有価証券報告書-第37期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/28 13:32
【資料】
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【項目】
130項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、年々重要度が高まる海洋石油・ガス開発の分野において、浮体式設備の設計・建造・据付、販売、リース、チャーター及びオペレーションを中核事業とし、海洋石油・ガス開発プロジェクトに関わるトータルサービスを世界各国の石油開発会社に提供しております。
事業の展開にあたっては以下の経営目標を掲げ、21世紀の資源エネルギーを支えるグローバル企業として、幅広く社会に貢献してまいります。
・ 浮体式設備の分野で、世界的に信頼される企業を目指します。
・ 浮体式設備の建造・販売、リース、チャーター及びオペレーション等の営業形態の多様化により、事業ポートフォリオの最適化を図り、当社グループの安定的発展を推進します。
・ 事業領域を拡大し、顧客に対してトータルソリューションを提供します。
・ 上記の企業活動を通じ、海洋開発事業の担い手として広く社会に貢献します。
(2) 経営環境等
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、経済社会活動の正常化が進み、個人消費や企業収益などについて持ち直しの動きが見られたものの、急激な円安進行や諸物価の高騰等により、先行きは不透明な状況で推移しました。世界経済においても、各国で新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和政策が取られ、総じて経済社会活動の正常化が進み回復基調となりましたが、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、資源価格・原材料価格が高騰し、急激にインフレが進行致しました。
原油価格は、EUによるロシア産原油の禁輸措置の導入を発端に、供給不足が強まるとの見方などから、一時1バレル120米ドル台前半へ上昇したものの、その後中国経済の下振れや、主要先進国の金融引き締めによる景気後退への懸念から、エネルギー需要が減少するとの見方が強まった結果、2022年12月末は1バレル70米ドル台で取引を終えました。この様な状況から、脱炭素の流れと併存しつつ、安定したエネルギー供給を維持することは依然重要な課題であり、石油会社による深海油田開発は当面継続すると考えられます。また、浮体式海洋石油・ガス生産設備についても、特に当社グループが強みを持つ超大水深大型プロジェクト向けのFPSOについては、今後も安定した需要が見込まれます。
しかしながら、当社グループを取り巻く事業環境は、脱炭素化、再生可能エネルギーの更なる普及、デジタル技術の進化など大きく変化しております。こうした事業環境の変化を確実に捉え、既存事業で確実に収益を確保しつつ、浮体式洋上風力発電、環境に配慮したFPSOの開発、デジタルソリューション事業など、将来の新たな収益源の開拓を着実に進めてまいります。
(3) 経営戦略等
当社は、サステナブルな社会の実現に貢献することを当社の長期ビジョンとして描いております。長期ビジョンの実現に向けて、「本業の収益力徹底強化」、「新規事業の研究開発・育成への投資」及び「環境・社会的要請への取組」という3つの中長期戦略のサイクルを回し続ける事で事業モデルの進化を目指します。
2021年からの3カ年の中期経営計画においては、重要テーマとして①アセット・インテグリティ(安定操業を実現する生産設備の設計・建造及び機能の維持)の改善、②デジタライゼーション戦略推進、③研究開発:FPSOに次ぐ将来の収益源の育成、④環境・社会的要請への取り組みの4つを設定いたしました。
・アセット・インテグリティの改善:
船齢が上昇している初期ブラジル船の集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメントにより、安全に石油・ガスを生産し続ける為のトータルサービス提供に注力いたします。
・デジタライゼーション戦略推進:
「更なるFPSO操業の効率化」、「操業から上流工程へデジタル適用領域拡大」及び「デジタルソリューション事業の立ち上げ」をデジタル戦略の柱として事業モデルを進化させます。
・研究開発:
FPSOのゼロエミッション化を進めるとともに、FPSOに次ぐ将来の収益源の育成に向け、独自の浮体構造及び係留技術(TLP)を活用した浮体式洋上風力発電設備の事業化への取り組みを加速させます。
・環境・社会的要請への取り組み:
国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals (SDGs))が掲げる17の目標のうち、当社が最も貢献できると考える5つの目標を選定し、達成に向けた重点的な取り組みを推進いたします。
目標5、「ジェンダー平等を実現しよう」
目標7、「エネルギーを皆に、そしてクリーンに」
目標8、「働きがいも経済成長も」
目標13、「気候変動に具体的対策を」
目標14、「海の豊かさを守ろう」
これらの活動の成果として、2023年に達成すべき数値目標は親会社株主に帰属する当期利益200百万米ドルを掲げていたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により建造工事に遅延が生じ追加費用が発生したことや、アセット・インテグリティの改善に係る費用が想定以上に増加したこと等から2023年の通期業績予想における親会社の所有者に帰属する当期利益を45百万米ドルといたしました。
指標2023年度目標2022年度実績目標との差異
ROE12.0%5.6%6.4%

(4) 継続企業の前提に関する重要事象等
前連結会計年度末において、当社を借入人とする借入契約及び社債について財務制限条項に抵触している状態となっておりましたが、金融機関等との財務制限条項の改定の合意により、当連結会計年度末において、財務制限条項に抵触する状態は解消しております。
以上から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在しないと判断しております。
(5) 対処すべき課題
① アセット・インテグリティの改善
大水深大規模な海洋油田の開発が進み、FPSO等も大型化・複雑化する傾向にあります。当社グループは、2000年代前半より業界に先駆けて大水深大規模な海洋油田開発向けのFPSO等を受注してまいりました。しかしながら、初期の段階で受注したFPSO等につきましては、アセット・コンディション維持に関して近年のFPSOとは異なる課題に直面しており、安全性の確保を優先させたことから、稼働率の低下を余儀なくされておりました。
石油・ガスの安定かつ安全な生産は当社グループの最重要課題の一つであり、アセット・インテグリティの改善を中期経営計画の重要テーマに設定し、集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメント等の対応を進めております。
② 大水深大規模プロジェクト同時遂行能力の強化
脱炭素化の流れは加速しておりますが、一方で温室効果ガス排出量の削減に取り組みつつ原油・天然ガスの安定的な確保に向けてFPSO等の潜在需要は底堅く、新規案件の開発も環境等に配慮しながら着実に進むものと予想されております。良好な市場環境が続く中、当社グループは、これまで積み上げてきた多くのプロジェクト遂行実績を基に、更なるコスト競争力の強化に努め受注機会の増加に向けた取り組みを進めております。
一方、FPSO等の建造工事の工期は一般的に3年から4年を要することから、受注機会が増加することにより複数の建造工事を同時に遂行する能力が必要となります。当社グループは、プロジェクト・マネジメント力の強化を進めプロジェクト・マネジャーをはじめとする人材育成を続けるとともに、実績のある企業との協業等を行うことで同時遂行能力の強化に努めてまいります。
③ 資金調達の多様化
FPSO等のプロジェクトの増加及び大型化に伴い当社グループの資金需要は拡大しており、当社では、資本市場からの調達や金融機関からの借り入れによる資金調達力の強化に努めております。チャータープロジェクトの遂行に際してプロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社をはじめとするパートナーとの提携など、資金調達手法の多様化及び資金調達ソースの拡大に取り組んでおります。

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