有価証券報告書-第58期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創業以来スパンクリート(穴あきPC板)と呼ぶコンクリート部材を建設業界に供給しております。当社の主力製品であるスパンクリートは、耐久性の面に優れ、断熱性能、遮音性能、耐火性能面でも優れた特性を有しており、工場での量産が可能であり、プレハブ化による工期の短縮、工事の省力化を図ることができ、ひいては建設コストの引き下げに貢献することができます。建設業界にとって建築施工の合理化を推進していくことは永遠の命題であり、スパンクリートはその一助になり得るものと確信しております。
当社は、このスパンクリートを安定的に供給できる生産、販売体制を強化し、かつ効率化を推進することにより、建築の合理化を必要とする顧客のニーズに応え満足していただくとともに、自己の企業価値を高め広く社会に貢献する企業を目指してまいりたいと考えております。
(2)経営戦略等
スパンクリート事業を取り巻く環境は依然として厳しいものがある中で、当面の経営戦略は次のとおりと考えております。
①主力であるスパンクリート事業において、他社のコンクリート製品、工法とのコスト競争力を強化するとともに工場の効率化を図る。同時に顧客満足度経営を重視し、顧客ニーズへの即応体制を構築し、製品の品質安定・改善に努める。
②付加価値の高い戦略製品及び相対的に利益率の確保しやすい商品、マンションの床材の拡販に注力し、工場の操業度の確保に努める。
③スパンクリートの新たな販路を構築し、需要の増加している建築並びに土木の分野等に営業活動を行う。
④スパンクリートの生産ラインを活かした、より付加価値の高い新製品の開発に努める。
⑤収益基盤の安定化を図るために、不動産事業の着実な推進を図る。
以上5つの中長期的な戦略を推進していくための具体的な課題として、次の4点を考えております。第1はスパンクリートの生産コスト削減のための原材料費の可能な限りの抑制、加工効率の向上、全社的なアウトソーシングの利用による固定費の変動費化推進等の合理化対策追求であります。第2は営業面で高層マンションや再開発高層ビルの需要を捕捉するとともに、当社製品の特性を活かせる鉄道関連や流通倉庫等の壁板拡販への注力であります。第3はスパンクリートに付加価値を加えたMスラブ(補強鉄筋入り床パネル)等の戦略製品を戦力化し、今後の収益力の増強に結びつけることであります。さらに第4として、賃貸ビル事業等の不動産事業を着実に推進していくことにより安定収益を確保し、経営基盤の強化を図っていきたいと考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標としており、税引前利益等利益の確保と利益率の向上を重要な経営指標として認識しております。2018年11月に次のとおりの長期的な環境認識に立って、第57期(2019年3月期)から第61期(2023年3月期)までの中期(5年)計画「SPC plus ONE 2022《スパンクリート事業基盤の強化と新たな収益基盤の創出》」を策定し、2021年のオリンピック・パラリンピック後を見据えた利益体質確立のため経営目標を定めました。今後とも、経営基盤の強化と効率化の追求により、安定的な収益を確保し企業価値を高めてまいります。
[中期経営計画の経営目標]
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
「中期経営計画の経営目標」を達成すべく、全社を挙げて、次に記載する「中期経営計画の重点施策」を実施して行きます。
[中期経営計画の重点施策]
[中期経営計画の進捗状況]
①スパンクリート事業基盤の強化
中期経営計画の初年度にあたる昨事業年度{2019年3月期(第57期)}は3期連続の増収・増益となり1株当たり10円の増配を実行しました。
2年目の当事業年度{2020年3月期(第58期)}は、スパンクリート製品の売上数量が確保できず、宇都宮工場の稼働率が大きく下がったことから、当期純利益は黒字ながらも大きく減収減益となりました。
*設備投資は、自動切断機の導入及び第3工場の温水(サプライ)ルートの変更等を実施、現在は自動ケガキ機の検討を行っています。
*昨年末の銀座線渋谷駅の移設に関しては工期に支障を来すことなく製品納入を完了しました。また、新パターンのリブ板及び骨材を変えた削出用製品を販売しました。
3年目にあたる来事業年度{2021年3月期(第59期)}については、北陸新幹線延伸による防音壁、鉄道各社のホームドア設置事業の進捗があり、下期からは高層マンション向けの床材の出荷も始まりますが、倉庫向けの壁材や床材の競争が激化しております。また、コロナショック*1による不確実性を伴う厳しい事業環境下にありますが、中期経営計画の重点施策に継続して取り組み事業基盤の構築の年とします。
②新たな収益基盤の創出
新規事業への取組みとして、岩瀬工場においてプレキャスト製品の試験的な生産・販売を開始しました。
今後、他社との業務提携も推進し、コンクリート二次製品メーカーとして総合力を高めます。
③人材育成・情報化への対応
本中期経営計画の達成に向け、2018年11月、譲渡制限付株式の従業員への付与を実施しました。
IT知識を有する情報化担当者を中心に、モバイルシステム及びメールシステムの改良を実施しました。今後はテレワークの充実、情報セキュリティの強化を図ります。
④不動産事業の収益維持
PM会社は有効に機能しており、オフィスビル4棟ともほぼ100%の稼働率を維持し会社業績の下支えとなっています。
オフィスビル4棟のポートフォリオを分析して、築年の古いオフィスビルの買替等を検討します。
*1 新型コロナウイルス対応
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症については、同感染症の拡大が鎮静化して政府より緊急事態宣言が解除されましたが、まだ特効薬やワクチンなど同感染症に有効な手段が整って居らず、第二波、第三波の感染拡大が懸念されて居ります。再び感染拡大が始まると、建設工事向けの当社の製品出荷に少なからず影響が発生すると思われますが、生産・出荷等の遅延による業績への影響を現時点で予測することは困難です。当社としては、代表取締役社長を本部長とする「新型コロナ危機管理本部」を立ち上げ、感染防止に対する実効性のある対応策を実施し、業務拠点の状況に応じて柔軟な対応により優先業務の継続を図ります。
基本方針は次のとおりです。
①社員の安全:役員、従業員等及びその家族並びに近隣社会、取引先・関係先等の人命保護を最優先とします。
②感染拡大の防止:予防対策を整え、当社全体及び社会的責任の観点から取引先・関係先等への感染防止に努めます。また、従業員等に感染者が発生した場合は、保健当局の指示に従いながら情報を内外に開示することにより感染拡大の防止を図ります。
③事業の継続:法令等及び行政の指導を遵守しつつ、業務継続に必要な体制を構築の上、取引先や関係先等との連絡を密にして優先業務の継続に努めます。
(5)経営環境
①当事業年度(2020年3月期下期)を底に中期的には建設需要は堅調
昨事業年度(2019年3月期)に急増したオリンピック・パラリンピック事業関連の諸工事は完了し、鉄道各社のホームドア設置事業の進捗はあるものの、高層マンション向け床材の出荷の大半は来事業年度(2021年3月期)以降となる為、当事業年度(2020年3月期)の出荷量は減少します。
ただし5年の中期スパンでは国内の需要は堅調であると予想されます。
②製造コストアップの要因は継続
エネルギ-・原料費コストの上昇、運転手不足等の輸送確保難という環境は今後も続くと予想され、これらコストアップに関して顧客の理解を得る事が課題となっています。
③工事のプレキャスト化が進む
人口減少・高齢化・働き方改革等により日本の建設業界は産業構造の転換期を迎えています。建設労働者の施工能力低下と労働者の絶対数の不足で、工事のプレキャスト化の推進が必要となっております。
④i-Constructionの推進
働き方改革への対応とIT技術の活用による生産性の向上で、日本の建設業界は国土交通省が先頭となり「i-Construction」が推し進められています。
(1)経営方針
当社は、創業以来スパンクリート(穴あきPC板)と呼ぶコンクリート部材を建設業界に供給しております。当社の主力製品であるスパンクリートは、耐久性の面に優れ、断熱性能、遮音性能、耐火性能面でも優れた特性を有しており、工場での量産が可能であり、プレハブ化による工期の短縮、工事の省力化を図ることができ、ひいては建設コストの引き下げに貢献することができます。建設業界にとって建築施工の合理化を推進していくことは永遠の命題であり、スパンクリートはその一助になり得るものと確信しております。
当社は、このスパンクリートを安定的に供給できる生産、販売体制を強化し、かつ効率化を推進することにより、建築の合理化を必要とする顧客のニーズに応え満足していただくとともに、自己の企業価値を高め広く社会に貢献する企業を目指してまいりたいと考えております。
(2)経営戦略等
スパンクリート事業を取り巻く環境は依然として厳しいものがある中で、当面の経営戦略は次のとおりと考えております。
①主力であるスパンクリート事業において、他社のコンクリート製品、工法とのコスト競争力を強化するとともに工場の効率化を図る。同時に顧客満足度経営を重視し、顧客ニーズへの即応体制を構築し、製品の品質安定・改善に努める。
②付加価値の高い戦略製品及び相対的に利益率の確保しやすい商品、マンションの床材の拡販に注力し、工場の操業度の確保に努める。
③スパンクリートの新たな販路を構築し、需要の増加している建築並びに土木の分野等に営業活動を行う。
④スパンクリートの生産ラインを活かした、より付加価値の高い新製品の開発に努める。
⑤収益基盤の安定化を図るために、不動産事業の着実な推進を図る。
以上5つの中長期的な戦略を推進していくための具体的な課題として、次の4点を考えております。第1はスパンクリートの生産コスト削減のための原材料費の可能な限りの抑制、加工効率の向上、全社的なアウトソーシングの利用による固定費の変動費化推進等の合理化対策追求であります。第2は営業面で高層マンションや再開発高層ビルの需要を捕捉するとともに、当社製品の特性を活かせる鉄道関連や流通倉庫等の壁板拡販への注力であります。第3はスパンクリートに付加価値を加えたMスラブ(補強鉄筋入り床パネル)等の戦略製品を戦力化し、今後の収益力の増強に結びつけることであります。さらに第4として、賃貸ビル事業等の不動産事業を着実に推進していくことにより安定収益を確保し、経営基盤の強化を図っていきたいと考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標としており、税引前利益等利益の確保と利益率の向上を重要な経営指標として認識しております。2018年11月に次のとおりの長期的な環境認識に立って、第57期(2019年3月期)から第61期(2023年3月期)までの中期(5年)計画「SPC plus ONE 2022《スパンクリート事業基盤の強化と新たな収益基盤の創出》」を策定し、2021年のオリンピック・パラリンピック後を見据えた利益体質確立のため経営目標を定めました。今後とも、経営基盤の強化と効率化の追求により、安定的な収益を確保し企業価値を高めてまいります。
[中期経営計画の経営目標]
| 項 目 | 経営目標(5年間合計) | 2023年3月期 |
| 税前利益 | 11.3億円 | 3.3億円 |
| 当期純利益 | 9.5億円 | 2.7億円 |
| 自己資本比率 | 76% | 76% |
| 配当額(5年間合計) | 3.2億円 | 10円/株 |
| ROE(自己資本利益率) | 4% | 4% |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
「中期経営計画の経営目標」を達成すべく、全社を挙げて、次に記載する「中期経営計画の重点施策」を実施して行きます。
[中期経営計画の重点施策]
| 重点施策 | 公表内容 |
| スパンクリート事業基盤の強化 | 主力であるスパンクリート事業において、現有工場の生産能力に対応した収益性のある商品の販売を実行するとともに、担い手不足に対応するため、身の丈にあった設備投資を実施のうえ、出荷予想に基づき生産・出荷体制の調整を行うことにより生産コストを削減します。 同時に、顧客満足度経営を重視し、顧客ニーズへの即応体制を構築し、製品の品質安定・改善に努めるとともに、より付加価値の高い商品の開発を図ります。 |
| 新たな収益基盤の創出 | 増加するコンクリートプレキャスト製品市場への対応を実施し、コンクリート二次製品メーカーとして総合力を高めるとともに、他社との業務提携を推進します。 |
| 人材育成・情報化への対応 | 従業員へのインセンティブ及び福利厚生の充実により魅力ある雇用を提供し、担い手の確保・育成を図ると共に、将来の建設業界の情報化に対応します。 |
| 不動産事業の収益維持 | 収益基盤の安定化を図るため、不動産事業の着実な推進を図ります。 |
[中期経営計画の進捗状況]
①スパンクリート事業基盤の強化
中期経営計画の初年度にあたる昨事業年度{2019年3月期(第57期)}は3期連続の増収・増益となり1株当たり10円の増配を実行しました。
2年目の当事業年度{2020年3月期(第58期)}は、スパンクリート製品の売上数量が確保できず、宇都宮工場の稼働率が大きく下がったことから、当期純利益は黒字ながらも大きく減収減益となりました。
*設備投資は、自動切断機の導入及び第3工場の温水(サプライ)ルートの変更等を実施、現在は自動ケガキ機の検討を行っています。
*昨年末の銀座線渋谷駅の移設に関しては工期に支障を来すことなく製品納入を完了しました。また、新パターンのリブ板及び骨材を変えた削出用製品を販売しました。
3年目にあたる来事業年度{2021年3月期(第59期)}については、北陸新幹線延伸による防音壁、鉄道各社のホームドア設置事業の進捗があり、下期からは高層マンション向けの床材の出荷も始まりますが、倉庫向けの壁材や床材の競争が激化しております。また、コロナショック*1による不確実性を伴う厳しい事業環境下にありますが、中期経営計画の重点施策に継続して取り組み事業基盤の構築の年とします。
②新たな収益基盤の創出
新規事業への取組みとして、岩瀬工場においてプレキャスト製品の試験的な生産・販売を開始しました。
今後、他社との業務提携も推進し、コンクリート二次製品メーカーとして総合力を高めます。
③人材育成・情報化への対応
本中期経営計画の達成に向け、2018年11月、譲渡制限付株式の従業員への付与を実施しました。
IT知識を有する情報化担当者を中心に、モバイルシステム及びメールシステムの改良を実施しました。今後はテレワークの充実、情報セキュリティの強化を図ります。
④不動産事業の収益維持
PM会社は有効に機能しており、オフィスビル4棟ともほぼ100%の稼働率を維持し会社業績の下支えとなっています。
オフィスビル4棟のポートフォリオを分析して、築年の古いオフィスビルの買替等を検討します。
*1 新型コロナウイルス対応
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症については、同感染症の拡大が鎮静化して政府より緊急事態宣言が解除されましたが、まだ特効薬やワクチンなど同感染症に有効な手段が整って居らず、第二波、第三波の感染拡大が懸念されて居ります。再び感染拡大が始まると、建設工事向けの当社の製品出荷に少なからず影響が発生すると思われますが、生産・出荷等の遅延による業績への影響を現時点で予測することは困難です。当社としては、代表取締役社長を本部長とする「新型コロナ危機管理本部」を立ち上げ、感染防止に対する実効性のある対応策を実施し、業務拠点の状況に応じて柔軟な対応により優先業務の継続を図ります。
基本方針は次のとおりです。
①社員の安全:役員、従業員等及びその家族並びに近隣社会、取引先・関係先等の人命保護を最優先とします。
②感染拡大の防止:予防対策を整え、当社全体及び社会的責任の観点から取引先・関係先等への感染防止に努めます。また、従業員等に感染者が発生した場合は、保健当局の指示に従いながら情報を内外に開示することにより感染拡大の防止を図ります。
③事業の継続:法令等及び行政の指導を遵守しつつ、業務継続に必要な体制を構築の上、取引先や関係先等との連絡を密にして優先業務の継続に努めます。
(5)経営環境
①当事業年度(2020年3月期下期)を底に中期的には建設需要は堅調
昨事業年度(2019年3月期)に急増したオリンピック・パラリンピック事業関連の諸工事は完了し、鉄道各社のホームドア設置事業の進捗はあるものの、高層マンション向け床材の出荷の大半は来事業年度(2021年3月期)以降となる為、当事業年度(2020年3月期)の出荷量は減少します。
ただし5年の中期スパンでは国内の需要は堅調であると予想されます。
②製造コストアップの要因は継続
エネルギ-・原料費コストの上昇、運転手不足等の輸送確保難という環境は今後も続くと予想され、これらコストアップに関して顧客の理解を得る事が課題となっています。
③工事のプレキャスト化が進む
人口減少・高齢化・働き方改革等により日本の建設業界は産業構造の転換期を迎えています。建設労働者の施工能力低下と労働者の絶対数の不足で、工事のプレキャスト化の推進が必要となっております。
④i-Constructionの推進
働き方改革への対応とIT技術の活用による生産性の向上で、日本の建設業界は国土交通省が先頭となり「i-Construction」が推し進められています。