四半期報告書-第57期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

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2017/02/13 14:31
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループはこれまで、当社を取り巻く環境に柔軟に対応してまいりました。ますます変化する環境において安定的、継続的な100年継続企業へ成長していくために、フラットパネルディスプレイを中心とした事業から、IoT関連企業へのビジネス進化を目指し、平成29年3月期より第四次中期経営計画を3ヶ年(平成29年3月期~平成31年3月期)で推進してまいります。フィルム事業、データキッチン事業、コンサルティング事業の3つに事業を再編し、高付加価値と収益性の向上を目指します。フィルム事業はIoT技術に使用される各部材の開発、生産および販売、データキッチン事業はIoTで使用されるデジタルコンテンツの提供、コンサルティング事業は製造業向けコミュニケーションツールの開発および販売を展開しております。
第1四半期および第2四半期連結会計期間は営業利益となっていましたが、北米市場および特定顧客における需要の低下により、当第3四半期連結会計期間は営業損失となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は11,498百万円(前年同四半期比4.3%減)、営業利益は129百万円(前年同四半期の営業損失は242百万円)、経常利益は258百万円(前年同四半期の経常損失は166百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は162百万円(前年同四半期の親会社株主に帰属する四半期純損失は897百万円)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① 日本
当第3四半期連結累計期間における売上高は10,147百万円(前年同四半期比1.0%減)、営業利益は46百万円(前年同四半期の営業損失は347百万円)となり減収増益となりました。
② 北米
当第3四半期連結累計期間における売上高は830百万円(前年同四半期比32.3%減)、営業利益は27百万円(前年同四半期比65.6%減)となり減収減益となりました。
③ 東アジア
当第3四半期連結累計期間における売上高は337百万円(前年同四半期比2.6%減)、営業利益は69百万円(前年同四半期比386.1%増)となり減収増益となりました。
④ 欧州
当第3四半期連結累計期間における売上高は182百万円(前年同四半期比8.7%減)、営業損失は27百万円(前年同四半期の営業損失は8百万円)となり減収となりました。

(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりであります。なお、比較増減額はすべて前連結会計年度末を基準としております。
① 資産
総資産は前連結会計年度末に比べ502百万円増加し、25,847百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金の増加1,129百万円、営業債権の増加518百万円、商品及び製品の増加146百万円、長期預金の減少1,300百万円であります。
② 負債
負債は前連結会計年度末に比べ606百万円増加し、6,711百万円となりました。主な変動要因は、営業債務の増加673百万円、賞与引当金の減少126百万円であります。
③ 純資産
純資産は前連結会計年度末に比べ103百万円減少し、19,136百万円となりました。主な変動要因は、自己株式の増加213百万円、その他有価証券評価差額金の増加136百万円であります。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.9ポイント下降し、74.0%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
(会社の支配に関する基本方針)
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値又は株主共同の利益を継続的に確保・向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。上場会社である当社の株券等については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、当社の株券等に対する大量買付提案又はこれに類似する行為があった場合、当社株券等を売却するかどうかは株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
なお、当社は、当社株券等について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値又は株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。そして、かかる株券等の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値又は株主共同の利益を毀損すると思われるものも少なくありません。
当社の経営にあたっては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、並びに顧客、取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、これらに対する十分な理解がなければ、当社の企業価値又は株主共同の利益を確保・向上させることはできません。当社の企業価値の源泉は、①独創的な技術開発力、②先進的な製造技術と一貫した品質保証体制、③「プロ集団」たる従業員の存在、④顧客・取引先との切磋琢磨する関係にあるため、当社の企業価値又は株主共同の利益を確保・向上させるには、特にかかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠であります。当社株券等の大量買付を行う者が、かかる当社の企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値又は株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値又は株主共同の利益を毀損する大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付行為に対しては必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値又は株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する取組み
a.当社の企業価値又は株主共同の利益の確保・向上に向けた取組みについて
(ⅰ) 当社の企業理念について
当社は、技術開発型の企業としてグローバルに発展することにより、顧客・株主及び従業員の満足を得ることに努め、地域の発展と繁栄に寄与し、地球環境をまもり、未来に向けて社会とともに前進します。
(ⅱ) 当社の企業価値の源泉について
当社は昭和27年の設立以来、技術開発型の企業としてグローバルに発展することにより、顧客・株主及び従業員の満足を得ることを基本理念として、かかる方針の下、研究開発及び技術の革新を推進し、企業価値を向上させてまいりました。
かかる当社の企業価値の源泉は、①市場の急速な変化を先取りできる独創的な技術開発力、②多様な顧客に満足いただける製品を生み出す先進的な製造技術と高度で一貫した品質保証体制、③高品位な製品を適時に創り上げるための高い技術力を有する「プロ集団」たる従業員の存在、④常に最高の製品、商品及びサービスをともに創り上げていく顧客・取引先との切磋琢磨する関係にあります。
具体的には、第一に、当社の内外にわたる顧客それぞれにとって最高の製品、商品及びサービスを適時に提供するためには、時代の急速な変化を予測し、顧客のニーズを先取りする先見性が必要となります。当社は創業以来、常に顧客との対話を重視し、顧客に満足いただける製品を生み出すための研究開発を推進してまいりました。この独創的な技術開発力こそが顧客に満足いただける製品、サービスの提供を可能にする原点であり、当社の企業価値を向上させております。
第二に、独創的な技術開発力により開発された製品を高い品質で安定的に供給できることは、顧客の信頼の獲得と取引の継続にとってきわめて重要です。このために当社では、ISO 9001:2008を取得し、独自に構築した先進的な製造技術と、高度で一貫した品質保証体制を確立しております。開発のみならず、製品の高品質・安定製造をも重視することにより、当社の企業価値を向上させております。
第三に、当社には、従業員が部署や職位に関わりなく自由に意見を述べ合うことでその技能等を伝承する企業風土が創業時から連綿と形成されており、従業員の技能向上の基礎となっております。研究開発、製造、営業等それぞれの職掌において顧客に満足いただける製品、サービスを適時に提供するためには、かかる従業員と企業風土を将来にわたり確保・維持することが不可欠です。当社は、時代の最先端をいく独創的かつ高度な技術を開発・維持するためには、このような高い技術力を有する従業員の存在が不可欠であるとの認識から、従業員一人ひとりが継続して成長し、独創的かつ高度な技能を身につけることができる体制づくりを構築しております。
第四に、時代の最先端をいく独創的かつ高度な技術を開発・維持するためには、従業員及び企業風土のみならず、優れた製品の提供を求める顧客及び協力関係にある取引先の存在が不可欠です。顧客から時には不可能と思われる高度な要請を受け、又は将来の市場動向を予測することにより、顧客のニーズにいち早く応えることができる当社の独創的な技術開発力が継続的に磨かれてまいりました。このような顧客・取引先との切磋琢磨する関係は、当社が世界に通ずる技術開発型の企業として、その時代に成し得る最高の専門技術と、最高の製品・商品並びにサービスを内外の顧客に提供するための大きな原動力となっております。この意味で、当社の既存の顧客・取引先との切磋琢磨する関係を将来にわたり確保することは、当社が企業価値を向上させていく上で極めて重要です。
(ⅲ) 当社の今後の企業価値又は株主共同の利益の確保、向上に向けた取組みについて
イ.中長期的な経営戦略について
当社グループの主な事業は、ポリエステルフィルムを中心とする各種フィルムの表面に特殊加工をすることにより、多様な機能を付加した各種工業材料を製造販売することです。
当社グループの製品は、主として電子・工業材料業界に継続的に供給されており、当該業界は今後も市場拡大が期待されております。
当社グループでは、この成長市場においてより収益性の高いビジネスを創出するとともに、環境、エネルギー、デジタル画像などの新しい市場、業界に向けた新事業、新製品の開発にグループを挙げて取り組み、企業価値の向上を目指します。また、経営戦略に連動する技術ロードマップを確実に実現することで、継続的に技術基盤の拡充を図ります。
上記のビジョンを実現することが企業価値の持続的向上と株主共同の利益確保に資するものであると考えます。
当社の発展による企業価値の向上は「プロ集団」である従業員の意欲・能力・知識なくしてはありえない、との認識に基づき、従業員の人的資質のさらなる向上を積極的に行うことにより、企業価値の増大に努めてまいります。
当社グループの製品は、主として電子・工業材料分野に継続的に供給されており、引き続き東アジアを中心に市場拡大が期待されることから、当社グループでは新たに加えたソウル及び深センの営業拠点を軸に、積極的な販売活動を展開します。さらに、この成長市場においてより収益性の高いビジネスを創出するとともに、環境、エネルギー、空間情報などの新しい市場に向け新事業、新製品の開発にも注力し、一層の企業価値向上を目指します。それらを基に国内外の著しい経営環境の変化を見据え、第四次中期経営計画を遂行します。
ロ.CSR活動について
当社は、企業としての社会的責任を全うし、広く社会からの信頼を築き上げていくことが、企業価値の持続的向上のために必要不可欠と考え、コーポレート・ガバナンスの充実、企業倫理の向上、リスク管理の強化及び社会との関わりの深化を重要課題と位置付けております。
上記課題の実現のために、コンプライアンスの強化、経営の監督・監視機能の強化、経営責任の明確化、意思決定及び業務遂行の実効性・迅速性の確保、情報開示の強化を進めるとともに、株主の皆様、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーからの信頼を一層高めるため、環境・安全・品質の確保と地域との対話等に取り組んでまいります。
b.コーポレートガバナンスの整備
当社は、取締役会、監査役会を基本に継続的なコーポレート・ガバナンスの充実が経営の最優先課題であると考え、諸制度の整備と透明性の高い情報開示の実施を適時行うとともに、高い自律性、効率性並びに競争力のある経営体制の確立を目指しております。
当社においては、株主の皆様に対する経営陣の責任を明確化するため、取締役の任期を1年としております。また、当社は経営会議、常務会等を設置せず、重要な業務執行及び法定事項の決定並びに業務執行の監督は、すべて取締役会で行っております。常勤監査役及び社外監査役は、定例及び臨時に開催される取締役会に出席し必要な意見を述べるとともに、取締役の業務執行状況の監査を実施しております。また、監査役のサポート体制の充実を図るため、平成19年7月より監査役スタッフ1名を選定いたしました。
当社は、以上のようなコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に基づく諸施策を実行し、当社の企業価値又は株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成20年5月9日開催の取締役会により「当社株券等の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下、「本対応方針」)を導入することを決議し、平成20年6月27日開催の第48回定時株主総会におけるご承認を得て本対応方針を導入することを決定いたしました。その後の定時株主総会において二度に渡り継続導入を株主の皆様にご承認いただいておりましたが、この度、本対応方針の有効期限の満了を迎えるにあたり、今後の取扱いについて慎重に検討を重ねた結果、当社を取り巻く市場及び経営環境等が本対応方針の導入・更新時から変化していることに加え、当社の企業価値の一層の向上を進めていく中で、本対応方針継続の意義が薄れてきていると判断し、平成28年5月12日開催の取締役会において本対応方針を継続せず廃止することを決議いたしました。
なお、当社は本対応方針の非継続後も、当社株券等の大量買付行為を行おうとする者が現れた場合には、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保する観点から、積極的な情報収集と適時開示に努めると共に、関係法令及び当社定款の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は685百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。