内部統制報告書-第90期(平成28年6月23日-平成28年6月23日)

【提出】
2016/06/24 14:59
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

当社代表取締役社長佐藤育男及び取締役常務執行役員東泉豊は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであり、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である平成28年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しました。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定しました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しました。なお、連結子会社21社及び持分法適用関連会社1社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の前連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、前連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している事業拠点を「重要な事業拠点」としました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象としました。さらに、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。

評価結果に関する事項

上記の評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。従って、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。

当社の連結子会社であるファインクリスタル株式会社(以下「本件子会社」)において、売上原価を過少計上する不適切な会計処理(以下「本件不適切会計処理」)が行われていた事実が判明しました。
当社はこの事実を受けて、内部調査を進めてきましたが、原因の特定及び同種の不適切な会計処理が他の子会社や他の期間で行われていないかどうかの確認、また、再発防止策の策定を目的として、専門的能力を有した弁護士、社外監査役を含む内部調査委員会を平成28年3月28日付で設置しました。
内部調査委員会の調査・検証により、本件子会社において、売上原価を過少に計上していたことが明らかになりました。
本件不適切会計処理に対する当社の対応として、平成27年3月期以降の決算を訂正し、平成27年3月期の有価証券報告書、平成28年3月期第1四半期から平成28年3月期第3四半期までの四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
これらの事実は、本件子会社における全社的な内部統制において、本件子会社の経営陣及び本件不適切会計処理を行った従業員(以下「課員」)におけるコンプライアンス意識が欠如していたこと、課員が自部門の上司や関係者に業務上の疑問点や不明点を相談することができない職場の環境・風土が形成されていたこと、上司による課員の業務負荷状況の確認等の配慮が不十分であったという運用上の不備があったこと、また、決算・財務報告プロセス統制において、一部の会計処理が上司のチェック・承認のないまま行われたという運用上の不備があったことにより発生したものと認識しております。
以上の本件子会社の全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセス統制に関する内部統制の不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、内部調査委員会からの報告を踏まえ、以下のとおり再発防止策を推進してまいります。
(1)本件子会社の内部統制の再構築とコンプライアンス意識の確立
(2)子会社管理体制の強化
(3)監査機能等の強化