有価証券報告書-第64期(平成28年3月1日-平成29年2月28日)

【提出】
2017/05/26 10:15
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策の効果で輸出企業の業績や雇用環境の一部に改善が見られるものの、新興国の景気減速に加え英国のEU離脱問題や米国の新大統領就任等、海外の政治・経済の不確実性の高まりと、円や株価の乱高下により先行きについては不透明な状況が続いております。国内の個人消費については、消費の基盤となる個人所得の水準は小幅な改善に留まっており、節約志向により個人消費者の景況感は足踏み状態となっております。
また、平成28年4月に発生した「熊本地震」は、九州地方を中心に大きな影響を及ぼしました。
国内の家電小売業界におきましては、テレビが前期のデジアナ変換サービス終了前特需の反動減があったものの、オリンピック開催等の効果により、4K対応の構成比が大幅に上昇しました。季節商品については、猛暑によりエアコンや扇風機が、また厳冬により電気・石油暖房器具が好調に推移しました。白物商品では、買い替え需要の高まりにより大型冷蔵庫や洗濯機が順調な伸びを見せています。一方、デジタルカメラや携帯電話、パソコン等の通信、OA商品についてはやや不振であったため、業界全体では総じて低調に推移しました。
当社におきましては、平成27年4月に海外のインドネシア事業をフランチャイズチェーンに切り替えたことや海外事業における為替変動、店舗閉鎖や消費の足踏み等の影響により、減収となりました。商品別では、猛暑および厳冬の影響でエアコンや扇風機、電気・石油暖房器具が好調に推移しました。AV商品では、4K対応テレビがオリンピック開催や製品の値ごろ感の効果により販売台数が前年同期より伸長し、平均単価を引き上げましたが、前期特需の反動やオリンピック需要後の反動もあり販売台数は前年同期を下回りました。白物商品では、全自動洗濯機・洗濯乾燥一体型の大容量化と高付加価値商品の販売台数が伸長し、平均単価も上昇しました。理美容商品では特に高付加価値のドライヤーが好調に推移しております。OA商品は、パソコンはノート型を中心に緩やかに回復しましたが、タブレット型パソコン・デジタルカメラ・周辺機器は不振となりました。通信商品は、9月16日に発売された「iPhone7/7Plus」は好調に推移しましたが、総務省による「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」により、携帯電話端末の実質販売価格が見直されたことにより、MNPを含め新規契約が低調となったことにより販売台数が伸び悩みました。
店舗戦略につきましては、前期に引き続き積極的な既存店舗の活性化を推進しており、当連結会計年度において46店舗で実施しました。うち、平成28年4月に発生した熊本地震により大きな被害を受けた5店舗についても復旧工事と合わせて商品の提案力を高めるための活性化を行っております。新規出店は、平成28年10月28日に大分県大分市にアクロスプラザ大分駅南店をオープンしました。
リフォーム事業は、専任担当者の増員と人材育成を図り、キッチン・バス・トイレ・洗面化粧台等を中心としたリフォームコーナーを平成29年2月末までに68店舗にて展開しております。電力小売り自由化に伴うオール電化機器の販売増加と合わせ、売上高は大幅に伸長しております。
海外事業につきましては、シンガポール、マレーシアにおいてそれぞれ1店舗を出店し、加えて店外催事や直営で運営するアップル商品の販売が好調に推移し、現地通貨ベースでは増収となりました。
当連結会計年度末現在における店舗数は、直営店160店(うち海外18店含む)、フランチャイズ店229店(うち海外54店含む)の総店舗数389店となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 家電小売業は、主に前期の4月に海外のインドネシア事業をフランチャイズチェーンに切り替えたことや海外事業の為替変動の影響、店舗閉鎖により、売上高は1,290億70百万円(前年同期比7.4%減)となりましたが、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費の削減により、営業利益は50億52百万円(前年同期比24.6%増)と減収増益となりました。
② 家電卸売業は、売上高は259億18百万円(前年同期比3.6%減)となり、営業利益は4億43百万円(前年同期比8.9%減)と減収減益となりました。
③ クレジット事業は、平成19年に信販会社との契約内容を変更し営業貸付金が減少したため、営業収益は28百万円(前年同期比17.1%減)と減収となり、営業損失は1億25百万円(前年同期営業損失2百万円)となりました。
④ サービス事業は、主に配達設置件数の減少により、売上高は23億60百万円(前年同期比1.9%減)と減収となり、営業損失は50百万円(前年同期営業損失36百万円)となりました。
⑤ その他は、主に建築工事の請負業における売上高の増加により、売上高は21億45百万円(前年同期比24.4%増)となり、営業利益は1億47百万円(前年同期比98.5%増)と増収増益となりました。
以上の結果、連結売上高は1,595億24百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益は30億80百万円(前年同期比48.7%増)、経常利益は37億円(前年同期比42.8%増)となり、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は38億45百万円(前年同期比126.9%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ2億80百万円増加し、当連結会計年度末は64億88百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は51億17百万円(前連結会計年度は11億19百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益31億20百万円、たな卸資産の減少による増加27億13百万円および減価償却費14億79百万円等の増加と、仕入債務13億99百万円等の減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は3億17百万円(前連結会計年度は4億18百万円の獲得)となりました。これは主に固定資産の取得による支出9億36百万円、固定資産の除却による支出5億30百万円等の支出と、敷金及び保証金の回収による収入6億1百万円等の収入によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は43億87百万円(前連結会計年度は10億11百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出56億4百万円等の支出と、短期借入金の増加15億円等の収入によります。