有価証券報告書-第152期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
中期経営計画MTPフェーズ2について
当社グループは、長期戦略ビジョンとして「VAガラスカンパニー」(VAとは英語のValue-Addedの頭文字に由来)に変容・変革することを掲げ、2018年3月期から2020年3月期の3年間を計画期間とする「中期経営計画(MTP)フェーズ2」(以下、「MTPフェーズ2」)を策定して、グループを挙げてその遂行に取り組んでいます。MTPフェーズ2の基本目標は「財務サステナビリティの確立」及び「VAガラスカンパニーへの変容・変革の開始」です。財務目標は、売上高営業利益率(ROS):8%以上※、ネット借入/EBITDA比率:3倍としております。また、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)については達成年度のイメージとして10%以上、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は20%程度を想定しております。
※注:個別開示項目及びピルキントン社買収に係る償却費控除前営業利益をベースに算定。
MTPフェーズ2の基本方針は、
・VA戦略をさらに加速・進化させ、持続的に成長する強い収益基盤を構築すること
・すべての仕事の仕方を見直し、リーンな事業体制を作りこむこと
であり、具体的な重点施策は以下の4点です。
1.「成長が見込める分野」「当社の強みがある分野」でトップポジションを狙う VA No.1戦略の推進
2.選択と集中により、早期に新たな利益成長の原動力を創り出す 成長ドライバーの確立
3.すべての仕事の仕方を見直し、リーンな事業体制を作りこむ ビジネスカルチャーイノベーション
4.グループ全体最適を追求し、グローバル経営を進化させる グローバル経営の強化
また財務サステナビリティの確立(財務面で安定的な姿になること)を図るため、当社は2017年3月31日に総額400億円のA種種類株式を発行しました。これにより資本を充実させ、金融費用の削減を図るとともに、VA No.1戦略を着実に推進していくための投資枠を確保しました。
2018年3月期業績及びMTPフェーズ2進捗状況について
当期はMTPフェーズ2の初年度でありました。営業利益につきましては、事業毎、地域毎での進捗スピードの差はありましたが、期初に発表しました計画通りの実績を上げることができました。また、当期利益は米国連邦法人税率引き下げに伴う繰延税金資産の取崩しの影響により、期初の計画には届きませんでしたが、前期実績を上回りました。キャッシュ・フローにつきましては期初の計画の通り100億円を超えるフリー・キャッシュ・フローを生み出すことができました。
MTPフェーズ2に掲げました2020年3月期の目標に対しては、次の通りの進捗となっています。
※注:2018年3月期の実績として、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は4.7%、自己資本比率は17.0%でした。
営業利益につきましては5期連続増益、当期利益につきましても2期連続の黒字化及び増益を達成することができました。このように、安定的な利益とキャッシュ・フローの創出ができる財務体質へと改善が進みつつあることを踏まえ、当社は2018年5月11日の取締役会において2012年3月期以来となる普通株式配当の実施を決議いたしました。当社は今後とも持続可能な事業の業績をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針としてまいります。また、将来、A種種類株式全てを償還した後も、この基本方針は維持しつつ、連結配当性向30%を目安として継続的な配当の実施に努めてまいります。
2019年3月期の見通しと対処すべき課題
当社グループでは、2019年3月期におけるグローバルの建築用ガラス市場及び自動車用ガラス市場は概ね安定的に推移するものと見込んでいます。
欧州においては、当社グループは、予定されているフロートガラス製造ラインの定期修繕による供給不足を補うとともに、高透過ガラスなど高付加価値製品(VA製品)の一層の拡充を図るために、昨年イタリアで休止中のフロートガラス製造ラインを再稼働しました。これにより欧州での需要に対応してまいります。また、欧州の自動車用ガラス市場については、2019年3月期の乗用車生産台数は概ね2018年3月期並みと見ていますが、ヘッドアップディスプレイ用高面精度ガラスなどのVA製品の売上比率の拡大と生産効率の改善による増収・増益を計画しています。
日本では、建築用ガラス市場は2020年東京オリンピックに向けた需要増が見込まれるものの、総じて横ばいで推移する見通しですが、当社グループとしてはスペーシア®などVA製品の売上増加を見込んでおります。また、自動車用ガラス市場も概ね2018年3月期並みと見ております。
北米の建築用ガラス市場は堅調に推移すると見込んでおり、当社グループにおいても引き続き高いVA製品売上比率を維持する計画です。2019年3月期は、2018年3月期の一時的な需要変動の影響はなくなり、また2017年2月に発生しました米国オタワ工場における竜巻被害からも復調いたしました。自動車用ガラス市場は横ばいあるいは微減と見ていますが、継続的に行ってきた生産効率改善の成果が寄与し、当社グループの自動車用ガラス事業の業績は改善する見込みです。
その他の地域においては、南米ブラジルでは自動車生産台数について引き続き緩やかに回復傾向を示すと考えております。また、東南アジアの建築用ガラス市場は引き続き好調に推移する見通しです。
高機能ガラス事業では、ディスプレイ事業において新組成薄板ガラスglanova®の販売増加と生産コストの低減により業績は改善する見込みです。また、モバイル遺伝子検査機など新商品も順次上市していく計画です。アジアにおけるアイドリング・ストップ・スタート用バッテリーの需要増に対応するため昨年出資したPT ENTEK Separindo Asia社(インドネシア)は、2019年3月期中に供給を開始し、順次、売上に寄与する見通しです。
当社グループ全体としては、エネルギーコストの緩やかな増加が見込まれますが、継続的なコスト削減努力が業績の改善に寄与するものと考えております。また金融費用につきましても計画通りの削減が進み、持分法適用関連会社の損益改善も見込まれます。
以上を踏まえて、当社グループでは、2019年3月期において営業利益、当期利益とも更なる改善を見込んでおります。
当社グループの対処すべき課題としましては、不確実、不安定な経済状況のなかでも市場の変動に柔軟に対応して安定的な利益を出せる事業構造に変革していくこと、及び、持続的に成長する強い収益基盤を構築すること、であると考えています。そのために、MTPフェーズ2で掲げた4つの重点施策(VA No.1戦略の推進、成長ドライバーの確立、ビジネスカルチャーイノベーション、グローバル経営の強化)を着実に実行し、コモディティ・マスボリューム型のビジネスモデルからハイバリュー型のビジネスモデルへの変革(VAガラスカンパニーへの変革)を進めてまいる所存です。
また、持続的な成長を実現していくため、当社グループの成長戦略を担う組織として、地域・市場のニーズに即した新規ビジネスを開発・提供する「ビジネス・イノベーション・センター」を設置し、新規事業の育成・新しい顧客価値の創造を加速してまいります。
財務面では、事業の収益性の更なる向上と運転資本や設備投資に対する厳格な管理の継続を通じて、キャッシュを創出しネット借入残高を削減することによって、早期の財務サステナビリティの確立に取り組んでまいります。
また、当社グループは2018年4月に、太陽光発電設備の大手であるファーストソーラー社(米国)との間で長期のコーティングガラスの供給契約を締結し、併せて米国及びベトナムでのガラス生産能力を増強することを決定いたしました。ファーストソーラー社とはこれまで長年にわたり顧客として、また事業パートナーとして良好な関係を続けており、今回の決定はMTPフェーズ2期間中及びその後の当社グループの成長に大きく貢献するものと考えております。
ESGへの取り組みについて
当社グループは社会の一員として持続的成長可能な社会の実現に向けた取り組みにつきましても積極的に取り組んでまいります。VA製品の拡販を通じ省エネ、創エネに貢献するとともに、事業活動におけるCO2排出量の削減や廃棄物の削減に真摯に取り組んでまいります。また、グループベースにおける人材の教育、育成を今後とも不断に進めてまいります。当社グループは、この点、「事業の要は多様な人材が生み出す力にある」との認識のもと、インクルージョン及びダイバーシティの推進を経営のコミットメントとして取り組むことも宣言しました。さらにグループ倫理規範の徹底やサプライヤー行動規範の遵守確保のプログラムを通じ、良き企業市民としての社会的使命、責任を果してまいります。そして、これらのE(環境)、S(社会)への当社グループの取り組みを通じ、また、このような取り組みの実施を支えるものとして、透明性、客観性が確保された実効性のあるG(ガバナンス)を、取締役会の監督の下、不断に追求してゆくことにより、持続的成長可能な社会の実現に貢献するべく、たゆまぬ改善努力を続けてまいります。
当社グループは、全社一丸となってMTPフェーズ2の遂行に取り組み、株主価値の向上に取り組んでまいります。
なお、上記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点の状況に基づき記載しております。
当社グループは、長期戦略ビジョンとして「VAガラスカンパニー」(VAとは英語のValue-Addedの頭文字に由来)に変容・変革することを掲げ、2018年3月期から2020年3月期の3年間を計画期間とする「中期経営計画(MTP)フェーズ2」(以下、「MTPフェーズ2」)を策定して、グループを挙げてその遂行に取り組んでいます。MTPフェーズ2の基本目標は「財務サステナビリティの確立」及び「VAガラスカンパニーへの変容・変革の開始」です。財務目標は、売上高営業利益率(ROS):8%以上※、ネット借入/EBITDA比率:3倍としております。また、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)については達成年度のイメージとして10%以上、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は20%程度を想定しております。
※注:個別開示項目及びピルキントン社買収に係る償却費控除前営業利益をベースに算定。
MTPフェーズ2の基本方針は、
・VA戦略をさらに加速・進化させ、持続的に成長する強い収益基盤を構築すること
・すべての仕事の仕方を見直し、リーンな事業体制を作りこむこと
であり、具体的な重点施策は以下の4点です。
1.「成長が見込める分野」「当社の強みがある分野」でトップポジションを狙う VA No.1戦略の推進
2.選択と集中により、早期に新たな利益成長の原動力を創り出す 成長ドライバーの確立
3.すべての仕事の仕方を見直し、リーンな事業体制を作りこむ ビジネスカルチャーイノベーション
4.グループ全体最適を追求し、グローバル経営を進化させる グローバル経営の強化
また財務サステナビリティの確立(財務面で安定的な姿になること)を図るため、当社は2017年3月31日に総額400億円のA種種類株式を発行しました。これにより資本を充実させ、金融費用の削減を図るとともに、VA No.1戦略を着実に推進していくための投資枠を確保しました。
2018年3月期業績及びMTPフェーズ2進捗状況について
当期はMTPフェーズ2の初年度でありました。営業利益につきましては、事業毎、地域毎での進捗スピードの差はありましたが、期初に発表しました計画通りの実績を上げることができました。また、当期利益は米国連邦法人税率引き下げに伴う繰延税金資産の取崩しの影響により、期初の計画には届きませんでしたが、前期実績を上回りました。キャッシュ・フローにつきましては期初の計画の通り100億円を超えるフリー・キャッシュ・フローを生み出すことができました。
MTPフェーズ2に掲げました2020年3月期の目標に対しては、次の通りの進捗となっています。
| 売上高営業利益率(ROS) | 目標: | 8%以上 | 2018年3月期実績: | 6.2% |
| ネット借入/EBITDA比率 | 目標: | 3倍 | 2018年3月期実績: | 4.6倍 |
※注:2018年3月期の実績として、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は4.7%、自己資本比率は17.0%でした。
営業利益につきましては5期連続増益、当期利益につきましても2期連続の黒字化及び増益を達成することができました。このように、安定的な利益とキャッシュ・フローの創出ができる財務体質へと改善が進みつつあることを踏まえ、当社は2018年5月11日の取締役会において2012年3月期以来となる普通株式配当の実施を決議いたしました。当社は今後とも持続可能な事業の業績をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針としてまいります。また、将来、A種種類株式全てを償還した後も、この基本方針は維持しつつ、連結配当性向30%を目安として継続的な配当の実施に努めてまいります。
2019年3月期の見通しと対処すべき課題
当社グループでは、2019年3月期におけるグローバルの建築用ガラス市場及び自動車用ガラス市場は概ね安定的に推移するものと見込んでいます。
欧州においては、当社グループは、予定されているフロートガラス製造ラインの定期修繕による供給不足を補うとともに、高透過ガラスなど高付加価値製品(VA製品)の一層の拡充を図るために、昨年イタリアで休止中のフロートガラス製造ラインを再稼働しました。これにより欧州での需要に対応してまいります。また、欧州の自動車用ガラス市場については、2019年3月期の乗用車生産台数は概ね2018年3月期並みと見ていますが、ヘッドアップディスプレイ用高面精度ガラスなどのVA製品の売上比率の拡大と生産効率の改善による増収・増益を計画しています。
日本では、建築用ガラス市場は2020年東京オリンピックに向けた需要増が見込まれるものの、総じて横ばいで推移する見通しですが、当社グループとしてはスペーシア®などVA製品の売上増加を見込んでおります。また、自動車用ガラス市場も概ね2018年3月期並みと見ております。
北米の建築用ガラス市場は堅調に推移すると見込んでおり、当社グループにおいても引き続き高いVA製品売上比率を維持する計画です。2019年3月期は、2018年3月期の一時的な需要変動の影響はなくなり、また2017年2月に発生しました米国オタワ工場における竜巻被害からも復調いたしました。自動車用ガラス市場は横ばいあるいは微減と見ていますが、継続的に行ってきた生産効率改善の成果が寄与し、当社グループの自動車用ガラス事業の業績は改善する見込みです。
その他の地域においては、南米ブラジルでは自動車生産台数について引き続き緩やかに回復傾向を示すと考えております。また、東南アジアの建築用ガラス市場は引き続き好調に推移する見通しです。
高機能ガラス事業では、ディスプレイ事業において新組成薄板ガラスglanova®の販売増加と生産コストの低減により業績は改善する見込みです。また、モバイル遺伝子検査機など新商品も順次上市していく計画です。アジアにおけるアイドリング・ストップ・スタート用バッテリーの需要増に対応するため昨年出資したPT ENTEK Separindo Asia社(インドネシア)は、2019年3月期中に供給を開始し、順次、売上に寄与する見通しです。
当社グループ全体としては、エネルギーコストの緩やかな増加が見込まれますが、継続的なコスト削減努力が業績の改善に寄与するものと考えております。また金融費用につきましても計画通りの削減が進み、持分法適用関連会社の損益改善も見込まれます。
以上を踏まえて、当社グループでは、2019年3月期において営業利益、当期利益とも更なる改善を見込んでおります。
当社グループの対処すべき課題としましては、不確実、不安定な経済状況のなかでも市場の変動に柔軟に対応して安定的な利益を出せる事業構造に変革していくこと、及び、持続的に成長する強い収益基盤を構築すること、であると考えています。そのために、MTPフェーズ2で掲げた4つの重点施策(VA No.1戦略の推進、成長ドライバーの確立、ビジネスカルチャーイノベーション、グローバル経営の強化)を着実に実行し、コモディティ・マスボリューム型のビジネスモデルからハイバリュー型のビジネスモデルへの変革(VAガラスカンパニーへの変革)を進めてまいる所存です。
また、持続的な成長を実現していくため、当社グループの成長戦略を担う組織として、地域・市場のニーズに即した新規ビジネスを開発・提供する「ビジネス・イノベーション・センター」を設置し、新規事業の育成・新しい顧客価値の創造を加速してまいります。
財務面では、事業の収益性の更なる向上と運転資本や設備投資に対する厳格な管理の継続を通じて、キャッシュを創出しネット借入残高を削減することによって、早期の財務サステナビリティの確立に取り組んでまいります。
また、当社グループは2018年4月に、太陽光発電設備の大手であるファーストソーラー社(米国)との間で長期のコーティングガラスの供給契約を締結し、併せて米国及びベトナムでのガラス生産能力を増強することを決定いたしました。ファーストソーラー社とはこれまで長年にわたり顧客として、また事業パートナーとして良好な関係を続けており、今回の決定はMTPフェーズ2期間中及びその後の当社グループの成長に大きく貢献するものと考えております。
ESGへの取り組みについて
当社グループは社会の一員として持続的成長可能な社会の実現に向けた取り組みにつきましても積極的に取り組んでまいります。VA製品の拡販を通じ省エネ、創エネに貢献するとともに、事業活動におけるCO2排出量の削減や廃棄物の削減に真摯に取り組んでまいります。また、グループベースにおける人材の教育、育成を今後とも不断に進めてまいります。当社グループは、この点、「事業の要は多様な人材が生み出す力にある」との認識のもと、インクルージョン及びダイバーシティの推進を経営のコミットメントとして取り組むことも宣言しました。さらにグループ倫理規範の徹底やサプライヤー行動規範の遵守確保のプログラムを通じ、良き企業市民としての社会的使命、責任を果してまいります。そして、これらのE(環境)、S(社会)への当社グループの取り組みを通じ、また、このような取り組みの実施を支えるものとして、透明性、客観性が確保された実効性のあるG(ガバナンス)を、取締役会の監督の下、不断に追求してゆくことにより、持続的成長可能な社会の実現に貢献するべく、たゆまぬ改善努力を続けてまいります。
当社グループは、全社一丸となってMTPフェーズ2の遂行に取り組み、株主価値の向上に取り組んでまいります。
なお、上記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点の状況に基づき記載しております。