有価証券報告書-第58期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/29 15:00
【資料】
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【項目】
155項目
(1)会社の経営の基本方針
経営理念
①人を育てる
②技術を育てる
③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる
当社グループは、『クリーン、ヘルス、セーフティ』を事業領域とし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を供給して社会に貢献することを経営の基本方針としております。
この方針の下、「世の中にない」「真に役立つ」を研究開発の出発点とし、“大きい企業”ではなく、規模の拡大はゆっくりであっても、世界にない、当社にしかできない「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品を持つ“強い企業” =「技術立社」になることが私たちの目標です。そして、市場や顧客の“ニーズ”に素早く対応することよりも、顧客が未だ気づいていない“ウォンツ”を他社に先駆けて見出して製品化を行い、市場そのものを創造することを常に目指します。
その実現の為に、人間の尊厳である“イマジネーション”と“クリエーション”の発揮を社員全員に求め、結果として「他社に追随しない」「徹底して研究する」ことで、新たな技術革新と独創的な製品開発を続けて参ります。
(2)会社の経営戦略
①人を育てる
社員の生きがいと企業の存続を両立させてこそ企業としての存在価値があり、また社員の幸福や生きがいは、雇用された社員の尊厳が、企業の活動の中にも存在していることが重要との考えに立ち設計された人事管理制度「興研トータル人事システムHOPES(ホープス)」を20年以上に亘って運用し、人材育成を続けています。
この「HOPES」は、業務実績達成能力、専門能力、管理能力をそれぞれ別の能力と見て、社員一人ひとりを3つの角度(3軸)で独立して評価・運用した多様性を受容する人事システムで、年齢、性別、勤続年数を問わず活躍の場が与えられ、常に意欲のある人材を適所に登用しております。また、専門知識・能力向上を図る社内研修プログラムを確立し、職分に応じて計画的、効果的に能力開発を進めております。
②技術を育てる
創業以来、守り続けてきた「他社に追随しない」「徹底的に研究する」という研究開発の理念を技術開発員一人ひとりに徹底・浸透させるため、技術専門能力を評価するマイスター制度や技術開発員と取締役全員が参加する月例研究発表会といった独自の仕組みを継続、運用しています。
技術開発員は、基礎研究所、開発部、ディビジョン、テクノヤードに配属され、それぞれ自由で独創的な技術開発と社会に有用な発展的応用を目指した研究開発に注力しています。また開発テーマごとに、プロジェクトチームを編成して開発に当たる「マトリクス型」の研究開発体制を敷いています。
これらの取り組みによって、オンリーワン、ナンバーワン製品が次々と生まれ、知的財産権も多数保有するに至っております。今後も知的財産を質・量ともに向上させ、活用することを最重要課題として取り組んで参ります。
2018年に竣工した「先進技術センター」は、技術開発員が集結して英知を交わし、「技術を育てる」能力の向上に大きく寄与する施設であります。今後は、社外の諸機関・企業との連携や共同研究を推進する拠点としてそのプレゼンスを高めるべく注力して参ります。
③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる
<クリーン>オープンクリーンテクノロジーという考えに基づく気流制御とナノファイバーフィルタ製造という2つの世界初の新技術から生まれたオープンクリーンシステム「KOACH」は、世界最上級の清浄空間を、周りを囲うことなく短時間かつ低消費電力で形成する革新的なクリーンシステムです。当社グループは、この「KOACH」を先進的技術開発を支える必須デバイスとして世界最先端の研究機関・施設から高度な技術力を持つ中小企業に至るまで、広く普及させ技術・生産の飛躍的進化へ貢献して参ります。
<ヘルス>新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療分野からの本質的な要求(需要)が爆発的に広がっています。医療従事者を護る最高レベルである使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズを安定的且つ最大限に供給できる体制を敷き、広く全国の医療現場等へ普及拡大させ、安心の「ハイラック」ブランドの確立を目指します。
内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」は、自動ブラッシング機能の搭載と電解水を使用することで、洗浄消毒時間は業界一の速さを誇ります。誰でも簡単に洗浄消毒でき、洗浄消毒スタッフの方々の負担やリスクを大幅に軽減し、検査作業等にゆとりを生み出す画期的製品である同機の拡販・普及に努めます。
<セーフティ>厚生労働省は、粉じんや化学物質による労働者の健康障害防止措置や管理のあり方の検討を続けており、金属アーク溶接や石綿作業、ずい道建設工事における規制強化が実施されます。そうした規制・管理強化に対して当社グループでは、安全性と使い易さを追求した製品開発はもとより、産業を支える労働者を護るべく適時・的確な情報提供を行い、適正な呼吸用保護具の着用を推奨して参ります。
また、需要拡大が見込まれる電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズや使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズをはじめとした高機能・高付加価値製品の開発・普及を通じ、国内産業用マスクのトップメーカーとしての役割を果たして参ります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、堅実性と成長性をともに重視し、企業収益の安定的拡大を目指しております。
厳しい経済環境下にあっても持続的、安定的に成長していくため、変化に柔軟に対応し、市場における占有率を高め、結果として営業利益の拡大及び営業利益率の向上を図ります。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題
①マスクの生産・供給体制
新型コロナウイルス感染症によって急拡大した感染対策用マスクの需要に対して更なる生産能力の向上と安定供給の維持に努めます。一方産業分野では、感染症拡大に伴い主要顧客である製造業において休業や稼働率低下が生じ、マスクの受注数が前年割れとなる傾向を示しました。
コロナ禍の収束は見通しが立たず、長期化も視野に入れる必要がある中、日々変化する状況に応じ生産から供給への一連の対応策を機動的且つ柔軟に実行することが求められております。
タイの生産子会社においては2020年2月よりフル生産に入り、全量を日本に出荷する体制を取りましたが、タイ政府による輸出許可の停止や一部同国への供給が求められるなど、海外での生産・輸送におけるリスクが発生しました。これに対し速やかに国内の群馬テクノヤード内に新たな生産設備を増設し、総生産量の拡大と安定供給体制の強化に取り組みました。今後も様々な制限が発生する可能性がありますが、マスクメーカーとしての社会的使命に応えるべく最大限の供給責任を果たして参ります。
②営業活動
オープンクリーンシステム「KOACH」、自動ブラッシング機能付き内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」の販売については、訪問・対面営業の制限が続き、新たな物件情報の取得が前年を下回る状況にあります。これに対し、Web会議等のシステムを活用した新しい営業活動を既に立ち上げて取り組んでいますが、今後更に発展させ、リモートワークによる顧客、代理店への効果的な営業へと進化させて参ります。
③社員の感染対策
2009年の新型インフルエンザの国内流行以降、当社グループでは緊急増産の体制づくり、パンデミック時の行動要領を整備していたことで、短期間での増産体制を敷くことができました。新型コロナウイルス感染症の国内発生以降は、全社員に対して当社製N95マスク「ハイラック350型」の常時着用を義務付けたほか、在宅勤務、サテライト分散勤務やテレビ会議の積極的活用により、ピーク業績を支えるオペレーション体制を維持しています。
今後も徹底した社員の感染対策を取りながら、受注から生産、出荷に至る一連のオペレーション管理の強化、維持に努めて参ります。

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