有価証券報告書-第79期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「訪れる人々を楽しませ、テナントを成功に導く、先見的、独創的、かつホスピタリティあふれる商業空間の創造」を経営理念とする、ショッピングセンター事業『パルコ』を中核に、時代とマーケットの変化を的確に捉えフレキシブルに対応できる企業集団を構成し、専門店事業、総合空間事業などの事業を展開しております。各社はそれぞれの事業分野でマーケット情報を掌握し、緊密かつ複合的に関連しながら、総体として、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
都心型店舗の強化をテーマに新生渋谷パルコ創造の際に生まれるエッセンスを波及させていくことや独自のテナントサービスの拡充、消費者へのリアルな売場体験を提供していくことによって次世代型商業空間を実現させ収益の安定化を図り、パルコストアブランド進化を目指していきます。
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
成長性のある都市部を中心とした未出店エリアでの拠点獲得を目指し、パルコ業態、ゼロゲート業態に加え、新たな業態創造による業態バラエティの拡大と開発スキームの多様化に取り組みます。
また、グループ企業の総合空間事業やWebコンサルティング事業などの当社独自のソリューションを商業施設事業者と出店テナントへ提供してまいります。
これらを実行する事により収益の積み増しを実現していきます。
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
当社独自のソフトコンテンツであるエンタテインメント事業では既存コンテンツの進化と新たなコンテンツの創造に取り組んでいきます。さらに、ライフスタイル事業ではグループ企業の専門店領域拡大を推進していきます。また、当社グループのインキュベーションとして新しいクリエイターや企業と協業することで新しい消費体験を提供し
ていきます。
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>①パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
イ.商業不動産プロデュース事業を推進
・開発案件の5年間の目標として、パルコ型業態4件、ゼロゲート型業態5件、新業態型3件の計12件を開発します。
・不動産開発の推進力と資産効率性向上に向け、循環型不動産投資モデルを検討していきます。
・グループ企業のパルコスペースシステムズは、施設空間ビジネスにおいて、マルチスキルスタッフによるクライアント視点に立ったイノベーション提案により受注と収益を拡大させます。
・グループ企業のパルコデジタルマーケティングは、ショッピングセンター向けWebコンサルティング事業に特化し、提供するサービスの充実とテクノロジーの進化に対応した新たな開発及び協業強化を行い新世代のショッピングセンターに対するサービスを提供し、業容を拡大していきます。
ロ.ライフスタイル事業の拡大
・グループ企業のヌーヴ・エイは、既存業態に加え新業態を創造し都市部への出店の拡大やEC(※)の本格稼働を図ります。また、外部企業との連携を検討し、事業領域拡大を目指します。
(※)ECとはElectronic Commerce(エレクトロニックコマース=電子商取引)の略です。
ハ.エンタテインメント事業の発展
・新生パルコ劇場の開業や新たなライブエンタテインメント拠点の獲得によりエンタテインメントの提供規模を拡大させ、パルコ店舗のプロモーション機能の深化とコンテンツ事業の開発強化・外部展開拡大を本格化させます。
ニ.海外事業の展開
・当社グループのコンテンツのアジア圏での展開、海外ショッピングセンター連携などによりインバウンド及びアウトバウンド対応を推進し、パルコブランドのアジアでのブランド認知度向上を図ります。
②経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
イ.店舗事業の安定基盤の強固化を推進
・経営資源をより収益性・成長性の高い都心型店舗にシフトし、出店者、消費者から支持される店舗としてモノを売ることを主とする商業施設から、コト・情報を発信し体験する次世代型商業空間へ発展させていきます。
・店舗事業の優位性・競合差別性を高めるため、ライフスタイルの多様化に対応した商品事業、飲食事業、クラウドファンディング事業との相互を連携させ、各事業の成長も促進します。
ロ.店舗のスクラップ&ビルドの推進
・店舗閉鎖については店舗の商業環境の変化、投下資本に対する将来リターン、物件の契約期間を総合的に勘案し、判断します。
ハ.国際会計基準(IFRS)適用
・国際会計基準(IFRS)適用を契機として、従来よりもキャッシュ・フローとバランスシート視点を強化するなど、マネジメント改革の推進により経営効率を高めていきます。
・グループ企業においても収益性を高める運営を目指していきます。
③都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
・当社グループの原点である渋谷パルコの建て替え計画を推進し、新生渋谷パルコ(2019年秋開業予定)創造のエッセンスをグループ事業へ波及させ次世代型商業空間を提供します。
・ⅠCTを活用した当社独自視点によるCRM戦略によって消費者とテナントへのサービスメニューを拡大します。
・新たな才能を発掘し、新しいクリエイターやこれまで取引が無いような外部企業との連携によって新たな消費体験を創造します。
④社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
・当社グループは「インキュベーション」「街づくり」「情報発信」を社会的役割と認識し、当社グループ社員の発想と外部の能力が連携、協業し、マーケットの期待を超える価値提供を創造する企業風土づくりを目指します。
・そのために組織変革と人事政策改革を実行し、ダイバーシティ&インクルージョン経営を進めるとともに、「存在意義」「社会的責任」「事業効率性」「ガバナンス」を重視したサスティナブル経営を推進していきます。
(3)対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境変化に伴う課題については、アパレル企業のEC加速によるリアル店舗の役割の変化、コト消費・シェアリングエコノミーなどの若年層を中心とした消費志向の変化、様々な分野におけるテクノロジーの急速な進化、都市部を中心とした商業施設競合の激化などがあげられます。
このような環境変化予測の下、当社グループは2017年度を初年度とする中期経営計画(2017年度~2021年度)を策定しており、2年目となる2018年度は将来の成長に向け、店舗事業の時代対応力・独自性・収益性の向上、テクノロジーの進化に対応したデジタルトランスフォーメーション(※)の推進、新規店舗・新事業の開発、事業基盤の強化に向けた業務構造の改革を遂行し、パルコグループの連携を強めながら、事業推進を加速してまいります。
(※)デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、ICTを応用し、人々の生活・ビジネスをより良い方向に変革していくことです。
<ショッピングセンター事業>ショッピングセンター事業につきましては、2019年開業予定の新生渋谷パルコを見据え、消費者価値観と購買行動の変化への対応に向け、新しいライフスタイルを提案するアイテム拡充に加え、コト・情報を発信し体感する次世代商業施設としての価値創造とストアブランドの強化を推進いたします。
また、店頭とWeb双方の「個客」への適切なサービスや新しい消費体験の提供に向け、CRMの進化やAI活用、決済機能の多様化の取り組みを強化するなどデジタルトランスフォーメーションを推進いたします。
店舗事業につきましては、都心型店舗・コミュニティ型店舗の2類型でのストアブランドの進化と確立に向け業務を推進してまいります。
[都心型店舗]
都市型ライフスタイルを享受する高感度な大人に向け、ファッション・食・化粧品アイテムの導入を強化するほか、消費の多様化に即した新たな付加価値の創造をテーマに、新しいヘルス&ビューティーなどを提案するコト消費対応や、独自性あるカルチャー・エンタテインメントなど情報発信機能の導入による新たな商業施設の価値創出を推進いたします。また、テナントサポートメニューの拡充に向け、インキュベーションスペースを新たに設置し新興テナントの導入を促進し、将来的にはパルコの新しい主力ブランドへの育成を目指してまいります。
[コミュニティ型店舗]
地域密着型をテーマに豊かな暮らしを彩る良質な食品・生活雑貨テナント導入を継続して推進するほか、マーケットニーズに合わせたアイテムやサービステナントの拡充、動員企画の強化など、滞在時間をより楽しめるようなワンストップ型商業施設としての機能を拡充し、客層・客数の拡大を推進いたします。
顧客政策につきましては、テクノロジーの進化対応に向け、ICTを活用したシステム構築や販促企画の立案など様々な施策に取り組んでまいります。具体的には、パルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』を軸としたCRMの進化により、「個客」との最適なコミュニケーション施策を実施し、「個客」にとってのより良い買い物体験の創出を目指してまいります。また、訪日外国人への対応として多様化する決済手段への環境整備やデジタルメディアを活用した情報発信を強化し取扱高の拡大を目指してまいります。
国内開発につきましては、都市部での事業拡大に向け、2018年3月開業の原宿ゼロゲートに続き、秋には三宮ゼロゲート(仮称)の開業を予定いたしております。また、2019年に開業予定の新生渋谷パルコ、墨田区錦糸町駅前物件、株式会社サンエーパルコによる沖縄・浦添西海岸計画の3物件に加えて、新たに川崎ゼロゲート(仮称)の出店を決定し、2021年の大丸心斎橋店北館への出店計画も含め事業を推進してまいります。
新規事業につきましては、パルコ店舗の対競合独自性の確立に貢献すべく、クラウドファンディング事業『BOOSTER』、飲食事業の直営店舗『アンド エクレ』、自主商品事業の『ミツカルストア』とパルコ店舗事業との相互サポート体制を組み、インキュベート機能やコンテンツ開発の強化を図ってまいります。
海外事業につきましては、アジア圏におきまして、当社グループの持つ様々なコンテンツを海外に広げていくエージェント機能を強化してまいります。
<専門店事業>株式会社ヌーヴ・エイにつきましては、既存事業の再強化に向け、スクラップ&ビルドの推進、オリジナル商品の強化により利益率の向上を図ります。また、デジタル戦略を加速し、オムニチャネル化の推進とマーケティングの強化による利益拡大を推進してまいります。
<総合空間事業>株式会社パルコスペースシステムズにつきましては、パルコや外部の受託案件で培ったノウハウ・技術を強みとしながら、外部商業施設におけるビル管理業務の複合受注体制を強化し、J.フロント リテイリンググループでの連携を含めて業容拡大を推進してまいります。
<その他の事業>株式会社パルコのエンタテインメント事業につきましては、渋谷パルコの一時休業に伴い、外部への積極的な拠点拡大による事業基盤の強化を図ります。2018年度には映像事業の新たな拠点として渋谷に『シネクイント』を開館するなど事業拡大を推進いたします。また、独自性あるコンテンツ開発・情報発信拠点の強化により、店舗事業へのシナジー波及に向けて取り組んでまいります。
株式会社パルコデジタルマーケティングにつきましては、中核事業である商業施設向けのICT活用戦略により、外部クライアントの開発強化と事業の拡大を推進するとともに、独自性のあるサービスの開発を強化してまいります。
当社グループの2018年度業績見通しにつきましては、IFRSで、営業収益960億円(前期比104.8%)、営業利益117億50百万円(前期比100.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益77億円(前期比98.6%)を見込んでおります。
(4)会社の支配に関する基本方針
会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
[基本方針の内容の概要]
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う当社株式の買付提案がなされた場合、その諾否の判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。すなわち、当社株式について大規模買付行為がなされた場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされないものなど、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の企業価値の主な源泉は、ショッピングセンター「PARCO」の運営によって培った商業施設のトータルプロデュース力であると考えます。そして、それを支えるのは、これまでの商業施設の開発・保有・運営や個性ある様々な専門店やサービスの展開によって蓄積されたノウハウとそれを活かす人材、コーポレートブランドやストアブランド、及び多数のテナント・取引先・出店先の地域コミュニティなどとの緊密なリレーションであると考えます。
したがって、当社の経営において、ショッピングセンターの開発・保有・運営という事業の実態、顧客・取引先・従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠であり、これらに関する十分な理解なくしては、株主の皆様が将来享受しうる企業価値・株主共同の利益を適切に実現することはできないものと考えております。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為や買付提案がなされる場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守る必要があると考えております。
[基本方針実現のための取り組み]
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け、事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>(ⅰ)パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
(ⅱ)経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
(ⅲ)都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
(ⅳ)社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
当社としては、このような企業価値向上に向けた取り組みが株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益につながると確信しております。
また、指名委員会等設置会社としての適切なコーポレート・ガバナンス体制のもと、業務執行の迅速化と経営の透明性の一層の向上に取り組んできたほか、業務執行上の法令遵守、効率性等を担保するため、グループ監査室を設置するなど内部監査機能の充実にも努めております。
[基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組み]
当社は、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされ、あわせて当社取締役会の意見等の情報が開示されて、検討のための時間が確保されるよう努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
[具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由]
当社の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な中長期的経営戦略に基づいて策定されたものであり、また、基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組みも、当社の取締役等の地位の維持を目的としたものではなく、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保することを目的とするものであり、いずれも当社の基本方針に沿うものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「訪れる人々を楽しませ、テナントを成功に導く、先見的、独創的、かつホスピタリティあふれる商業空間の創造」を経営理念とする、ショッピングセンター事業『パルコ』を中核に、時代とマーケットの変化を的確に捉えフレキシブルに対応できる企業集団を構成し、専門店事業、総合空間事業などの事業を展開しております。各社はそれぞれの事業分野でマーケット情報を掌握し、緊密かつ複合的に関連しながら、総体として、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
都心型店舗の強化をテーマに新生渋谷パルコ創造の際に生まれるエッセンスを波及させていくことや独自のテナントサービスの拡充、消費者へのリアルな売場体験を提供していくことによって次世代型商業空間を実現させ収益の安定化を図り、パルコストアブランド進化を目指していきます。
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
成長性のある都市部を中心とした未出店エリアでの拠点獲得を目指し、パルコ業態、ゼロゲート業態に加え、新たな業態創造による業態バラエティの拡大と開発スキームの多様化に取り組みます。
また、グループ企業の総合空間事業やWebコンサルティング事業などの当社独自のソリューションを商業施設事業者と出店テナントへ提供してまいります。
これらを実行する事により収益の積み増しを実現していきます。
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
当社独自のソフトコンテンツであるエンタテインメント事業では既存コンテンツの進化と新たなコンテンツの創造に取り組んでいきます。さらに、ライフスタイル事業ではグループ企業の専門店領域拡大を推進していきます。また、当社グループのインキュベーションとして新しいクリエイターや企業と協業することで新しい消費体験を提供し
ていきます。
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>①パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
イ.商業不動産プロデュース事業を推進
・開発案件の5年間の目標として、パルコ型業態4件、ゼロゲート型業態5件、新業態型3件の計12件を開発します。
・不動産開発の推進力と資産効率性向上に向け、循環型不動産投資モデルを検討していきます。
・グループ企業のパルコスペースシステムズは、施設空間ビジネスにおいて、マルチスキルスタッフによるクライアント視点に立ったイノベーション提案により受注と収益を拡大させます。
・グループ企業のパルコデジタルマーケティングは、ショッピングセンター向けWebコンサルティング事業に特化し、提供するサービスの充実とテクノロジーの進化に対応した新たな開発及び協業強化を行い新世代のショッピングセンターに対するサービスを提供し、業容を拡大していきます。
ロ.ライフスタイル事業の拡大
・グループ企業のヌーヴ・エイは、既存業態に加え新業態を創造し都市部への出店の拡大やEC(※)の本格稼働を図ります。また、外部企業との連携を検討し、事業領域拡大を目指します。
(※)ECとはElectronic Commerce(エレクトロニックコマース=電子商取引)の略です。
ハ.エンタテインメント事業の発展
・新生パルコ劇場の開業や新たなライブエンタテインメント拠点の獲得によりエンタテインメントの提供規模を拡大させ、パルコ店舗のプロモーション機能の深化とコンテンツ事業の開発強化・外部展開拡大を本格化させます。
ニ.海外事業の展開
・当社グループのコンテンツのアジア圏での展開、海外ショッピングセンター連携などによりインバウンド及びアウトバウンド対応を推進し、パルコブランドのアジアでのブランド認知度向上を図ります。
②経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
イ.店舗事業の安定基盤の強固化を推進
・経営資源をより収益性・成長性の高い都心型店舗にシフトし、出店者、消費者から支持される店舗としてモノを売ることを主とする商業施設から、コト・情報を発信し体験する次世代型商業空間へ発展させていきます。
・店舗事業の優位性・競合差別性を高めるため、ライフスタイルの多様化に対応した商品事業、飲食事業、クラウドファンディング事業との相互を連携させ、各事業の成長も促進します。
ロ.店舗のスクラップ&ビルドの推進
・店舗閉鎖については店舗の商業環境の変化、投下資本に対する将来リターン、物件の契約期間を総合的に勘案し、判断します。
ハ.国際会計基準(IFRS)適用
・国際会計基準(IFRS)適用を契機として、従来よりもキャッシュ・フローとバランスシート視点を強化するなど、マネジメント改革の推進により経営効率を高めていきます。
・グループ企業においても収益性を高める運営を目指していきます。
③都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
・当社グループの原点である渋谷パルコの建て替え計画を推進し、新生渋谷パルコ(2019年秋開業予定)創造のエッセンスをグループ事業へ波及させ次世代型商業空間を提供します。
・ⅠCTを活用した当社独自視点によるCRM戦略によって消費者とテナントへのサービスメニューを拡大します。
・新たな才能を発掘し、新しいクリエイターやこれまで取引が無いような外部企業との連携によって新たな消費体験を創造します。
④社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
・当社グループは「インキュベーション」「街づくり」「情報発信」を社会的役割と認識し、当社グループ社員の発想と外部の能力が連携、協業し、マーケットの期待を超える価値提供を創造する企業風土づくりを目指します。
・そのために組織変革と人事政策改革を実行し、ダイバーシティ&インクルージョン経営を進めるとともに、「存在意義」「社会的責任」「事業効率性」「ガバナンス」を重視したサスティナブル経営を推進していきます。
(3)対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境変化に伴う課題については、アパレル企業のEC加速によるリアル店舗の役割の変化、コト消費・シェアリングエコノミーなどの若年層を中心とした消費志向の変化、様々な分野におけるテクノロジーの急速な進化、都市部を中心とした商業施設競合の激化などがあげられます。
このような環境変化予測の下、当社グループは2017年度を初年度とする中期経営計画(2017年度~2021年度)を策定しており、2年目となる2018年度は将来の成長に向け、店舗事業の時代対応力・独自性・収益性の向上、テクノロジーの進化に対応したデジタルトランスフォーメーション(※)の推進、新規店舗・新事業の開発、事業基盤の強化に向けた業務構造の改革を遂行し、パルコグループの連携を強めながら、事業推進を加速してまいります。
(※)デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、ICTを応用し、人々の生活・ビジネスをより良い方向に変革していくことです。
<ショッピングセンター事業>ショッピングセンター事業につきましては、2019年開業予定の新生渋谷パルコを見据え、消費者価値観と購買行動の変化への対応に向け、新しいライフスタイルを提案するアイテム拡充に加え、コト・情報を発信し体感する次世代商業施設としての価値創造とストアブランドの強化を推進いたします。
また、店頭とWeb双方の「個客」への適切なサービスや新しい消費体験の提供に向け、CRMの進化やAI活用、決済機能の多様化の取り組みを強化するなどデジタルトランスフォーメーションを推進いたします。
店舗事業につきましては、都心型店舗・コミュニティ型店舗の2類型でのストアブランドの進化と確立に向け業務を推進してまいります。
[都心型店舗]
都市型ライフスタイルを享受する高感度な大人に向け、ファッション・食・化粧品アイテムの導入を強化するほか、消費の多様化に即した新たな付加価値の創造をテーマに、新しいヘルス&ビューティーなどを提案するコト消費対応や、独自性あるカルチャー・エンタテインメントなど情報発信機能の導入による新たな商業施設の価値創出を推進いたします。また、テナントサポートメニューの拡充に向け、インキュベーションスペースを新たに設置し新興テナントの導入を促進し、将来的にはパルコの新しい主力ブランドへの育成を目指してまいります。
[コミュニティ型店舗]
地域密着型をテーマに豊かな暮らしを彩る良質な食品・生活雑貨テナント導入を継続して推進するほか、マーケットニーズに合わせたアイテムやサービステナントの拡充、動員企画の強化など、滞在時間をより楽しめるようなワンストップ型商業施設としての機能を拡充し、客層・客数の拡大を推進いたします。
顧客政策につきましては、テクノロジーの進化対応に向け、ICTを活用したシステム構築や販促企画の立案など様々な施策に取り組んでまいります。具体的には、パルコ公式スマートフォンアプリ『POCKET PARCO』を軸としたCRMの進化により、「個客」との最適なコミュニケーション施策を実施し、「個客」にとってのより良い買い物体験の創出を目指してまいります。また、訪日外国人への対応として多様化する決済手段への環境整備やデジタルメディアを活用した情報発信を強化し取扱高の拡大を目指してまいります。
国内開発につきましては、都市部での事業拡大に向け、2018年3月開業の原宿ゼロゲートに続き、秋には三宮ゼロゲート(仮称)の開業を予定いたしております。また、2019年に開業予定の新生渋谷パルコ、墨田区錦糸町駅前物件、株式会社サンエーパルコによる沖縄・浦添西海岸計画の3物件に加えて、新たに川崎ゼロゲート(仮称)の出店を決定し、2021年の大丸心斎橋店北館への出店計画も含め事業を推進してまいります。
新規事業につきましては、パルコ店舗の対競合独自性の確立に貢献すべく、クラウドファンディング事業『BOOSTER』、飲食事業の直営店舗『アンド エクレ』、自主商品事業の『ミツカルストア』とパルコ店舗事業との相互サポート体制を組み、インキュベート機能やコンテンツ開発の強化を図ってまいります。
海外事業につきましては、アジア圏におきまして、当社グループの持つ様々なコンテンツを海外に広げていくエージェント機能を強化してまいります。
<専門店事業>株式会社ヌーヴ・エイにつきましては、既存事業の再強化に向け、スクラップ&ビルドの推進、オリジナル商品の強化により利益率の向上を図ります。また、デジタル戦略を加速し、オムニチャネル化の推進とマーケティングの強化による利益拡大を推進してまいります。
<総合空間事業>株式会社パルコスペースシステムズにつきましては、パルコや外部の受託案件で培ったノウハウ・技術を強みとしながら、外部商業施設におけるビル管理業務の複合受注体制を強化し、J.フロント リテイリンググループでの連携を含めて業容拡大を推進してまいります。
<その他の事業>株式会社パルコのエンタテインメント事業につきましては、渋谷パルコの一時休業に伴い、外部への積極的な拠点拡大による事業基盤の強化を図ります。2018年度には映像事業の新たな拠点として渋谷に『シネクイント』を開館するなど事業拡大を推進いたします。また、独自性あるコンテンツ開発・情報発信拠点の強化により、店舗事業へのシナジー波及に向けて取り組んでまいります。
株式会社パルコデジタルマーケティングにつきましては、中核事業である商業施設向けのICT活用戦略により、外部クライアントの開発強化と事業の拡大を推進するとともに、独自性のあるサービスの開発を強化してまいります。
当社グループの2018年度業績見通しにつきましては、IFRSで、営業収益960億円(前期比104.8%)、営業利益117億50百万円(前期比100.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益77億円(前期比98.6%)を見込んでおります。
(4)会社の支配に関する基本方針
会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
[基本方針の内容の概要]
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う当社株式の買付提案がなされた場合、その諾否の判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。すなわち、当社株式について大規模買付行為がなされた場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされないものなど、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の企業価値の主な源泉は、ショッピングセンター「PARCO」の運営によって培った商業施設のトータルプロデュース力であると考えます。そして、それを支えるのは、これまでの商業施設の開発・保有・運営や個性ある様々な専門店やサービスの展開によって蓄積されたノウハウとそれを活かす人材、コーポレートブランドやストアブランド、及び多数のテナント・取引先・出店先の地域コミュニティなどとの緊密なリレーションであると考えます。
したがって、当社の経営において、ショッピングセンターの開発・保有・運営という事業の実態、顧客・取引先・従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠であり、これらに関する十分な理解なくしては、株主の皆様が将来享受しうる企業価値・株主共同の利益を適切に実現することはできないものと考えております。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為や買付提案がなされる場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守る必要があると考えております。
[基本方針実現のための取り組み]
2014年度に掲げた当社グループの長期ビジョン[都市マーケットで活躍する企業集団]『都市の24時間をデザインするパイオニア集団』『都市の成熟をクリエイトする刺激創造集団』の達成に向けて、3つの事業戦略「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「独自の先行的ICT活用」に基づく2017年度~2021年度にかけての中期経営計画を策定しました。
<中期経営計画骨子>都市生活を楽しみたい消費者、都市で活躍する事業主の多様化するニーズに対し、店舗事業を含めたグループ全事業を通じて、「心の豊かさ」「新しい刺激」「充足感」など当社独自の価値提供による『都市成熟への貢献』を行います。
その実現に向け、事業ブラッシュアップ・事業領域拡大により、当社グループの存在価値向上=事業ポートフォリオ変革を実現します。
<中期経営計画実現に向けた「3つの戦術」>≪第1戦術≫ストアブランド進化
≪第2戦術≫商業不動産プロデュース推進
≪第3戦術≫ソフトコンテンツ拡大
<3つの戦術推進に向けた「4つの方向性」>(ⅰ)パルコ固有のノウハウ・能力を活用した「商業不動産事業・ソフト型事業」へのドメイン拡大
(ⅱ)経営資源の選択と集中による事業効率向上~コンパクトで収益性の高い企業集団
(ⅲ)都市生活者/事業主の多様化するニーズを捉えた「独自の提供価値」の拡大
(ⅳ)社会的存在意義拡大に向けた企業風土の発展
当社としては、このような企業価値向上に向けた取り組みが株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益につながると確信しております。
また、指名委員会等設置会社としての適切なコーポレート・ガバナンス体制のもと、業務執行の迅速化と経営の透明性の一層の向上に取り組んできたほか、業務執行上の法令遵守、効率性等を担保するため、グループ監査室を設置するなど内部監査機能の充実にも努めております。
[基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組み]
当社は、大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための適切かつ十分な情報提供がなされ、あわせて当社取締役会の意見等の情報が開示されて、検討のための時間が確保されるよう努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
[具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由]
当社の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的な中長期的経営戦略に基づいて策定されたものであり、また、基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取り組みも、当社の取締役等の地位の維持を目的としたものではなく、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保することを目的とするものであり、いずれも当社の基本方針に沿うものです。