半期報告書-第115期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2020/12/11 17:00
【資料】
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【項目】
108項目

研究開発活動

当社グループは、独創技術の開発を基本理念として、新素材の開発から製品の開発、さらに生産技術の開発に至るまで積極的な研究開発活動を行っております。
「医薬事業」においては、当社を中心に、その他の事業においては当社及び連結子会社が連携、協力し先進技術の研究開発を進めております。
当中間連結会計期間における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当中間連結会計期間の研究開発費の総額は150億7千9百万円であります。
[医薬事業]
当社グループは、「医療用医薬品」、「OTC医薬品(一般用医薬品)・ヘルスケア品」を中心とした医薬品、医療機器、衛生雑貨など健康・医療に関わるさまざまな事業に幅広く取り組んでおり、各事業が相互に連携して研究開発を進めております。
(医療用医薬品)
医療用医薬品では、「生活習慣病領域」、「免疫・炎症領域」及び「感覚器領域」に焦点をあてて研究開発に取り組んでいます。さらに世界の人々の健康に貢献すべく、海外事業所を拠点として研究開発品目のグローバル展開を推進しております。医療用医薬品の研究開発状況は以下のとおりです。
開発番号・一般名薬理作用適応開発段階
ピタバスタチンHMG-CoA還元酵素阻害脂質異常症承認申請中(ベトナム)
ピタバスタチン
/エゼチミブ
HMG-CoA還元酵素阻害
/小腸コレステロールトランスポーター阻害
脂質異常症第Ⅲ相
リパスジルRhoキナーゼ阻害緑内障・高眼圧症承認申請中(ベトナム)
糖尿病網膜症第Ⅱ相
フックス角膜内皮変性症第Ⅱ相
リパスジル
/ブリモニジン
Rhoキナーゼ阻害
/アドレナリンα2受容体作動
緑内障・高眼圧症第Ⅲ相
ペマフィブラート選択的PPARαモジュレーター脂質異常症第Ⅲ相
非アルコール性脂肪性肝疾患第Ⅱ相
原発性胆汁性胆管炎第Ⅰ相
ペマフィブラート
/トホグリフロジン
選択的PPARαモジュレーター
/SGLT2阻害
-第Ⅰ相
ペレチノインアポトーシス誘導肝がん再発抑制第Ⅲ相
K-161-ドライアイ第Ⅱ相
K-163-統合失調症第Ⅱ相
インドメタシン
/l-メントール
非ステロイド性抗炎症急性疼痛第Ⅱ相

<備考>・上記は臨床開発段階にある品目のみを掲載しており、それ以前のステージにある品目は掲載しておりません。全てのパイプラインを掲載している訳ではありません。
・臨床開発段階にある品目とは、最初の臨床試験に係る試験開始に関する薬事手続き(米国:IND、欧州:CTA、日本:治験計画届書、又は他地域での類似手続き)を行った後、承認取得を意図する全ての地域で承認取得を完了していない、又は開発中止に係る薬事手続きを完了していない品目と定義しております。
・国際一般名(INN)が決定している品目は一般名、それ以前の品目は開発コードを記載しております。
・国及び地域により開発段階が異なる品目では、最も進んだ開発段階のみを掲載しております(承認申請済かつ未承認の国及び地域は別途記載いたします)。
・承認取得済の品目であっても、新適応取得を目的とした臨床開発段階にある品目は上記に掲載しております。
これらに続く新医薬品候補化合物の創製のため、当社東京創薬研究所及び富士研究所での創薬・創剤活動に加えて、当社とハーバード大学関連病院Brigham and Women's Hospital (BWH) との米国共同研究施設 Center for Interdisciplinary Cardiovascular Sciences (CICS)での最先端研究を進めています。BWHとのコラボレーションにより、当社の技術基盤の拡充と研究促進及び最先端医学研究ネットワークとの連携を図っています。
(OTC医薬品(一般用医薬品)・ヘルスケア品)
一般用医薬品については、バンテリンコーワクリーミィーゲルα、バンテリンコーワクリームα、バンテリンコーワゲルα、バンテリンコーワ液α、ウナコーワクールα、ケラチナミンコーワ乾燥かゆみクリーム20、医薬部外品については、キューピーコーワαゼロドリンク、コーワ消毒液を発売しました。
また、ヘルスケア品としてホッカイロ高温を発売しました。
2020年度下期には、一般用医薬品のコルゲンコーワ鼻炎フィルムα、コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルαの上市を予定しております。
海外におきましては、台湾でバンテリンコーワサポーター高通気タイプを上市しております。
(医療機器)
医療機器分野の眼内レンズ(IOL)においては、引き続きアバンシィシリーズの研究開発を行っております。
1ピーストーリックIOL(乱視用眼内レンズ)は、2020年2月より正式に欧州発売を開始、国内臨床試験においては、9月より患者リクルートメントが開始されております。中国では、2023年1ピース及び3ピースIOL発売に向け、2020年1月より臨床試験開始予定でしたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で大幅に試験開始が遅れ、ようやく9月より3ピース試験のリクルートが開始されております。アジア展開についてはシンガポールにて9月に1ピースの承認を取得し、引き続き3ピース、1ピーストーリックの申請準備を進めております。マレーシアでも、1ピースの申請を行い現在当局審査中であり、3ピース、1ピーストーリックについても順次申請すべく準備中です。また早期の米国上市を目指してアバンシィシリーズの米国開発を進めております。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、150億2千8百万円となりました。
[環境・省エネ事業]
(光学機器、業務用映像機器)
産業用レンズでは、2/3型対応f=3mmのレンズ開発を進めました。部品手配後に性能評価に取り組んでまいります。また環境温度変化に対応したレンズの設計及び評価を進めました。
眼鏡関係では、新型スポッティングスコープTSN-99A/Sの量産化に向けた準備を進めました。またPROMINARレンズのワイドアイピースTE-80XWの開発を行いました。
産業用カメラ関係では、耐環境性能対応GigEカメラの開発を行いました。
表面検査機関係では、表面検査装置とロボット装置との連携システムの開発を行いました。
OEM製品では、ロボットメーカー向けの3Dステレオカメラユニットの広視野タイプの開発を続けております。また機械メーカー向けにマルチプレクサカメラの開発に取り組んでおります。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、4千3百万円となりました。
[食品事業]
(植物工場野菜)
LED利用型設備により栽培する植物工場野菜として、当期は新たに3種類のバジルを発売いたしました。引き続き栄養成分の高い野菜及びハーブの製品化を目指すとともに、一方で太陽光利用型設備による栽培技術の確立にも取り組んでまいります。
また設備開発として高機能・高付加価値な商品開発に必要な設備、生産性・効率性向上のための装置の開発及び改善に継続して取り組んでおります。さらに成分分析体制の充実により製品力の向上を図ります。
(養殖アワビ)
当社の連結子会社であるKowa Premium Foods Hawaii Corp.が養殖したアワビを使ったジャーキー及び蒸しアワビの工業化を検討するため、試作を行っております。製造方法の確立、ハワイ州外への販売上必要なHACCPプランの準備を進めております。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、6百万円となりました。