有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1) 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
当グループは、家電製品、情報通信機器、エンタテインメント商品及び住宅設備機器の専門販売店をコア事業と位置づけ、高度な専門性、ライフスタイル提案型の売場、豊富な品揃え、リーズナブルな価格、安心確実なアフターサービスを創業以来の「まごころサービス」の精神でお客様に提供するとともに、多種多様なお客様のニーズにお応えしたいとの思いから、インターネットショップ「Joshin webショップ」をはじめとするネットワーク関連事業、フランチャイズ事業などの関連・周辺分野への展開により、お客様と従業員が「幸せ」を共有し、株主様、お取引先様、地域社会ともメリットを共有できる、「Joshinだからこそできる経営」を推進することを目指しております。
当家電販売業界の現状につきましては、競合他社や拡大傾向にあるネット販売との競争に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗休業や営業時間の短縮、それにともなう消費マインドの低下による需要の低迷、またサプライチェーンの懸念に起因する商品供給の不安等、過去に例のない予測困難な極めて厳しい環境下にあります。
当グループは、関西地区、東海地区、関東地区、北信越地区等、幅広いエリアへ店舗展開を行っておりますが、関西地区の売上高が過半を占め、「唯一関西資本」「阪神タイガースのオフィシャルスポンサー」等の地域密着経営により、関西地区においては競合他社には真似のできない競争優位性を持っております。また、通信販売事業に早くから取り組み、現在はそのノウハウを活かしインターネットショップ「Joshin webショップ」を展開し、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2020」総合グランプリを受賞する等、高い顧客満足度評価をいただいております。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、変異株の出現により新型コロナウイルス感染症の拡大が続いており、3回目となる緊急事態宣言が2021年4月25日より発令されるなど、依然として収束時期の見通せない極めて不透明な状態が続くものと思われます。
当家電販売業界全体におきましても、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、各種経済指標の大幅な悪化が継続し、消費マインドや可処分所得の低下による需要の低迷も想定され、マーケット自体の縮小の可能性とともに、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。また、当グループでは、3回目の緊急事態宣言の発令を受けて、店舗休業や営業時間の短縮等を余儀なくされております。
このような厳しい状況下、当グループは、中期経営計画『JT-2023 経営計画』の2年目にあたり、「各種販売チャネルを融合する」、「人財ポテンシャルを引き出し、最大活用する」を同中期経営計画の基本方針とし、将来の持続的成長を支える事業基盤を再構築しCS(顧客満足)の一層の向上を目指します。
リアル店舗やインターネット販売(EC事業)、物流等インフラへの投資や、人財への投資等、成長への投資は今後も増加傾向にあると思われますので、バリューチェーンの再構築や、事業継続性と運用効率の両立の実現を目指す新物流センターの稼働、利益拡大及び経費削減を目指す新たな販売促進方法の構築等により、いかに安定的に新しいキャッシュを創出し、更なる成長への投資や株主様への還元、財務体質の強化に配分していくことができるかが今後の優先的に対処すべき課題となります。
(2) JT-2023 経営計画(2020年4月1日~2023年3月31日)について
① 新中期経営計画策定の背景
当家電販売業界におきましては、マーケットの伸び悩みや、消費動向の不透明感、同業他社との競争の激化、インターネット販売の拡大基調等ますます激しさを増しており、昨今一層顕著になってきております。また、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の著しい停滞により、景気の先行きは極めて不透明な状態が続いております。
そのような厳しい環境下、前中期経営計画『JT-2020 経営計画』では目標数値に対して利益項目については未達となりましたが、その一方で、有利子負債の圧縮による自己資本比率の大幅な改善、安定した営業キャッシュ・フロー創出力の確立、店舗戦略に基づいた着実なスクラップアンドビルドの実現、生産性向上に向けた設備投資の実行等、具体的な成果を上げることができました。
今後は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、「3密」を避けるため、都心のターミナル型店舗から「安心」「安全」で手軽にアクセスできる郊外型店舗へ一定程度回帰することが予想され、同時に、「非接触」のショッピングスタイルとして、インターネット販売の売上拡大も見込まれます。
人財活用に向けた投資強化と営業キャッシュ・フローのバランスの維持「財務・人財戦略」、消費者嗜好の多様化に向けた販売チャネルの更なる進化「バリューチェーンの強化・再構築」、環境共生型・環境配慮型経営の更なる進化「SDGs目標達成に向けたサスティナブル経営」等を課題として、新中期経営計画『JT-2023 経営計画』を新たに策定いたしました。
なお、直近の業績及び現状の消費動向等を踏まえ、本中期経営計画最終年度である2023年3月期の計画値の見直しを行っております。
見直しの理由としましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費動向の変化、今後のMA(マーケティング・オートメーション)進展にともなう販売促進活動の改革の推進、新物流センター稼働開始による業務の効率化、投資効果による店舗販売での生産性向上、及びEC販売の更なるマーケット拡大等を総合的に勘案したことによるものです。
2021年4月25日からの緊急事態宣言の発出に伴い、当グループにおいても店舗休業や営業時間の短縮等、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けており、今後、少なくとも上半期においては継続し、経済活動の本格的な回復は下半期以降になるものと仮定し、この影響を鑑み、2022年3月期は売上高、利益ともに2021年3月期からの減少を予想しております。
本中期経営計画最終年度である2023年3月期は、「巣ごもり」・「テレワーク」といった生活スタイルの変化や定額給付金の支給等による特需により、売上高や利益において過去最高を計上した当連結会計年度の経営成績に再チャレンジする計画としております。
なお、本計画における基本方針等のその他の戦略については変更ありません。
計画期間は3カ年とし、より機動的かつ精度の高い計画の推進を図ってまいります。
② JT-2023 経営計画 基本方針
A.各種販売チャネルを融合する
「オーバーストア」と言われる家電販売業界の中で、新規出店偏重の拡大路線を避け、創業以来積み上げてきた経営資源及び販売形態を有機的に統合・再編して、本業に一層磨きをかける。
B.人財ポテンシャルを引き出し、最大活用する
「働き方(働きがい)改革」による職場環境の改善を通じて、ES(従業員満足)の一層の向上を図り、意欲の高い従業員の前進的なアイディア等を引き出し最大限に活用することによって、時代のニーズに即応する。
③ JT-2023 経営計画 2023年3月期 連結目標数値(2021年5月見直し後)
A.収益計画
成長投資により更なる発展に向けた強固な事業基盤を構築するとともに、高シェアの地域・事業ドメインに資源を集中し、販売力・収益力を強化。また、中期的に必要な投資資金は事業からのキャッシュ・フローより支出し、創出キャッシュは成長への投資に優先配分します。
売上高 450,000百万円(2020年3月期比108.3%、当初計画 435,000百万円)
うちインターネット販売 80,000百万円(2020年3月期比140.0%、当初計画 70,000百万円)
営業利益 16,500百万円(2020年3月期比183.7%、当初計画 11,500百万円)
経常利益 16,500百万円(2020年3月期比185.4%、当初計画 11,500百万円)
売上高経常利益率 3.7%(2020年3月期 2.1%、当初計画 2.6%)
B.資本計画
財務の健全性を確保しながら資本コストを上回るROEを創出し、株主価値の向上を目指す。
自己資本比率 45.0%以上(2020年3月期45.2%、変更なし)
ROE 9.0%以上(2020年3月期 6.2%、当初計画 7.0%以上)
ROA 7.0%以上(2020年3月期 4.4%、当初計画 5.5%以上)
ROIC ※ 7.0%以上(2020年3月期 4.3%、当初計画 5.5%以上)
配当性向 30.0%程度(2020年3月期24.6%、変更なし)
※ROIC(投下資本利益率)=営業利益×0.65(税率を0.35とした場合)/(純資産+有利子負債)
④ JT-2023 経営計画 2023年3月期当初計画値に対する2021年3月期実績及び見直し後2023年3月期計画値
(単位:百万円)
| 売上高 | うちインター ネット販売 | 営業利益 | 経常利益 | 売上高 経常利益率 | |
| 2023年3月期計画 (当初計画) | 435,000 | 70,000 | 11,500 | 11,500 | 2.6% |
| 2021年3月期実績 | 449,121 | 71,706 | 16,550 | 16,555 | 3.7% |
| 進捗率 | 103.2% | 102.4% | 143.9% | 144.0% | ― |
| 2023年3月期計画 (見直し後) | 450,000 | 80,000 | 16,500 | 16,500 | 3.7% |
| 自己資本比率 | ROE | ROA | ROIC | 配当性向 | |
| 2023年3月期計画 (当初計画) | 45.0%以上 | 7.0%以上 | 5.5%以上 | 5.5%以上 | 30.0%程度 |
| 2021年3月期実績 | 47.2% | 9.4% | 8.1% | 8.0% | 22.6% |
| 2023年3月期計画 (見直し後) | 45.0%以上 | 9.0%以上 | 7.0%以上 | 7.0%以上 | 30.0%程度 |