有価証券報告書-第181期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営方針・経営戦略等
①経営方針
当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を、目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定による経営の効率化を高めるべく、コーポレートガバナンスの充実に取組んでおります。
現中期計画(2019年4月~2022年3月)においては、「生産性の向上による確固たる収益基盤の確立」「新製品の開発、海外も含めた新市場・新分野への取り組み強化」を中期的な重点課題として掲げ、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、競争力、収益力、成長力のある企業体質の確立を目指しております。
現中期計画における諸目標については、これまでは社内の経営目標として位置付けていたため開示を行っておりませんでしたが、諸般の情勢に鑑み、今後は中期的な経営方針の明確化という観点から開示を行っていくこととし、併せて、適切な経営管理・フォローアップを的確に行ってまいります。
②経営環境に関する認識
当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症が国内外で猛威を振るうなか、引き続き厳しいものと認識しております。鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売が半導体需給問題の影響から回復基調に陰りがあることに加え、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題であります。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が加速しており、当社グループも非常に大きな影響を受ける見通しであります。他方、環境関連市場については、廃プラスチック処理の増加等もあって大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続き、メンテナンス工事の需要が今後も大いに期待できる見込みであります。
③中長期の経営戦略
以上のような環境認識のもと、昨年4月、経営企画室を「戦略企画室」に改組したうえで増員し、中長期の経営戦略策定、新市場開発・新分野開拓等を担う部署といたしました。
中長期の戦略策定については、長期的な視点で当社グループを取り巻く経営環境を想定し、持続的に企業価値を創造していくための経営課題を整理するとともに、当社グループの「核となる強み(コア・コンピタンス)」を最大限に活かした事業構造への変革を行うと同時に、新たなビジネス展開を目指してまいります。現在策定を進めている次期中期計画においては、目標とする指標を明確にしたうえで、上記中長期戦略に即した組織構造・人材配置への変革、設備投資・技術開発投資計画を進めてまいります。特に競争優位を確保できる事業領域においては、当社グループの総力を結集してパフォーマンスの最大化を追求してまいります。更に、新市場の開発・新分野開拓については、中長期の経営戦略において最重要課題の一つとして位置付けており、戦略企画室と営業部門・技術部門との連携を一段と進めるとともに、戦略・施策の優先度の明確化、経営資源の重点配分等を行ってまいります。
④年度運営方針、基本戦略
182期(2022年3月期)の年度運営方針は、「役職員全員が目標を共有し計画達成に責任を持つとともに、柔軟に素早く丁寧な対応で問題を解決し、業績回復に向けて現状を打破し力強く前進する」であります。
また、基本課題として、「業績の伸展、財務の強化」「顧客満足度の飛躍的改善」「業務の生産性向上」「組織・人財の活性化」を掲げ、連結収益の拡大、利益率の改善、コーポレートガバナンスの強化、当社グループの強みを活かした活動・業務の実践、働き甲斐のある職場風土創り等を進めてまいります。具体的には、付加価値の高い製品の開発・製造、サービスの提供に努め、新規顧客の開拓、工事への取組拡充、海外展開等を進めるとともに、製造原価の低減、販売費・一般管理費の削減に注力してまいります。営業利益率の向上には、特に重点を置いてグループ全社・全員が一体となって取り組んでまいります。
182期の基本戦略については、戦略企画室を軸とした経営企画・戦略立案機能の強化、次期中期計画の策定に加え、各部門において以下の通り推進してまいります。
営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組み、新市場・新分野に関してはお客さまの開拓を強化いたします。また、これまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みでもあるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。
技術部門は、CO2排出抑制という大きな流れを先取りした新製品開発、省エネ・省人対応等に優れた製品開発(既存技術の新用途への適用、応用製品の開発)などを進めるほか、戦略企画室との連携等を通じて将来を見据えた研究開発への取組を強化いたします。
生産部門については、品質の維持・向上、安全の重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化、原材料調達コストの低減等を進めてまいります。
管理部門については、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等により人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、管理会計の拡充等の経営管理高度化に積極的に取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの事業戦略
当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業の3つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向けと鉄鋼市場向けとに、またエンジニアリング事業は溶解炉市場向けと環境関連市場向けとに、それぞれ区分しております(182期からは、エンジニアリング事業に日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業が加わります)。
鋳造市場向けでは、主な取引先である自動車関連産業に対するシェアの維持・拡大のため、有望な誘導炉市場への取組強化と、主力製品である黒鉛ルツボおよび不定形耐火物の更なる品質向上と新たな用途開発に努めております。特に、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できることが大きな特徴であります。また、次世代自動車および電子デバイス分野に対応した金属粉末溶解市場への展開や環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。
当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面でのサービス対応力を存分に活かしながら、今後もこの市場における競争優位性を確保できるよう努めてまいります。
鉄鋼市場向けについては、製鉄所再編の影響から当面は業容縮小を余儀なくされることとなりますが、高い技術力により継続的に品質を向上させてきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、国内市場シェアの確保に努めてまいります。また、鉄鋼向け耐火物技術のリーディング・カンパニーの一社として、海外への技術輸出を一段と強化し、ロイヤリティー収入の拡大を図ってまいります。
溶解炉市場においては、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」の拡販、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新型溶解兼保持炉「フリーダム」の積極展開、および工業炉の炉修工事の受注拡大を引き続き進めてまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジア市場に加え、伸びの著しい北米市場を重点マーケットとして積極的に拡販いたします。この市場における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなく、お客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。この4月より、工業炉の開発・製造・販売等を担う部署を営業部門から技術部門に移して、鋳造分野等の技術者との連携を強化しており、今後は上記の強みを一段と活かした事業拡大を進めてまいります。
環境関連市場については、民間および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却設備のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、経営資源をこれまで以上に重点的に投入し業容拡大を進めてまいります。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社との間で、この市場における事業連携の強化を進めるとともに、大手のプラントサービス事業者との技術連携、製品の共同開発等を通じて、大手プラントメーカーとの取引拡大も視野に積極的な営業活動を進めてまいります。
また、本年4月5日、日本ピーシーエス株式会社の発行済株式の全てを取得して子会社化いたしました。日本ピーシーエス株式会社は、1966年の設立以来、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。本件統合を契機に、技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉事業等においても設計技術等の融合を通じて新製品の開発を一段と加速してまいります。
不動産事業では、本社ビルの賃貸事業と太陽光発電事業に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸事業により、引き続き安定的な収益確保に努めてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の通り、当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症が国内外で猛威を振るうなか、引き続き厳しいものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売の回復の遅れ、鉄鋼業界における製鉄所再編の加速については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。
当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業136年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。戦略企画室を軸として全部門が英知を結集して策定する次期中期計画においては、長期的な視点で当社グループを取り巻く経営環境を想定し、持続的に企業価値を創造していくための経営課題を明確化するとともに、当社グループの「核となる強み(コア・コンピタンス)」を最大限に活かした事業構造への変革、新たなビジネス展開を目指してまいります。
なお、181期は大幅な減収減益の決算となりましたが、179期において最高益(連結当期純利益)を計上したことも含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
現中期計画(2019年4月~2022年3月)においては、連結ROE、連結売上高営業利益率、連結売上高販管費率の最終年度目標を掲げており、各期のラップ目標値を決めております。181期につきましては、計画を大きく下回る減収減益決算となったことから、いずれの目標についても未達となっております。具体的には、連結ROEは2.4%(計画比▲3.8ポイント)、連結売上高営業利益率は0.8%(計画比▲3.4ポイント)、連結売上高販管費率は23.7%(計画比▲2.2ポイント)であります。
なお、前述の通り、現中期計画における上記の諸目標はこれまで社内の経営目標として位置付けていたため開示を行っておりませんでしたが、今後策定する中長期経営計画等においては、経営方針の明確化という観点から開示を行うとともに、適切な経営管理・フォローアップを的確に行ってまいります。
①経営方針
当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を、目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定による経営の効率化を高めるべく、コーポレートガバナンスの充実に取組んでおります。
現中期計画(2019年4月~2022年3月)においては、「生産性の向上による確固たる収益基盤の確立」「新製品の開発、海外も含めた新市場・新分野への取り組み強化」を中期的な重点課題として掲げ、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、競争力、収益力、成長力のある企業体質の確立を目指しております。
現中期計画における諸目標については、これまでは社内の経営目標として位置付けていたため開示を行っておりませんでしたが、諸般の情勢に鑑み、今後は中期的な経営方針の明確化という観点から開示を行っていくこととし、併せて、適切な経営管理・フォローアップを的確に行ってまいります。
②経営環境に関する認識
当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症が国内外で猛威を振るうなか、引き続き厳しいものと認識しております。鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売が半導体需給問題の影響から回復基調に陰りがあることに加え、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題であります。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が加速しており、当社グループも非常に大きな影響を受ける見通しであります。他方、環境関連市場については、廃プラスチック処理の増加等もあって大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続き、メンテナンス工事の需要が今後も大いに期待できる見込みであります。
③中長期の経営戦略
以上のような環境認識のもと、昨年4月、経営企画室を「戦略企画室」に改組したうえで増員し、中長期の経営戦略策定、新市場開発・新分野開拓等を担う部署といたしました。
中長期の戦略策定については、長期的な視点で当社グループを取り巻く経営環境を想定し、持続的に企業価値を創造していくための経営課題を整理するとともに、当社グループの「核となる強み(コア・コンピタンス)」を最大限に活かした事業構造への変革を行うと同時に、新たなビジネス展開を目指してまいります。現在策定を進めている次期中期計画においては、目標とする指標を明確にしたうえで、上記中長期戦略に即した組織構造・人材配置への変革、設備投資・技術開発投資計画を進めてまいります。特に競争優位を確保できる事業領域においては、当社グループの総力を結集してパフォーマンスの最大化を追求してまいります。更に、新市場の開発・新分野開拓については、中長期の経営戦略において最重要課題の一つとして位置付けており、戦略企画室と営業部門・技術部門との連携を一段と進めるとともに、戦略・施策の優先度の明確化、経営資源の重点配分等を行ってまいります。
④年度運営方針、基本戦略
182期(2022年3月期)の年度運営方針は、「役職員全員が目標を共有し計画達成に責任を持つとともに、柔軟に素早く丁寧な対応で問題を解決し、業績回復に向けて現状を打破し力強く前進する」であります。
また、基本課題として、「業績の伸展、財務の強化」「顧客満足度の飛躍的改善」「業務の生産性向上」「組織・人財の活性化」を掲げ、連結収益の拡大、利益率の改善、コーポレートガバナンスの強化、当社グループの強みを活かした活動・業務の実践、働き甲斐のある職場風土創り等を進めてまいります。具体的には、付加価値の高い製品の開発・製造、サービスの提供に努め、新規顧客の開拓、工事への取組拡充、海外展開等を進めるとともに、製造原価の低減、販売費・一般管理費の削減に注力してまいります。営業利益率の向上には、特に重点を置いてグループ全社・全員が一体となって取り組んでまいります。
182期の基本戦略については、戦略企画室を軸とした経営企画・戦略立案機能の強化、次期中期計画の策定に加え、各部門において以下の通り推進してまいります。
営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組み、新市場・新分野に関してはお客さまの開拓を強化いたします。また、これまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みでもあるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。
技術部門は、CO2排出抑制という大きな流れを先取りした新製品開発、省エネ・省人対応等に優れた製品開発(既存技術の新用途への適用、応用製品の開発)などを進めるほか、戦略企画室との連携等を通じて将来を見据えた研究開発への取組を強化いたします。
生産部門については、品質の維持・向上、安全の重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化、原材料調達コストの低減等を進めてまいります。
管理部門については、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等により人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、管理会計の拡充等の経営管理高度化に積極的に取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの事業戦略
当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業の3つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向けと鉄鋼市場向けとに、またエンジニアリング事業は溶解炉市場向けと環境関連市場向けとに、それぞれ区分しております(182期からは、エンジニアリング事業に日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業が加わります)。
鋳造市場向けでは、主な取引先である自動車関連産業に対するシェアの維持・拡大のため、有望な誘導炉市場への取組強化と、主力製品である黒鉛ルツボおよび不定形耐火物の更なる品質向上と新たな用途開発に努めております。特に、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できることが大きな特徴であります。また、次世代自動車および電子デバイス分野に対応した金属粉末溶解市場への展開や環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。
当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面でのサービス対応力を存分に活かしながら、今後もこの市場における競争優位性を確保できるよう努めてまいります。
鉄鋼市場向けについては、製鉄所再編の影響から当面は業容縮小を余儀なくされることとなりますが、高い技術力により継続的に品質を向上させてきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、国内市場シェアの確保に努めてまいります。また、鉄鋼向け耐火物技術のリーディング・カンパニーの一社として、海外への技術輸出を一段と強化し、ロイヤリティー収入の拡大を図ってまいります。
溶解炉市場においては、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」の拡販、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新型溶解兼保持炉「フリーダム」の積極展開、および工業炉の炉修工事の受注拡大を引き続き進めてまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジア市場に加え、伸びの著しい北米市場を重点マーケットとして積極的に拡販いたします。この市場における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなく、お客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。この4月より、工業炉の開発・製造・販売等を担う部署を営業部門から技術部門に移して、鋳造分野等の技術者との連携を強化しており、今後は上記の強みを一段と活かした事業拡大を進めてまいります。
環境関連市場については、民間および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却設備のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、経営資源をこれまで以上に重点的に投入し業容拡大を進めてまいります。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社との間で、この市場における事業連携の強化を進めるとともに、大手のプラントサービス事業者との技術連携、製品の共同開発等を通じて、大手プラントメーカーとの取引拡大も視野に積極的な営業活動を進めてまいります。
また、本年4月5日、日本ピーシーエス株式会社の発行済株式の全てを取得して子会社化いたしました。日本ピーシーエス株式会社は、1966年の設立以来、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。本件統合を契機に、技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉事業等においても設計技術等の融合を通じて新製品の開発を一段と加速してまいります。
不動産事業では、本社ビルの賃貸事業と太陽光発電事業に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸事業により、引き続き安定的な収益確保に努めてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の通り、当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症が国内外で猛威を振るうなか、引き続き厳しいものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売の回復の遅れ、鉄鋼業界における製鉄所再編の加速については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。
当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業136年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。戦略企画室を軸として全部門が英知を結集して策定する次期中期計画においては、長期的な視点で当社グループを取り巻く経営環境を想定し、持続的に企業価値を創造していくための経営課題を明確化するとともに、当社グループの「核となる強み(コア・コンピタンス)」を最大限に活かした事業構造への変革、新たなビジネス展開を目指してまいります。
なお、181期は大幅な減収減益の決算となりましたが、179期において最高益(連結当期純利益)を計上したことも含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
現中期計画(2019年4月~2022年3月)においては、連結ROE、連結売上高営業利益率、連結売上高販管費率の最終年度目標を掲げており、各期のラップ目標値を決めております。181期につきましては、計画を大きく下回る減収減益決算となったことから、いずれの目標についても未達となっております。具体的には、連結ROEは2.4%(計画比▲3.8ポイント)、連結売上高営業利益率は0.8%(計画比▲3.4ポイント)、連結売上高販管費率は23.7%(計画比▲2.2ポイント)であります。
なお、前述の通り、現中期計画における上記の諸目標はこれまで社内の経営目標として位置付けていたため開示を行っておりませんでしたが、今後策定する中長期経営計画等においては、経営方針の明確化という観点から開示を行うとともに、適切な経営管理・フォローアップを的確に行ってまいります。