有価証券報告書-第164期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 14:00
【資料】
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【項目】
165項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 中長期的な会社の経営方針
当社グループは、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野やライフサイエンス分野などに関連する産業インフラ設備および廃液・固形廃棄物処理や廃ガス・廃水処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としております。
当社グループは、持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の数値目標については、連結売上高1,520億円、連結営業利益110億円、親会社株主に帰属する当期純利益85億円を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付けており、2027年3月期は営業利益110億円、親会社株主に帰属する当期純利益85億円の達成を目標としております。
2025年3月期
(実績)
2026年3月期
(実績)
2027年3月期
(目標値)
営業利益8,915百万円9,842百万円11,000百万円
親会社株主に帰属する当期純利益6,669百万円16,910百万円8,500百万円

(3) 会社の対処すべき課題
当社グループの事業環境に関する今後の景況感につきましては、米国の関税政策およびロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により先行きが不透明な状況が続いております。国内では、企業の設備投資活動が堅調に推移しているものの、中東における軍事衝突の発生に伴う原材料・原油価格の高騰、石油関連製品の調達や為替・資源価格の変動などが経済活動に与える影響に留意する必要があります。
国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は設備の老朽化対応を背景とした更新需要は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されております。当社グループは事業基盤の安定化と規模の拡大に向けた取組として、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社との国内水エンジニアリング事業の統合を実施したほか、2026年1月には水処理、下水処理の運転管理業務を展開する東日本エンジニアリング株式会社を子会社化した上で、同年4月に同社を月島ジェイテクノメンテサービス株式会社は吸収合併いたしました。今後も引き続き持続的な成長に向けた施策に取り組んでまいります。
民間の設備投資については、化学分野において汎用化学品から高付加価値品への移行や、温室効果ガス削減への対応を背景とした環境対応技術の導入需要が、堅調に推移すると見込んでおります。一方で、中東情勢の緊迫化が顧客の投資判断に影響を与える懸念があることから、その動向を注視してまいります。当社グループは、こうした市場環境の変化を捉え、継続的な技術力強化や新商品開発を通じて、化学やライフサイエンス、環境関連分野などの機器・プラントの受注拡大に取り組んでまいりました。今後も、リチウムイオン二次電池など中長期的な需要が見込まれる分野を中心に、競争力強化と受注確保に努めてまいります。
また、事業ポートフォリオマネジメントを実行するための戦略投資として、DX推進およびM&A、アライアンスの具現化に取り組んでまいります。
① サステナビリティ経営の推進
当社グループは、持株会社体制の移行に伴い、目指す方向性と存在意義を明確化するため、パーパスとして「環境技術で世界に貢献し未来を創る」を定義いたしました。また、従来の企業理念をグループ企業理念として再定義し、2030年に向けた長期ビジョン「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現する」を新たに制定いたしました。
当社グループは、様々な環境・社会問題の解決を通じステークホルダーの皆様とともに事業の持続的な成長を実現するため、サステナビリティ経営に取り組んでまいります。
事業を通じた温室効果ガス削減への貢献については、最重要KPIとして脱炭素(ネットゼロ)社会へ貢献する事業の売上高比率を水環境・産業事業ともに20%以上、脱炭素(ネットゼロ)社会へ貢献する研究開発費の比率を30%以上と掲げております。当連結会計年度における売上高比率は水環境事業で38%、産業事業で42%、研究開発費は35%となりました。引き続き、気候変動などの環境課題の解決に取り組み、事業を通じて温室効果ガス削減へ貢献するため、カーボンニュートラルな資源である下水汚泥のエネルギー活用や、電気自動車などで利用されるリチウムイオン二次電池の材料を製造する設備の拡販を推進してまいります。
当社グループでは、月島ホールディングス代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会ならびにその下部組織である4つの分科会において、サステナビリティ経営に関連する各種施策の検討および推進に取り組んでおります。
2025年度の主要な実施事項は次のとおりです。
1.社員向けエンゲージメント調査に
基づく経営施策の継続的実行
:福利厚生の充実、ダイバーシティ&インクルージョンやキャリアアップに関する研修の実施、首都圏大地震を想定した事業継続計画(BCP)訓練の実施、経営陣とのタウンホールミーティングの開催、くるみん認定の取得等
2.温室効果ガス:八千代R&Dセンターへ太陽光発電設備の設置稼働、Scope3の算出等
3.人権尊重関連:サプライヤーアンケートの実施、人権ハンドブックに基づいた社内教育の実施
4.DX推進:基幹・人事システム刷新プロジェクトの推進

当社グループは、今後とも働きがいのある職場環境と制度の整備、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでまいります。
② 事業領域の拡充とグループ収益力の強化
水環境事業においては、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合しました。国内上下水道分野の設備老朽化に伴い更新需要が見込まれるなか、両社の経営資源・ノウハウを集約させ、技術・サービスを高度化し、強固な事業基盤を構築することで、水インフラ業界において強固な地位を確立し、リーディングカンパニーを目指してまいります。再生可能エネルギーを生み出す下水汚泥燃料化、消化ガス発電事業などの創エネルギー事業や、両社の技術を融合させた汚泥焼却炉『OdySSEA-TurboTM(オデッセアターボ)』の拡販などに取り組んでまいります。近年、案件数が増加しているPFI、DBO事業や包括O&M業務などの官民連携事業については、統合効果によりノウハウと実績を積み重ねることで対応力を強化してまいります。技術開発については、循環型社会の構築に貢献する下水からのリン回収技術やICT/AI活用技術に取り組んでおり、事業基盤および競争力の強化に努めてまいります。当事業年度における成果の一例として、遠隔支援やAIによる自律制御などを統合した、水インフラ運営向け次世代型総合デジタルソリューション『OPTINOA®(オプティノア)』の提供を開始しました。
産業事業においては、産業インフラ分野では月島機械株式会社がリチウムイオン二次電池の性能を左右する正極材活物質の製造に不可欠な晶析などの微粒子製造技術の強化を進めており、新たに開発した「超微粒子晶析装置」のテスト機を受注しました。また、化粧品・食品・医薬などのライフサイエンス分野向けではプライミクス株式会社の高速攪拌機、環境分野では月島環境エンジニアリング株式会社の廃液燃焼設備や固形廃棄物焼却設備などの受注が好調に推移しています。さらに各分野においてアフターサービスの強化にも注力し、安定的な受注の確保と収益基盤の強化に取り組んでまいります。
両事業に共通する施策として、温室効果ガス削減に貢献する環境ビジネスや成長性が見込める官民連携事業など付加価値の高い領域を「重点領域」と定義して事業領域をシフトし、2027年3月期は売上高1,520億円、営業利益110億円を目指してまいります。水環境事業では、2026年1月に水処理、下水処理の運転管理業務を展開する東日本エンジニアリング株式会社を子会社化した上で、同年4月に同社を月島ジェイテクノメンテサービス株式会社は吸収合併し、事業基盤を強化いたしました。産業事業では、アンモニア関連技術の活用を推進しており、半導体工場におけるアンモニア廃水処理案件の受注を拡大しております。引き続き、温室効果ガス削減に貢献するため、アンモニアなどの次世代エネルギー技術の開発・活用に取り組んでまいります。また、事業戦略会議を活用し、グループ横断での成長戦略に関する議論を推進することで、持続的な成長を目指してまいります。
③ 資本効率の向上と株主還元の拡充
当社グループは、ROEとROICを経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、中期経営計画で策定したキャピタルアロケーションに基づいて、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式の売却を実施し、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。当事業年度では、市川工場跡地における有形固定資産(物流施設)を売却しました。政策保有株式の売却については本中期経営計画の期間内に120億円以上としており、この3年間で93億円の売却を実施しております。売却により生じた資金については、中長期的な企業価値向上に向け、M&Aなどの成長投資や株主還元に最適配分してまいります。
株主還元につきましては、後掲「第4 提出会社の状況 3 配当政策」記載のとおり、適宜株主還元方針の見直しを行っております。
機動的な自己株式の取得にも取り組んでおり、2025年8月8日に120億円を上限とする自己株式取得(2025年8月12日~2026年8月10日)を決定し、同年10月3日までに上限額(約390万株)までの取得を実行しました。また、同年12月5日には、400万株の自己株式の消却も行いました。
今後も収益力の強化と株主還元の充実を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。

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