公開買付届出書

【提出】
2025/02/03 10:29
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」とは、日本製鉄株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、山陽特殊製鋼株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において、計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注9) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本の金融商品取引法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものです。

対象者名

山陽特殊製鋼株式会社

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1) 本公開買付けの概要
公開買付者は、2025年1月31日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式を28,863,844株(所有割合(注1):52.98%)所有する対象者の筆頭株主(注2)であり、公開買付者の完全子会社である日鉄物流株式会社(所有株式数33,937株、所有割合:0.06%)及び日鉄テックスエンジ株式会社(所有株式数20,200株、所有割合:0.04%)並びに公開買付者の連結子会社である日鉄プロセッシング株式会社(所有株式数600株、所有割合:0.00%)を通じた間接所有分と合わせて対象者株式28,918,581株(所有割合:53.08%)を所有することにより、対象者を連結子会社としております。
(注1) 対象者が2025年1月31日に提出した「2025年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(54,507,307株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいいます。以下、所有割合の記載について同じとします。
(注2) 筆頭株主であることは、対象者が2024年11月14日に提出した第113期半期報告書(以下「対象者半期報告書」といいます。)「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5) 大株主の状況」に記載された2024年9月30日時点の所有株式数によります。
本公開買付けにおいては、公開買付者は、買付予定数の下限を7,457,756株(所有割合:13.69%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。一方、公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
なお、買付予定数の下限は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有する対象者の議決権数の合計が対象者の議決権総数(対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の対象者の発行済株式総数(54,507,307株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に係る議決権の数)である544,823個に3分の2を乗じた数(363,216個、小数点以下を切り上げ)に、対象者の単元株式数(100株)を乗じた株式数(36,321,600株)から、公開買付者所有株式数(28,863,844株)を控除した株式数(7,457,756株)としております。
公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにより対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得する予定です(ただし、本公開買付けにおける応募株券等の数の合計が下限に満たない場合はこの限りではありません。)。なお、対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、下記「(5) 上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。
対象者が2025年1月31日付で公表した「当社親会社である日本製鉄株式会社による当社株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2025年1月31日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。対象者の取締役会における意思決定に係る詳細については、対象者プレスリリース及び下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1950年4月1日に八幡製鐵株式会社、富士製鐵株式会社としてそれぞれ設立し、両社は1970年3月31日に合併し、商号を新日本製鐵株式會社に変更しました。新日本製鐵株式會社は、2012年10月1日に、1949年7月1日に設立された住友金属工業株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、商号を新日鐵住金株式会社に変更し、その後、2019年4月1日に、商号を現在の日本製鉄株式会社に改め、2020年4月1日に日鉄日新製鋼株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、本書提出日現在に至っております。また、公開買付者は、1950年10月2日付で東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所に、1950年10月5日付で証券会員制法人福岡証券取引所に、その後、1952年1月21日付で証券会員制法人札幌証券取引所にそれぞれ株式を上場し、本書提出日現在、公開買付者の株式は、東京証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプライム市場に、株式会社名古屋証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプレミア市場にそれぞれ上場しているとともに、証券会員制法人福岡証券取引所及び証券会員制法人札幌証券取引所にもそれぞれ引き続き上場しております。
公開買付者は、2024年9月30日現在、対象者を含む425社の連結子会社及び113社の持分法適用関連会社等を有しております(公開買付者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社等を総称して、以下「公開買付者グループ」といいます。)。公開買付者グループでは、製鉄事業を主体に、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業を加えた4セグメント体制を敷いております。公開買付者グループは、「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献する」という基本理念に則り、将来に亘って日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指して成長し続けることを念頭に、2021年3月5日付で中長期経営計画(2021年度~2025年度)(以下「公開買付者経営計画」といいます。)を策定しております。公開買付者経営計画では、4つの柱として、(ⅰ)「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、(ⅱ)「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」(ⅲ)「カーボンニュートラル(注1)への挑戦」及び(ⅳ)「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」を掲げております。
(注1) 「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(以下「GHG」といいます。)の「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることをいいます。
一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1933年創業の山陽製鋼所の事業を承継する形で1935年1月に山陽製鋼株式会社として設立され、1939年9月に大阪証券取引所に、1954年1月に東京証券取引所に株式を上場したとのことです。1959年1月に商号を山陽特殊製鋼株式会社に変更し、今日に至っているとのことです。なお、対象者は2022年4月の東京証券取引所における新市場区分への移行後の本日現在においては、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。対象者の主力品種である軸受鋼は創業当初から生産を開始し、その後、「社会からの信頼」、「お客様からの信頼」、「人と人との信頼」の確立を目指す「信頼の経営」の経営理念のもと、再生資源である鉄スクラップを原料とした特殊鋼製造で資源循環型社会の一翼を担うとともに、「高清浄度鋼製造技術」をベースとして、開発・品質・安定供給等、あらゆる面にわたって市場から高い信頼を獲得する「高信頼性鋼」の提供を通じて社会の更なる発展に貢献することを使命として、特殊鋼メーカーとして成長を続けてきたとのことです。対象者が長年培ってきた高清浄度鋼製造技術は、お客様における工程省略・簡略化が可能になることを通じてGHG排出量削減に貢献する「ECOMAX®シリーズ」や「TOUGHFIT®」等の開発にも繋がっており、脱炭素社会に向けた製品開発を推進、EV(注1)化進展等に伴う部品の小型・軽量化などの新規ニーズを取り込むとともに、風力発電や鉄道用ベアリング等の今後成長が期待される分野においても対象者技術を活かした着実な新規需要の捕捉に貢献しているとのことです。公開買付者とは2006年2月に鉄鋼需要の変動や国際的な競争激化へ対応するため、生産受委託、原料調達・製品物流におけるコストダウン推進、共同研究開発、生産・研究開発分野における人材交流の提携施策のメリットを相互に享受することを狙いとし、業務提携を実施することに合意したとのことです。また、当該合意に基づき、対象者は同年6月に公開買付者の持分法適用関連会社となり、2019年3月には第三者割当による新株式の発行を通じて公開買付者の連結子会社となると同時に、スウェーデンのTriako Holdco AB(現 Ovako Group AB。以下、Ovako Group AB 及びその子会社を「Ovako」といいます。)を連結子会社化したとのことです。対象者、Ovako、公開買付者で進める3社連携では、技術人材派遣によるOvakoの生産効率向上や、グループ内インフラ活用による物流費の削減、原材料や資機材の適切な活用によるコストの削減、得意品種の生産集約、3社での研究開発面の連携などの施策を展開しているとのことです。カーボンニュートラルの観点からは、現在対象者が展開している日本、欧州、インド拠点はいずれも、GHG排出削減の観点から相対的に優位とされる電気炉による製造を行っているとのことです。特にOvakoは、水力等の安価グリーン電力(注2)の利用に加え、毎時約4千㎥を誇る欧州の大規模カーボンフリー水素生成プラントの稼働等も通じ、高炉による製造と比較して低位なGHG排出を実現しており、鉄鋼分野でのカーボンニュートラルに関するフロントランナーと考えているとのことです。また、対象者のみならずお客様においてもGHG排出量を削減できる製品の提供や、海外子会社への生産技術提供により省エネルギーを推進する取り組み等を通じ、サプライチェーン全体の脱炭素化に貢献しているとのことです。こうした活動の結果として、対象者は、国内特殊鋼専業メーカーとしては唯一となるCDPスコア(注3)「A-」を取得したとのことです。
対象者並びにその連結子会社34社及び持分法適用関連会社1社(2024年12月末現在、総称して、以下「対象者グループ」といいます。)を取り巻く経営環境につきましては、北米やインド等を中心にグローバルの特殊鋼需要は、今後も一定の成長が見込まれるものの、国内の特殊鋼需要は人口減少や高齢化等の社会構造の変化に伴い減少することが見込まれ、また、特殊鋼の直接輸出あるいは特殊鋼を使用した製品等の間接輸出も、海外需要家の地産地消化ニーズの高まりやグローバルサプライチェーンの見直しにより中長期的には減少が見込まれ、また、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を踏まえた、国内外の特殊鋼メーカーとの競争激化や2050年カーボンニュートラルに向けた鉄スクラップを中心とする調達面での競争激化なども想定されるとのことです。このような中、技術力・商品開発力・コスト競争力を強化し、国内外の競合者に対する優位性を強化・拡大することが、対象者グループにとって必要であると認識しているとのことです。
(注1) 「EV」とは「Electric Vehicle」の略で、バッテリーに蓄えた電気をモーターに供給して走行する電気自動車のことをいいます。
(注2) 「グリーン電力」とは、化石燃料を使用せず、自然エネルギーによって発電された電力のことをいいます。
(注3) 「CDPスコア」とは、グローバルな環境情報開示システムを運営する英国の非政府組織であるCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)が、企業の気候変動や温室効果ガスの排出削減に向けた取り組み等を評価し、企業の環境対策のレベルをスコアリングし格付けした指標です。
かかる状況を踏まえ、対象者グループは2021年4月30日に2025年を最終年度とする中期経営計画「次期経営計画(25年中期)について」を公表し、「事業基盤強化を通じ、安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を確立し、グローバルな特殊鋼マーケットでの企業価値の更なる向上を図る」ことを目指し、持続的な成長の追求に取り組んでいたとのことですが、当初の2025年中期経営計画策定後、資源価格のインフレ、人的資源の制約拡大、EV化・カーボンニュートラルの加速化など、大きな環境変化が起こっていることから、2023年7月28日に中期経営計画の見直しを行い「2025年中期経営計画の見直し」(以下「本中期経営計画」といいます。)を公表したとのことです。本中期経営計画では「グローバルな特殊鋼市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上」、「国内・海外事業の収益力強化」、「ESG(注1)の取り組み強化」、「2050年カーボンニュートラルの実現」、「DX(注2)の推進」を5つの柱として各種戦略を推進し、グローバルな特殊鋼市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上を図っているとのことです。
(注1) 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のことをいいます。
(注2) 「DX」とは、「Digital Transformation」の略で、デジタル技術を活用して事業や業務プロセス、製品・サービスなどを変革し、企業成長を目指すことをいいます。
なお、公開買付者と対象者の資本関係は、1953年に公開買付者が対象者の株主として資本参加したことに始まります。その後、2006年2月に、鉄鋼需要の変動や国際的な競争激化へ対応するため、生産受委託等の提携施策のメリットを相互に享受することを狙いとし、業務提携を実施することに合意しました。また、当該合意に基づき、公開買付者は、同年6月に対象者の株式を追加取得し、対象者を持分法適用関連会社としました。その後、2019年3月28日に対象者は第三者割当増資を行い、公開買付者は対象者株式24,012,500株を取得したことにより、本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を28,863,844株(所有割合52.98%)所有するに至っております。対象者の連結子会社化以降、対象者グループを含む公開買付者グループ全体で年間100億円程度のシナジー発揮を目指し、対象者子会社の操業改善支援によるコスト削減等の効率的生産の追求及びお客様対応力の強化として新規提案等を通じた拡販の実行、並びに調達コスト削減等の取り組み及び公開買付者グループと対象者グループの各部門間での相互連携を深める中で競争力強化を図っており、一定の成果は得たと認識しております。
このような中、我が国の特殊鋼の需要は、人口減に伴う主要需要分野における内需の減少、中国における過剰生産能力と輸出攻勢、中長期的なEV化の潮流等の中で、縮小傾向に向かい、競争はますます激化することが想定される一方、北米やインド等の市場では今後も特殊鋼需要の拡大が見込まれるなど、グローバルでの特殊鋼事業を取り巻く課題は複雑化すると想定しております。
公開買付者においては、このような環境の変化に足元から的確かつ迅速に対応し厳しい事業環境下において競争に打ち勝ち、また、両社の中長期的な更なる企業価値向上のために、グループ横断の視点から不断に最適生産を追求するとともに、対象者グループとの一層の人事交流等も含めて両社の経営リソースを持ち寄り、更なる一体化・最適化を推進していくことで、競争力を強化していくこと、また、北米やインド等の一定の特殊鋼需要の拡大が見込まれる地域での収益機会を確実に公開買付者グループに取り込むことが必須であると考えております。
他方で対象者が上場企業であり、公開買付者と対象者の一般株主との間の一定の利益相反構造が内包される関係にあることから、技術情報等の共有、経営資源の補完及び相互活用等において、一定の制約を受けていると考えております。具体的には、グループ一貫の観点での最適化施策は、グループ全体の企業価値向上に資するものの、個社単位で見ると一方の会社にメリットが偏るおそれがあるため、両社それぞれにおいて、一般株主の皆様に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要すことや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることで実施しにくくなるなど、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねません。
公開買付者は、こうした現状の制約に捉われることなく、両社の協力関係を発展させることが、双方の企業価値向上に資する最善の方策と考え、そうした観点から2024年10月9日、公開買付者は、対象者の完全子会社化が望ましいと判断いたしました。
なお、公開買付者は、本取引の実施に伴う対象者の上場廃止等のデメリットについても検討いたしました。上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金融通等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えます。本取引により対象者が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者との更なる連携強化を図ることによって対象者の中長期的な企業価値向上に資するものと考えております。また、本取引により両社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、対象者の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えております。
公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とし、かつ対象者株式を非公開化することにより、以下の施策の実現が可能と考えております。
ⅰ.特殊鋼棒線事業の更なる一体化・最適化を通じた収益機会の拡大・事業戦略の強化
a.営業面での連携強化による拡販等の実行
現状は、お客様への拡販活動にあたって、両社それぞれにおいて、製造・販売・技術・研究の連携取り組みを推進し、新規鋼材の開発や原価低減活動、それらを踏まえた価格見積もりの提示等、様々な提案を行っております。
今後、両社の経営リソースをより一体化・最適化することで、提案のバリエーションを増やし、お客様のニーズを的確に捉えることで、競合他社との更なる差別化が実現可能と考えています。特に主要需要分野である国内外の自動車・軸受・建設及び産業機械分野における取り組みを想定しております。例えば、自動車分野において、公開買付者は、グループの総合力を発揮し、次世代自動車の開発・製造において、各部品、電動車、次世代モビリティという分野で、材料開発、構造・機能設計、工法開発、性能評価という基軸から貢献を目指してソリューションコンセプト(注1)を拡充するなどの取り組みを進めておりますが、軽量で、短工期・低コスト、多種多様な次世代モビリティの開発・製造が可能となるこうした取り組みの中で他品種との組み合わせによるお客様への提案力強化の可能性も広がると考えております。
(注1) 当社は、次世代自動車の開発・製造におけるソリューションコンセプトとして、当社の次世代鋼製自動車コンセプト“NSafe®-AutoConcept)”における、ゼロカーボンに対するニーズの高まりに対応した電動車向けの鉄鋼ソリューションコンセプト“NSafe®-AutoConcept xEV)”と、車のカタチが多様化すると想定される中での次世代モビリティ向けの生産ソリューションコンセプト“NSafe®-AutoFrameConcept)”を構築しています。
これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えておりませんが、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、対象者を完全子会社化することが望ましいと考えております。
b.技術部門の連携強化による技術・ソリューション提案力の強化
これまでも両社の技術部門間における一定の連携は行ってきましたが、現時点では、両社が各々に開発を行い、お客様に鋼材やソリューション提案を実施している分野が存在すると認識しております。特殊鋼のソリューション提案は、鋼材×工法(熱処理や浸炭処理(注1))の視点が極めて重要であり、両社の技術・特許・知見をより一体化することで、鋼材・工法の選択肢を増やすことが可能となり、そのことが提案力の強化に資すると考えています。これは、上記「a.営業面での連携強化による拡販等の実行」で述べたように、グループの総合力を発揮し、他品種との組み合わせによるお客様への提案力強化の可能性も広がると考えております。
(注1) 浸炭処理とは、炭素雰囲気ガスの中に部品を一定時間入れることにより、表面のみ炭素量を増やし、加工性と耐摩耗性を両立させる技術をいいます。
現状の資本関係においては、技術・特許の共有には、個社単位で見ると一方の会社にメリットが偏るケースもあることから、両社それぞれにおいて、個社の視点のみで見ると他方の会社の一般株主の皆様の理解を得ることが容易ではない可能性もあり、一定の制約があると考えているため、対象者を完全子会社化することが望ましいと考えております。
c.グローバル戦略の更なる深化・拡大
これまでも2019年の対象者連結子会社化以降、対象者の海外事業会社で連結子会社である欧州のOvako及びインドのSanyo Special Steel Manufacturing India Pvt. Ltd.中心に、対象者及び対象者海外事業会社・公開買付者の3社連携を推進してまいりました。Ovakoに関しては、操業改善や拡販活動、研究開発等のグループ連携施策を推進してまいりました。インドのSanyo Special Steel Manufacturing India Pvt. Ltd.に関しても、3社にて収益改善に向けた取り組みを精力的に推進し黒字化を達成する等、一定の成果をあげております。
そうした中、公開買付者グループ全体としては、北米・インドを中心に伸び行く海外需要捕捉に向けた施策を展開しておりますが、特殊鋼分野においても、国内需要が縮小すると想定される中、更なるグローバル需要の捕捉に取り組んでいく必要があり、両社の海外事業に関するリソースを一体化・最適化することが、より両社の特殊鋼分野におけるグローバル戦略の深化・拡大に資すると考えています。
これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えておりませんが、対象者の完全子会社化により、短期的な収益変動のリスクに必ずしもとらわれない、長期的な視野に立った両社の海外事業に関するリソースの一体化・最適化が可能となると考えており、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、対象者を完全子会社化することが望ましいと考えております。
d.スクラップ調達連携等の原料施策によるコスト競争力向上
公開買付者は、2021年3月5日に公表した「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」において、高炉水素還元、水素による還元鉄製造、大型電炉での高級鋼製造からなる3つの超革新的技術を用いた2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げており、2030年の脱炭素目標を確実に達成するため、高炉プロセス(高炉を使用して鉄鉱石を還元・溶解する製鉄法)から電炉プロセス(電気炉を使用して鉄スクラップや直接還元鉄を溶解する製鉄法)への転換について本格検討を進めています。こうした動きの中で、公開買付者は冷鉄源(鉄鋼製造原料となる鉄スクラップや直接還元鉄)調達を拡大していくことを想定しております。一方、こうした電炉化の動きはグリーントランスフォーメーションの潮流の中で、競合他社においても見られ、スクラップ等の調達競争は激しさを増すことが想定されます。
こうした環境変化を踏まえ、対象者及び公開買付者のリソースやノウハウをより一体化・最適化し、公開買付者グループ全体でこれら冷鉄源の調達から使用に至るまでの一貫したマネジメント基盤を構築することが、将来にわたる安定的かつ競争力のあるスクラップ等の冷鉄源調達・活用に資すると考えております。
これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えておりませんが、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、対象者を完全子会社化することが望ましいと考えております。
ⅱ.公開買付者グループ全体での更なる最適生産体制の追求
公開買付者は、現在、例えば棒鋼製品にはじまり、自由鍛造で製造する製品(注1)や熱間押出製品(注2)に関して、両社にて類似する製造設備で製造している製品があると認識しております。今後、マーケット変動等があった際には需要動向を踏まえて両社それぞれが製造する製品を社を越えて集中生産することにより、設備稼働率の向上による設備余力の解消等が見込まれ、両社にとって生産性向上・コスト競争力強化等に資することから、グループ一貫の観点からメリットを得られると考えています。
(注1) 「自由鍛造で製造する製品」とは、プレス機等により鋼塊を成形する熱間鍛造製品をいいます。
(注2) 「熱間押出製品」とは、加熱した母材を所定の形状の金型を通して押し出し成形した製品をいいます。
公開買付者は、上記の検討を踏まえ、2024年9月2日、対象者の完全子会社化を含めた公開買付者及び対象者の中長期的かつ持続的な企業価値の向上施策に係る検討を開始したい旨の初期的な打診(以下「本初期的打診」といいます。)を対象者に対して行いました。その後、公開買付者は、2024年9月下旬に社内の関係部門を構成員とする本取引に関する検討体制を構築し、事業環境や本取引の意義、公開買付により完全子会社化を目指すこと等について社内検討を行った上で、2024年10月9日、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任し、また、同日に、対象者に対して公開買付け及び株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化の提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出しました。これに対して、2024年10月31日、対象者より、公開買付者からの10月9日付の提案書を受領したこと、同日付で設置した特別委員会の設置を含め適切な社内体制を整備し、公正性担保措置を実施の上で、提案につき検討する旨の連絡を受領しました。2024年11月9日、対象者の特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)より本提案書に対する本取引の提案の背景・目的等、本取引のシナジー及びデメリット、本取引後の対象者の経営方針、ストラクチャー等についての質問を受領したため、2024年11月19日に、2024年11月9日付の各質問に対する公開買付者の見解を書面で回答し、また、本特別委員会から2024年11月19日付の公開買付者の回答に対する追加の質問も2024年11月20日に受領したため、それらの質問も踏まえて、2024年11月21日に、本特別委員会に対して、本取引に関する詳細な説明を行うなど、対象者との間で、本取引の意義及び目的に関するより詳細な協議・交渉を実施しました。その後、2024年12月2日に、本特別委員会から本提案書に対する公開買付者グループにおけるグローバル及び特殊鋼についての今後の戦略及び方向性と、その中における本取引の位置付け、公開買付者が対象者に期待する活動・貢献等についての追加質問を受領したため、2024年12月6日に書面で回答を行っております。
また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2024年11月9日から2024年12月18日まで実施いたしました。公開買付者は、当該デュー・ディリジェンスの結果及び対象者を取り巻く外部環境、並びに対象者より受領した事業計画及び対象者の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果、対象者に対して2024年12月20日に、本公開買付価格を2,350円とすることを含む正式な提案を行いました。なお、公開買付者が提案した価格は、対象者が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として提示された価格となります。以下同様です。その後、2024年12月23日に、公開買付者は、対象者から、本公開買付価格は対象者の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えているとして、価格引上げの再検討を要請されました。その後、公開買付者は、2024年12月26日に、対象者の事業計画に対する公開買付者の見解の説明と対象者及び本特別委員会の見解の確認をしたい旨の要請を行いました。これに対して、2024年12月27日に、対象者から、当該事業計画は対象者を取り巻く事業環境を客観的に評価した上で作成された蓋然性の高いものであると考えているとして、公開買付者による2024年12月20日付の提案価格の再考を要請されました。加えて、2025年1月9日に、公開買付者、対象者及び本特別委員会は、面談の場において、対象者の事業計画に対する公開買付者、対象者及び本特別委員会それぞれの見解を確認しました。これらの対話も踏まえ、事業計画に対する公開買付者の見解、対象者が主張するカーボンニュートラル社会における対象者の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、公開買付者は、2025年1月17日に、本公開買付価格を2,550円とする旨の提案を行いました。これに対して、2025年1月20日に、対象者から、対象者の本源的価値及び対象者のバランスシートの態様を適切に反映し、対象者一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請された上で、対象者の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、2,800円を提案されました。これに対して、公開買付者は、2025年1月23日に、対象者の意向を尊重し公開買付者として最大限の提案をするべく熟慮を重ねた結果、本公開買付価格を2,750円とする旨の提案を行いました。これに対して、2025年1月24日に、対象者から、応諾する方針で検討する旨の連絡を受けました。
以上の検討・協議・交渉の結果、公開買付者及び対象者の間で、本公開買付価格を2,750円とすることについての考えが一致したことから、公開買付者は、2025年1月31日開催の取締役会において、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決議しました。
② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者から、2024年9月2日に本初期的打診を受け、その後、2024年10月9日に、対象者の完全子会社化に関する本提案書を受領したとのことです。これを受けて、対象者は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は、対象者株式の所有割合が52.98%である対象者の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年10月31日開催の対象者取締役会において、公開買付者グループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、外部のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をそれぞれ選任したとのことです。また、対象者は、本取引の公正性を担保するため、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言も得つつ、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。具体的には、対象者は、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の設置に向けた準備を進めた上で、2024年10月31日開催の取締役会決議により、要木洋氏(対象者監査等委員である独立社外取締役、元・株式会社三井住友銀行理事)、藤原佳代氏(対象者独立社外取締役、ENEOSオーシャン株式会社取締役常務執行役員)、戸出巌氏(対象者独立社外取締役、元・三菱商事株式会社取締役常務執行役員自動車・モビリティグループCEO)及び宮口亜希氏(対象者監査等委員である独立社外取締役、公認会計士宮口亜希事務所所長)の4名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(1) 本公開買付けについて対象者取締役会が賛同するべきか否か、及び、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、対象者取締役会に勧告を行うこと、(2)対象者取締役会による本取引についての決定が、対象者の少数にとって不利益なものでないかを検討し、対象者取締役会に意見を述べること(なお、上記勧告及び意見に際しては、(ⅰ)対象者の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(ⅱ)対象者の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとしております。)(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。
また、対象者は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)対象者取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否も含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び(ⅱ)特別委員会が本取引に係る取引条件が妥当でないと判断した場合、対象者取締役会は当該取引条件による本取引の承認を行わない(本公開買付けに賛同しないことを含むとのことです。)ことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)対象者が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含むとのことです。)、(ⅱ)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任し(この場合の費用は対象者が負担するとのことです。)、対象者の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含むとのことです。)すること(なお、特別委員会は、対象者のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、対象者のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができるとのことです。)、(ⅲ)事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、対象者の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること及び(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しているとのことです(当該取締役会における決議の方法については、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
なお、本特別委員会は、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年10月31日、上記の権限に基づき、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しているとのことです。
また、対象者は、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに対象者のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業について、公開買付者グループ及び対象者グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
更に、対象者は、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです。
対象者は、SMBC日興証券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってきたとのことです。
また、公開買付者から2024年10月9日に本提案書を受領して以降、対象者は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことです。
具体的には、対象者及び本特別委員会は、2024年10月9日に本提案書を受領したことを踏まえて、対象者における検討・協議を進め、2024年11月9日に公開買付者に対し、本取引の提案の背景・目的、本取引のシナジー、本取引のデメリット、本取引後の対象者の経営方針、ストラクチャー等に関して書面による質問をしたところ、2024年11月19日に、公開買付者から2024年11月9日付の各質問に対する公開買付者の見解について書面による回答を受けたとのことです。更に、本特別委員会は、当該回答に関して2024年11月20日に書面による追加の質問を行い、2024年11月21日、公開買付者から当該質問について説明を受けるとともに、本取引に関する質疑応答を行ったとのことです。その後、本特別委員会は、2024年12月2日に公開買付者グループにおけるグローバル及び特殊鋼についての今後の戦略及び方向性と、その中における本取引の位置付け、公開買付者が対象者に期待する活動・貢献等について書面による追加の質問をしたところ、2024年12月6日に、公開買付者から、2024年12月2日付の質問事項について書面による回答を受けたとのことです。
本公開買付価格については、対象者は、2024年10月9日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてきたとのことです。具体的には、対象者は、2024年12月20日、公開買付者が、対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果及び対象者を取り巻く外部環境、並びに対象者より受領した事業計画及び対象者の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果である正式な提案として、公開買付者から、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,350円(提案実施日の前営業日である同月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,773円に対するプレミアム率は32.54%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,813円に対するプレミアム率は29.62%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,863円に対するプレミアム率は26.14%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,918円に対するプレミアム率は22.52%です。)とすることを含んだ本取引の諸条件に関する提案を受けたとのことです。しかし、対象者及び本特別委員会は、2024年12月23日、公開買付者に対し、当該本公開買付価格は、対象者の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えていることから、価格の引き上げを検討するよう要請したとのことです。その後、対象者は、2024年12月26日、公開買付者より、事業計画に関する公開買付者の見解と対象者及び本特別委員会の見解を確認したい旨の回答を受領したとのことです。これを受け、対象者及び本特別委員会は、2024年12月27日、対象者の事業計画は、対象者として事業環境を客観的に評価した上で作成しており、その蓋然性は高いものと考えている旨を回答するとともに、価格の再考を検討するよう要請したとのことです。その後、2025年1月9日に、公開買付者、対象者及び本特別委員会は、面談の場において、対象者の事業計画に対する公開買付者、対象者及び本特別委員会それぞれの見解を確認したとのことです。これらの対話も踏まえ、事業計画に対する公開買付者の見解、対象者が主張するカーボンニュートラル社会における対象者の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、2025年1月17日、公開買付者より、本公開買付価格を2,550円(提案実施日の前営業日である同月16日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,846円に対するプレミアム率は38.14%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,864円に対するプレミアム率は36.80%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,849円に対するプレミアム率は37.91%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,884円に対するプレミアム率は35.35%です。)とする旨の提案を受けたとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2025年1月20日に、対象者の本源的価値及び対象者のバランスシートの態様を適切に反映し、対象者一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請した上で、対象者の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、公開買付者に対して2,800円を提案したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2025年1月23日、公開買付者より、最終提示価格として、本公開買付価格を2,750円(提案実施日の前営業日である同月22日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値1,890円に対するプレミアム率は45.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,894円に対するプレミアム率は45.20%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,851円に対するプレミアム率は48.57%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,878円に対するプレミアム率は46.43%です。)とする旨の提案を受けたとのことです。その結果、対象者及び本特別委員会は、2025年1月24日に、公開買付者の提案価格は、対象者の本源的価値や電炉設備保有等を背景としたカーボンニュートラル社会の実現に向けての対象者の強み、対象者一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待等の様々な評価要素を総合的に反映したものと評価していると考え、応諾する方針で検討する旨を回答したとのことです。
以上の検討・交渉過程において、対象者は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにSMBC日興証券及び森・濱田松本法律事務所外国法共同事業からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーである野村證券及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、対象者や対象者のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきたとのことです。具体的には、対象者が公開買付者に対して提示し、また、SMBC日興証券及び野村證券が対象者株式の価値算定において基礎とする対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けているとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っているとのことです。
そして、対象者は、2025年1月30日付で、本特別委員会から、①対象者取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきであると考えられる旨、及び、②対象者取締役会による本取引についての決定(本公開買付けに賛同するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けているとのことです(本答申書の概要については、下記「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、本特別委員会は、2025年1月30日付で野村證券から対象者株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,750円が対象者の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(野村證券)」といいます。)の提出を受けているとのことです(本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要については、下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、対象者は、2025年1月31日開催の対象者取締役会において、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、2025年1月30日付でSMBC日興証券から提出を受けた対象者株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。)及びフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行ったとのことです。
その結果、以下のとおり、対象者としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた対象者の完全子会社化が対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
対象者グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想されるとのことです。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、対象者グループの企業価値を更に向上するためには、公開買付者グループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、リソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えているとのことです。
しかしながら、公開買付者からは、公開買付者と対象者の現在の資本関係においては、公開買付者グループ全体の企業価値向上には資する施策であっても個社単位の観点からは一方の会社にメリットが偏るというケースがあり、この場合、個社の視点では他方の会社の一般株主の理解を得ることが容易ではない可能性もあることから当該施策の実行が困難になるなど、最大限のシナジー発揮が容易ではない状況にあると考えているとの説明を受けているとのことです。加えて、公開買付者と対象者のそれぞれにおいて、一般株主に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要することや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることを理由として実施しにくくなることは、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないとのことです。加えて、対象者としても、公開買付者と対象者の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、対象者の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になり得ると考えているとのことです。
対象者グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて対象者を完全子会社化し、公開買付者と対象者の一般株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで対象者が実現可能と考える具体的なシナジーは以下のとおりとのことです。
Ⅰ.一体運営による生産・調達体制の効率化・コスト削減
生産体制の効率化を図ることで、より一層の設備の有効活用ができることに加え、原料やエネルギーの共同調達・物流費等の最適化によるコスト削減及びコスト競争力強化の実現も可能と考えているとのことです。また、カーボンニュートラルの観点においても生産・調達体制の効率化及び対象者が保有する電気炉の最大活用やOvakoが保有するカーボンフリー水素生成の知見は、公開買付者グループ全体においても、その取り組みを加速させる上で重要な役割を果たすことができるものと考えているとのことです。
Ⅱ.研究開発の深化
これまでOvakoを含む対象者と公開買付者が各々で開発を進めてきた特殊鋼の製造技術を融合することで、対象者単独で開発するよりも多くのプロダクトをお客様に提案できるようになるものと考えているとのことです。また、これまでは全ての共有が難しかった研究開発の成果においても、対象者が公開買付者の完全子会社になることによって細部にわたる共有が可能となり、大きな付加価値を生み出す源泉となるものと考えているとのことです。
Ⅲ.グローバル展開における人的資本の共有・競争力強化
国内の特殊鋼需要が成熟化している中、更なるグローバル需要の捕捉に取り組んでいく必要があると認識しているとのことです。現在対象者が展開している日本、欧州、インドの他、グローバル展開に注力していく中で、公開買付者と人的資本をはじめとする経営資源やノウハウを共有することで競争力を高めることができると考えているとのことです。
Ⅳ.迅速かつ柔軟な意思決定
対象者と公開買付者グループで視点を統一し、国内のみならずグローバルにおいても意思決定の迅速化を進めるとともに、変化の激しい事業環境への柔軟な対応・連携の深化が可能になり得ると考えているとのことです。
Ⅴ.上場維持コスト及びそれに係る業務負担軽減
年間上場料等の固定的なコストや、上場会社として要求されるガバナンス体制の維持及び近年のガバナンス規制の強化に対応するために必要なコスト及び管理部門の業務負担が軽減するものと考えているとのことです。
なお、対象者は、本取引の実施に伴う対象者の上場廃止等のデメリットについても検討したとのことです。上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金融通等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えているとのことです。本取引により対象者が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者との更なる連携強化を図ることによって対象者の中長期的な企業価値向上に資するものと考えているとのことです。また、本取引により両社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、対象者の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えているとのことです。
また、以下の理由により、本公開買付価格である2,750円は対象者の本源的価値を反映した、一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者を取り巻く足許の事業環境を映した株価推移を踏まえても、対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却及び利益確保の機会を提供するものであると総合的に判断したとのことです。
(ア)当該価格が、対象者において、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(イ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(SMBC日興証券)におけるSMBC日興証券による対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内にある価格であること。また、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が対象者の株主(公開買付者及び自己株式として対象者株式を所有する対象者を除きます。)にとって財務的見地より妥当であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)が発行されていること。
(ウ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の東京証券取引所における対象者株式の終値1,945円に対して41.39%、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円に対して44.58%、同直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円に対して47.85%、同直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円に対して46.82%のプレミアムが加算されたものであること。本公開買付価格は、類似事例(「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降2024年12月31日までに公表された子会社の非公開化を目的とした公開買付け案件で、特別委員会が設置され、対象者の時価総額が100億円以上の案件(MBO、2段階公開買付け、不成立案件及び株主に対して応募推奨をしていない事例を除く。)40件(プレミアム水準の中央値は約40%))との比較において遜色のないプレミアムが付されているものと認められること。
(エ)当該価格は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
なお、本公開買付価格である2,750円は、対象者の2024年12月31日時点の1株当たりの連結簿価純資産額(4,106円)を下回っておりますが(33%のディスカウント)、簿価純資産額は理論上の清算価値を示すものであり、対象者の将来の収益性及び成長性を反映するものではないため、継続企業である対象者の企業価値算定において、合理性を否定する要素とはならないと考えているとのことです。また、仮に対象者が清算する場合には、対象者の事業内容や保有する設備にも鑑みると、同日現在の対象者の連結貸借対照表において流動性が低い資産(商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等の棚卸資産や、建物、機械装置、土地等の有形固定資産)の総資産に占める割合が62.4%(小数点以下第二位を四捨五入しています。)と相当程度存在し、資産売却に際しての困難性や工場の閉鎖に伴う除去コスト等の様々な追加コストが発生すると見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま株主に分配される残余財産の価額となるものではなく、簿価からの相当程度の減額が想定されること(但し、対象者としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)から、本公開買付価格が1株当たりの連結簿価純資産額を下回っていることをもって本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えているとのことです。
以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。
当該取締役会における決議の方法については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本取引を通じて対象者を完全子会社化した後、公開買付者グループと対象者グループの連携を加速させるとともに意思決定を効率化し、経営の効率化も進めることで上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の施策を実現させ、対象者グループを含む公開買付者グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。なお、対象者グループ会社の具体的な経営方針や従業員の処遇方針について、現時点で本取引をきっかけとした変更を検討している事項はありません。
(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の一般株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。
なお、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式を28,863,844株(所有割合:52.98%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の①乃至⑨の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、対象者としても同様に判断しているとのことです。
また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
⑥ 対象者における外部の法律事務所からの助言
⑦ 対象者における独立した検討体制の構築
⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、対象者の株主を公開買付者のみとするための本スクイーズアウト手続を行うことを企図しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権数の合計が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。
株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。対象者が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。そして、公開買付者は、売渡株主の所有していた対象者株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対して本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者から株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において、かかる株式売渡請求を承認する予定とのことです。
株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する対象者の議決権数の合計が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを対象者に要請する予定です。また、公開買付者は、対象者の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を早期に開催することが望ましいと考えており、対象者に対し、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日(本書提出日現在においては、2025年3月下旬頃を予定しております。)が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2025年5月下旬頃を予定しているとのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、対象者の株主の皆様は、株式併合がその効力を生ずる日において、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する対象者の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該対象者の株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。なお、株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、対象者の株主が公開買付者のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう対象者に要請する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。
株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対し、自己の所有する対象者株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5) 上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、公開買付者は、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、かかる手続が実行された場合、対象者株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、対象者株式の上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(6) 本公開買付けに係る重要な合意
該当事項はありません。

届出当初の期間

買付け等の期間2025年2月3日(月曜日)から2025年3月18日(火曜日)まで(30営業日)
公告日2025年2月3日(月曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

株券普通株式1株につき金2,750円
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券
( )
株券等預託証券
( )
算定の基礎公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、対象者株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、大和証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。公開買付者は、同種の取引における一般的な事務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。また、公開買付者は、公開買付者及び対象者において本公開買付価格の公正性を担保する措置(具体的には、下記「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」における「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」乃至「⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保」に記載の措置)を実施し、対象者の一般株主の利益への配慮が十分になされていると考えられることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあたって採用すべき算定手法を検討のうえ、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は大和証券から2025年1月30日付で対象者の株式価値に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得しました。
大和証券による対象者株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。
市場株価法 :1,860円~1,945円
類似会社比較法 :564円~1,692円
DCF法 :1,933円~2,791円
市場株価法では、2025年1月30日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の基準日終値1,945円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,873円を基に、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,860円~1,945円までと算定しています。
類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率を用いて対象者株式の株式価値を評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を564円~1,692円と算定しております。
DCF法では、対象者が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画を、直近までの業績動向、公開買付者が対象者に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果や一般に公開された情報等の諸要素を考慮し、公開買付者において調整を行った対象者の事業計画に基づき、2025年3月期第3四半期以降に対象者が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,933円~2,791円と算定しています。なお、大和証券がDCF法による算定に用いた対象者の事業計画は、大幅な増減益を含まず、本取引によるシナジーは加味されておりません。

公開買付者は、本公開買付価格について、大和証券から取得した公開買付者算定書の算定結果に加え、公開買付者が対象者に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり2,750円とすることを決定いたしました。
本公開買付価格2,750円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値1,945円に対して41.39%、同日までの過去1か月間の終値単純平均値1,902円に対して44.58%、同日までの過去3か月間の終値単純平均値1,860円に対して47.85%、同日までの過去6か月間の終値単純平均値1,873円に対して46.82%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格2,750円は、本書提出日の前営業日である2025年1月31日の対象者株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,001円に対して37.43%のプレミアムを加えた価格となります。
算定の経緯(本公開買付価格の決定に至る経緯)
上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、公開買付者は、2024年10月9日に、本提案書を提出しました。これに対して、2024年11月9日、本特別委員会より本提案書に対する質問を受領したため、2024年11月19日に書面で回答を行い、また、特別委員会から追加の質問も2024年11月20日に受領したため、それらの質問も踏まえて、2024年11月21日に、特別委員会に対して、本取引に関する詳細な説明を行うなど、対象者との間で、本取引の意義及び目的に関するより詳細な協議・交渉を実施しました。並行して、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2024年11月9日から2024年12月18日まで実施するとともに、対象者との間で、本公開買付価格についての協議・検討を続けてまいりました。公開買付者は、対象者より受領した事業計画、対象者を取り巻く外部環境及び本デュー・ディリジェンスの状況等の諸要素を考慮した対象者の株式価値算定結果、現行の対象者の株価水準(2024年12月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である1,773円、1,813円、1,863円及び1,918円)、本公開買付けに対する応募の見通し等の各種要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果、対象者に対して2024年12月20日に、本公開買付価格を2,350円(2024年12月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である1,773円、1,813円、1,863円及び1,918円に対して、それぞれ32.54%、29.62%、26.14%及び22.52%のプレミアムを加えた価格)とすることを含む正式な提案を行いました。その後、2024年12月23日に、公開買付者は、対象者から、本公開買付価格は対象者の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えているとして、価格引上げの再検討を要請されました。その後、公開買付者は、2024年12月26日に、対象者の事業計画に対する公開買付者の見解の説明と対象者及び本特別委員会の見解の確認をしたい旨の要請を行いました。これに対して、2024年12月27日に、対象者から、当該事業計画は対象者を取り巻く事業環境を客観的に評価した上で作成された蓋然性の高いものであると考えているとして、公開買付者による2024年12月20日付の提案価格の再考を要請されました。加えて、2025年1月9日に、公開買付者、対象者及び本特別委員会は、面談の場において、対象者の事業計画に対する公開買付者、対象者及び本特別委員会それぞれの見解を確認しました。これらの対話も踏まえ、事業計画に対する公開買付者の見解、対象者が主張するカーボンニュートラル社会における対象者の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、公開買付者は、2025年1月17日に、本公開買付価格を2,550円とする旨の提案を行いました。これに対して、2025年1月20日に、対象者から、対象者の本源的価値及び対象者のバランスシートの態様を適切に反映し、対象者一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請された上で、対象者の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、2,800円を提案されました。これに対して、公開買付者は、2025年1月23日に、対象者の意向を尊重し公開買付者として最大限の提案をするべく熟慮を重ねた結果、本公開買付価格を2,750円とする旨の提案を行いました。これに対して、2025年1月24日に、対象者から、応諾する方針で検討する旨の連絡を受けました。

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の一般株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。
なお、上記「3 買付け等の目的」の「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式を28,863,844株(所有割合:52.98%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の①乃至⑨の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、対象者としても同様に判断しているとのことです。また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、対象者株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、大和証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。公開買付者は、同種の取引における一般的な事務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。公開買付者が大和証券から取得した公開買付者株式価値算定書の詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係
対象者は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対し、対象者株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書(SMBC日興証券)(注1)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)(注2)を取得したとのことです。
SMBC日興証券は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、SMBC日興証券は、対象者グループ及び公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、株式会社三井住友銀行は対象者の第8位株主(2024年9月30日現在。同日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合0.59%(小数点以下第三位を四捨五入))でありますが、対象者は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における対象者株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、対象者とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、対象者がSMBC日興証券に対して対象者株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しているとのことです。また、本特別委員会は、第1回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、対象者のファイナンシャル・アドバイザーとして承認しているとのことです。なお、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案し、またSMBC日興証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。

(注1) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき対象者において一切認識されていないことを前提としているとのことです。また、対象者及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者算定機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があるとのことです。更に、対象者及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としているとのことです。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している、SMBC日興証券に提供された対象者の事業計画及びその他将来に関する情報(以下「本事業計画等」といいます。)は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、対象者により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としているとのことです。また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としているとのことです。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではないとのことです。
(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要
SMBC日興証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者はSMBC日興証券から2025年1月30日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しているとのことです。
本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価法: 1,860円~1,902円
類似上場会社比較法: 1,582円~2,662円
DCF法: 2,410円~3,591円
市場株価法では、2025年1月30日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,860円~1,902円と算定しているとのことです。
類似上場会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、大同特殊鋼株式会社、愛知製鋼株式会社、及び三菱製鋼株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,582円~2,662円と算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が作成した事業計画等を基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画等における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を2,410円~3,591円と算定しているとのことです。なお、割引率は6.20%~7.20%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は-0.25%~0.25%として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。
SMBC日興証券がDCF法による算定に用いた対象者作成の本事業計画等においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年3月期の売上高の減少に起因した運転資本減少によるフリー・キャッシュ・フローの増加があったことにより、2025年3月期はフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。2026年3月期は、売上高の増加及びコスト削減により営業利益の大幅な増加を見込んでいるものの、売上高の増加に伴う運転資本の増加や設備投資の増加が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。2027年3月期及び2028年3月期は、各々の前事業年度と比較して設備投資の減少が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、SMBC日興証券がDCF法による分析において前提とした対象者作成の財務予測は、本中期経営計画(2025年度計画売上高4,200億円、経常利益220億円)とは異なりますが、本中期経営計画の策定時から現在までの市場環境の変化、具体的には、アジアや欧州における低価格中国製品の台頭による構造変化、足元の収益環境及び対象者の業績等を踏まえ、より現状に即した客観的かつ合理的な当該財務予測に基づいて企業価値を算定し、本公開買付価格の妥当性を検討することが適切であると判断したとのことです。なお、対象者が本取引のために事業計画を作成するにあたり、本特別委員会は、対象者より事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受けるとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及びその作成経緯等の合理性を確認したものであり、また、本中期経営計画と当該財務予測の数値との間に乖離が生じていることに関しても、本中期経営計画の策定時から現在までに市場環境が大きく変化していることから、足元の収益環境及び対象者の業績等を踏まえ、本特別委員会においてその合理性を確認しているとのことです。
本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。なお、対象者は、対象者決算短信において、2025年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、SMBC日興証券が対象者株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しているとのことです。
なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりとのことです。
(単位:百万円)
2025年
3月期
(6ヶ月)
2026年
3月期
2027年
3月期
2028年
3月期
2029年
3月期
売上高169,733357,044365,862371,197377,433
営業利益8,10619,67822,40523,64724,323
EBITDA16,39836,23338,62540,39641,554
フリー・キャッシュ・フロー13,445(65)7,38512,80313,449

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の概要
対象者は、2025年1月30日付で、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が対象者の株主(公開買付者及び自己株式として対象者株式を所有する対象者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しているとのことです。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、本事業計画等に基づく対象者株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,750円が、対象者の株主(公開買付者及び自己株式として対象者株式を所有する対象者を除きます。)にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものとのことです。なお、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、事業見通しを含む財務情報の分析及び検討並びに対象者との質疑応答を経て、SMBC日興証券により実施された対象者株式の価値算定結果の検討に加え、SMBC日興証券におけるフェアネス・オピニオンに関する承認手続きを経て発行されているとのことです。
(注2) SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、公開されている情報、SMBC日興証券がレビューの対象とし、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が対象者と協議した情報その他SMBC日興証券が検討した一切の情報が、全て正確かつ完全であることを前提とし、これらの情報の正確性及び完全性に依拠しており、それらの情報自体又はその正確性及び完全性について独自に検証を行っておらず、また、検証の責任又は義務を負うものではなく、それらの情報の正確性及び完全性につき何らの保証を与えるものではないとのことです。SMBC日興証券は、対象者の経営陣が、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券と協議した情報を不正確又は誤解を招くようなものとする事実又は状況を一切認識していないことを前提としているとのことです。SMBC日興証券は、対象者とその関係会社のいかなる資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、SMBC日興証券による独自の評価、鑑定又は査定は行っておらず、また、それらについていかなる評価、鑑定又は査定の提供も受けていないとのことです。
本事業計画等については、対象者の経営陣の最善の予測と判断に基づき、合理的に作成又は回答され、本事業計画等に従って、対象者の財務状況が推移することを前提としており、SMBC日興証券は、本事業計画等の実現可能性について独自の調査をすることなく、本事業計画等及びそれに関連する資料に依拠しているとのことです。また、SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の実行に必要な一切の政府、監督官庁その他による同意又は許認可(契約上のものであるか否かを問いません。)が、対象者若しくは公開買付者又は本取引から想定される利益に悪影響を与えることなく得られるものであることを前提としているとのことです。SMBC日興証券は、法律又は会計若しくは税務の専門家ではなく、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の適法性・有効性及び会計若しくは税務上の処理の妥当性について独自に検討及び分析を行っておらず、本取引が全ての法律上、会計上、税務上の適正な手続を経て、適切かつ有効に実行されることを前提としているとのことです。また、SMBC日興証券は、本取引の実行による対象者、公開買付者及びその他取引関係者に対する課税関係への影響については考慮していないとのことです。
SMBC日興証券は、本取引に関して、対象者のファイナンシャル・アドバイザーを務めており、そのサービスの対価として対象者から手数料を受領する予定とのことです(その相当部分が本取引の完了を条件としております。)。また、対象者は、SMBC日興証券の実費を負担すること、及びSMBC日興証券の関与から発生する一定の責任についてSMBC日興証券に補償することに合意しているとのことです。SMBC日興証券及びその関係会社は、対象者、公開買付者又はそれらの関係会社に対して、投資銀行業務その他の証券/金融商品取引関連業務及び銀行業務等を行い又は将来において行い、かかる業務の提供に対して報酬等を受領しており、また、将来においても受領する可能性があるとのことです。また、通常の業務の過程において、対象者、公開買付者又はそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む各種金融商品を自己の勘定又は顧客の勘定において随時取引し又は所有することがあるとのことです。

本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引実行後の対象者株式の価値又は株価水準について意見を述べるものではないとのことです。SMBC日興証券は、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定(本事業計画等を含みます。)、対象者が本取引を遂行するという事業上の意思決定、又は本取引に代替する取引と比較しての相対的優位性について意見を述べることを要請されておらず、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)においてもかかる点についての意見を述べていないとのことです。SMBC日興証券は、対象者の、普通株式以外の有価証券の保有者、債権者、その他の利害関係者にとって本取引又は本公開買付価格が公正であることについての検討を要請されておらず、かかる検討は行っていないとのことです。また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引の当事者のいかなる役員、取締役若しくは従業員、又はそれらの者の中で一定の職位の者に対する報酬の金額、性質がその他の側面に関する、本公開買付価格との比較における公正性(財務的見地からの公正性か否かを問いません。)について、何らの意見又は見解も表明するものではないとのことです。更に、SMBC日興証券は対象者又は対象者の取締役会に対して、本取引に関する第三者の意思表明を勧誘する義務を負っておらず、またそのような勧誘をしていないとのことです。
本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載されたSMBC日興証券の意見は、対象者の株主に対して本取引に関して議決権その他の株主権の行使について何ら意見を述べ又は推奨を行うものではなく、また、対象者の株主やその他の利害関係者に対して、対象者株式の本公開買付けへの応募、譲渡、譲受その他これらに関連する事項について何ら勧誘又は推奨するものではありません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提としており、また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日までにSMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が入手した情報に基づいているとのことです。今後の状況の変化により本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は影響を受けることがありますが、SMBC日興証券はその意見を更新、変更又は再確認する義務を負わないとのことです。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載された意見は、対象者の取締役会が本公開買付価格を検討するにあたり参考情報を提供することのみを目的として対象者取締役会に対してのみ提供されたものとのことです。従って、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は、対象者取締役会のためのかかる目的以外のいかなる目的にも使用されてはならないとのことです。
③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2024年10月31日に開催された対象者取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、対象者は、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言も得つつ、その時点の対象者の独立社外取締役を含む取締役全員に対して、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明したとのことです。

また、対象者は、並行して、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行ったとのことです。その上で、対象者は、公開買付者グループ及び対象者グループからの独立性を有すること(要木洋氏、藤原佳代氏、戸出巌氏及び宮口亜希氏と公開買付者又は対象者との間に重要な利害関係は存在しないことを確認しているとのことです。)、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、金融機関における豊富な業務経験を有している要木洋氏(対象者監査等委員である独立社外取締役、元・株式会社三井住友銀行理事)、大手エネルギー会社グループにおいて役員を務め、戦略構築等に関する知識と経験を有している藤原佳代氏(対象者独立社外取締役、ENEOSオーシャン株式会社取締役常務執行役員)、大手総合商社において役員を務め、経営能力及び企業経営におけるガバナンス等に関する知見を有している戸出巌氏(対象者独立社外取締役、元・三菱商事株式会社常務執行役員自動車・モビリティグループCEO)、公認会計士としての豊富な業務経験を有する宮口亜希氏(対象者監査等委員である独立社外取締役、公認会計士宮口亜希事務所所長)の4氏を本特別委員会の委員の候補として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員長には、委員間の互選により、要木洋氏が選定されており、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。
その上で、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年10月31日開催の対象者取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本公開買付けへの賛否も含め、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、対象者取締役会は当該取引条件による本取引の承認を行わない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。)ことを決議するとともに、本特別委員会が、対象者が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含みます。)、本特別委員会が本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、対象者の費用負担のもと、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任し対象者の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(本特別委員会は、対象者のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、対象者のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、対象者の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、並びにその他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しているとのことです。
なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年10月31日から2025年1月30日までの間に合計16回、合計約18時間30分にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。
具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年10月31日、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任する旨を決定したとのことです。

また、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、対象者のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しているとのことです。
更に、本特別委員会は、対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しているとのことです。
その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行ったとのことです。
本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の意義、公開買付者グループ及び対象者のシナジー・ディスシナジー、本取引の検討状況、本取引の想定ストラクチャー、従業員の取扱い、その他本公開買付けの諸条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領するとともに、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行ったとのことです。また、本特別委員会は、上記書面での回答及び上記質疑応答の結果等を検討し、公開買付者に対し、完全子会社化の背景・目的、シナジーの具体的内容、完全子会社化に係るデメリット、完全子会社化後の経営方針、完全子会社化の方法(ストラクチャー)等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領しているとのことです。
本特別委員会は、対象者執行陣から、本取引の背景・目的やシナジーについての見解等について説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。
加えて、公開買付者との交渉の基礎となり、また、SMBC日興証券及び野村證券による対象者株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画等の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、対象者から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しているとのことです。その上で、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券及び野村證券は、本事業計画等の内容を前提として対象者株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及び野村證券から、それぞれが実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しているとのことです。
また、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、対象者はSMBC日興証券から本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の提出を受け、本特別委員会は野村證券から本フェアネス・オピニオン(野村證券)の提出を受けておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及び野村證券から、それぞれ本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。
本特別委員会は、2024年12月20日に対象者が公開買付者から最初の公開買付価格の提案を受領して以降、対象者が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、野村證券から受けた助言及びSMBC日興証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、SMBC日興証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当するSMBC日興証券に対して指示・要請を行う等しているとのことです。

本特別委員会は、対象者プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言等を受けつつ、対象者のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業及び対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から複数回説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言、並びに2025年1月30日付で提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。
(a) 答申内容
ⅰ.対象者取締役会は、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきであると考えられる。
ⅱ.対象者取締役会による本取引についての決定(本公開買付けに賛同するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。
(b) 答申理由
ⅰ.以下の点より、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであると考えられる。
● 対象者グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想される。具体的には、北米やインド等を中心にグローバルの特殊鋼需要は、今後も一定の成長が見込まれるものの、国内の特殊鋼需要は人口減少や高齢化等の社会構造の変化に伴い減少することが見込まれ、また、特殊鋼の直接輸出あるいは特殊鋼を使用した製品等の間接輸出も、海外需要家の地産地消化ニーズの高まりやグローバルサプライチェーンの見直しにより中長期的には減少が見込まれる。また、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を踏まえた、国内外の特殊鋼メーカーとの競争激化や2050年カーボンニュートラルに向けた鉄スクラップを中心とする調達面での競争激化なども想定される。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、対象者グループの企業価値をさらに向上するためには、公開買付者グループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、リソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えられる。
● しかしながら、公開買付者からは、公開買付者と対象者の現在の資本関係においては、公開買付者グループ全体の企業価値向上には資する施策であっても個社単位の観点からは一方の会社にメリットが偏るというケースがあり、この場合、個社の視点では他方の会社の一般株主の理解を得ることが容易ではない可能性もあることから当該施策の実行が困難になるなど、最大限のシナジー発揮が容易ではない状況にあると考えているとの説明を受けている。加えて、公開買付者と対象者のそれぞれにおいて、一般株主に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要することや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることを理由として実施しにくくなることは、厳しい事業環境下ではにおいて競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないと考えているとの説明も受けている。対象者としても、公開買付者と対象者の少数株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、対象者の少数株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になり得ると考えているとのことであり、本取引を通じて対象者を完全子会社化することによって、公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入が可能となるものと考えられる。

● 公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで以下のようなシナジーの創出が期待される。
Ⅰ.一体運営による生産・調達体制の効率化・コスト削減
Ⅱ.研究開発の深化
Ⅲ.グローバル展開における人的資本の共有・競争力強化
Ⅳ.迅速かつ柔軟な意思決定
Ⅴ.上場維持コスト及びそれに係る業務負担軽減
● なお、本取引を通じて対象者が完全子会社化されることにより、対象者の資金調達手段の限定や意思決定プロセスの変化による対象者の事業活動への悪影響等のデメリットが発生する可能性が懸念される。しかし、公開買付者によれば、本取引後も既に対象者が子会社として利用しているキャッシュマネジメントシステムを活用した融資については変更の予定はなく、前向きな投資を含めスピード感を持った意思決定により競争力を強化したいと考えているとのことである。また、対象者執行陣としても、意思決定プロセスやその自由度については、現状と本取引による完全子会社化後で大きな変化はなく、本取引による完全子会社化によって対象者の事業価値が特段毀損することはないと考えているとのことである。
● また、完全子会社化に伴い従業員のモチベーションや採用活動への悪影響等のデメリットが発生する可能性についても懸念されるが、公開買付者によれば、現時点で本取引に伴い従業員の処遇や採用方針について変更を予定しているものはなく、対象者の企業文化や女性活躍促進の取組みについても理解を深め、優れたものはグループ全体で採り入れていきたいと考えており、対象者の従業員に対しても丁寧に対話を行いたいと考えているとのことである。対象者執行陣としても、従業員との丁寧な対話は必要であると考えているとのことである。
● 以上を踏まえれば、本取引を通じて完全子会社化されることによりデメリットが発生する可能性はあるものの、その程度は限定的であり、本取引によって創出されることが期待されるシナジーを上回るものではないと考えられる。
ⅱ.以下の点より、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられる。
● 本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような非上場子会社化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、買収対価の種類については、公開買付者と対象者とでは事業内容等が異なり、対象者株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると思われること等からすると、買収対価として金銭を交付する方法によることには妥当性があると考えられる。したがって、本取引の方法及び買収対価の種類については妥当性があると考えられる。
● 本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本株式価値算定書(野村證券)におけるDCF法による算定の前提とされている対象者の事業計画は、公開買付者及び本取引の成否から独立した事業計画検討チームが、対象者が公表した業績予想値・中期経営計画が存在する年度についてはこれらをベースに足許の事業環境を踏まえた合理的な見通しを反映して、それ以降の年度については外部機関の統計資料等に基づく市場動向及び見通しを踏まえて策定したものであり、その策定手続及び内容について不合理な点は認められない。
● 本株式価値算定書(野村證券)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、野村證券による市場株価平均法による算定結果の上限を上回り、類似会社比較法及びDCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。
● 本株式価値算定書(SMBC日興証券)における算定の方法及び内容(類似上場会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、SMBC日興証券による市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

● 本公開買付価格は、類似案件(経済産業省から「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降2024年12月31日までに公表された子会社の非公開化を目的とした公開買付け案件のうち、特別委員会が設置され、対象者の時価総額が100億円以上の案件から、MBO、2段階公開買付け、不成立案件及び株主に対して応募推奨をしていない事例を除いた40件)との比較において遜色のないプレミアムが付されているものと認められる。
● 本特別委員会は、対象者と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視し得る状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものと認められる。
● 本特別委員会は野村證券から本フェアネス・オピニオン(野村證券)を取得しているところ、野村證券は、本公開買付価格が対象者の株主(公開買付者を除く。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオン(野村證券)は、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これによっても本公開買付価格の公正性・妥当性が裏付けられるものと考えられる。
● 対象者はSMBC日興証券から本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しているところ、SMBC日興証券は、本公開買付価格が対象者の株主(公開買付者及び自己株式として対象者株式を所有する対象者を除く。)にとって財務的見地から公正であると考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これによっても本公開買付価格の公正性・妥当性が裏付けられるものと考えられる。
● 本公開買付価格は、対象者の1株当たりの連結簿価純資産額を下回っているが、簿価純資産額は、継続企業である対象者の企業価値算定において合理性を否定する要素とはならないと考えられ、本公開買付価格が1株当たりの連結簿価純資産額を下回っていることをもって本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えられる。
● 以上に述べたこと等からすれば、本公開買付価格は公正・妥当であると考えられる。また、本取引においては、下記ⅲのとおり、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることからすれば、本公開買付価格と同額とされる本スクイーズアウト手続において対象者株主に交付される対価についても公正・妥当であると考えられる。
ⅲ.以下の点より、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと考えられる。
● 対象者においては、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められる。
● 本特別委員会は、その独立性及び専門性・実績等を確認した上で選任した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所並びに本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から専門的助言を受けている。
● 対象者は、本特別委員会がその独立性及び専門性・実績等を確認した上で、対象者のリーガル・アドバイザーとすることを承認した森・濱田松本法律事務所外国法共同事業並びに対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすることを承認したSMBC日興証券から専門的助言を受けている。
● 本特別委員会は、本特別委員会の第三者算定機関である野村證券から本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)を取得している。
● 対象者は、対象者の第三者算定機関であるSMBC日興証券から、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得している。

● 対象者は、対象者グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討・交渉等を行う体制を社内に構築し、本特別委員会の確認・承認を得ている。また、公開買付者の常務執行役員を兼務している対象者取締役の園田裕人氏及び過去2年以内に公開買付者グループに在籍していた対象者取締役の堀賀郎氏は、本取引に係る対象者取締役会における審議及び決議に参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していない。
● 本取引においては、本公開買付けにおける公開買付期間は法令に定める下限より長期である30営業日が予定されており、また、対象者は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者が対象者と接触等を行うことを制限するような内容の合意等を行っていないため、他の買収者による買収提案の機会が確保されている。
● 本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、公開買付者が対象者株式の過半数を所有していることから、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることでかえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があることに加え、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと考えられる。
● 本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。
● 本取引においては、本スクイーズアウト手続に際して、本公開買付けに応募しない株主に株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されないスキームは採用されていないこと、本スクイーズアウト手続は、本公開買付け成立後速やかに実施する予定であり、また、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格と同一の価格を基準として決定することを想定しているとのことであり、その旨が開示される予定であることから、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。
ⅳ.上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、対象者取締役会は、本公開買付けに賛同するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明すべきであると考えられる。
上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、対象者取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を決定すること、並びに、本公開買付けが成立した後、対象者の株主を公開買付者のみとするために、対象者取締役会が本スクイーズアウト手続を実施することを決定することは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対し、対象者株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書(野村證券)(注1)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)(注2)を取得したとのことです。
野村證券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。上記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、野村證券を独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。また、本取引に係る野村證券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。
(注1) 野村證券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。本事業計画等については、本特別委員会又は対象者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2025年1月30日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、本特別委員会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要
野村證券は、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行ったとのことです。
上記各手法に基づいて算定された対象者の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法: 1,860円~1,945円
類似会社比較法: 1,773円~3,113円
DCF法: 2,126円~3,129円

市場株価平均法では、2025年1月30日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の普通取引の基準日の終値1,945円、直近5営業日の終値の単純平均値1,899円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円を基に、対象者の1株当たりの株式価値の範囲を1,860~1,945円と算定しているとのことです。
類似会社比較法では、対象者グループを、対象者グループ(Ovako及びSanyo Special Steel Manufacturing India Pvt. Ltd.(以下「SSMI」といいます。)を除きます。)、Ovako、及びSSMIに分類して株式価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析(以下「SOTP分析」といいます。)を実施したとのことです。各グループと類似性があると判断される類似上場会社として大同特殊鋼株式会社、愛知製鋼株式会社、voestalpine AG、SSAB AB、Aperam SA、Jindal Stainless Ltd.、Jindal Steel & Power Ltd.、JSW Steel Ltd.、Shyam Metalics & Energy Ltd.、Steel Authority of India Ltd.及びTata Steel Ltd.を選定した上で、企業価値に対するEBITの倍率、企業価値に対するEBITDAの倍率、及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて算定を行い、対象者の1株当たりの株式価値の範囲を1,773~3,113円と算定しているとのことです。
DCF法についてもSOTP分析を実施しており、対象者が作成した事業見通しを基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、各グループが2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,773~3,113円と算定しております。なお、割引率は対象者グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については5.75%~6.25%、Ovakoについては9.00%~9.50%、SSMIについては10.75%~11.25%を採用しております。継続価値の算定にあたっては永久成長率モデル及びマルチプルモデルを採用し、永久成長率は対象者グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については0.75%~1.25%、Ovakoについては1.75%~2.25%、SSMIについては3.75%~4.25%、EBITDAマルチプルは対象者グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については5.0倍~6.0倍、Ovakoについては3.5倍~4.5倍、SSMIについては8.5倍~9.5倍として対象者の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。
野村證券がDCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりとのことです。
なお当該財務予測においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年3月期の売上高の減少に起因した運転資本減少によるフリー・キャッシュ・フローの増加があったことにより、2025年3月期はフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。2026年3月期は、売上高の増加及びコスト削減により営業利益の大幅な増加を見込んでいるものの、売上高の増加に伴う運転資本の増加や設備投資の増加が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。2027年3月期及び2028年3月期は、各々の前事業年度と比較して設備投資の減少が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、野村證券がDCF法による分析において前提とした対象者作成の財務予測は、本中期経営計画(2025年度計画売上高4,200億円、経常利益220億円)とは異なりますが、本中期経営計画の策定時から現在までの市場環境の変化、具体的には、アジアや欧州における低価格中国製品の台頭による構造変化、足元の収益環境及び対象者の業績等を踏まえ、より現状に即した客観的かつ合理的な当該財務予測に基づいて対象者の株式価値を算定することが適切であると判断したとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。なお、対象者は、対象者決算短信において、2025年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、野村證券が対象者株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しているとのことです。

(単位:百万円)
2025年
3月期
(6ヶ月)
2026年
3月期
2027年
3月期
2028年
3月期
2029年
3月期
売上高169,733357,044365,862371,197377,433
営業利益8,10619,67822,40523,64724,323
EBITDA16,39836,23338,62540,39641,554
フリー・キャッシュ・フロー7,8551,3928,52912,97113,371

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要
本特別委員会は、2025年1月30日付で、野村證券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が対象者の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(野村證券)(注2)を取得しているとのことです。
(注2) 野村證券は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の作成にあたり野村證券が検討した公開情報及び野村證券に提供された財務、法務、規制、税務、会計に関する情報その他一切の情報については、それらがいずれも正確かつ完全であることを前提としており、独自にその正確性及び完全性についての検証は行っておらず、また、検証の義務を負うものではないとのことです。野村證券は、対象者とその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておりません。また、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。対象者の財務予測その他将来に関する情報については、本特別委員会又は対象者の経営陣により現在可能な最善かつ誠実な予測と判断に基づき合理的に又は検討作成されたこと、それらの予測に従い対象者の財務状況が推移することを前提としており、野村證券は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の作成にあたり、独自の調査をすることなくかかる財務予測その他将来に関する情報に依拠しているとのことです。野村證券は、かかる財務予測等の実現可能性につき一切の保証をするものではないとのことです。野村證券は、本公開買付けが対象者プレスリリースに記載された条件に従って適法かつ有効に実行されること、本公開買付けの税務上の効果が野村證券に提示された想定と相違ないこと、本公開買付けの実行に必要な全ての政府、監督官庁その他による同意又は許認可が、本公開買付けによりもたらされると期待される利益を何ら損なうことなく取得されること、及び対象者プレスリリースに記載された重要な条件又は合意事項の放棄、修正又は変更なく本公開買付けが対象者プレスリリースの条件に従って完了することを前提としており、これらについて独自の調査は行っておらず、またその義務を負うものではないとのことです。野村證券は、対象者又は本特別委員会により本公開買付け以外の取引又はその相対的評価についての検討を要請されておらず、かかる検討は行っていないとのことです。野村證券は、対象者、対象者の取締役会又は本特別委員会に対して、本取引に関する第三者の意思表明を勧誘する義務を負っておらず、また、そのような勧誘を行っていないとのことです。

野村證券は、本取引に関して、本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーを務めており、本取引に関する交渉の一部に関与しているとのことです。そのサービスの対価として、対象者から本フェアネス・オピニオン(野村證券)提出を支払条件とするものを含む手数料を受領する予定とのことです。また、野村證券は、対象者及びその関係会社に生じた一定の費用の払い戻しを対象者から受領する予定とのことです。本フェアネス・オピニオン(野村證券)提出にあたっては対象者と野村證券との契約に規定する免責・補償条項が適用されるとのことです。野村證券及びその関係会社は、対象者、公開買付者又はそれらの関係会社に対して、投資銀行業務、その他の金融商品取引関連業務及びローン業務等を行い又は将来において行い、報酬を受領する可能性があるとのことです。また、野村證券及びその関係会社は、通常の業務の過程において、対象者、公開買付者又はそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む各種金融商品を自己の勘定又は顧客の勘定において随時取引し又は所有することがあるとのことです。
本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、本特別委員会が本公開買付価格を検討するために参考となる情報を提供することのみを目的としており、第三者による如何なる利用又は依拠若しくは引用もすることはできないとのことです。かかる意見は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された条件及び前提のもとで、本公開買付価格の財務的見地からの妥当性について述べられたものに留まり、野村證券は、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定について意見を述べること、又は本特別委員会若しくは対象者が本取引を実行するという判断について賛否を含む何らの意見を述べることも要請されておらず、本フェアネス・オピニオン(野村證券)においてもかかる意見を述べていないとのことです。また、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、対象者の株主に対して、本取引に関する議決権等の株主権の行使、株式の取引その他の関連する事項について何らの推奨を行うものではなく、更に、本フェアネス・オピニオン(野村證券)は、対象者の普通株式の株価水準について、過去、現在又は将来に係る何らの意見を述べるものでもありません。なお、野村證券は、本取引に関して、法務、規制、税務又は会計に関連するアドバイスを独自に行うものではなく、これらの事項については、本特別委員会、対象者又はそれらの外部専門家の判断に依拠しているとのことです。
本フェアネス・オピニオン(野村證券)の内容は、別途対象者と野村證券との契約において特別に認められている場合を除き、第三者に開示されず、又は目的外に使用されないことを前提としており、対象者及び本特別委員会は、野村證券の事前の書面による同意なく、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の全部又は一部を問わず、これを開示、参照、伝達又は使用することはできないとのことです。
本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の日付現在における金融、経済、市場、事業環境その他の状況を前提とし、また、当該日付現在で野村證券が入手している情報に依拠しているとのことです。今後の状況の推移又は変化により、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見が影響を受けることがありますが、野村證券はその意見を修正、変更又は補足する義務を負わないとのことです。
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
本特別委員会は、上記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。
なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、中村・角田・松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。その他、中村・角田・松本法律事務所の独立性については、上記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。

⑥ 対象者における外部の法律事務所からの助言
対象者は、「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、外部のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。
なお、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。
⑦ 対象者における独立した検討体制の構築
上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、対象者グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。対象者は、2024年10月9日に、公開買付者から本提案書を受領した時点以降、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び対象者株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程その他一切の本取引に係る検討、交渉及び判断の過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、対象者グループ以外の公開買付者グループとの兼務者及び直近3年間に対象者グループ以外の公開買付者グループに在籍していた公開買付者の出身者を関与させていないとのことです。
具体的には、対象者代表取締役社長である宮本勝弘氏、対象者取締役である大前浩三氏及び八並敬之氏による全体調整の下、対象者内に、「事業計画検討チーム」「DD対応チーム」「買付価格検証チーム」、「総務、広報、社員向け発信等対応チーム」を組成し、本取引に係る検討を進めてきたとのことです。
上記各チームには、現に対象者グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任する対象者の役職員及び直近3年間に対象者グループ以外の公開買付者グループに在籍していた対象者の役職員は一切関与していないとのことです。
なお、対象者代表取締役社長である宮本勝弘氏、対象者の取締役である大前浩三氏及び八並敬之氏は過去に公開買付者に在籍しておりましたが、宮本勝弘氏は、公開買付者から対象者に転籍して既に3年7ヶ月程度が経過しており、現在は公開買付者グループとの間で兼任その他指揮命令関係にない上、対象者の代表取締役社長として対象者の企業価値向上の観点から本取引の検討・交渉にあたり不可欠で代替できない特殊鋼事業に関する豊富な知識・企業経営における幅広い経験を有していること、大前浩三氏及び八並敬之氏については、公開買付者から転籍して既にそれぞれ8年10ヶ月程度及び5年10ヶ月程度が経過しており、現在は公開買付者グループとの間で兼任その他指揮命令関係にないことから、本取引に関する審議及び決議を含めた上記検討体制に関与しているとのことです。以上の取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ているとのことです。
⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
対象者取締役会は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。

その結果、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。
上記2025年1月31日開催の対象者取締役会においては、園田裕人氏及び堀賀郎氏を除く10名の取締役(監査等委員である取締役を含みます。)において審議の上、全員一致により上記の決議を行っているとのことです。園田裕人氏は現に公開買付者の常務執行役員を兼務していること、堀賀郎氏は過去2年以内に公開買付者グループに在籍していたことに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2025年1月31日開催の対象者取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。
⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しております。このように、公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間よりも長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

買付予定の株券等の数

株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式25,618,493(株)7,457,756(株)―(株)
合計25,618,493(株)7,457,756(株)―(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,457,756株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,457,756株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者株式の最大数(25,618,493株)を記載しております。当該最大数は、対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(54,507,307株)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する株式数(28,863,844株)及び対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の対象者が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(25,618,493株)になります。
(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って対象者の株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い、公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)256,184
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(c)
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(d)288,638
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(f)
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(g)
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数
(個)(i)
対象者の総株主等の議決権の数(2024年9月30日現在)(個)(j)544,823
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
47.02
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
100.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数(25,618,493株)に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有する株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。また、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者半期報告書に記載された2024年9月30日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式(ただし、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、その分母を対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(54,507,307株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に係る議決権の数(544,823個)として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数(25,618,493株)に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有する株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月3日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。また、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者半期報告書に記載された2024年9月30日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式(ただし、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、その分母を対象者決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(54,507,307株)から、対象者決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に係る議決権の数(544,823個)として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

株券等の種類

普通株式

根拠法令

スウェーデン外国直接投資法
公開買付者は、スウェーデン外国直接投資法(Foreign Direct Investments Act)に基づき、戦略製品検査局(Inspectorate of Strategic Products)に対し、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)の前に、本株式取得に関する対内直接投資の事前届出を行う必要があります。戦略製品検査局が本株式取得に対する対内直接投資に関する事前届出を受理した日の翌日から25営業日(延長される場合があります。)以内に戦略製品検査局から審査が終了した旨の通知を受けた場合には、公開買付者は本株式取得を実行することができます。公開買付者は、戦略製品検査局に対し、本株式取得に関する届出を提出し、当該届出は2025年1月22日(現地時間)付で受理されております。
公開買付期間の末日の前日までに、スウェーデン外国直接投資法に基づき戦略製品検査局の審査が終了した旨の通知を受けられなかった場合には、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の令第14条第1項第4号に定める事情が発生した場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
なお、戦略製品検査局から審査が終了した旨の通知を受けた場合には、公開買付者は、法第27条の8第2項の規定に基づき、直ちに本書の訂正届出書を提出いたします。

応募の方法

① 公開買付代理人
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、以下の(1)又は(2)の手続に従って、応募してください。
(1) オンライントレード(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)にて公開買付期間末日の16時までに手続を行ってください。
なお、オンライントレードによる応募(https://www.daiwa.jp/onlinetrade/)には、応募株主等が公開買付代理人に設定した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンライントレードのご利用申込み(注)が必要です。
なお、オンライントレードによる応募は個人の場合に限り、法人の場合はご利用いただけません。また、オンライントレードでは単元株のみ申込可能です。単元未満株を含めてお申込みの場合は、公開買付代理人の本店又は全国各支店(以下、公開買付代理人にて既に口座をお持ちの場合には、お取引支店といたします。)での受付になります。
(注) オンライントレードのご利用には、お申込みが必要です。
・ダイワ・カードをお持ちの場合:オンライントレードのログイン画面より新規申込を受付しております。お申込日の翌営業日からご利用いただけます。
・ダイワ・カードをお持ちでない場合:お取引支店又は大和証券コンタクトセンターまでご連絡ください。
(2) 郵送若しくは公開買付代理人の本店又は全国各支店での応募受付をご希望される場合(オンライントレードによる応募をご利用できない場合を含みます。)においては、所定の公開買付応募申込書に所要事項を記載し、公開買付代理人の本店又は全国各支店に公開買付応募申込書を郵送又は来店の上、公開買付期間末日の16時までに応募してください。ただし、郵送の場合は、公開買付応募申込書が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。また、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、あらかじめご確認の上、応募してください。
※公開買付代理人では、サービス品質向上のため、ご来店の際は事前のご予約をお願いしております。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.daiwa.jp/doc/230313.html)をご確認ください。
③ 本公開買付けに係る株式等の応募に際しては、応募株主等口座に、応募する予定の株券等が記載又は記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記載又は記録されている場合(対象者の株主名簿管理人である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。なお、本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付は行われません。
④ 応募の際に個人番号(法人の場合は法人番号)及び本人確認書類が必要となる場合があります。(注1)(注2)
⑤ 外国の居住者である株主等(法人の株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください(常任代理人より、外国人株主等の委任状又は契約書の原本証明付きの「写し」をいただきます。)。
⑥ 個人の株主等の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費との差額は、株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)
⑦ 対象者の株主名簿管理人である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている株券等を応募する場合の具体的な振替手続(応募株主等口座への振替手続)については、公開買付代理人にご相談いただくか、又は口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社にお問い合わせください。(注4)
(注1) 本人確認書類について
公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、次の個人番号及び本人確認書類が必要になります(法人の場合は、法人番号及び法人本人の本人確認書類に加え、「現に取引に当たる担当者(取引担当者)」についての本人確認書類及び取引担当者が当該法人のために取引の任にあたっていることの確認が必要になります。)。なお、本人確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
下記、A~Cいずれかの書類をご提出ください。(店頭での口座開設の場合は、本人確認書類の原本のご提示が必要になります。郵送での口座開設の場合は、本人確認書類のコピー(ただし、「住民票の写し」は原本)をご提出ください。)
個人番号確認書類本人確認書類
A個人番号カード(裏)個人番号カード(表)
※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、「個人番号カード(表)」に加えて、a又はbのうち、いずれか1種類
B通知カードaのいずれか1種類、又はbのうち2種類
(ただし、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。)
※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、a又はbのうち、いずれか2種類(ただし、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。)
C個人番号記載のある住民票の写し又は住民票の記載事項証明書a又はbのうち、「住民票の写し」「住民票の記載事項証明書」以外の1種類

a 顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
パスポート(住所記載欄のない新型パスポート(2020年2月4日以降に発給申請し交付されたパスポート)は、本人確認書類としてご利用いただけません。別途本人確認書類のご用意をお願いいたします。)、運転免許証、運転経歴証明書、各種福祉手帳、在留カード、特別永住者証明書
b 顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
各種健康保険証、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、各種福祉手帳等
・法人の場合
下記A~Cの確認書類をご提出ください。
A法人番号確認書類・法人番号指定通知書又は
・法人番号印刷書類
B法人のお客さまの本人確認書類・登記事項証明書又は
・官公庁から発行された書類等
(名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容を確認できるもの)
Cお取引担当者の本人確認書類・個人番号カード(表)又は
・上記個人の場合の本人確認書類(aのいずれか1種類、又はbのうち2種類)

・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等(自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるものに、法人の場合は、名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容の記載のあるものに限ります。)
(注2) 取引関係書類の郵送について
本人確認を行ったことをお知らせするために、当該本人確認書類に記載された住所地に取引関係書類を郵送させていただきます。
(注3) 株式等の譲渡所得等に対する申告分離課税について(個人の株主等の場合)
個人の株主等の方につきましては、株式等の譲渡には、申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。
(注4) 特別口座からの振替手続
上記③に記載のとおり、応募に際しては、特別口座で記載又は記録されている株券等は、公開買付代理人に開設した応募株主等口座への振替手続をお取りいただく必要があります。

契約の解除の方法

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の16時までに、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(4) 応募株主等の契約の解除権についての事項」に従って、以下の①又は②の手続により、契約の解除を行ってください。
① オンライントレード上の操作により契約を解除する場合は、当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の16時までに解除手続を行ってください。
なお、オンライントレード取扱銘柄については、お取引支店で応募された契約の解除も、オンライントレード上の操作による解除手続を行うことが可能です。ただし、単元未満株を含めて契約の解除をお申込みの場合は、お取引支店での受付になります。
② 郵送若しくは公開買付代理人の本店又は全国各支店で契約を解除する場合は、所定の解除書面に所要事項を記載し、応募受付をした公開買付代理人の本店又は全国各支店に解除書面を郵送又は来店の上、公開買付期間末日の16時までに契約を解除してください。ただし、郵送の場合は、解除書面が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。また、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、あらかじめご確認の上、解除してください。
なお、オンライントレードで応募された契約の解除も、解除書面の郵送又は来店による解除手続を行うことが可能です。
※公開買付代理人では、サービス品質向上のため、ご来店の際は事前のご予約をお願いしております。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.daiwa.jp/doc/230313.html)をご確認ください。
解除書面を受領する権限を有する者:
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
(その他の大和証券株式会社全国各支店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により、応募株主等が公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

買付け等に要する資金等

買付代金(円)(a)70,450,855,750
金銭以外の対価の種類
金銭以外の対価の総額
買付手数料(b)150,000,000
その他(c)15,000,000
合計(a)+(b)+(c)70,615,855,750

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(25,618,493株)に本公開買付価格(2,750円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

届出日の前々日又は前日現在の預金

種類金額(千円)
普通預金77,260,248
計(a)77,260,248

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

77,260,248千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

決済の開始日

2025年3月26日(水曜日)

決済の方法

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)の住所又は所在地(外国人株主等の場合はその常任代理人の住所)宛に郵送します。
買付け等は、現金にて行います。買付け等を行った株券等に係る売却代金は応募株主等の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか(送金手数料がかかる場合があります。)、公開買付代理人の応募受付をした応募株主等口座へお支払いします。

株券等の返還方法、決済の方法

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき株券等の全部の買付け等を行わないこととなった場合には、返還することが必要な株券等は、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以降遅滞なく、応募が行われた時の公開買付代理人に開設した応募株主等口座の状態に戻すことにより返還します。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,457,756株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(7,457,756株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事情のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、当該公告を公開買付期間末日までに行うことが困難である場合には、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の16時までに応募受付をした公開買付代理人の本店又は全国各支店に解除書面(公開買付応募申込受付票及び公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。
なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。
買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

公開買付者が公開買付届出書の訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

公開買付けの結果の開示の方法

本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

その他、その他買付け等の条件及び方法

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。
また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けいたしません。
本公開買付けに応募する方(外国人株主等の場合はその常任代理人)はそれぞれ、以下の表明・保証を行うことを要求されます。
応募者が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと、応募者が本公開買付けに関するいかなる情報若しくは買付けに関する書類も、直接間接を問わず、米国内において、若しくは米国に向けて、又は米国内からこれを受領したり送付したりしていないこと、買付け若しくは公開買付応募申込書の署名乃至交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと、及び他の者の完全な裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動している者ではないこと(当該他の者が買付けに関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

継続開示会社たる公開買付者に関する事項

① 【公開買付者が提出した書類】
イ 【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第99期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年6月21日 関東財務局長に提出
ロ 【半期報告書】
事業年度 第100期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
2024年11月12日 関東財務局長に提出
② 【上記書類を縦覧に供している場所】
日本製鉄株式会社
(東京都千代田区丸の内二丁目6番1号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
証券会員制法人福岡証券取引所
(福岡県福岡市中央区天神二丁目14番2号)
証券会員制法人札幌証券取引所
(札幌市中央区南一条西五丁目14番地の1)

公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計

(2025年2月3日現在)
所有する株券等の数令第7条第1項
第2号に該当する
株券等の数
令第7条第1項
第3号に該当する
株券等の数
株券288,638(個)― (個)― (個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計288,638
所有株券等の合計数288,638
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注1) 特別関係者である対象者は、2025年12月31日現在、対象者株式24,970株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。
(注2) 公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

公開買付者による株券等の所有状況

(2025年2月3日現在)
所有する株券等の数令第7条第1項
第2号に該当する
株券等の数
令第7条第1項
第3号に該当する
株券等の数
株券288,638(個)― (個)― (個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計288,638
所有株券等の合計数288,638
(所有潜在株券等の合計数)(―)

特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)

(2025年2月3日現在)
所有する株券等の数令第7条第1項
第2号に該当する
株券等の数
令第7条第1項
第3号に該当する
株券等の数
株券― (個)― (個)― (個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計
所有株券等の合計数
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注1) 特別関係者である対象者は、2024年12月31日現在、対象者株式24,970株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。
(注2) 公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

特別関係者

(2025年2月3日現在)
氏名又は名称山陽特殊製鋼株式会社
住所又は所在地兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地
職業又は事業の内容鋼材事業、粉末事業、素形材事業、情報処理等のサービス提供
連絡先連絡者 山陽特殊製鋼株式会社
財務部長 柳本 豊
連絡場所 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地
電話番号 079(235)6008
公開買付者との関係公開買付者が特別資本関係を有する法人

所有株券等の数

山陽特殊製鋼株式会社(2025年2月3日現在)
所有する株券等の数令第7条第1項
第2号に該当する
株券等の数
令第7条第1項
第3号に該当する
株券等の数
株券― (個)― (個)― (個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計
所有株券等の合計数
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注) 特別関係者である対象者は、2024年12月31日現在、対象者株式24,970株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。

公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容

(1) 公開買付者と対象者との間の取引
最近の3事業年度における公開買付者と対象者との間の取引の内容等は下記のとおりです。
取引の内容取引金額
2022年3月期
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日
2023年3月期
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日
2024年3月期
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
資金の預け入れ9,577百万円7,065百万円8,404百万円
資金の借り入れ18,000百万円

(注1) 資金の預け入れについては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)による取引であり、取引金額は、期中の平均残高を記載しております。
(注2) 上記の他、公開買付者は、対象者との間で、鉄鋼製品に関する取引を行っておりますが、その取引額は、公開買付者の売上高に占める割合としては僅少です。
(2) 公開買付者と対象者の役員との間の取引
該当事項はありません

公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容

(1) 本公開買付への賛同表明
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2025年1月31日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。
なお、対象者の意思決定の過程に係る詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

株価の状況

(単位:円)
金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所 プライム市場
月別2024年
8月
2024年
9月
2024年
10月
2024年
11月
2024年
12月
2025年
1月
2025年
2月
最高株価2,1131,9891,9821,9761,9562,016
最低株価1,6151,7811,7671,8051,7151,846

(注) 届出書の属する月の初日から届出日の前日までの期間の株価については、届出日が月初に当たるため記載しておりません。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1) 【対象者が提出した書類】
① 【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第111期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
2023年6月28日 関東財務局長に提出
事業年度 第112期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年6月26日 関東財務局長に提出
② 【半期報告書】
事業年度 第113期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
2024年11月14日 関東財務局長に提出
③ 【臨時報告書】
該当事項はありません。
④ 【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2) 【上記書類を縦覧に供している場所】
山陽特殊製鋼株式会社本社
(兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地)
山陽特殊製鋼株式会社東京支社
(東京都中央区日本橋一丁目13番1号 日鉄日本橋ビル)
山陽特殊製鋼株式会社大阪支店
(大阪市中央区南久宝寺町三丁目6番6号 御堂筋センタービル)
山陽特殊製鋼株式会社名古屋支店
(名古屋市中区錦一丁目11番11号 名古屋インターシティ)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

その他、対象者の状況

(1) 「2025年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」の公表
対象者は、2025年1月31日付で対象者第3四半期決算短信を公表しております。当該公表に基づく概要は以下のとおりです。なお、当該公表の内容については、法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人の四半期レビューを受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、詳細については、当該公表の内容をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
会計期間2025年3月期
(第3四半期連結累計期間)
売上高247,038百万円
売上原価213,141百万円
販売費及び一般管理費30,132百万円
営業外収益1,827百万円
営業外費用2,417百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益1,240百万円

② 1株当たりの状況(連結)
会計期間2025年3月期
(第3四半期連結累計期間)
1株当たり四半期純利益22.76円
1株当たり配当額―円

(2) 「2025年3月期期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」の公表
対象者が、2025年1月31日付で公表した「2025年3月期期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」によれば、対象者は同日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2025年3月期の配当予想を修正し、2025年3月期期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細につきましては、対象者の当該公表内容をご参照ください。