有価証券報告書-第69期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 15:11
【資料】
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【項目】
81項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度においては、中国を中心とした新興国の景気に減速基調が見られるものの最悪期は脱したと判断され、米国の減速にも一定の歯止めがかかったと思われます。欧州においては緩やかな拡大基調を維持し続けるなど、総じて世界経済は持ち直しの様相にあります。一方で、米国の金融・通商政策の転換や欧州での政治情勢の不透明感など、世界景気下振れのリスクは依然として残っています。国内では家計部門の改善が遅れているものの、世界経済の持ち直しを受けて企業の設備投資や輸出が底堅く推移し、景気は緩やかな持ち直しを維持しています。
このような経営環境のもと、当社はそれぞれのセグメントにおいて取り組み課題の解決に努めました。その結果、当事業年度の業績は売上高18,898,816千円(前期比8.2%減)、営業利益286,575千円(前期比57.8%減)、経常利益279,634千円(前期比59.2%減)、当期純利益178,046千円(前期比60.2%減)となりました。
セグメント別の業績概要は、以下の通りです。
(電子機能材事業)
電子機器や電子部品に使用される部材の表面処理加工を主とする電子機能材事業では、売上高6,277,563千円(前期比1.1%増)となりました。自動車部品向け、産業機器などに使われるパワーモジュール関連、医療機器向けなどのフィルム関連製品は、ほぼ計画通りの堅調な推移となっています。他方、スマートフォンやタブレット端末の精密コネクタ等が中心となる民生関連では、期首に見られた需要の減速感も解消し、徐々に受注状況が改善してきました。民生関連では製品規格、品質や価格に対する要求が年々厳しくなってきており、新鋭設備の導入や製造方法を見直すことで貴金属の使用量を削減するなど、収益性の維持・改善を図っています。取り組みの効果が出るにはしばらく時間を要する見込みとなっているのに加え、減価償却費や労務費などの費用負担の増大もあり、当セグメントの経常利益は80,986千円(前期比83.3%減)となりました。
(電気機能線材事業)
電線・配線用ケーブル・通信用ケーブルなどの伸線加工を主とする電気機能線材事業では、前事業年度に比べて銅の価格が相対的に下落したことから売上高は12,621,252千円(前期比12.3%減)となりました。主力の設備用電線など建設・電販向けでは、一時的に受注の停滞があったものの順調に回復し、当事業年度を通じては堅調な推移となりました。非電線用途の異形線加工も順調に推移し、全体の受注を押し上げました。新規に導入した鋳造設備の稼働状況も安定してきており、コスト低減への効果も見え始めています。その結果、当セグメントの経常利益は198,647千円(前期比0.8%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物は129,237千円(前期比47,434千円減)となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローで489,973千円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローで966,239千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローで428,831千円の収入となったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、489,973千円の収入(前期は687,371千円の収入)となりました。主な収入は税引前当期純利益278,985千円、減価償却費465,212千円、仕入債務の増加額647,882千円であり、主な支出は、売上債権の増加額580,076千円、棚卸資産の増加額238,801千円、法人税等の支払額133,928千円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは966,239千円の支出(前期は1,070,146千円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出960,652千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額200,000千円のほか、長期借入れによる収入1,180,000千円、長期借入金の返済による支出416,724千円、配当金の支払額134,444千円などにより428,831千円の収入(前期は298,167千円の収入)となりました。