有価証券報告書-第92期(2025/02/01-2026/01/31)
②戦略
当社では、気候関連のリスクと機会は、中長期にわたり当社の事業活動に影響を与える可能性があると認識しています。外部環境の変化や様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、TCFD提言におけるシナリオ分析の枠組みを活用し、1.5℃シナリオ・4℃シナリオの双方において、気候変動が当社事業に影響を及ぼすリスク・機会の特定と、その時間軸や可能性、財務影響度の評価を行いました。
シナリオ分析の結果、気候関連リスクは当社事業に対しマイナスの影響を与えうると想定される一方、電動車や半導体への需要が大幅に高まることにより当社の主力事業である電機部品・電子部品・金型事業において大きな気候関連機会が想定され、当社は気候変動に対して一定のレジリエンスを有しているものと認識しています。シナリオ分析については、継続的な実施を検討しています。
TCFDシナリオ前提
当社では、気候関連のリスクと機会は、中長期にわたり当社の事業活動に影響を与える可能性があると認識しています。外部環境の変化や様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、TCFD提言におけるシナリオ分析の枠組みを活用し、1.5℃シナリオ・4℃シナリオの双方において、気候変動が当社事業に影響を及ぼすリスク・機会の特定と、その時間軸や可能性、財務影響度の評価を行いました。
シナリオ分析の結果、気候関連リスクは当社事業に対しマイナスの影響を与えうると想定される一方、電動車や半導体への需要が大幅に高まることにより当社の主力事業である電機部品・電子部品・金型事業において大きな気候関連機会が想定され、当社は気候変動に対して一定のレジリエンスを有しているものと認識しています。シナリオ分析については、継続的な実施を検討しています。
| シナリオの概要 | 発現時期 | 可能性 | 影響度 | 当社事業に想定される影響 | 対応策 | ||
| 1.5℃シナリオ | 炭素税などの炭素排出政策が導入・強化される | 中長期 | 高い | 中 | リスク | 脱炭素施策の導入・強化が必須となり、事業活動に必要なエネルギーや資材の調達コストが増加する。 当社グループの2021年度Scope 1、2 排出量9.8万トン-CO2に対し、WEO 2021 NZEシナリオにおける2030年の先進国カーボンプライス予測となる$130(1米ドル=149.7円と想定、当社2025年度平均為替レート)のコスト負担が必要になると、約19.4億円のコスト負担増となる。 | 生産時の資源使用量の削減や、使用電力の再エネ化、太陽光パネルによる創エネの推進等の脱炭素施策を推進 |
| 省エネ・再エネ・脱炭素関連技術が進展する | 中長期 | 高い | 大 | 機会 | 脱炭素施策の効果が発現する場合、エネルギー・資材調達コストが抑制される。 | 環境負荷を低減する製品や技術の開発推進により、高まる需要に対応するとともに製品の競争力を強化 | |
| 燃費・排ガスや使用電力の規制が強化されるとともに市場や消費者のニーズが変化し、社会の脱炭素化に必要となる電動車や半導体への需要が増加する | 短期 | 高い | 大 | リスク | ガソリン車の需要減少・電動車や半導体の需要増加といった顧客業界における需要変化により、売上構成が変化する。また、モーターコア・リードフレーム・金型への需要の増加に伴い、競合環境の激化や原材料調達コストの上昇が生じる。 | 省資源・省エネルギーに貢献する製品・部品の供給拡大と生産性向上に取り組み競争力を維持・強化するとともに、適切な原材料調達及び販売価格戦略を徹底 | |
| 機会 | 電動車や半導体の需要増加に伴いモーターコア・リードフレーム・金型への需要が増加し、売上と利益が増加する。 例として、WEO 2021 NZEシナリオにおいて、グローバルでの新車販売に占めるEV車の割合は、2021年の約9%から2030年には60%超へと大きく拡大すると見込まれている。 | ||||||
| サプライチェーン全体の脱炭素化が進展する | 中期 | 高い | 大 | リスク | 環境負荷の高い製品が敬遠され、顧客からの製品の脱炭素化への要請に対応が遅れると、売上が減少する。 | 生産時の排出量削減による製品の脱炭素化への取り組みを推進 | |
| 機会 | 製品の脱炭素化への取り組み推進により、顧客からのサプライチェーンの脱炭素化への要請に対応できる場合、売上が増加する。 | ||||||
| 気候変動に対する投資家・ステークホルダーの注目が高まり情報開示義務が拡大される | 中期 | 高い | 大 | リスク | 気候変動への対応や情報開示が遅れると、企業価値やブランドイメージが棄損する。 | 脱炭素施策を遂行し、非財務情報開示を強化 | |
| 機会 | 脱炭素施策の遂行と非財務情報開示の強化により、投資家・ステークホルダーからの評価や信頼が向上した場合、企業価値も向上する。 | ||||||
| 4℃ シナリオ | 異常気象が激甚化・高頻度化し、これに伴う自然災害が増加する | 長期 | 中程度 | 大 | 急性リスク | 工場設備等の被災やサプライチェーンの寸断により操業が停止する。 | 事業拠点のリスクの把握と、BCP(事業継続計画)の策定・強化により、サプライチェーンを含めた事業全体のレジリエンスを強化し、災害リスクを抑制 |
| 平均気温が上昇する | 長期 | 中程度 | 大 | 慢性リスク | 安定した製品品質維持が困難となる。 労働環境の悪化により従業員の生産性が低下する。 | 事業拠点のリスクの把握と、BCPの策定・強化により、レジリエンスを強化 | |
| 水資源が不足する | 長期 | 中程度 | 大 | 慢性リスク | 特に欧米・中国において熱波・干ばつの増加により産業用水の供給が不足し、操業が不安定になる。 | 事業拠点のリスクの把握と、BCPの策定・強化により、レジリエンスを強化 | |
| 海面が上昇する | 長期 | 中程度 | 中 | 慢性リスク | 海抜の低い地域に所在する事業拠点の水没リスクが高まる。 | 事業拠点のリスクの把握と、BCPの策定・強化により、レジリエンスを強化 | |
TCFDシナリオ前提
| 採用シナリオ | 4℃シナリオ | IPCC第6次報告書 |
| 1.5℃シナリオ | IEA/WEO2021 NZE | |
| 時間軸の定義 | 短期 | 2025年頃まで |
| 中期 | 2030年頃まで | |
| 長期 | 2050年頃まで | |
| シナリオ分析対象 | 既存事業 | |