訂正有価証券報告書-第158期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に今後10年間を見据えた長期(10年)の基本方針を策定した上で、この達成を図るべく最初の3年の数値目標を策定しました。
①今までの中期経営計画との違いについて
今までの中期経営計画策定は市場の需要前提を出して、それに基づいて各事業が数字を組み立てていました。これに対して、今回の中期経営計画は「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いた上で、最初の3年間に必要な数値目標(=中期経営計画)を決めたことが異なります。
長期の基本方針は1.国内収益基盤の強化、2.海外売上の確立、3.新規事業(M&A)の推進、4.働き方改革の実践、5.ROEをKPIに、が骨子となります。これら5つの方針を軸にして、コーポレートガバナンスの強化、透明性の高い活力ある企業運営を展開してまいります。
②長期(10年)基本方針で5つのポイント
長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も首都圏再開発の継続や大阪万博の大型プロジェクトなどが見込まれます。しかし長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれ、既存事業の収益基盤強化と成長余地が高い海外売上確立、新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。
これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下と致します。
イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。
ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。
ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。
ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。
ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。
③長期目標を達成するに当たっての経営者の認識
長期経営目標を達成するに当たり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示せば、コアの4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。
国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面は更新需要が先延ばしされたAP需要の顕在化で国内は高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が高い海外の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは7割程度で競合先は1社ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、新CSCでメンテナンス・サービスのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、当社の中古機が大量に稼働するタイで現地法人設立を2020年2月に行なうなど顧客基盤の拡大を致します。
国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2020年度末で3,206箇所など2012年度末の3,456箇所から減少しており、中期的にも工場数は減少が予想されます。市場は成熟化しておりますが、競合2社と比べて静態シェアが低いため、シェアアップを図ることが重要な経営目標で2021年度にシェア50%以上を目指します。当社の強みである操作盤内製化やサービス・メンテナンス体制強化がシェアアップに寄与するものと考えております。また、最近はコンクリート二次製品や建設現場の人手不足でi-constructionのニーズも高まっており、これらの分野に注力致します。
また世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境の課題と深い関係があり、サステナビリティに基づいた企業の対応や自社が貢献出来る分野で価値を創出することも重要と認識しております。
最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視致します。この結果として、2029年度末には株式の時価総額500億円以上、ROE8%以上をKPIとして目指します。また現在の自己資本水準や手元流動性に鑑みて、成長投資と株主還元を同時に強化致します。配当性向は今まで30%程度を基準にしておりましたが、中期経営計画期間中は60%以上に引き上げます。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。
< 日工のビジネスモデル >
(2)中期経営計画のセグメント別見通し
前中期経営計画(2016~2018年度)は売上高こそ当初予想に近い実績となりましたが、利益項目を含めて実態として未達で厳しい結果に終わりました。中身を精査しますと、可能性を見込んでいた海外売上高や新規分野(発展領域)の伸び悩みが顕著でした。
前中期経営計画では以下を目標にして主力のAP、BPの新型プラントや操作盤を開発し、中国向けにAPリサイクル設備の拡販を行ないました。
・国内基盤の安定化 ・・・国内外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
・(国内)成長戦略 ・・・各事業のコア技術、強みを融合し新たな商品価値を創造
・(海外)成長戦略 ・・・国外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
現在の当社を取り巻く経営環境は、主力事業であるAP、BPの市場環境は微減傾向が継続しており、脱炭素社会に対する取り組み、働き方改革、人手不足、熟練工不足などの社会的な課題もあります。そのような状況で中期経営計画(2019~2021年度)の活動方針を作成しました。
中期経営計画である2019年度から2021年度における各セグメントの財務目標は次のとおりです。
現中期経営計画2年目である2020年度の連結業績は売上高378億円、営業利益23億円(営業利益率6.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益20億円、ROE6.8%となりました。セグメント別の営業利益はAP関連事業が新型コロナウイルス感染症による海外売上の減少、環境及び搬送関連事業の売上減少で計画比未達となりましたが、モバイルプラントや防水板等のその他事業が好調で補いました。
※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①アスファルトプラント関連事業の収益性向上
国内の既存事業の市場は集約化傾向であり、また化石燃料を多く消費する製品であることから環境問題への対応が重要課題となっております。当社においては、アスファルトプラントにおいて約7割の高い国内市場シェアを活かしたメンテナンスサービス事業での新たな商品開発、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発、機能向上と現地工程の短縮化に寄与するユニット製品の拡販などによる収益性向上と、製造原価低減への更なる取り組みを、より一層進めてまいります。
②コンクリートプラント関連事業の国内シェア拡大
コンクリートプラント事業は保守メンテナンスの時代へとユーザーニーズが変化しており、生コン出荷量、プラント出荷台数は減少傾向が続くと見ております。このような事業環境下、コンクリートプラントの現状動態シェア約40%を50%とすべく新しい高性能ミキサの開発による差別化、二次製品コンクリート工場へのアプローチ強化を進め、また、近年自然災害が多発していることから、被災地で活動できる新型モバイルプラントを開発し、2019年より市場投入しており、引き続き拡販に努めてまいります。
③メンテナンス事業のビジネスモデル変革
アスファルトプラントやコンクリートプラント関連事業の収益性を改善する上で、両事業の国内売上高で約6割を占めるメンテナンス事業のビジネスモデル変革も課題と認識しております。土木、建設業界の人手不足や熟練工不足の問題が今後も続くと見られ、お客様の課題解決のためにもメンテナンス事業のビジネスモデル変革に取り組んでまいります。
具体的には、メンテナンスサービスのIoT・可視化を更に推進させるため、サービス提供から20年となりますリモートメンテナンスにおいてはセンサー類の活用と将来の5G対応で予防保全へと進化させてまいります。プラント検診(点検)においては、タブレット端末を活用したクラウドシステムへリニューアルし、より多くのデータによる効率的なプラント管理をユーザーにご提供してまいります。
④海外事業領域の開拓
現在の海外事業は中国での売上高が大半を占めており、米中関係悪化や新型コロナウイルスの影響により不安定な状況が予想されますものの、中国国内のインフラ投資は総じて旺盛と見ております。中国市場に加え、更なる海外市場領域の拡大を図るため、当社の中古機が多く利用されているタイに現地法人Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.(プラント販売・メンテナンス会社)、Nikko NilKhosol Co.,Ltd. (製造会社)を2020年に設立し、新規プラントだけでなく中古機やリニューアル、メンテナンス・部品など様々なバリューチェーンへビジネスを広げてまいります。
⑤新規発展領域の拡充
国内砕石プラントの多くが更新時期を迎えており、定置式に替わり自走式破砕機の需要が増加しています。そうした需要拡大への対応として、取扱い製品の拡充、販売力とサービス体制の強化、管理及びバックアップ体制の構築、モバイルセンターの製品在庫の充実やパーツセンター機能の強化を進め、さらなる事業規模拡大に取り組んでまいります。
また、当社グループ全社をあげて取り組んでおります防災関連製品事業として、近年の気候変動による水害防止製品である防水板の需要が急増しており、製造拠点を新設するなど増産体制を強化しております。加えて、仮設用自在階段の避難路への展開、超軽量ショベル・スコップの新発売など、更なる製品拡充を目指してまいります。
⑥環境負荷低減への取り組み
「脱炭素社会」を目指す取り組みとして、これまで燃焼効率を高めることによるアスファルトプラントの省エネ化を行ってまいりました。今後は合材工場運営における材料の搬入から合材の運搬にも脱炭素化の取組みを拡大してまいります。
主な取り組みとしてアスファルトプラントに用いる熱源の転換(カーボンニュートラル燃料、エレクトロヒート等)、合材の搬送方法の革新による輸送効率の向上、アスファルトプラントで排出されたCO2の回収、生コンへのCO2吸着技術(CCU)、など従来の事業範囲にとらわれず多方面のパートナーとの協働も積極的に行い、より早い時期での社会実装を目指してまいります。
カーボンニュートラルな代替燃料を使用するアスファルトプラントをさらに拡販することにより、地球温暖化の要因となるCO2削減に根本から取り組んでまいります。
また、コンクリート関連事業においては、CO2を直接生コンへ吸着する技術利用や、環境負荷の高い建設現場から戻ってくる「戻りコン」、製造過程で発生する「残コン」などへCO2を吸着後、処理・活用する製品の普及に努めてまいります。
そして、リサイクルへの取り組みとして、アスファルトプラント、生コンクリートプラントで培った技術を展開し、各種資源のリサイクルを促進する装置も提供しております。
具体的には、廃石膏ボードを加熱,焼成し、半水石膏や無水石膏などの石膏材料として再生する設備や、スマートフォン等普及により大量発生している使用済み充電式電池から再生金属原料を取り出すリサイクル設備における一次熱処理装置など環境負荷低減には欠かせない資源リサイクルへも積極的に取り組んでまいります。
⑦成長投資と株主還元
財務面は現在、純資産約300億円と十分な規模にありますが、今後とも海外事業や新規事業等の成長投資や株主還元に充当してまいります。そのために、政策投資株の売却、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善でキャッシュ創出を図ります。これらにより捻出したキャッシュは成長投資や株主還元の強化に使わせて頂きます。
情報開示においての課題は財務情報に比べて数値化が遅れている非財務情報の開示を増やすことですが、2019年から統合報告書を作成しており、この充実を今後も続ける事で改善を進めてまいる方針です。
以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2029年度にROE8%以上を目指します。
中期経営計画の数値計画
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
※2019年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。2019年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算出しております。
(4)新型コロナウイルス感染拡大の影響
今般の新型コロナウイルスの感染拡大について、これまでのところ国内の建設関連業界全般についてはあまり直接的な影響を受けることはなく堅調に推移し、今後についても影響度合いは小さいものと予想をしております。海外事業において影響を受け、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、現在において顕在化した重要な影響はありません。
また、社員に感染者が出た場合、当社は受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に今後10年間を見据えた長期(10年)の基本方針を策定した上で、この達成を図るべく最初の3年の数値目標を策定しました。
①今までの中期経営計画との違いについて今までの中期経営計画策定は市場の需要前提を出して、それに基づいて各事業が数字を組み立てていました。これに対して、今回の中期経営計画は「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いた上で、最初の3年間に必要な数値目標(=中期経営計画)を決めたことが異なります。
長期の基本方針は1.国内収益基盤の強化、2.海外売上の確立、3.新規事業(M&A)の推進、4.働き方改革の実践、5.ROEをKPIに、が骨子となります。これら5つの方針を軸にして、コーポレートガバナンスの強化、透明性の高い活力ある企業運営を展開してまいります。
②長期(10年)基本方針で5つのポイント
長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も首都圏再開発の継続や大阪万博の大型プロジェクトなどが見込まれます。しかし長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれ、既存事業の収益基盤強化と成長余地が高い海外売上確立、新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。
これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下と致します。
イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。
ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。
ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。
ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。
ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。
③長期目標を達成するに当たっての経営者の認識
長期経営目標を達成するに当たり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示せば、コアの4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。
国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面は更新需要が先延ばしされたAP需要の顕在化で国内は高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が高い海外の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは7割程度で競合先は1社ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、新CSCでメンテナンス・サービスのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、当社の中古機が大量に稼働するタイで現地法人設立を2020年2月に行なうなど顧客基盤の拡大を致します。
国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2020年度末で3,206箇所など2012年度末の3,456箇所から減少しており、中期的にも工場数は減少が予想されます。市場は成熟化しておりますが、競合2社と比べて静態シェアが低いため、シェアアップを図ることが重要な経営目標で2021年度にシェア50%以上を目指します。当社の強みである操作盤内製化やサービス・メンテナンス体制強化がシェアアップに寄与するものと考えております。また、最近はコンクリート二次製品や建設現場の人手不足でi-constructionのニーズも高まっており、これらの分野に注力致します。
また世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境の課題と深い関係があり、サステナビリティに基づいた企業の対応や自社が貢献出来る分野で価値を創出することも重要と認識しております。
最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視致します。この結果として、2029年度末には株式の時価総額500億円以上、ROE8%以上をKPIとして目指します。また現在の自己資本水準や手元流動性に鑑みて、成長投資と株主還元を同時に強化致します。配当性向は今まで30%程度を基準にしておりましたが、中期経営計画期間中は60%以上に引き上げます。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。
< 日工のビジネスモデル >

(2)中期経営計画のセグメント別見通し
前中期経営計画(2016~2018年度)は売上高こそ当初予想に近い実績となりましたが、利益項目を含めて実態として未達で厳しい結果に終わりました。中身を精査しますと、可能性を見込んでいた海外売上高や新規分野(発展領域)の伸び悩みが顕著でした。
前中期経営計画では以下を目標にして主力のAP、BPの新型プラントや操作盤を開発し、中国向けにAPリサイクル設備の拡販を行ないました。
・国内基盤の安定化 ・・・国内外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
・(国内)成長戦略 ・・・各事業のコア技術、強みを融合し新たな商品価値を創造
・(海外)成長戦略 ・・・国外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
現在の当社を取り巻く経営環境は、主力事業であるAP、BPの市場環境は微減傾向が継続しており、脱炭素社会に対する取り組み、働き方改革、人手不足、熟練工不足などの社会的な課題もあります。そのような状況で中期経営計画(2019~2021年度)の活動方針を作成しました。
中期経営計画である2019年度から2021年度における各セグメントの財務目標は次のとおりです。
現中期経営計画2年目である2020年度の連結業績は売上高378億円、営業利益23億円(営業利益率6.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益20億円、ROE6.8%となりました。セグメント別の営業利益はAP関連事業が新型コロナウイルス感染症による海外売上の減少、環境及び搬送関連事業の売上減少で計画比未達となりましたが、モバイルプラントや防水板等のその他事業が好調で補いました。
※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①アスファルトプラント関連事業の収益性向上
国内の既存事業の市場は集約化傾向であり、また化石燃料を多く消費する製品であることから環境問題への対応が重要課題となっております。当社においては、アスファルトプラントにおいて約7割の高い国内市場シェアを活かしたメンテナンスサービス事業での新たな商品開発、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発、機能向上と現地工程の短縮化に寄与するユニット製品の拡販などによる収益性向上と、製造原価低減への更なる取り組みを、より一層進めてまいります。
②コンクリートプラント関連事業の国内シェア拡大
コンクリートプラント事業は保守メンテナンスの時代へとユーザーニーズが変化しており、生コン出荷量、プラント出荷台数は減少傾向が続くと見ております。このような事業環境下、コンクリートプラントの現状動態シェア約40%を50%とすべく新しい高性能ミキサの開発による差別化、二次製品コンクリート工場へのアプローチ強化を進め、また、近年自然災害が多発していることから、被災地で活動できる新型モバイルプラントを開発し、2019年より市場投入しており、引き続き拡販に努めてまいります。
③メンテナンス事業のビジネスモデル変革
アスファルトプラントやコンクリートプラント関連事業の収益性を改善する上で、両事業の国内売上高で約6割を占めるメンテナンス事業のビジネスモデル変革も課題と認識しております。土木、建設業界の人手不足や熟練工不足の問題が今後も続くと見られ、お客様の課題解決のためにもメンテナンス事業のビジネスモデル変革に取り組んでまいります。
具体的には、メンテナンスサービスのIoT・可視化を更に推進させるため、サービス提供から20年となりますリモートメンテナンスにおいてはセンサー類の活用と将来の5G対応で予防保全へと進化させてまいります。プラント検診(点検)においては、タブレット端末を活用したクラウドシステムへリニューアルし、より多くのデータによる効率的なプラント管理をユーザーにご提供してまいります。
④海外事業領域の開拓
現在の海外事業は中国での売上高が大半を占めており、米中関係悪化や新型コロナウイルスの影響により不安定な状況が予想されますものの、中国国内のインフラ投資は総じて旺盛と見ております。中国市場に加え、更なる海外市場領域の拡大を図るため、当社の中古機が多く利用されているタイに現地法人Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.(プラント販売・メンテナンス会社)、Nikko NilKhosol Co.,Ltd. (製造会社)を2020年に設立し、新規プラントだけでなく中古機やリニューアル、メンテナンス・部品など様々なバリューチェーンへビジネスを広げてまいります。
⑤新規発展領域の拡充
国内砕石プラントの多くが更新時期を迎えており、定置式に替わり自走式破砕機の需要が増加しています。そうした需要拡大への対応として、取扱い製品の拡充、販売力とサービス体制の強化、管理及びバックアップ体制の構築、モバイルセンターの製品在庫の充実やパーツセンター機能の強化を進め、さらなる事業規模拡大に取り組んでまいります。
また、当社グループ全社をあげて取り組んでおります防災関連製品事業として、近年の気候変動による水害防止製品である防水板の需要が急増しており、製造拠点を新設するなど増産体制を強化しております。加えて、仮設用自在階段の避難路への展開、超軽量ショベル・スコップの新発売など、更なる製品拡充を目指してまいります。
⑥環境負荷低減への取り組み
「脱炭素社会」を目指す取り組みとして、これまで燃焼効率を高めることによるアスファルトプラントの省エネ化を行ってまいりました。今後は合材工場運営における材料の搬入から合材の運搬にも脱炭素化の取組みを拡大してまいります。
主な取り組みとしてアスファルトプラントに用いる熱源の転換(カーボンニュートラル燃料、エレクトロヒート等)、合材の搬送方法の革新による輸送効率の向上、アスファルトプラントで排出されたCO2の回収、生コンへのCO2吸着技術(CCU)、など従来の事業範囲にとらわれず多方面のパートナーとの協働も積極的に行い、より早い時期での社会実装を目指してまいります。
カーボンニュートラルな代替燃料を使用するアスファルトプラントをさらに拡販することにより、地球温暖化の要因となるCO2削減に根本から取り組んでまいります。
また、コンクリート関連事業においては、CO2を直接生コンへ吸着する技術利用や、環境負荷の高い建設現場から戻ってくる「戻りコン」、製造過程で発生する「残コン」などへCO2を吸着後、処理・活用する製品の普及に努めてまいります。
そして、リサイクルへの取り組みとして、アスファルトプラント、生コンクリートプラントで培った技術を展開し、各種資源のリサイクルを促進する装置も提供しております。
具体的には、廃石膏ボードを加熱,焼成し、半水石膏や無水石膏などの石膏材料として再生する設備や、スマートフォン等普及により大量発生している使用済み充電式電池から再生金属原料を取り出すリサイクル設備における一次熱処理装置など環境負荷低減には欠かせない資源リサイクルへも積極的に取り組んでまいります。
⑦成長投資と株主還元
財務面は現在、純資産約300億円と十分な規模にありますが、今後とも海外事業や新規事業等の成長投資や株主還元に充当してまいります。そのために、政策投資株の売却、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善でキャッシュ創出を図ります。これらにより捻出したキャッシュは成長投資や株主還元の強化に使わせて頂きます。
情報開示においての課題は財務情報に比べて数値化が遅れている非財務情報の開示を増やすことですが、2019年から統合報告書を作成しており、この充実を今後も続ける事で改善を進めてまいる方針です。
以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2029年度にROE8%以上を目指します。
中期経営計画の数値計画
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想※2019年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。2019年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算出しております。
(4)新型コロナウイルス感染拡大の影響
今般の新型コロナウイルスの感染拡大について、これまでのところ国内の建設関連業界全般についてはあまり直接的な影響を受けることはなく堅調に推移し、今後についても影響度合いは小さいものと予想をしております。海外事業において影響を受け、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、現在において顕在化した重要な影響はありません。
また、社員に感染者が出た場合、当社は受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。