有価証券報告書-第132期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1. 経営方針
当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。
<経営理念>中山製鋼所グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。
<行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。
② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。
③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。
④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
<グループビジョン>中山製鋼所グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。
2. 経営環境
今後の見通しにつきましては、国内鉄鋼需要の低迷に加え、中国経済の減速に伴う供給過剰を背景とした低価格製品との競合や、足元で急騰している鉄スクラップ価格や各種資材コストに加え、中東情勢の影響によるエネルギー価格の高騰なども懸念され、厳しい経営環境が続くものと想定されます。鋼材販売価格への転嫁や新設した関東中継地の活用等により販売価格・販売数量ともに改善を見込む一方で、主原料価格の高騰や高止まり、中東情勢の影響の顕在化などが先行し、鋼材販売価格への転嫁には一定の時間を要することから、下期からの回復を見込むも減益見通しとしております。このような環境下ではありますが、安定的な電気炉生産のもとコスト改善を進めてまいります。
また当社は2026年4月1日付にて、日本製鉄株式会社との合弁契約に基づき「NN製鋼合同会社」を設立いたしました。今後は、新電気炉建設計画を着実に遂行するとともに、新電気炉の稼働開始を見据えた電気炉材の適用拡大を図るべく、株式会社ヨドコウとの業務提携の本合意に向けた協議を進めつつ、将来に向けた地歩を固めていきます。
さらに、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に対しての社会的要請が高まる中、これらを訴求する高付加価値製品の拡販や加工能力の強化などの諸施策を実行することで、事業基盤の一層の強化に努めてまいります。
3. 対処すべき課題等
[中山製鋼所グループ2030長期ビジョン]
当社は、おかげさまで2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、長期ビジョンとして2030年のありたい姿・目指す企業像を策定いたしました。当社グループの経営理念やグループビジョンを踏まえ、電気炉メーカーである強みや優位性を活かした成長戦略を推進するとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。
中山製鋼所グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)
[中山製鋼所グループの長期計画について]
当社は、2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、2022年5月に当社グループの2030年のありたい姿・目指す企業像として「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」を公表しました。その中において、グループ一体での付加価値向上やカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化を図っていくため、電気炉鋼材の適用拡大、加工戦略の推進に加え、抜本的な電気炉生産能力の増強策として、新電気炉投資(以下「本投資」といいます。)を検討してまいりました。
特に、近年、世界的に環境意識が高まる中において、鉄鋼業におけるCO2排出量の削減は喫緊の課題となっております。そのような事業環境下において、CO2排出量が高炉鋼の約1/4である電気炉鋼の需要は、今後益々高まると考えられております。
当社グループは、高炉・転炉の技術も持ち合わせた電気炉鋼材を生産できる限られたメーカーの一つであります。2002年に高炉・転炉を休止し、現在は電気炉で生産した鉄源と外部から調達した鉄源により鋼材やその加工品を生産・販売しておりますが、老朽化が進む既設電気炉を休止し、新電気炉を建設して生産能力を大幅に増強し、外部調達から自社鉄源に置き換えることにより、CO2排出量を大幅に削減できるだけでなく、収益性も改善できると見込んでおります。
このような認識に基づき、100年先も躍動し続けるグループの土台となる「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」の実現のため、本投資を決定し、これを中核とする長期計画を策定いたしました。
なお、本投資は、2025年5月9日に公表いたしました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」のとおり、日本製鉄株式会社と当社が出資し合弁会社を設立し、当社船町工場構内に電気炉設備を新設するものであり、当社が当該電気炉設備を賃借して電気炉操業を行う予定です。
(1) 重点方針
① カーボンニュートラル・循環型社会の実現への貢献
・本投資により完成する新電気炉が稼働することで、2030年度CO2排出量を2013年度比46%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指します。
② 収益構造の改善、製品ポートフォリオの改革
・本投資により、自社鉄源比率の向上、省エネルギーや歩留り改善などコスト競争力を強化し、日本製鉄との業務提携に基づく電気炉鋼片や電気炉熱延製品の供給による収益性の向上や安定化を図ります。
・電気炉鋼材の適用拡大を推進し、製品開発などにより製品ラインアップを拡充するなど、新たな顧客価値を創出します。グリーン鋼材への取組みも今後検討してまいります。また、これまで進めてきた加工戦略を一層強化し、付加価値を向上させ製品ポートフォリオを改革します。
・新電気炉稼働までの期間は、既設電気炉で月間5万トンの生産体制を構築するとともに、電気炉鋼比率を高め、電気炉鋼の拡販に注力します。
③ 事業連携の強化
・日本製鉄との合弁契約締結に向けて引続き協議し、両社の業務提携を実現できるよう取り組みます。
・中部鋼鈑株式会社との業務提携契約に基づき、同社からのスラブ供給や同社への厚板生産委託などを推進します。
・加工戦略を一層推進すべく、取引先との加工受委託や製品開発に関する連携も検討してまいります。
④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり
・新電気炉は、当社船町工場構内の高炉・コークス跡地に設置され、下工程の熱延工場加熱炉に近接でき、構内物流の整流化や電気炉鋼片の熱延工場加熱炉への直送によるコスト改善も見込まれます。新電気炉の建設とともに、安全かつ効率的な業務運営にも取り組んでまいります。
・新電気炉生産量は120万トン/年で、既設電気炉の2倍以上を想定しております。そのため、鉄スクラップの調達が課題となりますが、当社主要拠点の岸壁を活用したグループ会社による海上輸送や新電気炉による加工スクラップの使用比率低減などの対策を講じてまいります。
⑤ 経営基盤の強化
・④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり を踏まえ、労働生産性向上のため、DXによる業務効率化を推進します。生産情報の可視化・リアルタイム共有、サプライチェーン情報の可視化や経営管理の高度化など付加価値の高い業務へのシフトを進めます。
・人的資本経営への取組みとしては、将来人事戦略を具現化し、優秀な人材獲得や離職率の低減、人材育成の仕組みを再構築するとともに、DE&Iを推進し、従業員のモチベーションややりがいを高める職場環境づくりを目指します。
(2) 経営目標
本長期計画において重視する経営指標の数値目標は以下のとおりです。
※新電気炉本格的稼働を2030年度期中と想定しており、新電気炉による施策効果が概ね見込まれる2033年度を長期計画の数値目標といたしました。
1. 経営方針
当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。
<経営理念>中山製鋼所グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。
<行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。
② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。
③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。
④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
<グループビジョン>中山製鋼所グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。
2. 経営環境
今後の見通しにつきましては、国内鉄鋼需要の低迷に加え、中国経済の減速に伴う供給過剰を背景とした低価格製品との競合や、足元で急騰している鉄スクラップ価格や各種資材コストに加え、中東情勢の影響によるエネルギー価格の高騰なども懸念され、厳しい経営環境が続くものと想定されます。鋼材販売価格への転嫁や新設した関東中継地の活用等により販売価格・販売数量ともに改善を見込む一方で、主原料価格の高騰や高止まり、中東情勢の影響の顕在化などが先行し、鋼材販売価格への転嫁には一定の時間を要することから、下期からの回復を見込むも減益見通しとしております。このような環境下ではありますが、安定的な電気炉生産のもとコスト改善を進めてまいります。
また当社は2026年4月1日付にて、日本製鉄株式会社との合弁契約に基づき「NN製鋼合同会社」を設立いたしました。今後は、新電気炉建設計画を着実に遂行するとともに、新電気炉の稼働開始を見据えた電気炉材の適用拡大を図るべく、株式会社ヨドコウとの業務提携の本合意に向けた協議を進めつつ、将来に向けた地歩を固めていきます。
さらに、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に対しての社会的要請が高まる中、これらを訴求する高付加価値製品の拡販や加工能力の強化などの諸施策を実行することで、事業基盤の一層の強化に努めてまいります。
3. 対処すべき課題等
[中山製鋼所グループ2030長期ビジョン]
当社は、おかげさまで2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、長期ビジョンとして2030年のありたい姿・目指す企業像を策定いたしました。当社グループの経営理念やグループビジョンを踏まえ、電気炉メーカーである強みや優位性を活かした成長戦略を推進するとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。
中山製鋼所グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)
| ありたい姿・目指す企業像 |
| ・カーボンニュートラル実現に向けて尽力する企業 |
| ・従業員のモチベーションをアップさせ、家族の幸せを追求する企業 |
| ・社会に貢献し地域と協調・共生する企業 |
| ・お客様に中山製鋼所グループを選んでいただき、喜んでいただける企業 |
| ・ステークホルダーに安心していただき、喜んでいただける企業 |
[中山製鋼所グループの長期計画について]
当社は、2019年に創業100周年を迎えましたが、さらに100年先も躍動し続けるグループを目指し、2022年5月に当社グループの2030年のありたい姿・目指す企業像として「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」を公表しました。その中において、グループ一体での付加価値向上やカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化を図っていくため、電気炉鋼材の適用拡大、加工戦略の推進に加え、抜本的な電気炉生産能力の増強策として、新電気炉投資(以下「本投資」といいます。)を検討してまいりました。
特に、近年、世界的に環境意識が高まる中において、鉄鋼業におけるCO2排出量の削減は喫緊の課題となっております。そのような事業環境下において、CO2排出量が高炉鋼の約1/4である電気炉鋼の需要は、今後益々高まると考えられております。
当社グループは、高炉・転炉の技術も持ち合わせた電気炉鋼材を生産できる限られたメーカーの一つであります。2002年に高炉・転炉を休止し、現在は電気炉で生産した鉄源と外部から調達した鉄源により鋼材やその加工品を生産・販売しておりますが、老朽化が進む既設電気炉を休止し、新電気炉を建設して生産能力を大幅に増強し、外部調達から自社鉄源に置き換えることにより、CO2排出量を大幅に削減できるだけでなく、収益性も改善できると見込んでおります。
このような認識に基づき、100年先も躍動し続けるグループの土台となる「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」の実現のため、本投資を決定し、これを中核とする長期計画を策定いたしました。
なお、本投資は、2025年5月9日に公表いたしました「日本製鉄株式会社との合弁会社設立及び業務提携に向けた基本合意書締結のお知らせ」のとおり、日本製鉄株式会社と当社が出資し合弁会社を設立し、当社船町工場構内に電気炉設備を新設するものであり、当社が当該電気炉設備を賃借して電気炉操業を行う予定です。
(1) 重点方針
① カーボンニュートラル・循環型社会の実現への貢献
・本投資により完成する新電気炉が稼働することで、2030年度CO2排出量を2013年度比46%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指します。
② 収益構造の改善、製品ポートフォリオの改革
・本投資により、自社鉄源比率の向上、省エネルギーや歩留り改善などコスト競争力を強化し、日本製鉄との業務提携に基づく電気炉鋼片や電気炉熱延製品の供給による収益性の向上や安定化を図ります。
・電気炉鋼材の適用拡大を推進し、製品開発などにより製品ラインアップを拡充するなど、新たな顧客価値を創出します。グリーン鋼材への取組みも今後検討してまいります。また、これまで進めてきた加工戦略を一層強化し、付加価値を向上させ製品ポートフォリオを改革します。
・新電気炉稼働までの期間は、既設電気炉で月間5万トンの生産体制を構築するとともに、電気炉鋼比率を高め、電気炉鋼の拡販に注力します。
③ 事業連携の強化
・日本製鉄との合弁契約締結に向けて引続き協議し、両社の業務提携を実現できるよう取り組みます。
・中部鋼鈑株式会社との業務提携契約に基づき、同社からのスラブ供給や同社への厚板生産委託などを推進します。
・加工戦略を一層推進すべく、取引先との加工受委託や製品開発に関する連携も検討してまいります。
④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり
・新電気炉は、当社船町工場構内の高炉・コークス跡地に設置され、下工程の熱延工場加熱炉に近接でき、構内物流の整流化や電気炉鋼片の熱延工場加熱炉への直送によるコスト改善も見込まれます。新電気炉の建設とともに、安全かつ効率的な業務運営にも取り組んでまいります。
・新電気炉生産量は120万トン/年で、既設電気炉の2倍以上を想定しております。そのため、鉄スクラップの調達が課題となりますが、当社主要拠点の岸壁を活用したグループ会社による海上輸送や新電気炉による加工スクラップの使用比率低減などの対策を講じてまいります。
⑤ 経営基盤の強化
・④ 新電気炉稼働に向けた体制づくり を踏まえ、労働生産性向上のため、DXによる業務効率化を推進します。生産情報の可視化・リアルタイム共有、サプライチェーン情報の可視化や経営管理の高度化など付加価値の高い業務へのシフトを進めます。
・人的資本経営への取組みとしては、将来人事戦略を具現化し、優秀な人材獲得や離職率の低減、人材育成の仕組みを再構築するとともに、DE&Iを推進し、従業員のモチベーションややりがいを高める職場環境づくりを目指します。
(2) 経営目標
本長期計画において重視する経営指標の数値目標は以下のとおりです。
| 2025年度実績 | 2030年度目標 | 2033年度目標※ | |
| 経常利益 | 48億円 | 100億円以上 | 130億円以上 |
| EBITDA | 80億円 | 220億円以上 | 260億円以上 |
| ROE | 2.3% | 5%以上 | 6%以上 |
※新電気炉本格的稼働を2030年度期中と想定しており、新電気炉による施策効果が概ね見込まれる2033年度を長期計画の数値目標といたしました。