臨時報告書

【提出】
2023/01/13 10:52
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じ。)第179条第1項に規定する特別支配株主(以下「特別支配株主」という。)である株式会社笹興(以下「笹興」という。)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」という。)の通知を受け、2023年1月10日開催の当社取締役会において、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2023年1月10日
(2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号株式会社笹興
本店の所在地大阪市福島区海老江五丁目2番2号
代表者の氏名代表取締役社長 笹倉 敏彦

(3) 当該通知の内容
当社は、笹興より、2023年1月10日付で、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(ただし、笹興及び当社を除く。以下「本売渡株主」という。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」という。)の全部を笹興に売り渡すことを請求する旨の通知を受領いたしました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号・第3号)
笹興は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」という。)として、その所有する本売渡株式1株につき4,100円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」という。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2023年2月9日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号・会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
笹興は、本売渡対価の支払のため、2022年12月28日付で株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」という。)との間で締結した金銭消費貸借契約に基づき、みずほ銀行から、本売渡対価の支払のための資金に相当する額の借入れを行うことを予定しております。
⑥ 上記のほか、本株式売渡請求に係る取引条件を定めるときは、その取引条件(会社法第179条の2第1項第6号・会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日における最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。ただし、当該方法により本売渡対価の交付ができなかった場合には、本売渡対価の交付について、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付について笹興が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2. 本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2023年1月10日
(2) 当該決定がされた年月日
2023年1月10日
(3) 当該決定の内容
笹興からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程
本株式売渡請求は、笹興が2022年11月11日から当社株式に対して実施した公開買付け(以下「本公開買付け」という。)に関して当社が提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」という。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、笹興が当社株式の全て(笹興が所有する当社株式及び当社が保有する自己株式を除く。)を取得することにより、当社を笹興の完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「本取引」という。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」という。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2022年11月10日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当社は、2022年8月15日に笹興から本取引に関する協議・交渉の申入れを受けるとともに、当社へ本取引を行うことを提案する旨の提案書(以下「本提案書」という。)の提出を受けたため、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、株式会社KPMG FAS(以下「KPMG FAS」という。)、リーガル・アドバイザーとしての北浜法律事務所・外国法共同事業(以下「北浜法律事務所」という。)から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に関する留意点等についての法的助言を踏まえ、笹興から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。なお、当社は、2022年8月22日開催の取締役会において、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてKPMG FAS、リーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所をそれぞれ選任することを正式に承認しております。
更に、当社は、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、構造的な利益相反の問題が存在することを踏まえ、当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当社取締役会において本取引を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものでないかどうかについての意見を取得することを目的として、2022年8月22日開催の当社取締役会において、本取引を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」という。)を設置する旨を決議し、笹興に対して本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨を連絡しました。本特別委員会は、2022年8月31日に、笹興、エスケイホールディングス及び笹倉敏彦氏、笹倉慎太郎氏、笹倉敏彦氏の配偶者である笹倉初美氏及びその他笹倉敏彦氏の親族20名並びに当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてKPMG FASの選任、並びにリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所の選任をそれぞれ承認しました。
上記体制の下、当社は、本提案書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、また、本特別委員会との間で事前に交渉方針を相談・検討するとともに、公開買付価格を含む本取引の条件に関する提案金額や提案理由に関する意見や指示を受ける等、交渉上重要な局面における本特別委員会による意見、指示、要請を受け、また、KPMG FAS及び北浜法律事務所の助言を受けながら、笹興との間で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、協議・検討を重ねてきました。
具体的には、当社は、2022年8月15日に笹興から本提案書を受領するとともに、本取引の実施に関する協議・交渉の申入れを受け、2022年8月22日に、笹興に対して、本取引の提案を検討するための特別委員会を設置し、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨を連絡した後、笹興より、2022年10月4日に、公開買付価格を1株当たり3,000円とする旨の価格提案書を受領しました。当該提案に対して、2022年10月7日に、当社は、当該提案価格が、当社の事業計画から想定される将来キャッシュ・フローに基づき、当社が選任した第三者算定機関であるKPMG FASが試算したDCF法による当社株式の株式価値に照らして低廉に留まること、及び、当該提案価格の当社株式の株価に対するプレミアム水準が、2019年6月28日以降に公表され、公開買付けが成立している38件のマネジメント・バイアウト(MBO)事例(ただし、買収対象会社が債務超過である案件を除く。)におけるプレミアム(公表日の前営業日の終値に対して38.79%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して40.93%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して44.96%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.07%)と比しても不十分であることから、提案価格は合理的な水準と判断できないとして、少数株主保護の観点から提案内容の再検討を要請しました。その後、当社は、2022年10月18日に、2019年6月28日以降に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例における平均的なプレミアム水準も踏まえ、公開買付価格を1株当たり3,800円とする旨の価格提案書を笹興より受領したものの、2022年10月21日に、当該提案価格は、当社の事業計画から想定される将来キャッシュ・フローに基づき、当社が選任した第三者算定機関であるKPMG FASが試算したDCF法による当社株式の株式価値に照らし、依然として当社株式の本源的価値を十分に反映した価格ではないとして、少数株主保護の観点から、提案内容の再検討を再度書面にて要請しました。かかる要請を行った後、当社は、2022年11月1日に、笹興から、前回提案後の市場株価の動向、当社からの上記要請を勘案して、最終提案として、公開買付価格を1株当たり4,100円とする旨の価格提案書を受領しました。
これを受け、当社は、2022年11月2日、少数株主の皆様の利益を最大限追求する観点から、更なる増額の検討を要請しました。その後、当社は、笹興から、2022年11月8日、本公開買付価格を4,100円とする上記提案価格について、上記のとおり十分なプレミアムを加えた価格であると考えており、笹興として最大限の提案であるとして改めて当該提案価格を示されました。
これに対し、当社は、KPMG FASによる株式価値算定の内容を踏まえ、総合的に勘案した結果、本公開買付価格である4,100円及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格及び条件であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断したため、当該提案を応諾し、本公開買付価格を4,100円とすることに合意するとの回答をしました。
更に、当社は、リーガル・アドバイザーである北浜法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2022年11月10日付で答申書(以下「本答申書」という。)の提出を受けました。(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーである北浜法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるKPMG FASから取得した当社の株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」という。)の内容を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引が当社グループの企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
(ⅰ) 昨今の新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ軍事侵攻のような予測困難な事態に対し機動的な経営判断を行うという観点に加え、世界的なインフレ進行によるグローバルベースでの金融引締め政策による景気の後退懸念、米国金利上昇を引き金とする急激な円安進行、軟調な日本株式市場等、当社単独でコントロールし得ないマクロ環境のスピーディな変化に対しても柔軟に対応できる組織・体制の構築が必要であると考えられること。
(ⅱ) 本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の笹興が本取引後に検討している各施策についても、慎重に検討を行った結果、(a) 業務フローの変革による業務の効率化については、2020年9月に発足させた次世代情報基盤構築委員会(Infrastructure For Next Generation, 略称 ING委員会)を中心に検討を進めているところであり、かかる施策をより一層推進することは重要であり、(b) 近年の技術革新、世界的な環境問題への意識向上など、当社を取り巻く事業環境が変化する中、従来の事業セグメントの延長線上だけでは、当社も永続的に事業を運営していくことは難しく、変化する事業環境の中で当社が生き残っていくための更に踏み込んだ施策として、新たな販路確立が不可欠であり、(c) 世界的なSDGsに対する意識の高まりを受け、当社としても、今後事業を継続する上で、サステナビリティの強化に関わる社会的要請に応えていく使命があると考えられること。
(ⅲ) 一方、上記各施策による事業構造の改革を推進するにあたっては、業務効率化のためのシステムや組織の構築、販路の拡大、研究開発等に経営資源を短期集中的に投下する必要があり、積極的かつ十分な先行投資が必要となると考えているところ、かかる投資による効果が実現するまでには時間がかかる可能性があることをも考慮すると、短期的には当社グループの業績や財務状況の悪化をもたらすリスクがあり、当社が上場を維持したまま各施策を実施した場合には、資本市場から十分な評価を得ることができず、当社株式の株価が下落し、株式価値を毀損する可能性があると考えられること。
(ⅳ) このような状況下において、当社としても、当社の株主に対して発生する可能性のある上記の悪影響を回避しつつ、中・長期的な視点で当社グループの組織構造の改革を推進する経営体制を構築することが必要であり、また、当社グループの経営に長年携わり、その事業内容を最も熟知している笹倉敏彦氏及び笹倉慎太郎氏が継続して経営にあたることが、機動的かつ柔軟な経営判断を行い、上記施策の実効性を高める観点から有用であることから、笹興によるマネジメント・バイアウト(MBО)の手法により当社株式を非公開化することが必要であると考えられること。
(ⅴ) 一般に、株式の非公開化に伴って、知名度の向上による優れた人材の確保や社会的な信用の向上、資本市場からの資金調達を行うといったメリットを以後享受できなくなることが挙げられるものの、当社は、近年ブランド力や社会的な信用も事業活動を通じて維持・獲得される部分がより大きくなっており、また、当社株式を上場した1994年以降、資本市場からの資金調達を行っておらず、昨今の間接金融における良好な資金調達環境に鑑みても、当面は当社における資本市場からの資金調達の必要性は高くないと考えられることから、当社の資金調達面に関する上場廃止の影響は限定的と考えられること。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格(1株当たり4,100円)は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ⅰ) 当該価格が、当社において、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の関与の下、笹興との間で十分な交渉を重ねた結果、合意された価格であること。
(ⅱ) 当該価格が、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載の本株式価値算定書におけるKPMG FASによる当社株式の価値算定結果の市場株価法及びDCF法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っていること。
(ⅲ) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年11月9日の株式会社東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,600円に対して57.69%、2022年11月9日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,627円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じ。)に対して56.07%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,601円に対して57.63%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,534円に対して61.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であって、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表された、公開買付けが成立したマネジメント・バイアウト(MBO)事例38件(ただし、買収対象会社が債務超過である案件を除く。)のプレミアムの平均値(公表日の前営業日の株価に対して38.79%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して40.93%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して44.96%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.07%)に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること。
(ⅳ) 当該価格は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
なお、本公開買付価格は、当社の2022年9月30日現在の簿価純資産額である22,091百万円を本基準株式数(3,062,776株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である7,189円を約43%下回っているものの、受注型ビジネスにおける特殊性の高い仕掛品(2022年9月30日時点、5,678百万円)、原材料(2022年9月30日時点、652百万円)、並びに工場・機械装置及び研究設備(2022年9月30日時点、1,672百万円)をはじめとした流動性の低い事業用資産が多く含まれていることに加え、債権回収期間において回収条件(納入した機械・設備・装置による淡水生産量が基準値を上回ること)が付与されているサウジアラビアの売上債権(2022年9月30日時点、5,082百万円)の早期回収に伴う費用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コストや清算に伴う従業員の割増退職金等、相当な追加コストの発生等を考慮すると、資産売却等に伴い生じる具体的な金額等の試算までは行っていないものの、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、上記の仕掛品、原材料、工場・機械装置、研究設備、サウジアラビアの売掛債権の合計額13,085百万円は当社の簿価純資産の約59%を占めることから、相当程度毀損することが考えられます。また、純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
こうした判断の下、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年11月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議しております。
当社取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2022年12月27日、笹興より、本公開買付けの結果について、当社株式1,152,623株の応募があり、そのすべてを取得することになった旨の報告を受けました。この結果、2023年1月4日(本公開買付けの決済の開始日)付で、笹興の所有する議決権所有割合(注)は97.23%となり、笹興は、当社の特別支配株主に該当することになりました。
(注) 「議決権所有割合」とは、当社が2022年11月11日に提出した第76期第2四半期報告書に記載された2022年9月30日現在の当社の発行済株式総数(3,113,800株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(51,024株)を控除した株式数(3,062,766株)に係る議決権の数(30,627個)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下同じ。)をいいます。
このような経緯を経て、当社は、笹興より、2023年1月10日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、2023年1月10日開催の当社取締役会において、(ⅰ) 本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、当社が笹興の完全子会社になることが当社の企業価値向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(ⅱ) 本売渡対価は、本公開買付価格と同一であり、本公開買付価格の決定に際しては、本答申書を取得する等、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(ⅲ) 笹興は、本売渡対価を、みずほ銀行からの5,500百万円を限度とした借入れ(以下「本銀行融資」という。)により支払うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しているところ、当社としても、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、本銀行融資に係る2022年11月10日付融資証明書を確認した結果、笹興が本売渡対価の支払のための資金を確保できると合理的に認められること、及び、笹興によれば、本売渡対価の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識されていないとのこと等から、笹興による本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ) 本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ) 本公開買付けの開始日以降2023年1月10日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(ⅵ)本特別委員会が、本株式売渡請求についても検討をした上で、本取引は少数株主に不利益ではない旨の本答申書を提出していること等を踏まえ、本売渡対価を含む本株式売渡請求の条件等は妥当であると判断し、笹興からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
なお、当社取締役のうち、当社の代表取締役社長である笹倉敏彦氏は笹興の代表取締役社長、当社の代表取締役副社長である笹倉慎太郎氏は笹興の取締役であり、いずれも本公開買付け後も継続して当社の経営に当たることを予定していることから、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点より、それぞれ、上記の2023年1月10日開催の当社取締役会における本株式売渡請求の承認に係る審議及び決議には一切参加しておりません。
以上