有価証券報告書-第92期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
(1) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境については、船舶事業では新造船船価に回復の兆しが見える一方で、船腹供給過剰の状況が続いており船価レベルは依然低水準にとどまっております。さらに受注環境においても新造船の大量竣工が続いており、国内外の造船所との競争は益々激化していくものと予想されます。また、機械事業では当社の主力製品であるクランク軸など船舶用機器業界においても、一部回復傾向はあるものの新造船マーケットの低迷等により依然として厳しい環境が続いています。
このような経営環境に対応するため、当社グループは「新中期経営計画」を策定し昨年5月17日に公表いたしました。この計画に基づき、売上規模を維持・拡大しつつ環境変化に対して耐久性のある収益構造を確立し、2015年度の黒字化及び2016年度以降の収益安定を実現すべく全社を挙げて取り組んでおります。また、当社グループ全体のガバナンス強化及び経営資源の最適配分により、企業価値の向上を図っていく方針です。
セグメント別の主な取組みとしては、当社の主力事業である新造船事業においては、市場環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築するためのベストオペレーション体制の確立、生産効率の向上及び資機材価格の低減によるコスト競争力の強化に取り組んでいます。また、高付加価値船の開発力強化へ取り組んでおり、幅広浅喫水の省エネ船である85千重量トン型バルクキャリアーや省エネ化を進化させた78千重量トン型バルクキャリアーを市場に投入しました。修理船事業については、大型艦艇船などへの対応力強化のための技術力強化や戦略的設備投資の実施による艦艇事業の強化、一般商船事業のコストダウンによる競争力強化により受注拡大を図ります。機械事業においては、これまでのクランク軸一極依存からの脱却を目指し、舶用LPGタンクなどの化工機及び港湾構造物の受注拡大に取り組んでいます。さらに、これら既存事業に加え新規事業として再生可能エネルギー分野を中心に事業性の検討を行っております。
以上により、引き続き当社の伝統を活かし、さらに時代の変化を先取りすべく自己変革を追求し、全社一丸となって厳しい時代を勝ち抜いていく所存です。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、旧佐世保海軍工廠をルーツとし、昭和21年10月の創業以来、「顧客の信頼に応えうる品質とサービスを提供する」を基本精神に、伝統ある技術と豊富な実績を活かしつつ変革を進め、顧客の長期的な満足を得られる高品質製品の開発と製造販売に注力しております。また、平成21年10月1日の会社創立63周年を機に、新たに「企業理念」、「旗印」及び「社員行動指針」を3つの志として制定いたしました。すなわち「伝統と変革」を旗印に、「地元の期待に応え、日本社会の役に立ち、世界からも信頼されるものづくり企業になろう、そうあり続けよう。」の企業理念の下、安全や品質、環境保護を大切にする社員行動指針に沿って事業を行うことで、企業価値・株主共同の利益の向上に努めております。
当社が、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させていくためには、上記に加えて①船舶分野を中心に長年にわたって培ってきた伝統ある技術力と豊富な実績を基に、得意分野に注力しつつ、顧客のニーズに合った高品質製品を開発・製造すること、②伝統を守り、その強みを活かしつつも、時代の趨勢と社会のニーズに沿った事業形態の変革を実現していくこと、③基地所在の造船所として、顧客、地域社会との間で長期間にわたって築いてきた信頼・協力関係を維持・発展させること、④地域に根ざした事業等を通じて築き上げられた、内外からの信頼と期待に応え得る企業活動を行うこと、等が不可欠であると考えており、これらが中長期的に確保され、向上させられなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。従って、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、これらの点を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式について大規模買付行為がなされる場合、これが当社グループの企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付等の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
こうした事情に鑑み、当社は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行ったりすること等を可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止できる体制を設けておくことが必要であると考えております。
② 具体的な取組み
(ⅰ) 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、創業以来の基本精神である「顧客の信頼に応えうる品質とサービスを提供する」ことや、伝統ある技術と豊富な実績を活かしつつ変革を進め、顧客の長期的な満足を得られる高品質製品の開発と製造販売を行う方針で事業を運営しております。加えて、平成21年10月1日に制定した3つの志、すなわち「企業理念」、「旗印」及び「社員行動指針」に沿って事業を行うことで、企業価値・株主共同の利益の向上に努めております。このような着実な経営を行うことで、地元の期待に応え、日本社会の役に立ち、世界からも信頼されるものづくり企業になることを目指しております。
当社グループを取り巻く経営環境については、船舶事業では新造船船価に回復の兆しが見える一方で、船腹供給過剰の状況が続いており船価レベルは依然低水準にとどまっております。さらに受注環境においても新造船の大量竣工が続いており、国内外の造船所との競争は益々激化していくものと予想されます。また、機械事業では当社の主力製品であるクランク軸など船舶用機器業界においても、一部回復傾向はあるものの新造船マーケットの低迷等により依然として厳しい環境が続いています。
このような経営環境に対応するため、当社グループは「新中期経営計画」を策定し昨年5月17日に公表いたしました。この計画に基づき、売上規模を維持・拡大しつつ環境変化に対して耐久性のある収益構造を確立し、2015年度の黒字化及び2016年度以降の収益安定を実現すべく全社を挙げて取り組んでおります。また、当社グループ全体のガバナンス強化及び経営資源の最適配分により、企業価値の向上を図っていく方針です。
セグメント別の主な取組みとしては、当社の主力事業である新造船事業においては、市場環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築するためのベストオペレーション体制の確立、生産効率の向上及び資機材価格の低減によるコスト競争力の強化に取り組んでいます。また、高付加価値船の開発力強化へ取り組んでおり、幅広浅喫水の省エネ船である85千重量トン型バルクキャリアーや省エネ化を進化させた78千重量トン型バルクキャリアーを市場に投入しました。修理船事業については、大型艦艇船などへの対応力強化のための技術力強化や戦略的設備投資の実施による艦艇事業の強化、一般商船事業のコストダウンによる競争力強化により受注拡大を図ります。機械事業においては、これまでのクランク軸一極依存からの脱却を目指し、舶用LPGタンクなどの化工機及び港湾構造物の受注拡大に取り組んでいます。さらに、これら既存事業に加え新規事業として再生可能エネルギー分野を中心に事業性の検討を行っております。
以上により、引き続き当社の伝統を活かし、さらに時代の変化を先取りすべく自己変革を追求し、全社一丸となって厳しい時代を勝ち抜いていく所存です。
また当社は、当社経営陣の株主に対する経営責任を一層明確化するため、平成18年6月29日開催の当社第84回定時株主総会において取締役の任期を1年としています。内部監査部門を中心に会社法及び金融商品取引法の下での内部統制システムの維持強化への取り組み、並びに定期的な内部監査及び業務改善指導を行っており、今後とも一層の企業統治の仕組みの強化と経営の透明性確保を図り、さらなる企業価値の向上と株主共同の利益の確保・向上を追求する所存です。
(ⅱ) 基本方針に照らして不適切なものによって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成24年5月18日開催の取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策。以下「本プラン」といいます。)を更新することを、定款に基づいた株主総会において新株予約権無償割当てに関する事項の決定を行うことの当社取締役会への委任について株主の皆様から承認をいただくことを条件として決議し、平成24年6月26日開催の当社第90回定時株主総会において承認をいただいております。
本プランは、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との協議・交渉等の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。
本プランは、当社株式について、(a)買付者の株券等保有割合が20%以上となる買付等、(b)公開買付を行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付等(以下、併せて「買付等」といいます。)を対象とします。
当社株式について買付等が行われる場合、当社取締役会は、業務提携に伴う場合など別途認めた場合を除き、買付等又はその提案を行う者(以下、併せて「買付者等」といいます。)に対し、買付等に際して本プランに定める手続を遵守する旨の誓約文言及び買付等の情報を記載した「買付説明書」の提出を求め、受領した買付説明書を当社経営陣から独立した者から構成される独立委員会に提供します。独立委員会において、必要に応じて外部専門家の意見等も踏まえた上で買付説明書及び当社取締役会からの意見や代替案等の評価・比較検討等を行い、また買付者等との交渉や株主の皆様への情報開示を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を遵守しなかった場合、または当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であるなど、本プランに定める要件のいずれかに該当し新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、独立委員会規程に従い、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。この新株予約権は、1円(または当社株式1株の時価の2分の1の金額を上限として当社取締役会が新株予約権無償割当ての決議において定める金額)を払い込むことにより、原則として当社株式1株を取得することができるものですが、買付者等による権利行使が認められないという行使条件が付されています。また、当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されており、当社がかかる条項に基づく取得をする場合、本新株予約権1個と引換えに、原則として当社株式1株が交付されます。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施または不実施の決議を行うものとします。当社取締役会は、上記決議を行った場合速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
当社取締役会は、独立委員会から新株予約権の無償割当て実施に関する事項の株主総会への付議を勧告された場合には、速やかに株主総会を招集し、株主の皆様の意思の確認を行い、その結果に従います。一方、独立委員会から新株予約権の無償割当て実施もしくは不実施の勧告を受けた場合には、当社取締役会は、当該勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の決議を行い、実施を決議した場合には株主の皆様に対して新株予約権を無償にて割り当てます。
本新株予約権は、当社取締役会が定める金額を払い込むことによって当社株式が交付されるものですが、定款第15条に基づき、買付者等による権利行使制限及び当社が当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる条件が付されております。
新株予約権の無償割当て実施後、買付者等以外の株主の皆様により新株予約権が行使された場合、または、当社により買付者等以外の株主の皆様に対して新株予約権と引換えに当社株式が交付された場合、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じますが、株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません。この場合、買付者等の保有する当社株式の議決権割合は最大50%まで希釈化される可能性があります。一方、新株予約権の無償割当て実施後、新株予約権の行使期間前日までの間に当社取締役会が必要と判断して実施を決議した場合、もしくは独立委員会が必要と判断してその旨勧告し、当社取締役会がその実施を決議した場合、当社は割り当てた新株予約権のすべてを無償にて取得することができます。この場合には株主の皆様が保有する1株当たりの当社株式の価値の希釈化は生じません。なお新株予約権の無償割当てが実施され、新株予約権の無償取得もしくは新株予約権との引換えによる当社株式の交付が行われていない場合において、権利行使期間中に株主の皆様が権利行使の手続きを行わない場合はその保有株式の価値に希釈化が生じる場合があります。
本プランの有効期間は、平成24年6月26日開催の当社第90回定時株主総会の終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。ただし、当該有効期間の満了前であっても(a)当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または(b)当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
前記②(ⅰ)に記載した経営計画及びそれに基づく諸施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは前記②(ⅱ)に記載したとおり当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。特に本プランは経済産業省及び法務省による買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること、株主総会において株主の皆様の承認を得た上で更新されているものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、本プランの実施・不実施等の判断に際して当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の評価・判断を経た上で決定されること、独立委員会がその評価・判断の過程において独立した第三者の助言を得ることができること、有効期間が最長約3年と定められた上で、その期間満了前であっても株主総会・取締役会の決議により廃止することが可能であることなどにより公正性・客観性・透明性が担保されており、高度な合理性を有し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループを取り巻く経営環境については、船舶事業では新造船船価に回復の兆しが見える一方で、船腹供給過剰の状況が続いており船価レベルは依然低水準にとどまっております。さらに受注環境においても新造船の大量竣工が続いており、国内外の造船所との競争は益々激化していくものと予想されます。また、機械事業では当社の主力製品であるクランク軸など船舶用機器業界においても、一部回復傾向はあるものの新造船マーケットの低迷等により依然として厳しい環境が続いています。
このような経営環境に対応するため、当社グループは「新中期経営計画」を策定し昨年5月17日に公表いたしました。この計画に基づき、売上規模を維持・拡大しつつ環境変化に対して耐久性のある収益構造を確立し、2015年度の黒字化及び2016年度以降の収益安定を実現すべく全社を挙げて取り組んでおります。また、当社グループ全体のガバナンス強化及び経営資源の最適配分により、企業価値の向上を図っていく方針です。
セグメント別の主な取組みとしては、当社の主力事業である新造船事業においては、市場環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築するためのベストオペレーション体制の確立、生産効率の向上及び資機材価格の低減によるコスト競争力の強化に取り組んでいます。また、高付加価値船の開発力強化へ取り組んでおり、幅広浅喫水の省エネ船である85千重量トン型バルクキャリアーや省エネ化を進化させた78千重量トン型バルクキャリアーを市場に投入しました。修理船事業については、大型艦艇船などへの対応力強化のための技術力強化や戦略的設備投資の実施による艦艇事業の強化、一般商船事業のコストダウンによる競争力強化により受注拡大を図ります。機械事業においては、これまでのクランク軸一極依存からの脱却を目指し、舶用LPGタンクなどの化工機及び港湾構造物の受注拡大に取り組んでいます。さらに、これら既存事業に加え新規事業として再生可能エネルギー分野を中心に事業性の検討を行っております。
以上により、引き続き当社の伝統を活かし、さらに時代の変化を先取りすべく自己変革を追求し、全社一丸となって厳しい時代を勝ち抜いていく所存です。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、旧佐世保海軍工廠をルーツとし、昭和21年10月の創業以来、「顧客の信頼に応えうる品質とサービスを提供する」を基本精神に、伝統ある技術と豊富な実績を活かしつつ変革を進め、顧客の長期的な満足を得られる高品質製品の開発と製造販売に注力しております。また、平成21年10月1日の会社創立63周年を機に、新たに「企業理念」、「旗印」及び「社員行動指針」を3つの志として制定いたしました。すなわち「伝統と変革」を旗印に、「地元の期待に応え、日本社会の役に立ち、世界からも信頼されるものづくり企業になろう、そうあり続けよう。」の企業理念の下、安全や品質、環境保護を大切にする社員行動指針に沿って事業を行うことで、企業価値・株主共同の利益の向上に努めております。
当社が、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させていくためには、上記に加えて①船舶分野を中心に長年にわたって培ってきた伝統ある技術力と豊富な実績を基に、得意分野に注力しつつ、顧客のニーズに合った高品質製品を開発・製造すること、②伝統を守り、その強みを活かしつつも、時代の趨勢と社会のニーズに沿った事業形態の変革を実現していくこと、③基地所在の造船所として、顧客、地域社会との間で長期間にわたって築いてきた信頼・協力関係を維持・発展させること、④地域に根ざした事業等を通じて築き上げられた、内外からの信頼と期待に応え得る企業活動を行うこと、等が不可欠であると考えており、これらが中長期的に確保され、向上させられなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。従って、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、これらの点を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式について大規模買付行為がなされる場合、これが当社グループの企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付等の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
こうした事情に鑑み、当社は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様がかかる大規模買付行為に応じるべきか否かを判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行ったりすること等を可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止できる体制を設けておくことが必要であると考えております。
② 具体的な取組み
(ⅰ) 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、創業以来の基本精神である「顧客の信頼に応えうる品質とサービスを提供する」ことや、伝統ある技術と豊富な実績を活かしつつ変革を進め、顧客の長期的な満足を得られる高品質製品の開発と製造販売を行う方針で事業を運営しております。加えて、平成21年10月1日に制定した3つの志、すなわち「企業理念」、「旗印」及び「社員行動指針」に沿って事業を行うことで、企業価値・株主共同の利益の向上に努めております。このような着実な経営を行うことで、地元の期待に応え、日本社会の役に立ち、世界からも信頼されるものづくり企業になることを目指しております。
当社グループを取り巻く経営環境については、船舶事業では新造船船価に回復の兆しが見える一方で、船腹供給過剰の状況が続いており船価レベルは依然低水準にとどまっております。さらに受注環境においても新造船の大量竣工が続いており、国内外の造船所との競争は益々激化していくものと予想されます。また、機械事業では当社の主力製品であるクランク軸など船舶用機器業界においても、一部回復傾向はあるものの新造船マーケットの低迷等により依然として厳しい環境が続いています。
このような経営環境に対応するため、当社グループは「新中期経営計画」を策定し昨年5月17日に公表いたしました。この計画に基づき、売上規模を維持・拡大しつつ環境変化に対して耐久性のある収益構造を確立し、2015年度の黒字化及び2016年度以降の収益安定を実現すべく全社を挙げて取り組んでおります。また、当社グループ全体のガバナンス強化及び経営資源の最適配分により、企業価値の向上を図っていく方針です。
セグメント別の主な取組みとしては、当社の主力事業である新造船事業においては、市場環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築するためのベストオペレーション体制の確立、生産効率の向上及び資機材価格の低減によるコスト競争力の強化に取り組んでいます。また、高付加価値船の開発力強化へ取り組んでおり、幅広浅喫水の省エネ船である85千重量トン型バルクキャリアーや省エネ化を進化させた78千重量トン型バルクキャリアーを市場に投入しました。修理船事業については、大型艦艇船などへの対応力強化のための技術力強化や戦略的設備投資の実施による艦艇事業の強化、一般商船事業のコストダウンによる競争力強化により受注拡大を図ります。機械事業においては、これまでのクランク軸一極依存からの脱却を目指し、舶用LPGタンクなどの化工機及び港湾構造物の受注拡大に取り組んでいます。さらに、これら既存事業に加え新規事業として再生可能エネルギー分野を中心に事業性の検討を行っております。
以上により、引き続き当社の伝統を活かし、さらに時代の変化を先取りすべく自己変革を追求し、全社一丸となって厳しい時代を勝ち抜いていく所存です。
また当社は、当社経営陣の株主に対する経営責任を一層明確化するため、平成18年6月29日開催の当社第84回定時株主総会において取締役の任期を1年としています。内部監査部門を中心に会社法及び金融商品取引法の下での内部統制システムの維持強化への取り組み、並びに定期的な内部監査及び業務改善指導を行っており、今後とも一層の企業統治の仕組みの強化と経営の透明性確保を図り、さらなる企業価値の向上と株主共同の利益の確保・向上を追求する所存です。
(ⅱ) 基本方針に照らして不適切なものによって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成24年5月18日開催の取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策。以下「本プラン」といいます。)を更新することを、定款に基づいた株主総会において新株予約権無償割当てに関する事項の決定を行うことの当社取締役会への委任について株主の皆様から承認をいただくことを条件として決議し、平成24年6月26日開催の当社第90回定時株主総会において承認をいただいております。
本プランは、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との協議・交渉等の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。
本プランは、当社株式について、(a)買付者の株券等保有割合が20%以上となる買付等、(b)公開買付を行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付等(以下、併せて「買付等」といいます。)を対象とします。
当社株式について買付等が行われる場合、当社取締役会は、業務提携に伴う場合など別途認めた場合を除き、買付等又はその提案を行う者(以下、併せて「買付者等」といいます。)に対し、買付等に際して本プランに定める手続を遵守する旨の誓約文言及び買付等の情報を記載した「買付説明書」の提出を求め、受領した買付説明書を当社経営陣から独立した者から構成される独立委員会に提供します。独立委員会において、必要に応じて外部専門家の意見等も踏まえた上で買付説明書及び当社取締役会からの意見や代替案等の評価・比較検討等を行い、また買付者等との交渉や株主の皆様への情報開示を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を遵守しなかった場合、または当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であるなど、本プランに定める要件のいずれかに該当し新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、独立委員会規程に従い、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。この新株予約権は、1円(または当社株式1株の時価の2分の1の金額を上限として当社取締役会が新株予約権無償割当ての決議において定める金額)を払い込むことにより、原則として当社株式1株を取得することができるものですが、買付者等による権利行使が認められないという行使条件が付されています。また、当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されており、当社がかかる条項に基づく取得をする場合、本新株予約権1個と引換えに、原則として当社株式1株が交付されます。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施または不実施の決議を行うものとします。当社取締役会は、上記決議を行った場合速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
当社取締役会は、独立委員会から新株予約権の無償割当て実施に関する事項の株主総会への付議を勧告された場合には、速やかに株主総会を招集し、株主の皆様の意思の確認を行い、その結果に従います。一方、独立委員会から新株予約権の無償割当て実施もしくは不実施の勧告を受けた場合には、当社取締役会は、当該勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の決議を行い、実施を決議した場合には株主の皆様に対して新株予約権を無償にて割り当てます。
本新株予約権は、当社取締役会が定める金額を払い込むことによって当社株式が交付されるものですが、定款第15条に基づき、買付者等による権利行使制限及び当社が当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる条件が付されております。
新株予約権の無償割当て実施後、買付者等以外の株主の皆様により新株予約権が行使された場合、または、当社により買付者等以外の株主の皆様に対して新株予約権と引換えに当社株式が交付された場合、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じますが、株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません。この場合、買付者等の保有する当社株式の議決権割合は最大50%まで希釈化される可能性があります。一方、新株予約権の無償割当て実施後、新株予約権の行使期間前日までの間に当社取締役会が必要と判断して実施を決議した場合、もしくは独立委員会が必要と判断してその旨勧告し、当社取締役会がその実施を決議した場合、当社は割り当てた新株予約権のすべてを無償にて取得することができます。この場合には株主の皆様が保有する1株当たりの当社株式の価値の希釈化は生じません。なお新株予約権の無償割当てが実施され、新株予約権の無償取得もしくは新株予約権との引換えによる当社株式の交付が行われていない場合において、権利行使期間中に株主の皆様が権利行使の手続きを行わない場合はその保有株式の価値に希釈化が生じる場合があります。
本プランの有効期間は、平成24年6月26日開催の当社第90回定時株主総会の終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。ただし、当該有効期間の満了前であっても(a)当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または(b)当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
前記②(ⅰ)に記載した経営計画及びそれに基づく諸施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは前記②(ⅱ)に記載したとおり当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。特に本プランは経済産業省及び法務省による買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること、株主総会において株主の皆様の承認を得た上で更新されているものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、本プランの実施・不実施等の判断に際して当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の評価・判断を経た上で決定されること、独立委員会がその評価・判断の過程において独立した第三者の助言を得ることができること、有効期間が最長約3年と定められた上で、その期間満了前であっても株主総会・取締役会の決議により廃止することが可能であることなどにより公正性・客観性・透明性が担保されており、高度な合理性を有し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。