有価証券報告書-第49期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を営む情報通信、エレクトロニクス関連市場は「5G」の商用化やAI、IoTの活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展等に伴う成長が見込まれております。また、自動車関連市場はCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と呼ばれる大きな転換期を迎え、成熟しながらも進化が続く見通しであります。しかし、これらの市場は総じて変化のスピードが速く、世界の競合企業との競争環境は年々厳しさが増しております。さらに、製品に不可欠な半導体部品や樹脂材料の供給が安定せず、部材の確保と仕入れ価格の高騰が懸念されております。
また、2020年年初から世界にまん延している新型コロナウイルス感染症は、ワクチンの供給が始まったものの、2021年に入るとウイルスの変異種が急激に拡大しており、予断を許さない状況が続いております。年度末現在、世界経済は回復基調にありますが、再び経済活動を停止せざるを得ない状況に陥れば、当社グループの業績にもブレーキがかかるリスクがあります。
そうした中で当社グループは、いかなる事業環境下においても継続的に企業価値を向上させることのできる強固な企業体質を確立するべく、中期経営計画『マスタープラン2016』の遂行に取り組んでおります。『マスタープラン2016』は2016年度から開始し、当社グループが第50期を迎える2021年度を最終年度とする経営計画で、当連結会計年度で5年間が終了しました。計画の中では、当社グループが目指す企業ビジョンを次のとおり定めております。
■ 企業ビジョン
私たちは「世界の顧客のベストパートナーとなる」ために挑戦し続けます。
・精密技術で、顧客から最も頼りにされる存在となります。
・柔軟な発想で、新事業・新製品・新技術を創造します。
中期経営計画『マスタープラン2016』では、当社グループが目指す企業ビジョンを実現するために対処すべき課題として次の3点を認識しております。
(1) 既存事業の収益力強化
当社グループは、精密加工や精密成形、光学技術を技術資源とし、世界に向けて事業展開を行っています。その事業領域は、自動車や通信インフラ、ノートパソコンやモバイル端末等のエレクトロニクス機器をはじめ、放送用、測定用機器等、多岐に渡っています。それぞれの市場環境は異なるものの、総じて環境変化は加速度的に早くなり、競合企業との競争は国家や業界の垣根を越えて激化する傾向にあります。ワクチンの接種が進めば、新型コロナウイルスの感染拡大は収束に向かうと想定しておりますが、いかなる環境下でもシェアを伸ばし、中長期的な売上と利益の成長を実現するためには販売力と価格競争力の強化が欠かせません。
販売力を高める上ではまず、的確なマーケティングを通して成長市場を見極め、その市場に求められるニーズと当社グループが有する技術や製品との接点を把握することが重要です。また、新しいお客様と出会う機会を数多く作り出すためにも、展示会への出展や新聞、雑誌等へのプレスリリース、ホームページ等のメディアを通して当社グループの技術や製品を積極的に広報し、市場での認知度を高めてまいります。並行して新製品、新技術の開発からリリースまでの時間を短縮し、技術、品質、性能の各面でお客様の期待を超えるサービスを提供してまいります。
価格競争力の強化に向けては、「生産」「購買」「物流」の各方面の最適化を図ることにより、製造原価のさらなる低減を目指します。生産面では各工場において、自動化を含む生産工程の改善や製品設計の改良等を通してリードタイムの短縮に取り組むほか、小集団活動等を通して不良率の低減を推進しています。購買面では、世界中の取引先との良好なパートナーシップを維持しながら、最良の部材を最も適切な価格で調達できる体制の構築を目指すほか、物流面では受注から納品までの無駄を排除し、コストと時間を最小化するサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。
(2) 事業ポートフォリオの最適化
当社グループが将来に向けて安定的に企業価値を向上し続けることのできる企業グループとなるためには、成熟した市場の中で安定的にキャッシュを生み出す「収益基盤事業」、成長する市場の中で需要の増加に比例してキャッシュの増加が見込める「成長牽引事業」を確保する一方、未来の「収益基盤事業」「成長牽引事業」の創出に向けて、「成長期待事業」の早期収益化や「次世代事業」の開拓が不可欠であります。
当社グループは現在、自動車向けや電子機器向けの精密成形品、光コネクタ製造機器や検査装置、光伝送装置といった「収益基盤事業」「成長牽引事業」を確保しています。「成長期待事業」に位置付けていた光通信用部品は、「5G」の本格的な稼働に向けたインフラ投資の拡大やデータセンター建設の増加を機に事業収益を改善し、「成長牽引事業」へと移行させることができました。また2018年7月には、連結子会社である杭州精工技研有限公司が中国国内の投資会社と共同出資し、新会社「浙江精工光電科技有限公司」を設立しました。同社は中国の大手IT企業に向けてデータセンター用部品の販売を行い、光通信用部品を「収益基盤事業」へとさらに進化させるための営業活動を展開しております。自動車や電子機器以外の用途に向けた精密成形品とレンズは「成長期待事業」に位置付けておりますが、現在、展示会やホームページ等を介して様々な業界のお客様から引き合いをいただいており、量産に向けて試作成形を繰り返しています。「成長期待事業」の収益力を向上させ、より競争力のある「成長牽引事業」へと早期に移行させるべく取り組む一方、採算の確保が困難な事業は合理化を実施していきます。
また、「収益基盤事業」と「成長牽引事業」で創出したキャッシュを利用して、自動車や医療機器、バイオ等、今後の成長が見込める産業分野に新しい「次世代事業」を見出し、育てていくことも欠かせません。当社グループは、創出したキャッシュを滞留させることなく次代を担う事業群の創出へと活用することにより、永続的な企業成長を可能とする最適な事業ポートフォリオを構築してまいります。
(3) 経営基盤の強化
永続的な企業価値の成長を実現していくためには、環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各側面の改善を通して経営基盤を強化することが重要と考えています。
環境面においては、「高品質な商品を安定して製造すること」が最も地球に優しい事業活動である(無駄な資源・エネルギーを消費しない、無駄な廃棄物を排出しない)と考え、品質管理体制の維持と改善に取り組んでいます。また、製造工程における環境負荷物質の排除など、開発・設計・製造・販売のあらゆる企業活動において継続的な環境改善の実施に努めています。
社会面においては、働き方改革「メリハリワーク」を導入して個々の社員の能力向上と業務効率の改善に取り組み、当社単体の時間外労働は前期比約3%削減することができました。当連結会計年度においては、時間単位の有給休暇制度の導入や喫煙場所の屋外への移転、社屋の耐火性向上のための改修工事等を行い、社員の安全確保とより働きやすい職場環境づくりに取り組みました。
企業統治面においては、2016年6月に監査等委員会設置会社へと移行しました。当連結会計年度末現在、9名の取締役のうち4名の独立社外役員を選任しており、取締役会の監視機能の強化を図っております。また2016年6月には、当社の中長期的な業績や株式価値と、取締役報酬との連動性を明確にする目的で、取締役に対して業績連動型株式報酬制度を導入しました。2018年3月には執行役員制度を導入して権限を委譲し、意思決定スピードの迅速化を図っております。
当社グループは、中期経営計画『マスタープラン2016』で明確化した方針と施策を引き続き遂行することにより、成長の土台となる経営基盤を一層強化し、より幅広い産業領域において永続的に社会の発展に貢献する企業グループとなるべく、努力してまいりたいと考えております。
当社グループが事業を営む情報通信、エレクトロニクス関連市場は「5G」の商用化やAI、IoTの活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展等に伴う成長が見込まれております。また、自動車関連市場はCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と呼ばれる大きな転換期を迎え、成熟しながらも進化が続く見通しであります。しかし、これらの市場は総じて変化のスピードが速く、世界の競合企業との競争環境は年々厳しさが増しております。さらに、製品に不可欠な半導体部品や樹脂材料の供給が安定せず、部材の確保と仕入れ価格の高騰が懸念されております。
また、2020年年初から世界にまん延している新型コロナウイルス感染症は、ワクチンの供給が始まったものの、2021年に入るとウイルスの変異種が急激に拡大しており、予断を許さない状況が続いております。年度末現在、世界経済は回復基調にありますが、再び経済活動を停止せざるを得ない状況に陥れば、当社グループの業績にもブレーキがかかるリスクがあります。
そうした中で当社グループは、いかなる事業環境下においても継続的に企業価値を向上させることのできる強固な企業体質を確立するべく、中期経営計画『マスタープラン2016』の遂行に取り組んでおります。『マスタープラン2016』は2016年度から開始し、当社グループが第50期を迎える2021年度を最終年度とする経営計画で、当連結会計年度で5年間が終了しました。計画の中では、当社グループが目指す企業ビジョンを次のとおり定めております。
■ 企業ビジョン
私たちは「世界の顧客のベストパートナーとなる」ために挑戦し続けます。
・精密技術で、顧客から最も頼りにされる存在となります。
・柔軟な発想で、新事業・新製品・新技術を創造します。
中期経営計画『マスタープラン2016』では、当社グループが目指す企業ビジョンを実現するために対処すべき課題として次の3点を認識しております。
(1) 既存事業の収益力強化
当社グループは、精密加工や精密成形、光学技術を技術資源とし、世界に向けて事業展開を行っています。その事業領域は、自動車や通信インフラ、ノートパソコンやモバイル端末等のエレクトロニクス機器をはじめ、放送用、測定用機器等、多岐に渡っています。それぞれの市場環境は異なるものの、総じて環境変化は加速度的に早くなり、競合企業との競争は国家や業界の垣根を越えて激化する傾向にあります。ワクチンの接種が進めば、新型コロナウイルスの感染拡大は収束に向かうと想定しておりますが、いかなる環境下でもシェアを伸ばし、中長期的な売上と利益の成長を実現するためには販売力と価格競争力の強化が欠かせません。
販売力を高める上ではまず、的確なマーケティングを通して成長市場を見極め、その市場に求められるニーズと当社グループが有する技術や製品との接点を把握することが重要です。また、新しいお客様と出会う機会を数多く作り出すためにも、展示会への出展や新聞、雑誌等へのプレスリリース、ホームページ等のメディアを通して当社グループの技術や製品を積極的に広報し、市場での認知度を高めてまいります。並行して新製品、新技術の開発からリリースまでの時間を短縮し、技術、品質、性能の各面でお客様の期待を超えるサービスを提供してまいります。
価格競争力の強化に向けては、「生産」「購買」「物流」の各方面の最適化を図ることにより、製造原価のさらなる低減を目指します。生産面では各工場において、自動化を含む生産工程の改善や製品設計の改良等を通してリードタイムの短縮に取り組むほか、小集団活動等を通して不良率の低減を推進しています。購買面では、世界中の取引先との良好なパートナーシップを維持しながら、最良の部材を最も適切な価格で調達できる体制の構築を目指すほか、物流面では受注から納品までの無駄を排除し、コストと時間を最小化するサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。
(2) 事業ポートフォリオの最適化
当社グループが将来に向けて安定的に企業価値を向上し続けることのできる企業グループとなるためには、成熟した市場の中で安定的にキャッシュを生み出す「収益基盤事業」、成長する市場の中で需要の増加に比例してキャッシュの増加が見込める「成長牽引事業」を確保する一方、未来の「収益基盤事業」「成長牽引事業」の創出に向けて、「成長期待事業」の早期収益化や「次世代事業」の開拓が不可欠であります。
当社グループは現在、自動車向けや電子機器向けの精密成形品、光コネクタ製造機器や検査装置、光伝送装置といった「収益基盤事業」「成長牽引事業」を確保しています。「成長期待事業」に位置付けていた光通信用部品は、「5G」の本格的な稼働に向けたインフラ投資の拡大やデータセンター建設の増加を機に事業収益を改善し、「成長牽引事業」へと移行させることができました。また2018年7月には、連結子会社である杭州精工技研有限公司が中国国内の投資会社と共同出資し、新会社「浙江精工光電科技有限公司」を設立しました。同社は中国の大手IT企業に向けてデータセンター用部品の販売を行い、光通信用部品を「収益基盤事業」へとさらに進化させるための営業活動を展開しております。自動車や電子機器以外の用途に向けた精密成形品とレンズは「成長期待事業」に位置付けておりますが、現在、展示会やホームページ等を介して様々な業界のお客様から引き合いをいただいており、量産に向けて試作成形を繰り返しています。「成長期待事業」の収益力を向上させ、より競争力のある「成長牽引事業」へと早期に移行させるべく取り組む一方、採算の確保が困難な事業は合理化を実施していきます。
また、「収益基盤事業」と「成長牽引事業」で創出したキャッシュを利用して、自動車や医療機器、バイオ等、今後の成長が見込める産業分野に新しい「次世代事業」を見出し、育てていくことも欠かせません。当社グループは、創出したキャッシュを滞留させることなく次代を担う事業群の創出へと活用することにより、永続的な企業成長を可能とする最適な事業ポートフォリオを構築してまいります。
(3) 経営基盤の強化
永続的な企業価値の成長を実現していくためには、環境(Environmental)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各側面の改善を通して経営基盤を強化することが重要と考えています。
環境面においては、「高品質な商品を安定して製造すること」が最も地球に優しい事業活動である(無駄な資源・エネルギーを消費しない、無駄な廃棄物を排出しない)と考え、品質管理体制の維持と改善に取り組んでいます。また、製造工程における環境負荷物質の排除など、開発・設計・製造・販売のあらゆる企業活動において継続的な環境改善の実施に努めています。
社会面においては、働き方改革「メリハリワーク」を導入して個々の社員の能力向上と業務効率の改善に取り組み、当社単体の時間外労働は前期比約3%削減することができました。当連結会計年度においては、時間単位の有給休暇制度の導入や喫煙場所の屋外への移転、社屋の耐火性向上のための改修工事等を行い、社員の安全確保とより働きやすい職場環境づくりに取り組みました。
企業統治面においては、2016年6月に監査等委員会設置会社へと移行しました。当連結会計年度末現在、9名の取締役のうち4名の独立社外役員を選任しており、取締役会の監視機能の強化を図っております。また2016年6月には、当社の中長期的な業績や株式価値と、取締役報酬との連動性を明確にする目的で、取締役に対して業績連動型株式報酬制度を導入しました。2018年3月には執行役員制度を導入して権限を委譲し、意思決定スピードの迅速化を図っております。
当社グループは、中期経営計画『マスタープラン2016』で明確化した方針と施策を引き続き遂行することにより、成長の土台となる経営基盤を一層強化し、より幅広い産業領域において永続的に社会の発展に貢献する企業グループとなるべく、努力してまいりたいと考えております。