格を持っています。
繰延収益
(i) 政府補助金
政府補助金は、補助金を受領すること、及び補助金が交付されるための全ての付帯条件が満たされることについて合理的な保証が得られた場合にその公正価値で認識しています。補助金が費用支出に関連する場合には、その補助金は、補償される関連費用と対応させるために必要な期間にわたって規則的に利益として認識しています。有形固定資産に関連する補助金の場合には、繰延収益として認識され、関連資産の見積耐用年数にわたって均等に連結損益計算書に認識しています。
(ii) その他の繰延収益
当社グループは、顧客から受領する自動車用ガラスの金型に対する補助金等は、IFRS第15号適用後もその他の繰延収益として公正価値で貸借対照表において認識されます。その他の繰延収益は、関連資産の使用期間にわたって均等に連結損益計算書に認識しています。
排出権
二酸化炭素(CO2)の排出権は、割り当てられた排出枠に基づき、実際にCO2が排出される期間にわたって規則的に認識されます。割り当てられたCO2の排出枠と実際の排出量との差異が、期末日に連結貸借対照表において公正価値で認識され、排出量が排出枠を下回った場合には資産を、上回った場合には負債を、それぞれ認識しています。
借入費用
適格資産(意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産)の取得、建設又は生産に直接起因する借入費用は、意図された使用又は販売が可能となるまで当該資産の取得原価の一部として資産計上しています。その他の借入費用は、発生時に連結損益計算書に全額費用として認識しています。
資本金
普通株式は、資本に計上されます。優先株式は、現金又はその他の金融資産によって強制的に償還する義務が無く、当社グループが配当金を支払う契約上の義務も無い場合、かつ、優先株式に付されている取得請求権等によって可変数の自己の資本性金融商品を引き渡す義務が無い場合には、資本に計上されます。新株もしくは新株予約権の発行に直接帰属する付随費用は、税引後の金額に基づき発行価額から控除されて表示されます。
自己株式
自己株式は、自己の持分金融商品であり、取得価額で評価され資本から控除されます。
株式報酬
当社グループには、持分決済型の株式報酬制度がいくつか有り、その制度の下で、取締役、執行役常務、執行役、常務執行役員、並びに執行役員の役務提供を対価として当社グループの持分金融商品(オプション)を付与しています。オプションの公正価値をブラック・ショールズ・モデルで評価しており、オプションの付与と交換に受領する役務の公正価値は、IFRS第2号「株式報酬」に基づき、権利確定期間にわたって費用認識します。全ての株式報酬取引は持分決済型です。
非継続事業及び売却目的で保有する資産
非継続事業には、既に処分(売却又は廃棄)されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識されます。
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引により回収される場合に、当該資産又は処分グループは、「売却目的で保有する資産」として分類されます。「売却目的で保有する資産」は、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ経営者が、当該資産の売却計画の実行を確約しており、1年以内で売却が完了する予定のものに限られます。
当社グループが子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約する場合で、かつ上記の条件を満たす場合、当社グループが売却後も従前の子会社に対する非支配持分を有するか否かに関わらず、当該子会社の全ての資産及び負債が売却目的に分類されます。
売却目的で保有する資産は、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定します。「売却目的で保有する資産」に分類後の有形固定資産及び無形資産については、減価償却又は償却は行いません。
重要な会計上の見積り、判断及び仮定
見積り及び判断は、継続的に評価され、過去の経験及び他の要因(状況により合理的であると認められる将来事象の発生見込みを含む)に基づいています。
当社グループは、将来に関する見積り及び仮定の設定をしています。会計上の見積りの結果は、その定義上、通常は関連する実際の結果と一致することはありません。翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を生じさせるような重要なリスクを伴う見積り及び仮定、そして会計上の重要な判断は以下の通りです。
それぞれの項目において、見積り及び仮定が予期せず変動する状況が生じた場合、連結貸借対照表で認識する資産と負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(将来の事業の状況の見積り)
以下の各項目に記載している、のれんや持分法適用会社への投資などの資産の回収可能性を評価する際には、複数年にわたる事業の状況の将来予測を用いています。
将来の事業の状況やキャッシュ・フローを予測するにあたり、販売数量は重要な要素となります。
販売価格や投入コストも重要な要素です。2022年3月期の期中においても投入コストは上昇していましたが、ロシアによるウクライナ侵攻によって2022年3月期末にかけて、さらに状況は悪化しました。この状況は2023年3月期も続いています。ヘッジ手法を用いて投入コストの価格変動を抑えていますが、特に長期間にわたった全てのコスト上昇を完全に抑えることはできません。当社グループは、販売価格を引き上げることにより、投入コスト上昇の影響を緩和できると見込んでいます。どの程度緩和できるかは、事業や地域によって異なります。一般的に販売価格は取引条件と市場要因に基づいて決定されますが、コスト上昇の緩和の程度は、販売価格をどの程度まで引き上げられるのかを反映しています。
(i) のれん及び無形資産の減損の見積り
当社グループは、のれんもしくは耐用年数を確定できない無形資産の減損の有無について、毎期減損テストをしています。このテストでは、当社グループで識別された資金生成単位(CGU)の使用価値と、各CGU内の資産の帳簿価額を比較しています。使用価値は、各資金生成単位の将来営業キャッシュ・フローを上表に記載の適切な割引率で割り引いた現在価値として算定しています。割引率の選択は使用価値を評価する際の重要な要素であり、債券市場及び株式市場に基づいて算出されます。第2四半期連結累計期間のように割引率が上昇した場合、のれんなどの資産を減損する可能性があります。販売数量、販売価格及び投入コストも前述の通り使用価値の算定における重要な要素です。
(ii) 有形固定資産の減損の見積り
当社グループは、有形固定資産の減損の有無について、前述の会計方針に従って帳簿価額を回収することができない可能性を示す兆候があった場合に減損テストをしています。減損テストの実施対象となる有形固定資産は、技術の変化または需要の減少によって使用されなくなったものを含みます。
(iii) 法人所得税
当社グループは、多くの租税区域で法人所得税の課税を受けています。通常の事業を行う場合、最終的な税額が不確実である取引が多く存在します。当社グループは、税務調査の結果修正される法人所得税の額及びその可能性の見積りに基づいて、予想される税務調査上の論点にかかわる負債を認識しています。認識されるべき法人所得税の金額については、重要な判断を要します。最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、その差額は、税額が決定する期間に計上します。
課税所得が生じる時期および金額について実際に生じた時期および金額が見積りと異なる場合、または実効税率の変化によって、繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は変動します。
(iv) 退職後給付
当社グループはそれぞれの国において様々な退職後給付制度を設けています。確定給付制度においては、退職給付債務及び制度資産の算出にあたり、様々な仮定を使用しています。これらの仮定には不確実性が存在するため、当社グループでは仮定を設定する前に年金数理人によるアドバイスを受けています。
(v) 引当金
引当金は、前回の引当金計上時に行った見積り実績の参照、又は適切な場合には、専門家のアドバイス等を考慮して評価をしています。請求及び訴訟引当金は、原告との協議内容や当社グループの顧問弁護士の意見を踏まえて算定しています。環境引当金は、環境対策費用として現時点で見積もられる金額のほか、より重要性の大きな案件については、環境評価の専門家によるサポートを得て可能性のある金額レンジを算出したシミュレーション・モデルの結果に基づき算定しています。賞与引当金は、個々の賞与制度が規定する支給の基準値と、当社グループの現在の業績値又は将来業績の予想値との比較に基づき算定しています。リストラクチャリング引当金は、期末日以前に対象となる従業員に通知されたリストラクチャリング計画について、予想費用額を見積り算定しています。製品保証引当金は、過去における顧客クレームの実績率を参照し算定しています。
(vi) 優先株式(A種種類株式)
当社の発行するA種種類株式の発行条件を検討し、特に、A種種類株主の保有する取得請求権について、その行使時に交付される普通株式の数は、取得請求権を行使する時期に応じて一定数と定められていることから、同株式を資本性金融商品として区分すべきものであると判断しています。なお、契約上、当社にはA種種類株式を現金又はその他の金融資産によって強制的に償還を行う義務はありません。また、配当金についての定めはあるものの、配当金を支払う契約上の義務はなく、配当金の支払いは各期の取締役会決議によって決定されます。
(vii) ジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性
貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性は、現在および将来の事業環境に基づいています。将来の事業環境は、利用可能な将来の事業の状況に関する合理的な見積りを用いて予測されます。当社グループは、投資の回収可能性を評価する際に、ジョイント・ベンチャーからの配当や利息の支払い、または債務の返済を妨げうる法的制約の存在についても検討します。さらに当社グループは、当該ジョイント・ベンチャーが対象となる可能性のあるグループ全体での事業再構築や、それと同等の取組みについても検討に含めますが、その取組みが確実に完了する状況にあると考えられる場合に限ります。
本連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下の通りです。当社グループは、これらの会計方針について、本連結財務諸表に記載されている全ての期間において同一の会計方針として適用しています。
連結の基礎
(i) 子会社
子会社とは、当社グループがその会社の財務及び営業の方針を支配する力を有する全ての事業体のことであり、一般的には、その会社の議決権の過半数を保有する当該会社です。当社グループが他の事業体を支配しているかどうかの判断に際しては、ストック・オプションによる現時点で行使可能な(あるいは転換可能な)潜在的議決権の存在と影響を考慮しています。当社グループが議決権の50%超を支配している子会社の財務諸表は、その子会社に対する支配が当社グループに移転した日から当該支配が終了する日まで連結財務諸表に含まれます。
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を採用しています。子会社の取得のために移転された対価は、移転した資産、発生した負債、及び当社グループが発行した資本持分の公正価値の合計です。移転された対価には、条件付対価契約から生じた資産又は負債の公正価値が含まれます。取得関連費用は発生時に費用処理されます。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発負債は、当初、取得日の公正価値で測定されます。
移転された対価、被取得企業の非支配持分について識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額として当社グループが認識した金額、及び段階取得の場合には当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値の合計額が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額は、のれんとして計上されます。割安購入により、この金額が取得した子会社の純資産の公正価値を下回る場合、差額は連結損益計算書で直接認識されます(無形資産 (i) のれんを参照)。
グループ会社間の取引高、残高及びグループ会社間取引における未実現利益は消去されます。未実現損失についても、取引により資産に減損の証拠が無い限り、消去を行っています。当社グループを構成する全ての子会社は、共通の会計方針を使用しており、3月31日を決算日として連結財務諸表に反映しています。
(ii) 非支配持分
当社グループと非支配持分の所有者との間で行われる当社グループの子会社持分の変動について、子会社に対する支配の変更を伴わない場合には、資本取引として会計処理しており、のれん、又は利得及び損失が計上されることはありません。
(iii) ジョイント・ベンチャー
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループと他の当事者が、ある経済的活動を行う場合に共同支配を確立するための契約上の取決めです。当社グループでは、このような共同支配される経済的活動はジョイント・ベンチャーを通じて行われており、ジョイント・ベンチャーの資本に対する持分を有しています。従って当社グループは、共同支配を確立するための契約上の取決めのそれぞれについて、共同支配事業ではなくジョイント・ベンチャーに該当するものと判断しています。当社グループは、各ジョイント・ベンチャーのパートナーとの間で、当該ジョイント・ベンチャー契約以外の重要な契約上の取決めは無いものと考えています。当社グループは、ジョイント・ベンチャーの資本に対する持分について、関連会社と同様に、持分法を用いて会計処理しています。
(iv) 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有している事業体であり、通常、議決権株式の20%以上50%未満を保有しています。重要な影響力とは、投資先の財務及び経営上の方針の決定に参加するパワーであるが、これらの方針に対する支配又は共同支配ではないものです。関連会社に対する持分は、取得当初は取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理されています。当社グループは、各関連会社の出資者との間で、当該関連会社による通常の事業活動の中で生ずる契約以外の重要な契約上の取決めは無いものと考えています。関連会社に対する投資は、取得に際して識別されたのれん相当額を含んでいます。
ジョイント・ベンチャー及び関連会社の取得後の業績に対する当社グループの持分は、連結損益計算書において反映されており、また、取得後のその他の包括利益の変動に対する持分は、その他の包括利益で認識されます。これら取得後の純資産の変動の累計額が、投資の帳簿価額に対して調整されています。関連会社の損失に対する当社グループの持分が、当該関連会社に対する持分(無担保債権を含む)と同額以上である場合には、当該関連会社に代わって債務の引受け又は支払いの義務を負わない限り、持分を超過する損失は認識しません。
当社グループとジョイント・ベンチャー及び関連会社との間の取引から生じる未実現利益は、当該関連会社に対する持分の範囲で消去を行っています。未実現損失についても、取引により資産に減損の証拠が無い限り、消去を行っています。
ジョイント・ベンチャー及び関連会社は、当社グループと同一の報告期間で作成された監査済み財務諸表、もしくはこれが利用可能でない場合には、未監査の財務諸表に基づき、会計処理されています。これらの当社グループと同一の報告期間で作成された財務諸表の入手が実務上不可能な場合には、当社グループの報告期間より前3ヶ月以内の日に終了する報告期間で作成された財務諸表を使用しています。なお、必要に応じて、ジョイント・ベンチャー及び関連会社の財務諸表に対して、当社グループの会計方針と整合させるための修正を行っています。連結決算日との間に生じた重要な取引又は事象については、連結上必要な調整を行っております。
持分法適用会社に対する純投資を構成する金融債権及び持分の減損損失(該当ある場合には、それらの戻入益を含む)は連結損益計算書において、持分法適用会社に対する金融債権の減損損失及び持分法投資に関するその他の利益(損失)にそれぞれ別項目で表示しています。持分法適用会社の売却による利益または損失も持分法投資に関するその他の利益(損失)に含まれることになります。これらの科目は連結損益計算書において、持分法による投資利益の上段及び下段に表示しています。
セグメント情報
当社グループの最高意思決定機関は、取締役会です。当社グループでは、取締役会に提出される内部報告と整合した方法により、事業セグメントの業績の外部報告を行っています。取締役会は、事業セグメントへの資源配分及び業績評価について責任を負います。
外貨換算
(i) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個別財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨(機能通貨)で作成されます。連結財務諸表は、親会社(日本板硝子株式会社)の機能通貨である日本円で表示されます。
(ii) 取引及び残高
外貨建て取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算されます。取引の決済並びに外貨建ての貨幣性資産及び負債の期末日の為替レートによる換算から生ずる為替差損益は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジ及び純投資ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、連結損益計算書で認識されます。
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産に分類される持分証券の為替換算差額は、資本の中の公正価値の変動額に含まれます。
(iii) 在外子会社
当社グループの表示通貨とは異なる通貨を機能通貨とする全てのグループ企業の業績及び財政状態は、超インフレーション経済下の通貨を機能通貨としているアルゼンチンの子会社を除き、次の通り表示通貨に換算されます。
・連結貸借対照表の資産及び負債は、期末日の為替レートで換算されます。
・連結損益計算書の収益及び費用は、平均為替レートで換算されます。但し、当該平均為替レートが、取引日における為替レートの累積的影響の合理的な概算値とはいえない場合には、取引日の為替レートで換算されます。
・このように計算された結果生じる換算差額は、資本の構成項目である在外営業活動体の換算差額にて認識されます。
なお、アルゼンチンの子会社の業績及び取引は、超インフレ会計の適用により期末日の為替レートで当社グループの表示通貨に換算されます。
連結財務諸表において、在外事業体に対する純投資の換算から生ずる換算差額、並びにこのような純投資に対するヘッジ手段として指定された借入金や他の通貨による金融商品の換算から生ずる換算差額は、ともに資本の構成項目である在外営業活動体の換算差額に含まれます。在外事業体を売却した場合には、こうした換算差額は、売却損益の一部として連結損益計算書で認識されます。
2010年3月31日以前に認識されていた累積為替換算差額は、利益剰余金の内訳において「利益剰余金(IFRS移行時の累積換算差額)」の科目名称にて区分計上されています。2010年4月1日以降に発生する為替換算差額は、その他の資本の構成要素において在外営業活動体の換算差額として計上されます。
在外事業体の取得に伴い発生したのれん、無形資産並びにその公正価値への調整額については、当該在外事業体の資産及び負債として扱われ、期末日の為替レートで換算されます。
有形固定資産(自社所有)
土地と建物は、主として当社グループの製造設備に関するものです。土地は取得原価から減損損失累計額控除後の金額(リースにより調達している場合には、減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の金額)で計上されています。土地以外の全ての有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上されています。取得原価には、その資産の取得に直接付随する全ての費用を含んでいます。また、取得原価には、外貨建ての有形固定資産の購入に対して指定された有効なキャッシュ・フロー・ヘッジに係る利得及び損失のうち、資本から振り替えられた金額も含んでいます。
借入費用は、重要性のある有形固定資産の建設プロジェクトに関して、資産の建設期間に係る、当社グループの追加借入利息について資産化されます。資産化された借入費用は、関連する資産の経済的耐用年数にわたって減価償却されます。
当初取得以降に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理されます。他の全ての修繕並びに維持にかかる費用は、発生時に連結損益計算書で認識されます。
自社所有の土地は減価償却を行いません。自社所有の土地以外の有形固定資産の減価償却は、取得価額から残存価額を控除した金額について、以下の見積耐用年数にわたり定額法で算定しています。
| 自社所有の建物 | 3~50年 |
| フロートガラス溶融窯 | 10~15年 |
| ガラス製造プラント(溶融窯以外) | 25年 |
| ガラス加工プラント | 15年 |
| その他の工場設備 | 5~20年 |
| 車両運搬具 | 5年 |
残存価額と耐用年数は、技術の変化、耐用年数にわたる使用程度並びに市場環境を考慮して、毎期末日に見直され、必要な場合には変更されます。
減損テストの結果、減損損失を認識する場合には、資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額されます。(詳細は後段の「資産の減損」参照)
処分により発生する利得及び損失は、処分金額と当該資産の帳簿価額との差額により算出され、連結損益計算書に計上されます。
リースを含む契約による原資産を使用する権利を表す使用権資産については、後段の「リース」をご参照ください。
投資不動産
投資不動産は、主として土地、事務所の建物及び小規模な事業所、並びに当社グループによって使用されていないその他の不動産から構成されており、長期にわたり賃貸料収入を得る目的で保有されています。投資不動産は、取得原価で当初認識され、当初認識後は、割引キャッシュ・フロー法又は外部の鑑定評価によって毎年算定される公正価値(オープン・マーケット価格に近似)で計上されます。公正価値の変動は、連結損益計算書においてその他の収益又はその他の費用の一部として計上されます。
無形資産
(i) のれん
のれんは、定期的に減損のテストが行われ、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上されます。グループ企業の売却により発生する利得及び損失には、売却された企業に関連するのれんの帳簿価額が含まれています。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合からの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位に配分されます。各資金生成単位は、主要な報告セグメントを地域別に区分した単位としています(資産の減損を参照)。
(ii) 商標権及びライセンス
商標権及びライセンスは、取得原価で当初認識されます。商標権及びライセンスは、一定の耐用年数を有し、当初認識後は取得原価から償却累計額を控除した金額で計上されます。商標権及びライセンスの償却費は、取得価額を見積耐用年数(20年以内)にわたり定額法で算定しています。
(iii) ソフトウェア
取得したソフトウェアのライセンスは、当該ソフトウェアの取得に要した原価に基づき資産として計上されます。償却費は、見積耐用年数(5年~10年)にわたり定額法で算定しています。
ソフトウェアのプログラムを開発もしくは維持するための支出は、発生時に費用として認識されます。ただし、当社グループによって支配される識別可能で固有なソフトウェアに直接関連する原価について、当該原価を上回る経済的便益の獲得能力が1年を超えて見込まれる場合には、無形資産として認識されます。直接的に発生した原価には、ソフトウェアの開発に要した労務費並びに開発に直接的に帰属する間接費の金額が含まれます。
無形資産として認識されたソフトウェアの開発費の償却費は、見積耐用年数(10年以内)にわたり定額法で算定しています。
(iv) 研究開発費
研究費は、発生時に費用認識されます。開発プロジェクト(当社グループ内で使用される新規もしくは改良された製品又はプロセスの設計及びテスト)において発生した支出は、当該プロジェクトがビジネスとして成功し技術上の実行可能性が確立する可能性、あるいはグループ内で改良されたプロセスを生み出す可能性が高く、かつ金額を信頼性をもって測定できる場合にのみ、無形資産として認識されます。そうでない場合、開発費は発生時に費用認識されます。当初費用認識された開発費は、その後の会計期間において無形資産として認識されることはありません。無形資産に計上された開発費の償却費は、当該製品の商業生産が可能となった日もしくは当該プロセスが使用可能となった最初の日より、予測使用期間(製品は5年以内、製造プロセスは20年以内)にわたり定額法で算定されます。
(v) 買収により発生した無形資産
2006年6月のピルキントン社買収に伴い、取得された純資産の公正価値の一部として識別された無形資産は、顧客との関係、ノウハウ、ライセンス契約、ピルキントン・ブランド、その他のブランド、開発途上技術及び技術資産から構成されます。これらは無形資産に計上され、償却費は、次の通り無形資産のカテゴリー毎に、当社グループに便益がもたらされると期待される期間を見積り、当該期間を耐用年数として定額法で算定されます。
| 顧客との関係 | 20年以内 |
| ノウハウ(注2) | 10年 |
| ライセンス契約(注2) | 11年 |
| ピルキントン・ブランド(注1) | - |
| その他のブランド(注2) | 10年 |
| 開発途上技術(注2) | 20年以内 |
| 技術資産(注2) | 15年以内 |
(注1)ピルキントン・ブランドは耐用年数が確定できないため、償却の対象ではありませんが、定期的に減損テストが実施されます。
(注2)ノウハウ、ライセンス契約、その他のブランド、開発途上技術及び技術資産は償却が終了しており、当連結会計年度末(2023年3月末)時点の帳簿価額はいずれもゼロとなっています。
資産の減損
耐用年数を確定できない無形資産は、償却の対象ではなく、定期的に減損テストが実施されます。償却対象の資産についても、帳簿価額を回収することができない可能性を示す兆候があった場合に減損テストが実施されます。減損損失は帳簿価額が回収可能価額を上回る場合に認識されます。回収可能価額は、資産の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額です。減損テストを実施するに際して、個々の資産は、そのキャッシュ・フローが相互に独立して識別可能な最小単位(資金生成単位)でグループ分けされます。
将来キャッシュ・フローを予測するには、市場の成長率、販売数量、市場価格等の様々な前提条件や見積りが使用されます。将来キャッシュ・フローの予測は、過去からの傾向、市場の環境並びに業界の傾向を参照して算定した将来の売上高及び営業費用の最善の見積りに基づいています。これらの前提条件は、経営者及び取締役会によって見直しが行われます。将来キャッシュ・フローの予測値は、評価日における資本コストにリスク・プレミアムを加えた適切な割引率によって調整されます。回収可能価額の算定に使用される税引前加重平均資本コストに基づく割引率は、地域毎に適切な水準で設定され、のれんの減損テストにも使用されます(注記16参照)。
財務リスク管理
財務リスクの要因
当社グループは、グローバルに事業活動及び財務活動を行っているため、外国為替リスク、燃料価格リスク、借入金の調達コスト及び金利に関するリスクといった市場リスク、並びに信用リスクや流動性リスクなどの様々な財務リスクを有しています。当社グループは、金融商品を用いてグループの財政状態及び業績に与える影響を最小限にするように財務リスク管理を実施しています。
財務リスク管理は、取締役会が承認した方針に基づいて、当社グループの財務部門(以下「グループ財務」)が行っています。グループ財務は、グループの事業部門との緊密な協力関係の下で財務リスクを識別し、評価し、ヘッジしています。全般的なリスク管理について文書化された原則に加えて、外国為替リスク、燃料価格リスク、金利リスク、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の利用、信用リスク、並びに十分な流動性の確保等の特定分野について文書化された取組方針が、取締役会の承認により策定されています。
(i) 市場リスク
(a) 外国為替リスク
当社グループは、グローバルに事業活動を行っており、主にユーロ、ポンド及び米ドルといった様々な通貨に関して生じる外国為替リスクを有しています。外国為替リスクは、将来の商取引、認識されている資産及び負債、並びに在外営業活動体に対する正味投資額から発生しています。
将来の商取引又は既に認識している資産及び負債に起因する外国為替リスクを管理するため、グループ子会社は、グループ財務との間で為替予約契約を利用しています。外国為替リスクは、将来の商取引又は既に認識されている資産や負債が企業の機能通貨と異なる通貨建である場合に発生します。グループ財務は、外部金融機関との為替予約契約を通じて、通貨毎のネットポジションを管理する役割を担っています。
各子会社は、グループ財務との為替予約契約について、必要に応じて公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しています。
特定の資産、負債もしくは将来の商取引に係る外国為替リスクについては、グループレベルで外部金融機関との間で為替予約契約を締結し、ヘッジとして指定しています。
グループのリスク管理方針として、将来の外貨建の商取引がほぼ確実に発生すると見込まれる場合には、外国為替リスクをヘッジすることにしています。
当社グループは、在外営業活動体に対する一定の投資をしており、在外営業活動体の純資産は、外貨の換算に伴う外国為替リスクを有しています。グループの在外営業活動体の純資産から生じる外国為替リスクは、主として同じ外貨建の借入金を通じて管理しています。
当社グループの為替レートの変動に対する影響は、主として、連結財務諸表の作成に際し現地通貨で表示される資産、負債、収益、並びに費用を円換算する過程において発生します。他の条件に変動が無い前提では、為替レートが他の主要通貨に対して1%円高になれば、2023年3月期における連結貸借対照表の資本の額が約3,000百万円減少(2022年3月期は約4,000百万円減少)し、また、2023年3月期における連結損益計算書の当期損失が約400百万円減少(2022年3月期は当期利益が約100百万円減少)します。
(b) 燃料価格リスク
当社グループは、主に重油やガスなどのエネルギーを大量に消費するため、これらエネルギーの価格変動リスクを有しています。当社グループは、向こう12ヶ月間に予想される購入量の20~100%の範囲、その先の4年間は予想される購入量の0~80%の範囲でヘッジを行うことを方針としています。
(c) 金利リスク
当社グループは、重要性のある有利子資産を有していないため、これらの資産からの損益及びキャッシュ・フローが市場金利に左右されることは実質的にありません。
当社グループの金利リスクは、主として長期借入金から発生します。当社グループでは、変動金利の借入金により将来キャッシュ・フローの変動リスクを、また固定金利の借入金により公正価値の変動リスクを、それぞれ有しています。当社グループでは、借入金の30~70%を固定金利とすることを方針にしています。他の条件に変動が無い前提では、1%の金利の上昇は、年間2,458百万円(2022年3月期は年間2,870百万円)の金利費用の増加につながります。
当社グループは、キャッシュ・フローの金利リスクを支払固定・受取変動の金利スワップ取引により管理しています。こうした金利スワップ取引には、変動金利の借入金を固定金利の借入金に変換する実質的効果があります。当社グループは、金利スワップ契約に従い、想定元本に基づき算定された契約金利(固定金利)と変動金利との差額について、特定の期日に受け渡しする取決めを相手先との間で有しています。
金利ベンチマークの改正に伴う当社グループのリスク管理戦略の変更はありません。ポンド及び米ドルLIBORの移行はいずれも完了しました。主要なリスクは確認されていません。
(ii) 信用リスク
当社グループは、自動車ガラスのOEM先への債権以外には信用リスクの過度な集中はありません。当社のグループ方針として、製品の販売は過去の信用情報に基づき実行することにしています。デリバティブ金融商品の使用は、信用力の高い金融機関との取引に限定しています。当社グループは、各金融機関との信用リスクのエクスポージャーの金額に上限を設定することを方針としています。
注記43「関連当事者との取引」に記載の通り、当社グループでは、ジョイント・ベンチャー及び関連会社に対する貸付金等の債権を保有しています。当社グループでは、ジョイント・ベンチャー及び関連会社に対するこれらの貸付金等の債権について、独立第三者間取引に適用される条件に基づき管理するとともに、債権が弁済される十分な見込みがある場合にのみ貸付等が実行されるようにしています。
(iii) 流動性リスク
当社グループは、十分な現金及び現金同等物を確保するとともに、借入限度枠の設定により資金調達能力を維持することを方針としています。事業環境のいかなる変動にも対応するため、グループ財務では、未使用の借入限度枠を十分に確保することによって、機動的な資金調達能力を維持するよう努めています。
金融商品
当社グループは、金融商品(金融資産及び負債)を以下の通り、純損益を通じて公正価値を測定する金融資産及び負債、償却原価で測定する金融資産及び負債並びにその他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の各カテゴリーに分類しています。
当社グループの経営者は、当初認識時に金融商品の分類を決定し、期末日ごとに分類が適切かどうかについての再評価を行っています。こうした金融商品の分類の決定及び再評価に際しては、当該金融商品に係る契約上のキャッシュ・フローの特性と、当該金融商品を保有するための事業モデルが考慮されます。
(i) 純損益を通じて公正価値を測定する金融資産及び負債
このカテゴリーは、売買目的保有金融資産と当初認識時に純損益を通じて公正価値を測定するものと指定された金融資産の2つのサブ・カテゴリーに分類されます。金融資産は、短期間で売却する目的で取得された場合、このカテゴリーに分類されます。デリバティブも、有効なヘッジ取引におけるヘッジ手段に指定されない限り、売買目的保有に分類されます。このカテゴリーに分類される金融資産及び負債は、売買目的で保有される場合、あるいは期末日から12ヶ月以内に売却が実現すると見込まれる場合、流動資産及び流動負債に計上されます。当社グループは、当連結会計年度末時点において、ヘッジ要件を満たさないデリバティブを除き、このカテゴリーに分類される金融資産及び負債を保有していません。
(ii) 償却原価で測定する金融資産及び負債
このカテゴリーに分類される金融資産は、当社グループの連結貸借対照表において、売上債権及びその他の債権として計上されています。売上債権及びその他の債権は、支払額が固定もしくは決定可能なデリバティブ以外の金融資産で、活発な市場における公表価格が存在しないものです。当社グループが貨幣、財貨もしくは役務を相手先に直接提供し、その結果発生する債権を売買する意図を持たない場合、当該債権はこのカテゴリーに分類されます。このカテゴリーに分類される金融資産は、期末日から12ヶ月を超えて満期日が到来するため非流動資産に計上されるものを除き、流動資産に計上されます。
このカテゴリーに分類される金融負債は、当社グループの連結貸借対照表において、社債及び借入金又は仕入債務及びその他の債務として計上しています。社債及び借入金は、主として金融機関との間で締結された借入契約に基づき発生するものであり、期末日から12ヶ月以内に満期日が到来する場合は流動負債に、また12ヶ月を超えて満期日が到来する場合は非流動負債に、それぞれ計上されます。仕入債務及びその他の債務は、支払額が固定もしくは決定可能なデリバティブ以外の金融負債で、活発な市場における公表価格が存在しないものです。当社グループが財貨や役務をサプライヤーから受領する際に発生する債務は、このカテゴリーに分類され、社債及び借入金と同様に、想定された決済日までの期間に応じて流動負債と非流動負債に区分して計上されます。
償却原価で測定する金融資産及び負債が、当該金融資産及び負債が相手先への金融アレンジメントの供与もしくは相手先からの金融アレンジメントの提供を含んだ取引条件により発生する場合には、実効金利法を用いて償却原価によって測定されます。一方、当該金融資産及び負債が金融アレンジメントを伴わない通常の事業過程において発生する場合には、当初認識時に測定された価額が償却原価として維持されます。
社債及び借入金は、社債、借入金、リース負債及び非支配持分に対する固定額の配当金の支払義務で構成されます。社債及び借入金は、公正価値で当初認識され、それ以降は償却原価で計上されます。付随する取引費用については、関連する社債及び借入金の満期までの期間にわたり連結損益計算書において認識しています。取引費用控除後の正味手取金額と返済価額との差額は、実効金利法を用いて借入期間にわたり連結損益計算書において認識されます。
資本の性格を有していない優先株式は、連結貸借対照表において負債に計上され、直近の償還価額により測定されます。資本の性格を有していない優先株式に係る配当金は、連結損益計算書において支払利息として認識されます。借入金は、当社グループが期末日後少なくとも12ヶ月間その返済を繰り延べる無条件の権利を有しない限り、流動負債に計上されます。
当社グループは、償却原価で測定する金融資産(債権等)の評価において予想信用損失モデルを適用しており、また適切な場合には、個々の債権等に対する個別の貸倒引当金の認識についても考慮しています。予想信用損失モデルでは、将来予測に基づく複数のシナリオを用いて、債権等のグループに対する信用損失(減損)の可能性を検討します。売上債権に対する貸倒引当金は、当社グループが当初の取引条件に基づき債権の全て又は一部を回収できないと見込まれる場合には、個別の売上債権に対して認識されます。この場合、貸倒引当金の金額は、売上債権の帳簿価額と、当該売上債権から回収が見込まれる将来キャッシュ・フローを実効金利法により割り引いた現在価値との差額となります。債権等のグループに対して予想信用損失モデルを適用する場合には、個別の債権等については回収可能であり信用損失の発生が見込まれない場合であっても、貸倒引当金が認識される可能性があります。貸倒引当金の変動は、連結損益計算書において認識されます。なお、契約資産についても同様の方法で評価をしています。
売上債権が債権流動化スキームを通じて金融機関に売却される場合において、当社グループが当該債権に対して重要なリスクと経済価値を保持していない場合、又はリスクと経済価値を部分的に保持しているが当該債権に対する支配をもはや保持していない場合には、当該債権の認識は中止されます。
(iii) その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産は、当社グループがその投資先に対して重要な影響力を行使することができないデリバティブ以外の金融資産です。このカテゴリーには、その保有が売買目的でなく、その他の包括利益を通じて公正価値を測定するという取消不能の選択をした持分金融商品に対する投資、又は契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却により支払額が固定もしくは決定可能と見込まれる負債性金融商品に対する投資が含まれます。
その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産は、公正価値で当初認識され、当初認識以降も公正価値で測定されます。公正価値の変動に伴う未実現の利得及び損失は、連結包括利益計算書において認識され、資本(その他の資本の構成要素)の構成項目であるその他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の公正価値に計上されます。当社グループは、当該金融資産又はグルーピングされた金融資産に減損が生じているかどうかについて、期末日ごとに評価を行います。このカテゴリーに分類された負債性金融商品に減損が生じている場合には、それまで連結包括利益計算書を通じて認識されていた公正価値の変動による累計額は組替調整され、連結損益計算書において損失が認識されます。
デリバティブ及びヘッジの会計処理
デリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行い、当初認識後の再測定も公正価値で行っています。デリバティブに係る再測定の結果生じる利得又は損失の認識方法は、ヘッジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質及びヘッジの有効性によって決定されています。当社グループは、一部のデリバティブについて、以下のいずれかの指定をしています。(a)認識されている資産もしくは負債の公正価値の変動のヘッジ、又は確定約定の公正価値の変動のヘッジ(公正価値ヘッジ)(b)認識されている資産又は負債、もしくは可能性の非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動リスクのヘッジ(キャッシュ・フロー・ヘッジ)(c)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ(純投資ヘッジ)
当社グループは、ヘッジの開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目標及び戦略について文書化しています。当社グループはまた、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために極めて有効的であるかどうかについての評価も文書化しています。期間に関連していると考えられるヘッジ契約において、ヘッジに係るコストは、連結損益計算書においてヘッジ関係の有効期間にわたって期間按分し認識されます。
ヘッジ会計が適用されるデリバティブの公正価値の変動は、次の通り会計処理されます。
(i) 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産をヘッジ対象とする場合には連結包括利益計算書を通じて資本に認識され、それ以外の資産等をヘッジ対象とする場合には連結損益計算書に認識されます。この結果、ヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジ対象の公正価値の変動に整合するような形で認識されることになります。
(ii) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、連結包括利益計算書を通じて資本で認識しています。非有効部分に関する利得又は損失は、連結損益計算書に即時に認識しています。
資本に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期(例えば、ヘッジした予定売上が発生する期)に、組替調整額として純損益に振り替えています。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(例えば、棚卸資産)もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定時における計上額に含めています。
ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性がなくなった時点で、資本に計上されている利得又は損失の累計額を連結損益計算書に振り替えています。
(iii) 純投資ヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理しています。ヘッジ手段に係る利得又は損失のうちヘッジの有効部分に係るものは、連結包括利益計算書で認識しています。非有効部分に関する利得又は損失は、連結損益計算書に即時に認識しています。
資本に計上された利得又は損失の累計額は、在外営業活動体が部分的に処分又は売却された時点で連結損益計算書に振り替えています。
(iv) ヘッジ要件を満たさないデリバティブ取引
一部のデリバティブ取引はヘッジ要件を満たさないものがあります。このような取引から生じる公正価値の変動は、連結損益計算書に即時に認識しています。
公正価値の見積り
活発な市場で取引される金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産)の公正価値は、期末日現在の市場相場価格に基づいています。当社グループが保有している金融資産に用いられる市場相場価格は、現在の買呼値です。金融負債に用いられる市場相場価格は、現在の申し込み価格です。なお、持分法で会計処理される投資に減損の兆候が存在する場合には、当該金融資産の回収可能価額について、使用価値及び処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額で測定しています。
活発な市場で取引されていない金融商品の公正価値は、評価技法を用いて測定しています。当社グループは様々な方法を用い、また期末日現在の市場相場価格に基づく仮定を行っています。
為替予約契約の公正価値は、期末日における為替予約の市場レートにより算定しています。金利スワップ契約の公正価値は、期末日において観察されるイールド・カーブに基づき見積られる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。商品スワップ契約の公正価値は、期末日における先物市場価格により算定しています。
金融負債の公正価値は、当該金融負債から発生するキャッシュ・フローを、信用リスクを反映した割引率と、通貨スワップ・レートに、適切なスプレッドを加算した利率によって割り引いたうえで算定しています。
非上場株式の公正価値は、入手可能な場合は将来予測を用いて算定していますが、多くの場合において入手困難であるため期末日の純資産価額に基づき算定しています。
棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の額で評価されます。原価は、主として先入先出法により算定しています。製品及び仕掛品の原価は、設計費、原材料費、直接労務費、その他の直接費並びに正常生産能力等に基づき行われた製造間接費の配賦額から構成されています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、販売に要する見積り費用を控除した額です。棚卸資産の原価には、原材料の購入に関連する有効なキャッシュ・フロー・ヘッジに係る利得又は損失のうち、資本から振り替えられた額が含まれています。
連結貸借対照表に計上される棚卸資産の帳簿価額は、定期的に見直しをしています。長期にわたり滞留している場合、もしくは当社グループが販売によって原価の全て又は一部を回収できる見込みがない場合には、棚卸資産の帳簿価額を見積正味実現可能価額まで減額しています。
契約を獲得するために発生したコストは、それが回収可能であると判断された場合は棚卸資産として認識されます。このコストは契約が有効な期間にわたって定額法で償却されます。
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払いの銀行預金、当初の満期日が3ヶ月以内の流動性が高い短期投資並びに銀行当座借越契約から構成されます。但し、銀行当座借越契約は、連結貸借対照表上は、流動負債に借入金として計上されます。
リース
リース(借手)
当社グループは契約の開始時に、契約がリースであるか、またはリースを含むかを評価し、契約の履行が特定された資産の使用に依存するかどうかに焦点を当てます。評価には、当社グループが識別された資産の使用から、実質的に全ての経済的便益を得られるか、及び資産の使用を指示する権利を有するかの判断が含まれます。判定基準を満たす場合、当社グループはリース開始日に使用権資産及びリース負債を貸借対照表において認識します。
当社グループは、地域の規制やビジネス慣行に応じた異なる期間や条件で約3,000ものリースを行っています。一部のリースには延長オプションと解約オプションが含まれており、当社グループが延長オプションを行使することが合理的に確実であり、解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合、リース期間に反映します。
(使用権資産)
使用権資産はまず、リース料総額の割引現在価値から当初直接コストや前払リース料、原資産の原状回復に係る費用の見積額を調整して測定されます。その後、使用権資産は原価から減価償却累計額と減損損失を差し引いた金額で測定され、リース負債の再測定により調整されます。
使用権資産は、当社グループの連結貸借対照表では有形固定資産に含めて表示されます。償却費は、リース期間又は使用権資産の残存見積耐用年数のうち、いずれか短い期間で定額法により計上します。
減損が発生した場合、資産の帳簿価額は直ちに回収可能額まで減額されます。(詳細は前述の「資産の減損」を参照)
(リース負債)
リース負債は、類似の特性を有する複数のリース契約に対して単一の割引率を適用する実務上の便法を適用し、報告日において割引計算されたリース料総額で測定されます。
リース負債の測定で使用する割引率は、リース料総額とリース資産の現在価値を等しくするリースの計算利子率を適用します。リースの計算利子率の特定が容易でない場合は、リース契約期間及びリース契約上の通貨、当社グループの借手としての財政状態、リース契約に基づき貸手に提供されている担保の性質を考慮し算出する、追加借入利子率を使用します。
リース負債は、当社グループの連結貸借対照表では社債及び借入金に含めて表示されます。リース負債は実効金利法により測定され、支払利息は連結損益計算書に計上されます。
(セール・アンド・リースバック取引)
当社グループが資産を売却し、買主との間でリース契約を締結することにより即座に資産の使用権を再取得した場合、この取引はセール・アンド・リースバック取引と見なされます。この取引が純粋なリース契約であるのか、あるいは資産を用いた資金調達手法であるのかを当社グループは判定します。
資産が売却されたと判定した場合、当社グループはその取引をセール・アンド・リースバック取引として会計処理を行います。使用権資産と関連するリース負債は、将来のリース料とその他の関連する要素に基づき認識します。初期測定時における使用権資産の価値は、原資産の帳簿価額を上限に、リース負債認識額を売却資産の公正価値で割った結果を乗じて計算します。この使用権資産の価値に対する制約は、当社グループが引き続き保持する持分が原資産の従前の原価に基づいて計算されることを担保しています。
会計処理の観点から資産が売却されていないと判定した場合、その取引は担保付資金調達の形態をとるものとして会計処理を行います。当該資産は引き続き連結貸借対照表上で有形固定資産として認識し、売却が減損の兆候であると見なされない限り、その売却によって資産の価値は修正されません。金融負債は割引計算された将来のリース料の総額によって認識しますが、リース負債ではなくその他の借入金として認識します。
(短期リース・少額リース)
当社グループは、12ヶ月以内の短期リースと原資産が少額のリースについては使用権資産及びリース負債として認識しないことを選択しました。これらのリースについては、リース料はリース期間にわたり定額で費用として認識します。
リース(貸手)
当社グループが未利用の賃借物件または所有物件を賃貸し、これら物件で経常的に発生する費用と相殺または軽減させる契約を締結することがまれにあります。このようなケースで当社グループは、借手が資産の使用から実質的に全ての経済的便益を得られ、資産の使用を指示する権利を有する場合はファイナンス・リースに分類します。そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。
当社グループは、賃貸開始日における将来支払われるサブリース料の現在価値に基づき、ファイナンス・リースと見なされる全てのサブリースの純投資を認識します。この純投資は、当社グループの連結貸借対照表の債権に含まれています。その後、この純投資は実効金利法を使用して償却原価ベースで測定されます。
オペレーティング・リースから受け取るサブリース料は、リース期間にわたる定額法で損益計算書で認識します。
法人所得税
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産負債法により、資産及び負債の税務基準額と連結財務諸表上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対して認識しています。但し、当該一時差異が企業結合ではなく、かつ、取引日に会計上の純損益及び課税所得(欠損金)に影響を与えない取引において資産又は負債の当初認識から生じる場合は、繰延税金は認識されません。繰延税金の算定には、貸借対照表日までに制定又は実質的に制定されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される法定税率(及び税法)を使用しています。
繰延税金資産は、一時差異を利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しています。子会社又は関連会社に対する投資から生じる将来加算及び減算一時差異について繰延税金を計上していますが、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールしており、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合は繰延税金を認識していません。なお、のれんの当初認識時における一時差異については、繰延税金負債を認識していません。
関連する当期の未収法人所得税を当期の未払法人所得税と相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ繰延税金資産及び繰延税金負債が同一の税務当局によって同一の納税企業体に課せられたものである場合、当該繰延税金資産と繰延税金負債は相殺しています。
従業員給付
(i) 年金
当社グループは世界各地に様々な退職給付制度を有しています。退職給付制度は通常、保険会社もしくは信託会社が管理する基金への支払いを通じて積み立てており、積立金額は定期的な数理計算によって算定されます。当社グループは確定給付制度及び確定拠出制度を有しています。
確定給付制度に関連して連結貸借対照表で認識される負債は、報告期間の末日現在の確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除しています。確定給付型の退職給付債務は、毎期、独立した年金数理人が予測単位積増方式を用いて算定しており、退職給付債務の現在価値は、関連する年金債務の期間に満期が近似しており、かつ給付が支払われる通貨建ての優良社債の市場利回りに基づく割引後見積将来キャッシュ・フローで算定しています。
当社グループが年金資産の積立超過額の返還に対して無条件の権利を有する場合には、当該年金制度の積立超過額からその返還に際して課税されると見込まれる税金の額を控除した金額によって、退職給付に係る資産が認識されます。
当期の勤務費用は、従業員の当期の勤務に対して発生し、連結貸借対照表上の退職給付債務を増加させ、連結損益計算書の営業費用に計上されます。
過去勤務費用は、発生時に連結損益計算書で即時認識されます。
確定給付負債の純額に係る金融費用は、該当地域毎に確定給付負債の純額に対して個別の割引率を適用することによって算定されます。
数理計算上の差異は、実績値への修正及び数理計算上の仮定の変更から生じ、IAS第19号「従業員給付」に基づき連結包括利益計算書を通して資本に計上しています。
当社グループは、確定拠出型の退職給付制度については、公的又は私的管理の年金保険制度に対し、強制、契約上又は任意で拠出金を支払っています。拠出金の支払いを行っている限り、グループに追加的な支払い債務は発生しません。拠出金の前払いは、現金の払い戻し又は将来の支払額の減額が可能である範囲で資産として認識しています。
(ii) その他の従業員給付
当社グループのアメリカの連結子会社では、退職した従業員の一部に対して退職後医療給付を提供しています。これらの給付の受給資格は、通常、従業員が定年まで勤務し、かつ一定の最低勤続年数を完了していることを条件として与えられます。これらの給付の予想コストは、確定給付年金制度で用いられるのと同様の会計処理方法により、雇用期間にわたって未払計上されます。実績値への修正及び数理計算上の仮定の変更から生じた数理計算上の差異は、IAS第19号「従業員給付」に基づき発生した期間に連結包括利益計算書に計上しています。これらの債務は毎期、独立した有資格者の年金数理人が評価しています。
(iii) 解雇給付
当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が解雇給付と引き替えに自発的退職に応じる都度、解雇給付が支給されます。当社グループが、現従業員を解雇することに関する詳細で正式な計画を有しており、その撤回可能性がない場合、又は従業員が自発的退職に応じる見返りとして解雇給付を支給する場合には、雇用の終了が明確に確約された時点で、当社グループは解雇給付を認識しています。
(iv) 利益配分(賞与及びマネージメント・インセンティブ・プラン)
当社グループは、利益配分(賞与及びマネージメント・インセンティブ・プラン)について損益及びキャッシュ・フローの達成度に基づき債務及び費用を認識しています。当社グループは、契約上の義務がある場合、又は推定的債務を生じさせるような過去の慣行が存在する場合には引当金を計上しています。
引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を持つ資源が流出する可能性が高く、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識されます。例えば保険契約のように、当社グループが引当金を決済するために必要な支出の一部又は全部の補填を期待できる時には、補填の受け取りがほぼ確実な場合に限り、補填は別個の資産として認識されます。連結損益計算書において、引当金繰入額は、補填として認識された金額との純額により表示されます。将来の営業損失に対しては引当金を認識していません。
同種の債務が多数ある場合、決済に要するであろう資源の流出の可能性は同種の債務全体を考慮して決定しています。同種の債務のうちある一つの項目について流出の可能性が低いとしても、引当金を認識しています。
全ての引当金について、将来の支出が12ヶ月を超え、貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、現在価値に割り引いて認識しています。時の経過による引当金の増加は、毎期、連結損益計算書の金融費用に計上しています。現在価値への割引においては、各地域毎に当該引当金に特有のリスクを反映させた割引率を使用しています。
顧客との契約から生じる収益
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用に伴い、収益は次の5ステップを用いて認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を決定する
ステップ4:取引価格を契約における各履行義務に配分する
ステップ5:各履行義務が充足された時点で収益を認識する
当社グループには建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3つの主要な戦略事業単位(SBU)があり、各事業はグローバルに組織されています。
建築用ガラス事業は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しています。このセグメントには、太陽電池パネル用ガラス事業も含まれます。主な顧客は、当社が供給するガラス製品を自社製品に加工する製造業、建設会社やハウジングメーカー、卸売業者、及び小売店になります。
自動車用ガラス事業は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しています。主な顧客は、世界的な自動車メーカーや補修用ガラス製品の卸売業者になります。
高機能ガラス事業は、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイド、エンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、様々な事業からなっています。主な顧客は、当社が供給するガラス製品を自社製品に加工する製造業者になります。
この3SBUの事業活動から得られる収益の流れを分析すると、契約の性質と状況から次のように分類できます。
(i) ガラス及びガラス製品の販売による収益
収益の多くはガラス及びガラス製品の販売によりもたらされています。当社グループでは通常、特定の注文書を顧客との契約と見なしており、場合によっては包括契約が適用されます。包括契約が適用される注文書の場合、包括契約と注文書に記載されている期日と条件は、どのように収益を認識するかを決定する根拠となります。注文確認と履行義務の充足との間が1年間あるいはそれ以内である場合は、顧客との契約は短期であると考えられます。
ほとんどの場合、ガラス及びガラス製品が顧客に引き渡され、所有権が移転した時点で収益を認識しています。これは支配の移転により履行義務が充足されたという判断に基づきます。他の仮定を使う特別な理由が無い限り、ひとたび顧客がガラス及びガラス製品を自らの施設で検収する、あるいは当社グループの施設にて引き取りが完了した時点で、ガラス及びガラス製品に対する支配は顧客に移転したものと考えています。
(ii) 役務提供による収益
役務提供による収益は、役務が提供されて契約条件に基づく義務が充足された時点で認識されます。契約内容により、収益は一時点又は一定の期間にわたって認識するものがあります。
(iii) エンジニアリング契約による収益
当社グループのエンジニアリング契約は通常、ガラスフロート窯の建設や補修、又は外部顧客あるいはジョイント・ベンチャーなど関連当事者の重要性のある資産に関連したものです。この種の契約は、資産の製作または拡張の進捗に応じて顧客がその資産を支配するため、一定の期間にわたり充足する履行義務を表します。この理由は、その資産が顧客の敷地内に存在し、移転することが現実的でない規模のものであるためです。エンジニアリング契約による収益は、報告期間に実際に提供した役務と最終的に提供するであろう役務の合計との比率で認識されます。これには、収益が確実に測定可能な特定のマイルストーンが契約に明確に定められている場合を除いて、インプット法が適用されます。
状況が変化した場合は、収益、費用、又は完了までの進捗度の見積りが修正されます。結果として生じる収益や費用の見積りの増減は、状況の変化が生じた会計期間の純損益に反映されます。
(iv) ロイヤリティ及びライセンス契約による収益
当社グループは、特許や開発した技術などの知的財産の使用許可を与えるライセンス契約を顧客との間で締結している場合があります。ロイヤリティ及びライセンス契約による収益は、顧客に提供される当社グループの技術へアクセスできる権利の内容によって、一時点又は一定の期間にわたって認識されます。
ライセンスの対象が、契約開始時に存在している当社グループの特定の技術である場合、収益はライセンス供与した時点で全額認識することになります。
ライセンスの対象が、契約開始時に存在し、かつライセンス期間中も開発が継続される当社グループの特定の技術である場合、収益は契約期間にわたって徐々に認識することになります。
当社グループからの継続的なサポート義務を含むライセンスから生じる収益は、通常はサポート提供義務とライセンス供与義務と区別されないため、契約期間にわたり徐々に認識することになります。
(v) 金型による収益
当社グループは、顧客の仕様に合わせたガラス製品を生産するために金型を製作しています。金型の販売による収益は、関連する契約の特定の事実及び状況の判断に基づいて認識されます。
金型の製作の履行義務が、ガラス及びガラス製品と分けられる場合、金型は製作された時点で棚卸資産として認識します。収益は、金型の支配が顧客へ移転した時点で独立販売価格で認識します。請求額と独立販売価格に差がある場合は契約資産として認識し、収益を契約期間にわたりインプット法又はアウトプット法により調整します。
金型の製作の履行義務が、ガラス及びガラス製品と分けられず、支配が当社グループに留まる場合、金型は有形固定資産として貸借対照表で認識します。顧客の負担金は繰延収益として認識し、アウトプット法により契約期間にわたり収益に計上します。
収益認識に関する判断事項
取引価格にはリベートや値引きなど収益を減少させる変動対価の見積りが含まれます。全ての見積りは、見積りが行われた時点での当社グループの過去の経験及び当社グループの最良の判断に基づいています。取引価格に含まれる変動対価は、変動対価の性質に応じて期待価値法または最も可能性の高い金額を用いて見積もられています。これらの見積りは報告期間ごとに再評価され、重大な戻入が生じない可能性が非常に高い範囲で取引価格に含めています。
契約の大部分は単一の履行義務を有しており、その取引価格は契約に記載されています。複数の履行義務を有する契約については、当社グループは独立販売価格に基づいて取引価格を各履行義務に配分します。独立販売価格は、当社グループが約束した財またはサービスを個別に顧客に販売するであろう価格です。
約束された財又はサービスの顧客への引き渡しから、支払いを受けるまでの期間が1年以内の契約が原則であることから、実務上の便法を適用し、重大な金融要素の影響について取引価格を調整しないことを選択しています。
利息収入
利息収入は実効金利法により認識しています。減損された金融債権の金利は、当該金融資産の金利が現金回収される場合に認識します。
配当収入
配当収入は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しています。
個別開示項目
当社グループでは、グループの経営成績に対する正しい理解に資するため、連結損益計算書の損益項目を個別開示項目として表示することがあります。一般的には、個別開示項目は金額に重要性がある、あるいは一過性の性格を持っています。
繰延収益
(i) 政府補助金
政府補助金は、補助金を受領すること、及び補助金が交付されるための全ての付帯条件が満たされることについて合理的な保証が得られた場合にその公正価値で認識しています。補助金が費用支出に関連する場合には、その補助金は、補償される関連費用と対応させるために必要な期間にわたって規則的に利益として認識しています。有形固定資産に関連する補助金の場合には、繰延収益として認識され、関連資産の見積耐用年数にわたって均等に連結損益計算書に認識しています。
(ii) その他の繰延収益
当社グループは、顧客から受領する自動車用ガラスの金型に対する補助金等は、IFRS第15号適用後もその他の繰延収益として公正価値で貸借対照表において認識されます。その他の繰延収益は、関連資産の使用期間にわたって均等に連結損益計算書に認識しています。
排出権
二酸化炭素(CO2)の排出権は、割り当てられた排出枠に基づき、実際にCO2が排出される期間にわたって規則的に認識されます。割り当てられたCO2の排出枠と実際の排出量との差異が、期末日に連結貸借対照表において公正価値で認識され、排出量が排出枠を下回った場合には資産を、上回った場合には負債を、それぞれ認識しています。
借入費用
適格資産(意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産)の取得、建設又は生産に直接起因する借入費用は、意図された使用又は販売が可能となるまで当該資産の取得原価の一部として資産計上しています。その他の借入費用は、発生時に連結損益計算書に全額費用として認識しています。
資本金
普通株式は、資本に計上されます。優先株式は、現金又はその他の金融資産によって強制的に償還する義務が無く、当社グループが配当金を支払う契約上の義務も無い場合、かつ、優先株式に付されている取得請求権等によって可変数の自己の資本性金融商品を引き渡す義務が無い場合には、資本に計上されます。新株もしくは新株予約権の発行に直接帰属する付随費用は、税引後の金額に基づき発行価額から控除されて表示されます。
自己株式
自己株式は、自己の持分金融商品であり、取得価額で評価され資本から控除されます。
株式報酬
当社グループには、持分決済型の株式報酬制度がいくつか有り、その制度の下で、取締役、執行役常務、執行役、常務執行役員、並びに執行役員の役務提供を対価として当社グループの持分金融商品(オプション)を付与しています。オプションの公正価値をブラック・ショールズ・モデルで評価しており、オプションの付与と交換に受領する役務の公正価値は、IFRS第2号「株式報酬」に基づき、権利確定期間にわたって費用認識します。全ての株式報酬取引は持分決済型です。
非継続事業及び売却目的で保有する資産
非継続事業には、既に処分(売却又は廃棄)されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識されます。
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引により回収される場合に、当該資産又は処分グループは、「売却目的で保有する資産」として分類されます。「売却目的で保有する資産」は、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ経営者が、当該資産の売却計画の実行を確約しており、1年以内で売却が完了する予定のものに限られます。
当社グループが子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約する場合で、かつ上記の条件を満たす場合、当社グループが売却後も従前の子会社に対する非支配持分を有するか否かに関わらず、当該子会社の全ての資産及び負債が売却目的に分類されます。
売却目的で保有する資産は、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定します。「売却目的で保有する資産」に分類後の有形固定資産及び無形資産については、減価償却又は償却は行いません。
重要な会計上の見積り、判断及び仮定
見積り及び判断は、継続的に評価され、過去の経験及び他の要因(状況により合理的であると認められる将来事象の発生見込みを含む)に基づいています。
当社グループは、将来に関する見積り及び仮定の設定をしています。会計上の見積りの結果は、その定義上、通常は関連する実際の結果と一致することはありません。翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を生じさせるような重要なリスクを伴う見積り及び仮定、そして会計上の重要な判断は以下の通りです。
それぞれの項目において、見積り及び仮定が予期せず変動する状況が生じた場合、連結貸借対照表で認識する資産と負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(将来の事業の状況の見積り)
以下の各項目に記載している、のれんや持分法適用会社への投資などの資産の回収可能性を評価する際には、複数年にわたる事業の状況の将来予測を用いています。
将来の事業の状況やキャッシュ・フローを予測するにあたり、販売数量は重要な要素となります。
販売価格や投入コストも重要な要素です。2022年3月期の期中においても投入コストは上昇していましたが、ロシアによるウクライナ侵攻によって2022年3月期末にかけて、さらに状況は悪化しました。この状況は2023年3月期も続いています。ヘッジ手法を用いて投入コストの価格変動を抑えていますが、特に長期間にわたった全てのコスト上昇を完全に抑えることはできません。当社グループは、販売価格を引き上げることにより、投入コスト上昇の影響を緩和できると見込んでいます。どの程度緩和できるかは、事業や地域によって異なります。一般的に販売価格は取引条件と市場要因に基づいて決定されますが、コスト上昇の緩和の程度は、販売価格をどの程度まで引き上げられるのかを反映しています。
(i) のれん及び無形資産の減損の見積り
当社グループは、のれんもしくは耐用年数を確定できない無形資産の減損の有無について、毎期減損テストをしています。このテストでは、当社グループで識別された資金生成単位(CGU)の使用価値と、各CGU内の資産の帳簿価額を比較しています。使用価値は、各資金生成単位の将来営業キャッシュ・フローを上表に記載の適切な割引率で割り引いた現在価値として算定しています。割引率の選択は使用価値を評価する際の重要な要素であり、債券市場及び株式市場に基づいて算出されます。第2四半期連結累計期間のように割引率が上昇した場合、のれんなどの資産を減損する可能性があります。販売数量、販売価格及び投入コストも前述の通り使用価値の算定における重要な要素です。
(ii) 有形固定資産の減損の見積り
当社グループは、有形固定資産の減損の有無について、前述の会計方針に従って帳簿価額を回収することができない可能性を示す兆候があった場合に減損テストをしています。減損テストの実施対象となる有形固定資産は、技術の変化または需要の減少によって使用されなくなったものを含みます。
(iii) 法人所得税
当社グループは、多くの租税区域で法人所得税の課税を受けています。通常の事業を行う場合、最終的な税額が不確実である取引が多く存在します。当社グループは、税務調査の結果修正される法人所得税の額及びその可能性の見積りに基づいて、予想される税務調査上の論点にかかわる負債を認識しています。認識されるべき法人所得税の金額については、重要な判断を要します。最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、その差額は、税額が決定する期間に計上します。
課税所得が生じる時期および金額について実際に生じた時期および金額が見積りと異なる場合、または実効税率の変化によって、繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は変動します。
(iv) 退職後給付
当社グループはそれぞれの国において様々な退職後給付制度を設けています。確定給付制度においては、退職給付債務及び制度資産の算出にあたり、様々な仮定を使用しています。これらの仮定には不確実性が存在するため、当社グループでは仮定を設定する前に年金数理人によるアドバイスを受けています。
(v) 引当金
引当金は、前回の引当金計上時に行った見積り実績の参照、又は適切な場合には、専門家のアドバイス等を考慮して評価をしています。請求及び訴訟引当金は、原告との協議内容や当社グループの顧問弁護士の意見を踏まえて算定しています。環境引当金は、環境対策費用として現時点で見積もられる金額のほか、より重要性の大きな案件については、環境評価の専門家によるサポートを得て可能性のある金額レンジを算出したシミュレーション・モデルの結果に基づき算定しています。賞与引当金は、個々の賞与制度が規定する支給の基準値と、当社グループの現在の業績値又は将来業績の予想値との比較に基づき算定しています。リストラクチャリング引当金は、期末日以前に対象となる従業員に通知されたリストラクチャリング計画について、予想費用額を見積り算定しています。製品保証引当金は、過去における顧客クレームの実績率を参照し算定しています。
(vi) 優先株式(A種種類株式)
当社の発行するA種種類株式の発行条件を検討し、特に、A種種類株主の保有する取得請求権について、その行使時に交付される普通株式の数は、取得請求権を行使する時期に応じて一定数と定められていることから、同株式を資本性金融商品として区分すべきものであると判断しています。なお、契約上、当社にはA種種類株式を現金又はその他の金融資産によって強制的に償還を行う義務はありません。また、配当金についての定めはあるものの、配当金を支払う契約上の義務はなく、配当金の支払いは各期の取締役会決議によって決定されます。
(vii) ジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性
貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性は、現在および将来の事業環境に基づいています。将来の事業環境は、利用可能な将来の事業の状況に関する合理的な見積りを用いて予測されます。当社グループは、投資の回収可能性を評価する際に、ジョイント・ベンチャーからの配当や利息の支払い、または債務の返済を妨げうる法的制約の存在についても検討します。さらに当社グループは、当該ジョイント・ベンチャーが対象となる可能性のあるグループ全体での事業再構築や、それと同等の取組みについても検討に含めますが、その取組みが確実に完了する状況にあると考えられる場合に限ります。