訂正内部統制報告書-第93期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2016/12/14 13:38
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

取締役社長金原利道は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用している。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものである。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である平成27年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠した。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定している。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行った。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社、連結子会社及び持分法適用関連会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定した。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社6社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定した。なお、上記以外の連結子会社6社及び持分法適用関連会社2社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めていない。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の前連結会計年度の売上高の金額が高い拠点から合算していき、前連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している3事業拠点を「重要な事業拠点」とした。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象とした。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加している。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、当事業年度末時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

平成28年9月に当社本社工場、堀山下工場並びに山陽工場において不適切な会計処理(以下「本件不適切会計処理」といいます。)が行われていた疑義が発覚いたしました。
当社はこの事実を受けて、本件不適切会計処理の事実関係の調査に加え、本件不適切会計処理に類似する事象の有無の調査、過年度の会計処理に及ぼす影響の調査、発生原因の分析及び再発防止策の提言を目的として、平成28年10月31日付で外部の弁護士・公認会計士を招き入れた調査委員会を設置いたしました。
調査委員会による調査の結果、当社工場における仕掛品の完成品計上、完成品、仕掛品、材料の架空計上等が行われていたことが確認されました。
これにより、当社は、過年度の決算を訂正するとともに、平成24年3月期第1四半期から平成29年3月期第1四半期までの有価証券報告書及び四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
本件不適切会計処理は、当社の業績が必ずしも堅調に推移しているとはいえない中、各工場において、工場利益の維持・確保を目指すという意識が強く働いていたこと、一部の従業員の規範意識が鈍磨していたこと、適正な財務報告に対する意識が低かったこと、当社の工場では会計処理に関連する部分についてマニュアル処理の比重が高く本件不適切会計処理の実行が容易であったこと、棚卸に係る内部統制上の不備があったこと、各工場の上部組織である製造統括部による監督機能が十分に機能していなかったこと等により発生したものと考えております。
このような当社の全社的な内部統制の一部及び在庫管理プロセスの一部に関する内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。なお、上記の開示すべき重要な不備は、当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、開示すべき重要な不備を是正するため、調査委員会からの報告等を踏まえ、以下の再発防止策を実施してまいります。
(1) コンプライアンス最優先の意識改革
(2) 規程類の明確化・棚卸プロセスの見直し
(3) 業績評価・人事制度の見直し
(4) 予算制度の見直し
(5) 内部監査体制の強化
(6) 法令遵守体制の強化