有価証券報告書-第86期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献することを企業理念として掲げております。
この企業理念を基本姿勢として、金属その他各種素材に対応する独創的な成形システムの開発・製造・販売・サービスを通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーと長期的な信頼関係を構築して、企業理念に掲げる人と社会への貢献を実現していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは当年度より新たな中期経営計画(2020年度~2022年度)をスタートさせました。
2021年度における売上高は620億円、営業利益は45億円(営業利益率7.3%)、中期経営計画の最終事業年度となる2022年度における売上高は700億円、営業利益は63億円(営業利益率9.0%)を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの重要マーケットである自動車業界の設備投資が減速するなか、競合他社との競争は激しさを増し、プレス製品の収益性は年々低下してきています。更に今般の新型コロナウイルス感染の拡大により、設備投資が停滞する可能性があります。
一方で、自動車産業における「CASE」への取組みを背景に、「電動化」「軽量化」「自動運転化」の流れは今後ますます加速する見込みです。また、お客様の生産現場において、生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上や、省エネ・脱CO2といった環境負荷低減に向けた取組みは待ったなしの状況であることに変わりはありません。先行き不透明な時代においても、当社グループはこのようなお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで、お客様とともに成長していくということを経営の基本方針とし、持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
(4) 当面の対処すべき課題の内容等
世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復しつつあり、自動車業界の設備投資についても、地域や分野によって強弱があるものの回復の兆しが見えてきています。特に各国が地球温暖化対策を強化するなか、EV等の電動車関連の需要が伸びている状況です。
このような状況の下、2020年度よりスタートした中期経営計画では、「環境・省エネ・技術進歩を支える先進企業として社会に貢献する」という経営ビジョンを掲げ、E「環境」S「社会」G「ガバナンス」への取組みを事業活動の柱として施策を展開しています。特に、自動車の「電動化」や「軽量化」といった次世代自動車のモノづくりや、お客様の生産現場における生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上、そして、お客様の生産現場における省エネ・脱CO2といった環境負荷の低減等、社会やお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
このような経営方針のもと、①技術革新、②経営基盤強化、③収益力向上、という3つの「基本施策」を軸に、①プレス事業、②自動機・FA事業、③保全・近代化事業といった3つの事業ごとに「事業別重点施策」を展開しております。これらの施策への取組みは下記のとおりです。
(基本施策)
① 技術革新― 商品競争力向上、成長事業育成・強化
自動車電動化への対応として、近年需要が拡大している駆動モーター生産用の高速プレスについて、プレスライン最適化に向けた開発を進めています。また、車体軽量化への対応として、サーボモーターの能力向上や成形背圧の油圧制御強化等、ハイテン材(高張力鋼板)、アルミ材、炭素繊維といった軽量素材への成形能力向上のための開発を進めています。新たな成長分野としては、プレス機械に装備するIoT技術を更に進化させ、プレスライン全体の稼働状況を3Dモニターにより可視化する等、DX(デジタルトランスフォーメーション)導入にも取組んでいます。
② 経営基盤強化― 技術革新を支える基盤を整備・強化
2020年度は中国子会社の整理・再編、国内子会社の統合等を実施しましたが、2021年度は国内組織について従来の機能別の縦割り組織を、事業別・製品別に改編し機能間の連携を強化します。また、旧来の人事制度を見直し、技術革新を担う人財、マネジメント人財、グローバル人財等、多様な人財を育成・登用するための新しい人事制度を導入します。システム面では、2020年度より取組んできた基幹システム改良を完成させ運営の定着化を進めます。更に、生産工場における5軸加工機の活用強化、設計と加工のシステム連動化、IoTによる工場稼働状況監視システム導入等、生産工程の合理化とスマート化を推進するとともに、既存生産設備の整理・見直しにも取組みます。
③ 収益力向上― 従来の収益構造を転換 プレス事業における競争が激しくなるなか、より付加価値の高い保全・近代化事業や自動機・FA事業に経営資源を投下して強化します。また、プレス事業では、EV等の次世代自動車へのシフトが加速することを踏まえ、従来部品成形用プレスへの依存から脱却し、高速プレス、精密プレス等の売上比率を上げプレス製品ミックスの改善を進めます。収益性が低下している中・大型プレスについては、価格競争力向上のため機種の絞り込みを行うとともに、調達や製造工程を見直し、コスト削減に注力します。
(事業別重点施策)
① プレス事業― 次世代自動車向けプレスを強化し、製品ミックスを改善
EV等の電動車の普及に伴い、駆動モーター生産用の高速プレスへの需要が拡大していることを踏まえ、同プレスを生産する津久井工場の更なる効率化と、新型コロナウイルスの影響で遅延していたマレーシア工場の新規設備稼働により需要増に対応します。価格競争が激しくなる大型のプレス機械についてはコスト削減に注力しつつ、サーボ技術を駆使した新型プレス機械の投入により製品差別化を図ってまいります。
② 自動機・FA事業― 制御技術の活用により付加価値を創造
次世代自動車対応として、ハイテン材やアルミ材等の搬送機能向上や、高速プレス・精密プレスの周辺装置の機能強化を進めています。当社が近年開発したプレス間搬送機D-MATは、センサーで材料の位置を揃えたり、型形状に沿った材料搬送ができる等、搬送柔軟性の高さが市場で評価されておりますが、更なる性能向上に向けた取組みを続けます。株式会社REJとの連携においても、当社サーボプレス仕様に合わせた制御システムの開発を終え、グループ一体での内製化が可能となりました。今後は順次、当社製プレス機械に搭載していきますが、専業メーカーとしての特徴を発揮し、能力向上とコスト削減を実現してまいります。また引き続き、企業買収・業務提携を通じ、プレス以外の新分野を積極的に開拓してまいります。
③ 保全・近代化事業― 予防保全・設備改良の「提案営業」を強化 設備の安心・安全を届けることをメーカーの使命として当該事業の強化に取組んでまいります。IoTを活用した部品交換時期の可視化を推進し顧客の予防保全対策を向上させるとともに、監視システムを活用したプレス機械のコンディション可視化にも取組んでまいります。また、プレスシステムの経年とともに周辺装置の設備改良といったニーズが高まっており、システム更新、デジタル保全システム導入等、生産性向上に向けた提案を積極的に展開します。これらの新しい取組みを推進すべく人財強化とサービス工場の整備も進めてまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献することを企業理念として掲げております。
この企業理念を基本姿勢として、金属その他各種素材に対応する独創的な成形システムの開発・製造・販売・サービスを通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーと長期的な信頼関係を構築して、企業理念に掲げる人と社会への貢献を実現していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは当年度より新たな中期経営計画(2020年度~2022年度)をスタートさせました。
2021年度における売上高は620億円、営業利益は45億円(営業利益率7.3%)、中期経営計画の最終事業年度となる2022年度における売上高は700億円、営業利益は63億円(営業利益率9.0%)を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの重要マーケットである自動車業界の設備投資が減速するなか、競合他社との競争は激しさを増し、プレス製品の収益性は年々低下してきています。更に今般の新型コロナウイルス感染の拡大により、設備投資が停滞する可能性があります。
一方で、自動車産業における「CASE」への取組みを背景に、「電動化」「軽量化」「自動運転化」の流れは今後ますます加速する見込みです。また、お客様の生産現場において、生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上や、省エネ・脱CO2といった環境負荷低減に向けた取組みは待ったなしの状況であることに変わりはありません。先行き不透明な時代においても、当社グループはこのようなお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで、お客様とともに成長していくということを経営の基本方針とし、持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
(4) 当面の対処すべき課題の内容等
世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復しつつあり、自動車業界の設備投資についても、地域や分野によって強弱があるものの回復の兆しが見えてきています。特に各国が地球温暖化対策を強化するなか、EV等の電動車関連の需要が伸びている状況です。
このような状況の下、2020年度よりスタートした中期経営計画では、「環境・省エネ・技術進歩を支える先進企業として社会に貢献する」という経営ビジョンを掲げ、E「環境」S「社会」G「ガバナンス」への取組みを事業活動の柱として施策を展開しています。特に、自動車の「電動化」や「軽量化」といった次世代自動車のモノづくりや、お客様の生産現場における生産設備の自動化・デジタル化による生産性向上、そして、お客様の生産現場における省エネ・脱CO2といった環境負荷の低減等、社会やお客様の普遍的な課題に対して解決策を提供することで持続的成長と企業価値拡大を実現してまいります。
このような経営方針のもと、①技術革新、②経営基盤強化、③収益力向上、という3つの「基本施策」を軸に、①プレス事業、②自動機・FA事業、③保全・近代化事業といった3つの事業ごとに「事業別重点施策」を展開しております。これらの施策への取組みは下記のとおりです。
(基本施策)
① 技術革新― 商品競争力向上、成長事業育成・強化
自動車電動化への対応として、近年需要が拡大している駆動モーター生産用の高速プレスについて、プレスライン最適化に向けた開発を進めています。また、車体軽量化への対応として、サーボモーターの能力向上や成形背圧の油圧制御強化等、ハイテン材(高張力鋼板)、アルミ材、炭素繊維といった軽量素材への成形能力向上のための開発を進めています。新たな成長分野としては、プレス機械に装備するIoT技術を更に進化させ、プレスライン全体の稼働状況を3Dモニターにより可視化する等、DX(デジタルトランスフォーメーション)導入にも取組んでいます。
② 経営基盤強化― 技術革新を支える基盤を整備・強化
2020年度は中国子会社の整理・再編、国内子会社の統合等を実施しましたが、2021年度は国内組織について従来の機能別の縦割り組織を、事業別・製品別に改編し機能間の連携を強化します。また、旧来の人事制度を見直し、技術革新を担う人財、マネジメント人財、グローバル人財等、多様な人財を育成・登用するための新しい人事制度を導入します。システム面では、2020年度より取組んできた基幹システム改良を完成させ運営の定着化を進めます。更に、生産工場における5軸加工機の活用強化、設計と加工のシステム連動化、IoTによる工場稼働状況監視システム導入等、生産工程の合理化とスマート化を推進するとともに、既存生産設備の整理・見直しにも取組みます。
③ 収益力向上― 従来の収益構造を転換 プレス事業における競争が激しくなるなか、より付加価値の高い保全・近代化事業や自動機・FA事業に経営資源を投下して強化します。また、プレス事業では、EV等の次世代自動車へのシフトが加速することを踏まえ、従来部品成形用プレスへの依存から脱却し、高速プレス、精密プレス等の売上比率を上げプレス製品ミックスの改善を進めます。収益性が低下している中・大型プレスについては、価格競争力向上のため機種の絞り込みを行うとともに、調達や製造工程を見直し、コスト削減に注力します。
(事業別重点施策)
① プレス事業― 次世代自動車向けプレスを強化し、製品ミックスを改善
EV等の電動車の普及に伴い、駆動モーター生産用の高速プレスへの需要が拡大していることを踏まえ、同プレスを生産する津久井工場の更なる効率化と、新型コロナウイルスの影響で遅延していたマレーシア工場の新規設備稼働により需要増に対応します。価格競争が激しくなる大型のプレス機械についてはコスト削減に注力しつつ、サーボ技術を駆使した新型プレス機械の投入により製品差別化を図ってまいります。
② 自動機・FA事業― 制御技術の活用により付加価値を創造
次世代自動車対応として、ハイテン材やアルミ材等の搬送機能向上や、高速プレス・精密プレスの周辺装置の機能強化を進めています。当社が近年開発したプレス間搬送機D-MATは、センサーで材料の位置を揃えたり、型形状に沿った材料搬送ができる等、搬送柔軟性の高さが市場で評価されておりますが、更なる性能向上に向けた取組みを続けます。株式会社REJとの連携においても、当社サーボプレス仕様に合わせた制御システムの開発を終え、グループ一体での内製化が可能となりました。今後は順次、当社製プレス機械に搭載していきますが、専業メーカーとしての特徴を発揮し、能力向上とコスト削減を実現してまいります。また引き続き、企業買収・業務提携を通じ、プレス以外の新分野を積極的に開拓してまいります。
③ 保全・近代化事業― 予防保全・設備改良の「提案営業」を強化 設備の安心・安全を届けることをメーカーの使命として当該事業の強化に取組んでまいります。IoTを活用した部品交換時期の可視化を推進し顧客の予防保全対策を向上させるとともに、監視システムを活用したプレス機械のコンディション可視化にも取組んでまいります。また、プレスシステムの経年とともに周辺装置の設備改良といったニーズが高まっており、システム更新、デジタル保全システム導入等、生産性向上に向けた提案を積極的に展開します。これらの新しい取組みを推進すべく人財強化とサービス工場の整備も進めてまいります。