有価証券報告書-第59期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)

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2020/11/27 9:00
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注記事項-重要な会計方針、連結財務諸表(IFRS)

3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与により生じる変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーにより、当該変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配を喪失する日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
子会社の財務諸表は親会社と統一された会計方針を適用しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
迅銷(中国)商貿有限公司、優衣庫商貿有限公司、迅銷(上海)商業有限公司、極優(上海)商貿有限公司他10社の決算日は12月31日、3月31日又は6月30日ですが、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。その他の子会社の財務諸表は親会社と同一の報告期間について作成されています。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。
非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
包括利益は非支配持分が負となる場合であっても親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
当連結会計年度末における連結子会社の数は134社であります。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループにより支配されていないが、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有している企業をいいます。当社グループが他の企業の20%以上の議決権を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
関連会社に対する投資は、持分法を適用して会計処理を行い、取得時に取得原価で測定し、それ以後は、関連会社の純資産に対する当社グループの持分の変動に応じて投資額を変動させております。その際、関連会社の純損益のうち当社グループの持分相当額は連結損益計算書に計上しております。また、関連会社のその他の包括利益のうち、当社グループの持分相当額は連結包括利益計算書のその他の包括利益に計上しております。
重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しております。
当連結会計年度末における持分法適用関連会社の数は4社であります。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として計上しております。発生した取得費用は費用として処理しております。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業の偶発負債は、それが現在の債務であり、過去の事象から発生したもので、かつその公正価値を信頼性をもって測定できる場合に限り、企業結合において認識されております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかを個々の取引ごとに選択しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した報告日までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であり
ます。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートで各社の機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性項目は、報告日の為替レートで機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性項目の換算差額はその期間の損益として認識しております。
外貨建の取得原価により測定する非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。外貨建の公正価値により測定する非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の為替換算差額は、非貨幣性項目に係る利得又は損失をその他の包括利益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分はその他の包括利益に認識し、非貨幣性項目に係る利得又は損失を純損益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分は純損益で認識しております。
② 在外営業活動体の換算
当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は報告日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は期中平均為替レートで円貨に換算しております。換算により生じた差額は、その他の包括利益で認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該在外営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の損益として認識しております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しており、この分類は当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、直接関連する取引コストを加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融商品については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融商品を除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として純損益として認識しております。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
報告日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識し、著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。
評価時点において契約上の支払期日を超過している場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしておりますが、当該評価を行う際には、その他の合理的に利用可能かつ裏付可能な情報を考慮しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権等については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で認識しております。
発行者又は債務者が重大な財政的困難にある場合や、法的・形式的な経営破綻の事実が発生している場合、債務不履行が生じていると判断しております。債務不履行と判断される場合、信用減損金融資産として取り扱っております。
上記に関わらず、法的に請求権が消滅する等、金融資産の全部又は一部について回収できないと合理的に判断される場合には、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止いたします。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識いたします。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、社債及び借入金等をその発効日に当初認識し、その他の金融負債を取引日に当初認識しています。金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しており、この分類は当初認識時に決定しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債について、売買目的保有の金融負債と当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当連結会計年度の純損益として認識しています。償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当連結会計年度の純損益として認識しています。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクをヘッジするために、為替予約を利用しております。このデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は連結損益計算書において純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法などを含んでおります。これらのヘッジは、公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ指定を受けたすべての財務報告期間にわたって実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
当社グループは、為替予約をキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しており、以下のように会計処理しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせる予定取引である場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了又は行使された場合、若しくはヘッジ指定を取り消された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、予定取引又は確定約定が発生するまで引き続き資本に計上しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物とは、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する流動性の高い短期投資からなっております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価又は正味実現可能価額のいずれか低い額で評価しており、原価の算定にあたっては、主として加重平均法を採用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。取得原価には、資産の取得に直接付随する支出と、解体、除去及び設置していた場所の原状回復費用が含まれております。
② 償却
土地及び建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、以下の主な見積耐用年数にわたり、定額法で計上され
ます。
建物及び構築物 3~30年
器具備品及び運搬具 5年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、将来に反映される見積りの変動の影響を考慮して、各連結会計年度末に見直されます。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。
のれんは、当社グループが取得した持分の取得原価が、識別可能な取得資産負債の公正価値の純額を上回る場合の超過額を示しております。
のれんは償却を行わず、事業を行う地域及び事業の種類に基づいて識別された資金生成単位に配分し、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っておりません。
② 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定しており、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上しております。
有限の耐用年数を有する無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
有限の耐用年数を有する無形資産の主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
・社内利用のソフトウエア 社内における利用可能期間(3~5年)
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、個別に又は各資金生成単位で減損テストを実施しております。
(9) リース
(前連結会計年度)
契約がリースであるか否か、もしくは契約にリースが含まれているか否かについては、リース開始日における契約の実質、すなわち契約の履行が特定の資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権(契約上明記されているか否かにかかわらず)が移転するかどうかに基づき判断されます。
リース契約により、資産の所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて借手に移転する場合、当該リース取引はファイナンス・リースに分類しております。ファイナンス・リース以外のリース取引は、オペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース資産は、リース開始時のリース物件の公正価値と最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額をもって資産計上しております。リース料は、利子率が負債残高に対して一定率になるように金融費用とリース債務の返済額とに配分しており、金融費用は連結損益計算書において費用として認識しております。リース資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。
借手のオペレーティング・リースの支払リース料は、リース期間にわたって定額法により費用として認識しております。
貸手のオペレーティング・リースの賃貸収益は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しております。
(当連結会計年度)
(ⅰ) 借手としてのリース
当社グループは、使用権資産をリース開始日に認識し、取得原価で当初測定を行っております。当該取得原価は、リース負債の当初測定の金額、リース開始日より前に支払ったリース料から、受け取ったリース・インセンティブを控除したもの及び発生した当初直接コストから構成されております。
使用権資産は、当初測定後、リース期間にわたり定額法を用いて減価償却しております。リース期間については、リースの解約不能期間に、解約しないことが合理的に確実な期間を加えた期間を加味し決定しています。また、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
リース負債は、リース開始日以降、リース期間にわたって将来支払われるリース料の現在価値で当初測定しております。現在価値計算においては、リースの計算利子率が容易に算定できる場合は当該利子率を使用し、そうでない場合は追加借入利子率を使用しております。
リース負債の測定に使用するリース料には、主に固定リース料及びリース期間がリース解約オプションの行使を反映している場合その解約に伴う手数料が含まれます。
当初測定後、リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しております。そのうえで、指数又はレートの変更により将来のリース料に変更が生じた場合、または解約オプションの行使可能性の評価に変更が生じた場合、リース負債を再測定しております。
リース負債を再測定した場合、使用権資産の帳簿価額をリース負債の再測定の金額で修正します。
(ⅱ) 貸手としてのリース
当社グループが貸手となるリースについては、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類します。
それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的に全て移転するか否かを総合的に評価しています。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。
当社グループが貸手としてのリースを行う場合は、全て当社グループが中間の貸手となる転貸に該当します。ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理します。当社グループは、連結財政状態計算書において、当該サブリースに係る貸手のファイナンス・リースを「その他短期金融資産」及び「長期金融資産」に含めて表示しています。
(10) 減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、各報告日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。売却費用控除後の公正価値の算定には、最近の市場取引が考慮されておりますが、観察可能な市場取引が存在しない場合には、適切な評価モデルが使用されております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。
減損損失については、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には当期損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分されております。
のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、各報告日において、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れます。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れます。
(11) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務及び推定的債務が存在し、当社グループが当該債務の決済をするために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、報告日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、現在の債務の決済のために必要な支出(将来キャッシュ・フロー)の最善の見積りに基づいて測定しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積られた将来キャッシュ・フローをその負債に固有のリスクを反映させた税引前割引率で割り引いた現在価値で測定しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
引当金の説明は以下のとおりであります。
資産除去債務引当金
本社ビルをはじめとしたオフィス及び店舗の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務等を見積り、引当金として計上しております。使用見込期間を取得から耐用年数到来時と見積り、割引率は主に0.00~1.00%を使用して計算しております。
(12) 従業員給付
① 確定拠出制度
当社及び一部の子会社の従業員を対象に、確定拠出年金制度を採用しております。
確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用処理しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連する勤務を提供した時点で費用処理しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
③ 株式報酬
当社グループでは、当社及び当社子会社の従業員に対して、その当社グループの利益に対する貢献に報いるとともに、当社の株価とそれらの者の受ける利益を連動化させることで、当社グループの業績向上に対する意欲や士気を一層高め、株主の皆様の利益を重視した業務展開を強化し株主価値を高めることを目的として、株式報酬型ストック・オプションとしての新株予約権を発行しております。
ストック・オプションは、付与日に当社の株価等を参照して公正価値で測定されます。ストック・オプションの公正価値を決定するための詳細は、注記「29.株式報酬制度」に記載しております。
ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって定額法で費用計上され、同時に、資本剰余金が認識され
ます。
(13) 収益
当社グループは、IFRS第15号の適用に伴い、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、グローバルに衣料品販売事業を展開しており、このような衣料品販売については、通常、衣料の引渡時点において顧客が当該衣料品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しているため、主として当該衣料品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
(14) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されており、その他の包括利益に計上される項目から生じる税金を除き、損益として計上しております。
当期税金は、各報告日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額に過年度の納税調整額を加味したものであります。
繰延税金資産及び負債は、資産負債法により、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務上の資産及び負債金額との一時差異に対して計上しております。なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんから生じる一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
また、当社及び国内の100%出資子会社は、連結納税制度を適用しております。
繰延税金資産及び負債は、各報告日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は各報告日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
(15) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の普通株主に帰属する損益を、連結会計年度中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。

注記事項-重要な会計方針、連結財務諸表(IFRS)

3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与により生じる変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーにより、当該変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配を喪失する日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
子会社の財務諸表は親会社と統一された会計方針を適用しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
迅銷(中国)商貿有限公司、優衣庫商貿有限公司、迅銷(上海)商業有限公司、極優(上海)商貿有限公司他10社の決算日は12月31日、3月31日又は6月30日ですが、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。その他の子会社の財務諸表は親会社と同一の報告期間について作成されています。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。
非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
包括利益は非支配持分が負となる場合であっても親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
当連結会計年度末における連結子会社の数は134社であります。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループにより支配されていないが、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有している企業をいいます。当社グループが他の企業の20%以上の議決権を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
関連会社に対する投資は、持分法を適用して会計処理を行い、取得時に取得原価で測定し、それ以後は、関連会社の純資産に対する当社グループの持分の変動に応じて投資額を変動させております。その際、関連会社の純損益のうち当社グループの持分相当額は連結損益計算書に計上しております。また、関連会社のその他の包括利益のうち、当社グループの持分相当額は連結包括利益計算書のその他の包括利益に計上しております。
重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しております。
当連結会計年度末における持分法適用関連会社の数は4社であります。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として計上しております。発生した取得費用は費用として処理しております。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業の偶発負債は、それが現在の債務であり、過去の事象から発生したもので、かつその公正価値を信頼性をもって測定できる場合に限り、企業結合において認識されております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかを個々の取引ごとに選択しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した報告日までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であり
ます。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートで各社の機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性項目は、報告日の為替レートで機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性項目の換算差額はその期間の損益として認識しております。
外貨建の取得原価により測定する非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。外貨建の公正価値により測定する非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の為替換算差額は、非貨幣性項目に係る利得又は損失をその他の包括利益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分はその他の包括利益に認識し、非貨幣性項目に係る利得又は損失を純損益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分は純損益で認識しております。
② 在外営業活動体の換算
当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は報告日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は期中平均為替レートで円貨に換算しております。換算により生じた差額は、その他の包括利益で認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該在外営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の損益として認識しております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しており、この分類は当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、直接関連する取引コストを加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融商品については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融商品を除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として純損益として認識しております。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
報告日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識し、著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。
評価時点において契約上の支払期日を超過している場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしておりますが、当該評価を行う際には、その他の合理的に利用可能かつ裏付可能な情報を考慮しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権等については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で認識しております。
発行者又は債務者が重大な財政的困難にある場合や、法的・形式的な経営破綻の事実が発生している場合、債務不履行が生じていると判断しております。債務不履行と判断される場合、信用減損金融資産として取り扱っております。
上記に関わらず、法的に請求権が消滅する等、金融資産の全部又は一部について回収できないと合理的に判断される場合には、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止いたします。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識いたします。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、社債及び借入金等をその発効日に当初認識し、その他の金融負債を取引日に当初認識しています。金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しており、この分類は当初認識時に決定しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しています。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債について、売買目的保有の金融負債と当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当連結会計年度の純損益として認識しています。償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当連結会計年度の純損益として認識しています。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクをヘッジするために、為替予約を利用しております。このデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は連結損益計算書において純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法などを含んでおります。これらのヘッジは、公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ指定を受けたすべての財務報告期間にわたって実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
当社グループは、為替予約をキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しており、以下のように会計処理しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせる予定取引である場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了又は行使された場合、若しくはヘッジ指定を取り消された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、予定取引又は確定約定が発生するまで引き続き資本に計上しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物とは、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する流動性の高い短期投資からなっております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価又は正味実現可能価額のいずれか低い額で評価しており、原価の算定にあたっては、主として加重平均法を採用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。取得原価には、資産の取得に直接付随する支出と、解体、除去及び設置していた場所の原状回復費用が含まれております。
② 償却
土地及び建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、以下の主な見積耐用年数にわたり、定額法で計上され
ます。
建物及び構築物 3~30年
器具備品及び運搬具 5年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、将来に反映される見積りの変動の影響を考慮して、各連結会計年度末に見直されます。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。
のれんは、当社グループが取得した持分の取得原価が、識別可能な取得資産負債の公正価値の純額を上回る場合の超過額を示しております。
のれんは償却を行わず、事業を行う地域及び事業の種類に基づいて識別された資金生成単位に配分し、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っておりません。
② 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定しており、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上しております。
有限の耐用年数を有する無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
有限の耐用年数を有する無形資産の主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
・社内利用のソフトウエア 社内における利用可能期間(3~5年)
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、個別に又は各資金生成単位で減損テストを実施しております。
(9) リース
(前連結会計年度)
契約がリースであるか否か、もしくは契約にリースが含まれているか否かについては、リース開始日における契約の実質、すなわち契約の履行が特定の資産又は資産グループの使用に依存しているかどうか、及び契約により当該資産の使用権(契約上明記されているか否かにかかわらず)が移転するかどうかに基づき判断されます。
リース契約により、資産の所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて借手に移転する場合、当該リース取引はファイナンス・リースに分類しております。ファイナンス・リース以外のリース取引は、オペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース資産は、リース開始時のリース物件の公正価値と最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額をもって資産計上しております。リース料は、利子率が負債残高に対して一定率になるように金融費用とリース債務の返済額とに配分しており、金融費用は連結損益計算書において費用として認識しております。リース資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。
借手のオペレーティング・リースの支払リース料は、リース期間にわたって定額法により費用として認識しております。
貸手のオペレーティング・リースの賃貸収益は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しております。
(当連結会計年度)
(ⅰ) 借手としてのリース
当社グループは、使用権資産をリース開始日に認識し、取得原価で当初測定を行っております。当該取得原価は、リース負債の当初測定の金額、リース開始日より前に支払ったリース料から、受け取ったリース・インセンティブを控除したもの及び発生した当初直接コストから構成されております。
使用権資産は、当初測定後、リース期間にわたり定額法を用いて減価償却しております。リース期間については、リースの解約不能期間に、解約しないことが合理的に確実な期間を加えた期間を加味し決定しています。また、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
リース負債は、リース開始日以降、リース期間にわたって将来支払われるリース料の現在価値で当初測定しております。現在価値計算においては、リースの計算利子率が容易に算定できる場合は当該利子率を使用し、そうでない場合は追加借入利子率を使用しております。
リース負債の測定に使用するリース料には、主に固定リース料及びリース期間がリース解約オプションの行使を反映している場合その解約に伴う手数料が含まれます。
当初測定後、リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しております。そのうえで、指数又はレートの変更により将来のリース料に変更が生じた場合、または解約オプションの行使可能性の評価に変更が生じた場合、リース負債を再測定しております。
リース負債を再測定した場合、使用権資産の帳簿価額をリース負債の再測定の金額で修正します。
(ⅱ) 貸手としてのリース
当社グループが貸手となるリースについては、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類します。
それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的に全て移転するか否かを総合的に評価しています。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類します。
当社グループが貸手としてのリースを行う場合は、全て当社グループが中間の貸手となる転貸に該当します。ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理します。当社グループは、連結財政状態計算書において、当該サブリースに係る貸手のファイナンス・リースを「その他短期金融資産」及び「長期金融資産」に含めて表示しています。
(10) 減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、各報告日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。売却費用控除後の公正価値の算定には、最近の市場取引が考慮されておりますが、観察可能な市場取引が存在しない場合には、適切な評価モデルが使用されております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。
減損損失については、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には当期損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分されております。
のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、各報告日において、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れます。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れます。
(11) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務及び推定的債務が存在し、当社グループが当該債務の決済をするために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、報告日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、現在の債務の決済のために必要な支出(将来キャッシュ・フロー)の最善の見積りに基づいて測定しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積られた将来キャッシュ・フローをその負債に固有のリスクを反映させた税引前割引率で割り引いた現在価値で測定しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
引当金の説明は以下のとおりであります。
資産除去債務引当金
本社ビルをはじめとしたオフィス及び店舗の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務等を見積り、引当金として計上しております。使用見込期間を取得から耐用年数到来時と見積り、割引率は主に0.00~1.00%を使用して計算しております。
(12) 従業員給付
① 確定拠出制度
当社及び一部の子会社の従業員を対象に、確定拠出年金制度を採用しております。
確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用処理しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連する勤務を提供した時点で費用処理しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
③ 株式報酬
当社グループでは、当社及び当社子会社の従業員に対して、その当社グループの利益に対する貢献に報いるとともに、当社の株価とそれらの者の受ける利益を連動化させることで、当社グループの業績向上に対する意欲や士気を一層高め、株主の皆様の利益を重視した業務展開を強化し株主価値を高めることを目的として、株式報酬型ストック・オプションとしての新株予約権を発行しております。
ストック・オプションは、付与日に当社の株価等を参照して公正価値で測定されます。ストック・オプションの公正価値を決定するための詳細は、注記「29.株式報酬制度」に記載しております。
ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって定額法で費用計上され、同時に、資本剰余金が認識され
ます。
(13) 収益
当社グループは、IFRS第15号の適用に伴い、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、グローバルに衣料品販売事業を展開しており、このような衣料品販売については、通常、衣料の引渡時点において顧客が当該衣料品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しているため、主として当該衣料品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
(14) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されており、その他の包括利益に計上される項目から生じる税金を除き、損益として計上しております。
当期税金は、各報告日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額に過年度の納税調整額を加味したものであります。
繰延税金資産及び負債は、資産負債法により、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務上の資産及び負債金額との一時差異に対して計上しております。なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんから生じる一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
また、当社及び国内の100%出資子会社は、連結納税制度を適用しております。
繰延税金資産及び負債は、各報告日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は各報告日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
(15) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の普通株主に帰属する損益を、連結会計年度中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。