有価証券報告書-第127期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 15:21
【資料】
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【項目】
149項目

有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは以下の経営理念と「一人一人の工夫と努力を結集し製・販・技の連携プレー強化によって、会社の繁栄と私達の生活向上を築きあげよう」を行動指針に定め、お客様からのニーズに迅速かつ的確にお応えできるよう努めております。
〈経営理念〉
1.顧客第一主義の考えに立ってすべての物事を進める。
2.環境の変化に柔軟に対応し適切な利益を確保して株主をはじめ関連先に報恩する。
3.社会との調和を図り、ワールドワイドな総合部品メーカーの地位を確保して人類の進運に寄与する。
4.常に革新と業績の向上に努めて会社の繁栄を図り社員の生活向上を築きあげる。
また、当グループは、さらなる成長を図るべく、第八次中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定いたしております。世界的なインフレと不安定な為替相場、金融政策の影響等により、引き続き不確実性の高い厳しい環境下にありますが、重点施策の遂行による企業価値向上に取り組む所存であります。
⦅目標値(2023年度)⦆
売上高:540億円以上、営業利益率:8%以上、非自動車エンジン売上高比率:15%以上
CO2排出量:△25%(2013年度対比)
⦅基本方針⦆
「Change as Chance」
~変化の中にこそチャンスあり~
⦅重点施策⦆
(1)全体最適なモノづくりシステムの構築
(2)コア技術・製品によるソリューション提供型開発営業の推進
(3)新製品事業開発・創出の強化
(4)人と組織の構造改革(意識改革)
(5)サステナブル企業への躍進
⦅行動指針⦆
新しい5S
・変化に対応できる Speed
・戦略を立案し実行できる Skill
・データに基づき科学的に判断 Science
・組織を良くしたいという熱意 Spirit
・安心安全な環境と心構え Safety
(2) 会社の対処すべき課題
今後の自動車市場は、短期的な循環局面や突発的な事象による変動局面等はあるものの、中期的には新興国における自動車需要拡大を中心に緩やかな拡大基調にあるものと考えております。一方で、自動車産業全体としては、地球温暖化問題やグローバルなエネルギー問題への対応に向けた環境規制の導入の動きに対し具体的な成果の発現が求められており、CASEに代表される100年に1度の変革期にあると言われる中で、多岐にわたる課題と向き合っております。特に近時では、電動化に向けた動きが加速しており、内燃機関関連部品メーカーとしては、このような情勢の変化にどう立ち向かって行くのかを不断に問われている状況と言えます。このような経営環境のなか、当グループは、サステナビリティを意識し、コンプライアンスの徹底、環境保護等の社会的責任を果たしつつ自己革新をすすめ、適正な利益を確保できる強靭な企業体質の構築と持続的な成長を目指してまいります。そのためには、高品質で価格競争力のある製品の開発、革新的生産技術、幅広い顧客ネットワーク等を活用して市場の要請に応えて行くこと、加えて新たな事業ポートフォリオを早期に構築することが重要と考えております。以上の認識を踏まえ、以下の取り組みを推しすすめてまいります。
① エンジンの進化への対応
電動化が低炭素社会実現の決め手のように言われる場合がありますが、エンジンもまた、電気自動車のエネルギー源である発電に対し、それを上回るCO2排出量削減の実績を示すことができれば環境負荷低減への有力な手段となるものであり、その大きな目標は達成されつつあるものと認識しております。また、近い将来において実用化が期待される水素エンジンの開発も重要なテーマとなっております。
低炭素社会の実現にエンジンが貢献するためには、エンジンの高熱効率化やクリーン化が必要となります。現在進められている水素エンジンやe-fuel等の合成燃料に関する研究開発も低炭素社会実現に大きく貢献することが期待されています。特に、現在世界で14-15億台保有されている既存車のクリーン化を図るには、合成燃料の活用が必要不可欠との考え方があります。当グループは、そのような前提条件を満たす耐摩耗性、耐久性等に優れた高機能自動車部品を生み出す技術開発を進め、積極的に市場の期待に応えてまいります。また、高精度かつ国際価格競争力のある量産の実現も重要な要素であり、引き続き注力いたします。加えて、技術提案型営業や開発機能の現地化に取り組んでおり、欧米メーカーや中国ローカルメーカーへの拡販等の成果が現れてきております。
今後ともエンジンの進化に貢献し、価格・品質両面で評価を受ける製品の供給に努めてまいります。
② 原価低減等の生産性改善、全体最適の実現
自動車メーカーは、エンジンの開発機種の統合をすすめており、機種当たりの生産量は増加していく傾向にあることから、生産におけるコスト競争力は、従来以上に重要になるものと考えております。当グループは、国内外の製造拠点を中心に原価低減活動を行っております。革新的生産ラインの導入、設備の自働化・省人化や、工法や段取りの改善、グローバル視点での調達最適化、消耗品等の内製化、工数・経費の削減、設備投資を通じた生産性改善や省電力化、QCサークル活動も含めた地道な効率化等を現場において部門横断的に社員が一体となって粘り強くすすめております。また、AI、IoT等の情報処理技術を活用したDX視点での生産性改善にも着手しております。今後は、拠点再編等も含めグループ内の生産にかかわる全体最適を検討する等、生産活動における収益力のさらなる強化に努めてまいります。
③ 新製品開発
当グループは、近時の電動化の流れを踏まえ、非自動車エンジンの分野で新たな事業の柱を構築する目的をもって新製品の開発に注力しております。他社より事業譲受したメタモールド(金属粉末射出成形部品)事業においては、自動車のステアリング部品やロボット用機能部品等、非自動車エンジンに関する部品の生産を行い、複雑な形状に対応できる製法の特性を活かして受注の拡大を図っております。また、生体適合性の高い金属素材による製品開発においては、有力先と連携し医療機器の製品化をすすめております。この度、かねてより協働いただいていた上智大学理工学部機能創造理工学科様に加え、慶應義塾大学医学部整形外科様のドクターともアドバイザリー契約を締結し、製品化を更に深化させてまいります。医療分野につきましては、昨年度に完全子会社として株式取得した㈱ノルメカエイシアのPMI(M&A後の統合プロセス)をすすめ、既存の当グループ顧客基盤も活用しつつシナジーを追求し、製造から販売まで事業領域の拡大を図ってまいります。加えて、圧粉コアによるアキシャルギャップ型モータの開発等、次の当グループを担う製品の事業化に向け、オープンイノベーションの推進を含めて積極的に取り組んでおります。これらの活動を通じて、新製品事業の育成を着実に推しすすめてまいります。
④ 業務効率化・組織の改革
コロナ禍による社会の変貌や自動車業界におけるCASEの進展等、変化の激しい時代にあって、各組織や人材が担う業務についても変化を踏まえた改善・変革努力が必要と認識しております。引き続き業務の効率化、スピード及び機能の向上を図りつつ、生産性を高め、従業員が仕事を通じて成長を実感できるようにしたいと考えます。従業員のウェルビーイングの上昇がエンゲージメントに繋がる好循環を産み出すような、業務や組織のあるべき姿を追求してまいります。
⑤ 足許の新型コロナウイルス感染拡大への対応
2022年度につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大は、部品供給の停滞、物流網の混乱、ロックダウンによる操業停止等、様々な形で生産活動に対し負の影響を及ぼしました。このような環境下においては、各メーカーは、生産調整や需要変動への適切な対応及び収益極大化、製品の安定供給、また、従業員やその家族、地域にとって安心・安全な環境の確保等への取り組みが必要と考えます。そのような中で、当グループといたしましては、固定費・経費の削減、柔軟かつ効率的な生産体制の確保、原価低減の推進による生産性の向上等により、生産変動に強く、減産下においても着実に利益を出せる筋肉質な収支構造への改善をすすめました。新型コロナウイルスにつきましては、感染症法上の分類が2023年5月8日より5類に移行し、一旦終息をみたものと捉えておりますが、今般の教訓を活かし、引き続き従業員及びその家族の安全を第一に考えた運営を行うとともに、リモートワークの推進等を含めた、あるべき働き方を追求いたします。加えて、製品供給につきましては、安定的な供給を図るべく、ステークホルダーの理解を得た生産拠点の相互補完体制の拡充、調達先の複数社化、在庫・仕掛のコントロール強化等をすすめております。今後とも社会情勢の変化に合わせ、当グループ経営へのリスクの波及をできる限り極小化するべく努力を続けてまいりたいと考えております。
⑥ プライム市場上場基準の達成
当社は、移行基準日(2021年6月30日)において流通株式時価総額がプライム市場上場基準を充足せず、2021年11月29日に「新市場区分の上場維持基準適合に向けた計画書」(以下、「計画書」といいます。)を東京証券取引所宛に提出し、経過措置の適用を受けております。当社は、株式会社リケンとの間で共同株式移転の方法により共同持株会社を設立し、対等の精神に基づく経営統合を行うことを合意いたしました。これに伴い両社は、両社株式の上場廃止及び2023年10月2日付で共同持株会社の新規上場を行うためのテクニカル上場申請を行う予定であり、当該共同持株会社の流通株式時価総額は、現時点においては上場基準に充足し、本課題は達成されることを想定しております。計画書につきましては、上記テクニカル上場申請が東京証券取引所に承認されることを条件に留保しておりますが、引き続きその計画の趣旨に従い企業価値向上に努めてまいります。
計画書の基本方針及びその具体的目標・進捗状況は、以下のとおりとなります。
(1)利益計画の確実な達成及び安定的な株主還元
(具体的目標)ROE目標の達成(2021年度6%以上、2023年度8%以上)、配当性向30%程度以上を目安とする安定配当の実施
(進捗状況) ROE:2021年度実績6.2%、2022年度実績5.2%
配当性向:2021年度実績28%、2022年度実績30%
(2)環境規制に対応した高品質の内燃機関部品の供給
(具体的目標)売上高目標の達成(2023年度540億円以上)
(進捗状況) 2021年度実績508億円、2022年度実績585億円
(3)新規事業の立ち上げ推進、事業ポートフォリオの段階的転換
(具体的目標)非自動車エンジン売上高比率目標の達成(2023年度15%以上)
(進捗状況) 2021年度実績14%、2022年度実績15%
(4)サステナビリティ経営の実現
上記方針は、①~⑥の重点課題への取組及び適切な配当政策の実現によって達成されるものと認識しております。引き続き経営努力を傾注してまいります。
また、当社は、引き続きPBRが大きく1倍を下回る状況が継続しております。PBR改善策につきましては、新たに発足する共同持株会社においてROE向上や株主還元策等を中心に検討のうえご報告したいと考えます。
上記「会社の対処すべき課題」に対してより効果的にスピード感をもって対処して行くため、今般、当社は、上述の通り株式会社リケンとの間で共同株式移転の方法により共同持株会社を設立し、対等の精神に基づく経営統合を行うことを選択いたしました。両社は、ピストンリング等の製品において競合先であり、また伝統に裏打ちされたコーポレートカルチャーを持った企業ですが、今後はお互いの強みを活かし「良いとこ取り」をしつつ、補強すべき点には協働して取り組むことによってシナジー効果を早期に発現し、イノベーティブに新たなソリューションを創造するグループとして再出発したいと考えております。詳細は、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載の通りであります。

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