臨時報告書

【提出】
2021/08/25 15:38
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である株式会社NEXT-О(以下「NEXT-О」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本売渡請求」といいます。)の通知を受け、2021年8月25日開催の当社取締役会において、本売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2021年8月25日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号株式会社NEXT-О
本店の所在地東京都千代田区丸の内一丁目9番2号
代表者の氏名代表取締役 澄川 恭章

(3)当該通知の内容
NEXT-Оは、会社法第179条第1項に定める当社の特別支配株主として、当社の株主(但し、NEXT-О及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(以下「本売渡株式」といいます。)をNEXT-Оに売り渡すことを請求することを決定したとのことであり、当社は、2021年8月25日付でNEXT-Оから以下の内容の通知を受領いたしました。
① 特別支配株主完全子法人に対して本売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本売渡請求により本売渡株主に対して、本売渡株式の対価として交付する金銭の額又はその算定方法及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号及び同項第3号)
NEXT-Оは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき3,781円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2021年9月16日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33 条の5第1項第1号)
NEXT-Оは、本売渡対価の全てを、NEXT-Оの完全親会社であるインテグラル株式会社(以下「インテグラル」といいます。)、インテグラル4号投資事業有限責任組合(以下「インテグラル4号ファンド」といいます。)、Innovation Alpha IV L.P.及びInitiative Delta IV L.P.作成の各引受証明書に基づく、各者によるNEXT-Оが発行する新株予約権付社債の引受け並びにNEXT-О及びインテグラルの間の2021年8月24日付極度貸付基本契約書に基づく借入金により支払うことを予定しております。なお、NEXT-Оにおいて、本売渡対価の支払いに支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識しておりません。
⑥ その他の本売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付についてNEXT-Оが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)本売渡株主に対して本売渡対価を支払うものとします。
2.本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2021年8月25日
(2)当該決定がされた年月日
2021年8月25日
(3)当該決定の内容
NEXT-Оからの通知のとおり、同社による本売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
NEXT-Оが2021年6月23日から2021年8月17日までを公開買付期間として実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が2021年6月23日付で提出いたしました意見表明報告書(2021年8月2日付で提出いたしました意見表明報告書の訂正報告書による変更を含みます。)(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本売渡請求は、当社株式の全て(但し、NEXT-Оが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社をNEXT-Оの完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「(ウ)本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、本取引は当社グループ(当社並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社を総称して「当社グループ」といいます。以下同じです。)の企業価値向上に資するものであると判断するに至りました。
当社は、将来の事業環境を踏まえて当社グループが成長を果たしていくための方策を検討する過程において、人材ネットワーク、経営ノウハウ等の機能を強化できる第三者として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)から2020年12月下旬にインテグラルを含む3社の紹介を受けておりました。また、当社は、2021年1月中旬に、当社の代表取締役社長である大川和昌氏からマネジメント・バイアウト(MBO)の手法による当社株式の非公開化を検討したい旨の意向を受けましたが、大川和昌氏の意向を踏まえ、2021年2月初旬からインテグラルを含む候補者3社に対する入札手続を実施し、うち1社が入札を辞退した後、2021年2月下旬にインテグラルを含む2社の候補者からの本取引の提案を受け、2021年3月上旬から中旬にインテグラルを含む2社の候補者との面談等を行いました。その後、当社は、2021年3月中旬から下旬にかけ、インテグラルを含む2社の候補者への質疑応答や当社内での検討など、本取引に関する具体的な検討を開始しました。
当社は、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2021年4月1日にリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業及び弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選任するとともに、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置しました。また、本特別委員会の意見も踏まえた上で、同月14日付でファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任し、NEXT-Оら(大川和昌氏並びにインテグラル及びNEXT-Оを総称していいます。以下同じです。)からの提案を検討するための体制を整備し、検討を進めてまいりました。さらに、2021年5月13日、本特別委員会は、本特別委員会の独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を選任いたしました。
当社は、取引条件の妥当性の判断にあたり、対抗的な買収提案の機会の確保(マーケット・チェック)を行う一環として、2021年2月初旬からインテグラルを含む3社の候補者に対する入札手続を実施し、うち1社が入札を辞退した後、2021年2月下旬にインテグラルを含む2社の候補者から提出された提案や当該2社とのそれぞれの面談結果等を、当該2社からそれぞれ提案された株式価値評価額(当該2社からは市場株価に対して30%から40%程度のプレミアムを付した価格又は価格レンジが検討可能であることの提案を受領し、提案時点におけるレンジの上限につきヒアリングを実施)、資金調達の前提条件、本取引実施後における事業戦略の方向性の観点から慎重に比較検討したところ、他の候補者による提案価格が、インテグラルが提案した価格レンジの最高価格よりも低い固定価格であったこと及び両候補者への価格増額の可能性への回答状況に鑑みてインテグラルの提案には価格条件の上値可能性があったこと、これまでの投資実績によって蓄積された自己資金の活用も検討できる等、資金調達の確実性が高く取引の安定性が高いと考えられること、経営・財務戦略・マーケティングなどの豊富な人材ネットワークを有する等、事業構造改革に対するサポート体制が優位と考えられること等の理由から、本特別委員会の意見も踏まえて、2021年4月中旬にインテグラルを優先的な候補者として検討を進めることにいたしました。
その後、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本取引の実行の是非に関してNEXT-Оらとの間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
また、本公開買付価格については、当社は2021年5月24日にNEXT-Оらから本公開買付価格を3,160円前後とする旨の提案を受けた後、野村證券から受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会からの他の候補者が提出した初期的な提案価格と比較した場合になお妥当な価格とはいえないとの意見を踏まえた上で、野村證券の助言を受けながら、2021年5月25日に、NEXT-Оらに対して、提案価格に付されたプレミアム水準(当該提案日の前営業日である2021年5月21日の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部における当社株式の終値2,899円に対して9.00%のプレミアム)が、非公開化を目的としたMBO事例における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準との比較において下回っていることを理由として、本公開買付価格の引き上げを要請し、NEXT-Оらとの間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2021年6月2日に本公開買付価格を3,275円とする旨の提案を受けました。これに対し、NEXT-Оらは、2021年6月3日に、当社より、本特別委員会から依然として検討当初に他の候補者が提出した初期的な提案価格と比較した場合になお妥当な価格とはいえないとの意見を踏まえ、プレミアム水準を含めた本公開買付けの成立の蓋然性を最大化する観点等から、本公開買付価格の引き上げの要請をし、NEXT-Оらは、2021年6月8日に、本公開買付価格を3,390円とする旨の再提案を行いましたが、2021年6月9日に、当社より、本特別委員会からの依然として検討当初に他の候補者が提出した初期的な提案価格と比較した場合になお妥当な価格とはいえないとの意見を踏まえ、プレミアム水準を含めた本公開買付けの成立の蓋然性を最大化する観点等から、本公開買付価格のさらなる引き上げの要請をいたしました。これに対し、NEXT-Оらは、2021年6月17日に、本公開買付価格を3,675円とする旨の再提案を行いましたが、同日に、当社より、本特別委員会からの依然として検討当初に他の候補者が提出した初期的な提案価格と比較した場合になお妥当な価格とはいえないとの意見を踏まえ、プレミアム水準を含めた本公開買付けの成立の蓋然性を最大化する観点等から、本公開買付価格のさらなる引き上げの要請をいたしました。その後、NEXT-Оらとの間において、本取引の諸条件について協議・交渉を重ね、2021年6月20日に本公開買付価格を3,781円としたい旨の最終提案を受けました。
なお、当社は、2021年2月初旬に実施したインテグラルを含む候補者3社に対する入札手続において、インテグラルを含む候補者3社に対し、本公開買付けの下限について、NEXT-Оらが当社の支配権を取得して当社の経営に参画し、当社の企業価値向上に向けた改革を実行することが可能となる水準とする旨の提案を行いました。これに対し、2021年6月17日、NEXT-Оらより、NEXT-Оらとしては、本公開買付けの下限について、NEXT-Оらが当社の支配権を取得して当社の経営に参画することが可能となる水準とすることについて検討したものの、かかる当社の企業価値向上に向けた改革を実施するにあたっては、当社株式を非公開化することが最善の手段であると考えていることに加え、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するためにも、当社株式の非公開化を目的とする必要があると判断していることから、本公開買付けの成立後に当社株式を非公開化することが可能な水準を買付予定数の下限とする必要がある旨の回答を受けました。かかる回答を受け、当社は、NEXT-Оらに対し、当社の企業価値向上に向けた改革を早期に確実に実行すべく、本取引の成立の蓋然性を最大化してほしいと要請した上で、更に協議を行った結果、2021年6月22日、本公開買付けの下限を、本公開買付けの成立後にNEXT-Оが少なくとも株式併合の議案が本臨時株主総会(本公開買付けの成立後、NEXT-Оが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合に開催が予定されていた、会社法第180条に基づく株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会をいいます。)において現実的に承認される水準の当社の議決権を所有することとなるよう、(a)当社が2021年6月4日に提出した第55期第2四半期報告書(以下「当社第2四半期報告書」といいます。)に記載された2021年4月20日現在の当社の発行済株式総数(12,976,053株)から、当社第2四半期報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(2,769,037株)を控除した株式数(10,207,016株)に係る議決権数(102,070個)に、(b)当社から提示を受けた、当社の過去10年間の定時株主総会における議決権行使比率の最大値である90.92%を乗じた議決権数(92,803個。小数点以下切り上げ。)に、(c)株式併合を承認するための株主総会の特別決議に必要となる議決権割合に相当する3分の2を乗じて得られる議決権数(61,869個。小数点以下切り上げ。)に、(d)当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(6,186,900株)とする旨に同意いたしました。
当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、2021年6月22日付で野村證券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)及び本特別委員会が独自に選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルから2021年6月21日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(山田コンサル)」といいます。)の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、本公開買付価格が、(ⅰ)本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている野村證券及び山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限額を上回るとともに、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、レンジの中央値より上回っていること、(ⅱ)本公開買付け実施についての公表日前営業日である2021年6月21日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値2,658円に対して42.25%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,830円(円未満を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じとします。)に対して33.60%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,796円に対して35.23%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,676円に対して41.29%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、非公開化を目的としたMBO事例における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準(平均的に約35%から約45%)と比較して、相応なプレミアムが付された価格であると評価できること、(ⅲ)本特別委員会の要請により本公開買付価格に関する価格提案の有意な引上げが実現されていること、(ⅳ)2021年2月に実施した入札手続における他の候補者の上限価格よりも上回った価格であることを踏まえ、本公開買付価格が当社の株主の皆様にとって妥当な条件であり、且つ合理的な株式の売却の機会を提供できるものであると判断いたしました。このように、当社は、NEXT-Оらとの間で、継続的に本公開買付価格の交渉を行ってまいりました。
さらに、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から、2021年6月22日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。なお、当社は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2021年6月21日付で本特別委員会が山田コンサルから提出を受けた本株式価値算定書(山田コンサル)及び本公開買付価格である1株当たり3,781円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出も受けております(本株式価値算定書(山田コンサル)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び野村證券から取得した本株式価値算定書(野村證券)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。
本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「(イ)公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、当社グループを取り巻く環境について、業務用家具市場における市場規模の落ち込み、競争の激化による価格低下及び顧客ニーズの変容、製品・サービス拡充のための人材等の経営リソースの確保難といった厳しい状況と認識しており、これまで当社グループが行ってきた業務用家具の製造販売のみでは他事業者との競争においてこれまでと同様の競争優位を保つことは難しく、抜本的な業態転換を行わなければ、収益の大幅な悪化による企業価値の棄損を招く可能性があると考えるに至り、このような厳しい事業環境が想定される中で当社グループが成長を果たしていくための方策を検討してきました。この検討の過程において、大川和昌氏及び当社は、これまで以上に人材ネットワーク、経営ノウハウ等が必要になるため、それらの機能を強化できる第三者との協働も必要であると考えるに至りました。
当社は、インテグラルからの提案やインテグラルとの協議、当社における検討を通じて本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「(イ)公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の「デジタルインテリアソリューションプロバイダー」への業態転換を実現するための施策(具体的には、①設計会社や施工会社等との資本提携及びM&Aの実施や、設計・施工関連の有資格者の採用・育成により、高い空間デザイン能力や設計施工ノウハウを獲得し、業務用家具の製造販売にとどまらず事業領域を拡大すること、②事業提携等を通じて幅広いインテリア材(照明や什器等)を取り扱うこと、③自社製品のみならず他社製品や空間設計を受注できる体制構築やテクノロジーを駆使し、顧客企業の空間トータルでの案件受注を可能とするオンラインプラットフォーム開発・IT投資を行うこと、④SDGsへの関心の高まりにより需要が拡大しているFSC認証材(国際的な機関による規律の元に、トレサビリティ(追跡可能性)が保証された木材)に対応した新商品開発や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって変化した顧客ニーズに沿った新たなオフィス家具(飛沫防止対応や個室ブース等)を開発すること等)を実施することで、当社の中長期的な競争力の確保及び企業価値の向上を見込むことができるとの考えに至りました。しかし、抜本的な業態転換に向けた上記の施策についての取組みは、中長期的には当社グループの企業価値向上が期待できるものの、効果の発現には時間がかかり早期に利益に貢献することなく、むしろ、M&A、事業提携、新事業領域進出、新たな仕組みの構築、IT投資、新素材商品開発等で必須の多額な投資を行っても、計画通りに事業が展開しない大きな事業リスクもあり、短期的には当社グループの財務状況や収益を悪化させる可能性があります。当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施すれば、資本市場から十分な評価が得られず、当社の株主の皆様に対して、短期的に当社株式の株価下落といった不利益を与えるおそれが懸念されます。かかる懸念を払拭し、当社が将来的な成長を目指すためには、非公開化により、短期的な業績変動に過度に捉われることなく、中長期的な視点に立った上で機動的かつ抜本的な意思決定を可能とする経営体制を構築し、インテグラルの協力の下、当社の経営陣及び従業員が一丸となって、事業改革を推進することが重要との考えに至りました。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からエクイティ・ファイナンスにより資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力や知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況等に鑑みると、今後数年間においてはエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれません。加えて、当社の社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等は事業活動を通じて獲得される部分もあること、当社がこれまで培ってきたブランド力や知名度により、非公開化が人材確保に与える影響は大きくないと考えられること等から、非公開化のデメリットは限定的であると考えており、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。また、当社においては、本公開買付け後のNEXT-Оの資本構成に関し、直接又は大川和昌氏が全部又は一部の株式又は持分を所有する法人を通じて、少なくとも大川和昌氏との間での応募契約書に基づき本公開買付けに応募する当社株式に係る税引き後の対価相当額をもって、NEXT-Оへの出資その他の方法によりNEXT-Оの株式のうち、1%以上3分の1未満の株式を取得すること、本公開買付け後のNEXT-Оの議決権の3分の2を超える株式をインテグラルが所有すること、及び実質的にインテグラルの支援の下に事業改革が推進されることを前提に本取引に係る検討を行いました。以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると2021年6月22日開催の取締役会で判断いたしました。
また、本公開買付価格(3,781円)が、(ⅰ)本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている野村證券及び山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限額を上回るとともに、DCF法による算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、レンジの中央値より上回っていること、(ⅱ)本公開買付け実施についての公表日前営業日である2021年6月21日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値2,658円に対して42.25%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,830円に対して33.60%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,796円に対して35.23%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,676円に対して41.29%、同日までの過去1年間の終値の平均値2,589円に対して46.04%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、非公開化を目的としたMBO事例における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準(平均的に約35%から約45%)と比較しても低廉とはいえず、相応のプレミアムが付された価格であると評価できること、(ⅲ)本特別委員会の要請により本公開買付価格に関する価格提案の有意な引上げが実現されていること、(ⅳ)2021年2月に実施した入札手続における他の候補者の上限価格よりも上回った価格であること、(ⅴ)本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置等、一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅵ)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社とNEXT-Оの間で協議・交渉が複数回行われ、より具体的には野村證券及び山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果の内容や本特別委員会との協議、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえながら、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社株式の市場株価に対して非公開化を前提とした相応のプレミアムが付されていることを前提に、当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は2021年6月22日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、大川和昌氏を除く取締役5名)のうち、取締役1名を除く全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。なお、上記取締役会には、当社の監査役4名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
その後、2021年7月30日、当社は、NEXT-Оからの当時において当社の取締役会長であった大川博美氏、一般社団法人大川、大川博美氏の妻である大川英子氏及び大川博美氏の娘である大川三千代氏の本公開買付けへの応募並びにその後の大川博美氏のNEXT-Оへの出資等の説明を受け、本特別委員会の意見も踏まえて、2021年8月2日開催の当社取締役会において慎重に検討を行った結果、大川博美氏が当社の創業者として引き続き当社を支援する意向を有していることを対外的に明確化することを期するため、また、継続して当社の企業価値の向上のための助言等を当社に対して提供していただくとともに、企業価値向上のための共通の目標を持っていただくためにNEXT-Оへの再出資をいただく趣旨であるとのNEXT-Оからの説明を踏まえて、大川博美氏から再出資いただくことは、当社の取引先等に対する信用力の維持・向上に資すると考えられること、企業価値向上のための共通の目標を持って当社の経営における指導・アドバイスに従事いただくことにより当社の企業価値向上への貢献が見込まれること、大川博美氏、一般社団法人大川、大川英子氏及び大川三千代氏が本公開買付けに応募合意することは、大川博美氏による再出資を条件とするものではないこと、本公開買付けにおける買付条件、NEXT-Оによる本公開買付け後の経営方針等には変更はないことから、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計6名のうち、大川和昌氏及び大川博美氏を除く取締役4名)の全員一致で、2021年6月23日付当社意見表明報告書にて既に公表されている、本公開買付けに賛同する旨の意見、及び当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を維持することを決議いたしました。2021年8月2日開催の当社取締役会には、業務上の都合により欠席した監査役1名(大島俊明氏)を除き、当社の監査役3名(天野彰英氏、杉浦正健氏及び近藤克麿氏)が出席し、上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。なお、2021年8月2日開催の当社取締役会に欠席した大島俊明氏からも、当該取締役会に先立ち、NEXT-Оからの大川博美氏、一般社団法人大川、大川英子氏及び大川三千代氏の本公開買付けへの応募並びにその後の大川博美氏のNEXT-Оへの出資等の説明を同氏に行ったうえで、上記決議につき監査役として異議がない旨を確認しております。
当該各取締役会の意思決定過程の詳細については、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員による承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2021年8月18日、NEXT-Оより、本公開買付けの結果について、当社株式9,419,917株の応募があり、買付予定数の下限(6,186,900株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、応募株式の全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2021年8月24日(本公開買付けの決済の開始日)付で、NEXT-Оの所有する当社株式の議決権所有割合は92.29%となり、NEXT-Оは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注) 「議決権所有割合」とは、当社第2四半期報告書に記載された2021年4月20日現在の発行済株式総数(12,976,053株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(2,769,037株)を控除した株式数(10,207,016株)に係る議決権の数(102,070個)を分母として計算(小数点以下第三位を四捨五入)しております。
このような経緯を経て、当社は、NEXT-Оより、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本売渡請求に係る通知を本日付で受領いたしました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社取締役会は、本日、(ⅰ)本売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、本公開買付け開始時に、上記のとおりの過程及び理由により、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情が見受けられないこと、(ⅱ)本売渡株式1株につき3,781円という本売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であること及び本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり本取引の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、公正性・妥当性が確保されているものと認められると判断されている等、本売渡株主の皆様にとって合理的な価格であると考えられること、(ⅲ)NEXT-Оは、本売渡対価の全てを、インテグラル、インテグラル4号ファンド、Innovation Alpha IV L.P.及びInitiative Delta IV L.P.作成の各引受証明書に基づく、各者によるNEXT-Оが発行する新株予約権付社債の引受け並びにNEXT-О及びインテグラルの間の2021年8月24日付極度貸付基本契約書に基づく借入金により支払うことを予定しているところ、当社としても、当該各新株予約権付社債の引受けについて、当該各引受証明書により、そして、当該借入金について、当該借入金に関するインテグラル作成の融資証明書並びにNEXT-О及びインテグラルの間の2021年8月24日付極度貸付基本契約書の写しによりNEXT-Оによる資金確保の方法を確認していること、NEXT-Оにおいて、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識していないことから、NEXT-Оによる本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本売渡請求の条件等は適正であると判断し、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、NEXT-Оからの通知のとおり、本売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。
なお、本売渡請求は本公開買付けを含む本取引の一環として行われるものであることから、本日開催の取締役会においては、当社の取締役のうち、代表取締役社長である大川和昌氏は、本公開買付けが成立した場合には、NEXT-Оに対して出資を行うことを予定していること及び本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係取締役として、本日開催の当社取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場においてNEXT-Оとの協議及び交渉には一切参加しておりません。また、取締役会長であった大川博美氏は、2021年8月16日付で当社の取締役を退任しております。なお、上記取締役会には、業務上の都合により欠席した監査役1名(近藤克麿氏)を除き、当社の監査役3名(天野彰英氏、杉浦正健氏及び大島俊明氏)が出席し、上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。なお、上記取締役会に欠席した近藤克麿氏からも、当該取締役会に先立ち、上記決議につき監査役として異議がない旨を確認しております。
以上