有価証券報告書-第62期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 12:06
【資料】
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【項目】
149項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」ことを企業理念に掲げ、‘Stride with Challengers(挑戦者達と共に闊歩する)’というコーポレートスローガンを合言葉に、子会社7社及び関連会社2社から構成される当社グループでは不動産、ホテル、投資の3事業を主軸として、企業活動を展開しております。
不動産事業は「豊かな居住空間の実現」を、ホテル事業は「地域創生・地域活性化」を、投資事業は「アジアの投資家・スタートアップとの連携」を重要テーマに掲げ、また親会社である当社が日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担いながら、これら3つの事業領域のそれぞれの事業が持つ強みを活かし、時代の変化や社会課題に対応した柔軟な事業展開を進めることにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、共にシナジーをより高めてまいります。さらに当社グループでは、事業を通じてスポーツ、アート、日本の伝統文化の発展を支援することで、経済だけでなく社会の活性化にも寄与していく所存であります。
他方で、サステナブルな循環型社会への移行が求められる中、企業には社会の一員としての責任ある役割が問われております。また、経営環境の不確実性が高まり変化の激しい時代を迎える中、企業価値の源泉としての「人材」の重要性は一段と高まっており、当社グループにおいても人的資本経営への取り組みが重要な経営課題であると認識しております。こうした認識のもと、柔軟かつ能動的に変化へ対応できる人材の育成に加え、外部の専門人材やパートナーとの連携を進めてまいります。当社グループは、これらの取り組みを通じて既存事業の価値をさらに高めるとともに、新たな事業機会の創出にも取り組み、今後も企業理念の実現に向けて挑戦と成長を続けてまいります。
(2) 経営戦略
当社グループは、前期に実施した事業ポートフォリオの見直しを経て、不動産、ホテル、投資の3事業を中核とする事業会社体制へと移行いたしました。本年度はこの新たな体制のもと、各事業の収益基盤の強化を図るとともに、グループ全体としての戦略的な連携を推進してまいりました。今後も、当社グループは再編後の基盤強化と成長戦略の両立を図りながら、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
こうした全社戦略を受けて、主軸となる各事業の事業戦略は以下の通りとなります。
不動産事業の中核であるレジデンス事業においては、「豊かな居住空間の実現」を掲げ、居住用賃貸物件の管理戸数を着実に拡大しながら、安定した収益基盤の構築に取り組んでまいりました。今後はDX化のさらなる推進と、賃貸管理サービスのラインナップ強化を通じて、より付加価値の高いサービスを提供してまいります。加えて、リフォームや原状回復・リノベーションといった空室物件を再生する機能をグループ内で内製化・拡張することで、収益機会の取り込みと、これまで蓄積してきた賃貸管理ノウハウとの相乗効果を図り、柔軟かつ高付加価値なサービス提供を目指してまいります。
ホテル事業においては、「地域創生・地域活性化」をテーマに、地域の魅力を引き出す空間づくりと観光資源との連携を通じて、地域社会との共生を図る運営を推進しております。また、インバウンド需要の回復や国内観光の多様化、さらには会議・研修等の法人需要の再拡大を見据え、運営を実施してまいりました。成田ゲートウェイホテルでは運営効率の見直しと柔軟なプライシング戦略の策定に取り組んでおり、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上を目指してまいります。2024年5月から業務支援を開始しておりますホテル・アローレについては、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。
投資事業においては、これまで数年にわたり南・東南アジア地域への投資を通じて、ファンド運営に関する知見の蓄積や海外投資家とのネットワーク構築を積極的に進めてまいりました。シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始しております。また、国内においても不動産・ホテル分野へのインバウンド投資需要が高まる中、当社グループが投資家と案件をつなぐファシリテーターとしての役割を果たすことで、主力事業である不動産・ホテル事業との相乗効果の創出を図ります。これらの取り組みを通じ、経済的価値の創出にとどまらず、日本の伝統文化の発信や地域活性化にも貢献してまいります。
(3) 経営環境
わが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復により緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まりや、これに伴う資源価格・エネルギーコストの変動、米国の通商政策をはじめとする海外の政策動向、為替・金利環境の変化など、先行き不透明な外部環境が続いております。当社グループは、価格体系の見直し、人材投資、AI技術の活用を通じた業務革新により、こうした変化に柔軟に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。
こうしたなか、当社グループの不動産事業、とりわけ主力のレジデンス事業については、賃貸管理を中心とした安定的な運営を継続しております。首都圏のマンション価格上昇や金利動向の変化といった市況変化の影響は限定的であり、市場は概ね安定して推移しております。また、一都三県を主要な営業エリアとすることで住宅需要も堅調に推移しており、現時点では家賃や稼働率に関する大きなリスクは顕在化しておりません。今後も需要動向を注視しつつ、安定収益の確保に努めてまいります。
ホテル・地域創生事業については、歴史的な円安等を背景に、インバウンド観光需要はコロナ禍前を上回る水準まで回復しております。一方で、訪日外国人の消費行動の変化や地域ごとの需要の偏在といった新たな課題も顕在化しており、その対応は一層高度化・複雑化しております。また、慢性的な人手不足が続く中で、オペレーションの効率化や従業員のマルチタスク化など、サービス提供体制そのものの見直しが不可欠となっております。当社グループとしても、これらの変化に柔軟かつ機動的に対応すべく、体制の再構築と業務改革に取り組んでまいります。
また、投資事業については、依然として不透明な要素は残るものの、南・東南アジアのベンチャーキャピタル市場は徐々に回復基調にあります。加えて、円安の進行や各国との景気格差を背景に、日本国内の不動産・ホテル等への海外企業・投資家の関心は今後さらに高まっていくものと見込んでおり、当社グループはこうした投資需要を取り込むことで、事業機会の拡大につなげてまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① グループ経営管理の強化
機動的な事業展開を可能にするために、7社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。
② 内部経営資源の有効活用
迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。
③ 内部統制・コンプライアンス体制の構築
会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。
④ 外部経営資源の積極的な活用
当社グループの持続的な発展に向け、当社の企業理念等に適合するM&Aやエクイティ投資に加え、地域の金融機関を含む幅広い内外の企業・機関との提携を積極的に推進してまいります。これにより、外部経営資源の有効活用を図り、事業成長と企業価値の向上を目指してまいります。

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