有価証券報告書-第37期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/06/01 16:50
【資料】
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【項目】
150項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 中期的な経営方針・経営戦略
多様な事業ポートフォリオの進化と、AIインフラ企業への転換による持続的成長
当社グループは、持株会社体制の下、既存事業の収益基盤強化と新規事業の飛躍的拡大を両立し、企業価値の持
続的な向上を図ることを重要な経営方針として掲げております。
具体的には、基盤事業である従来のアパレル小売事業において事業モデルの改革を推し進め、変化する市場環境
に適応した筋肉質な収益体制を構築いたします。
これと並行して、脱炭素社会の実現に向けたインフラを担う系統用蓄電池事業を推進し、早期に安定的かつ確固
たる事業の柱へと成長させてまいります。
また同時に、「GPUサーバーとデータセンター(DC)事業が牽引するAIインフラ企業への転換」を果たすことを
最重要の経営戦略と位置付けております。加速度的に成長するAI市場に対して、最先端の計算資源(GPU)とそれ
に最適化されたデータセンター環境を統合的に提供することで、社会のデジタルインフラを支え、企業価値の飛躍
的な向上を目指してまいります。
(2) 現状の認識について(経営環境)
(衣料品等事業)
国内アパレル市場におきましては、経済活動の正常化に伴い実店舗への客足が回復傾向にある一方、物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりから、衣料品に対する厳格な選別消費や低価格志向は依然として根強い状況にあります。また、長期化する為替の円安水準や原材料費・物流費の高騰により、調達コストの上昇が恒常化しております。加えて、近年の気候変動に伴う酷暑や暖冬など予期せぬ天候不順が季節商品の販売動向に多大な影響を与えており、事業環境の不確実性は一段と高まっております。
消費者の購買行動におきましては、ECチャネルの利用定着やファッショントレンドの短期化に加え、サステナビリティ(環境配慮やリユース等)に対する関心が高まるなど、価値観の多様化が進んでおります。
このような環境下において安定的な収益を確保するためには、従来の手法にとらわれない事業モデルの改革が急務であり、消費者ニーズを的確に捉えた商品企画力、天候等の変化に迅速に対応する機動的な在庫管理、ならびに環境に配慮した付加価値の提供がこれまで以上に求められております。
(系統用蓄電池事業)
系統用蓄電池市場におきましては、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源
化に伴い、天候による発電出力の変動吸収や、電力需給の安定化を担う重要インフラとして、その役割が急速に高
まっております。政府におきましても、導入支援補助金の拡充や「長期脱炭素電源オークション」の開始など、国
策として系統用蓄電池の普及拡大に向けた強力な支援体制が敷かれております。
また、電力システム改革の進展により、電力卸売市場(JEPX)、需給調整市場、容量市場といった複数の電力市
場(マルチマーケット)が整備されたことで、蓄電池の最適な運用による収益機会の多様化と中長期的な事業予見
性の向上が図られております。こうした良好な事業環境と高い市場ポテンシャルを背景に、異業種を含む新規参入
が相次いでおり、当該市場は加速度的な成長局面にあります。
一方で、急速な市場拡大の反動として、事業化に向けた課題も顕在化しております。参入業者の増加に伴う事業
用地確保の競争激化に加え、一般送配電事業者への系統連系の申込みが全国的に集中していることから、接続検討
や連系工事に長期間を要するケースが増加しており、案件開発のリードタイムが長期化する傾向にあります。さら
に、世界的な蓄電池需要の増加を背景とした設備調達コストの動向等、注視すべき経営課題も存在しております。
(GPUサーバー等事業)
GPUサーバー市場におきましては、生成AIの用途拡大や社会実装の進展に伴い、膨大なデータ処理を可能とする
計算資源(GPU)への需要が加速度的に拡大しており、市場は持続的な成長が見込まれております。
また、地政学的な課題やセキュリティリスクが渦巻く現在の世界経済・安全保障環境に鑑み、各国のデータ主権
(ソブリンAI)の重要性が高まっております。これにより、国内においても急増するAI処理に対応できる高度なAI
インフラの構築と、国内での安全な計算資源の確保が強く求められております。
一方で、当該市場の高い成長性を背景に、同業他社や異業種からの新規参入が増加しており、GPUサーバーや計
算資源の提供を巡る競争環境は激化の様相を呈しております。
(3) 当面の対処すべき課題
(衣料品等事業)
① 仕入コストの上昇への対応
円安や原材料費の高騰により、海外からの商品仕入コストが上昇しております。当社グループにおきまして
は、仕入先との価格交渉の強化、調達先の多様化、為替リスクの適切な管理等を通じて、コストコントロールの
徹底を図るとともに、価格転嫁と商品価値のバランスを意識した価格戦略の構築が課題であると認識しておりま
す。
② 需給管理の適正化と在庫コントロール
ファッション商品はトレンドや気象状況により需要が変動しやすく、需給予測の精度向上が収益性に直結いた
します。当社グループにおきましては、販売データの分析強化や商品投入サイクルの最適化を通じて、適正在庫
の維持と過剰在庫の抑制に努め、評価損や値引き販売による利益率低下の回避に取り組んでまいります。
③ 販売チャネルの最適化
消費者の購買行動が多様化する中、実店舗とECの最適なバランスを追求することが重要な経営課題でありま
す。実店舗につきましては、収益性を重視した出店先の厳選と不採算店舗の整理を進め、店舗ポートフォリオの
収益性向上に努めてまいります。同時に、成長を続けるEC市場への対応として、自社ECサイトの機能強化やECモ
ールとの連携拡大等を通じて、オンライン販売の拡充を推進してまいります。
④ 商品企画力の強化とブランド価値の向上
低価格競争が激化する市場環境において、価格以外の付加価値による差別化が不可欠であります。当社グルー
プにおきましては、消費者ニーズを的確に捉えた商品企画力の強化、各ブランドの独自性の明確化、ならびに環
境配慮型素材の採用等によるブランド価値の向上に取り組み、市場における競争優位性の確立を目指してまいり
ます。
(系統用蓄電池事業)
① 系統連系の確保と案件開発の推進
系統用蓄電池事業においては、電力系統への接続が事業の前提となります。現在、系統連系の申込みが全国的
に集中しており、接続検討から連系までに長期間を要するほか、想定を上回る接続負担金が発生するケースも生
じております。当社グループにおきましては、系統連系の確度が高い案件の厳選と、送配電事業者との早期協議
を通じて、着実な案件開発を推進することが課題であると認識しております。
② 電力市場価格の変動への対応
系統用蓄電池事業の収益は、電力卸売市場や需給調整市場における取引価格に連動するため、市場価格の変動
が事業収益に直接的な影響を及ぼします。当社グループにおきましては、複数の市場を組み合わせた収益モデル
の構築や、適切な運用戦略の策定を通じて、市場価格変動リスクの分散と収益の安定化に努めてまいります。
③ エネルギー政策・制度変更への対応
系統用蓄電池を取り巻く電力市場の制度やルールは、エネルギー政策の進展に伴い頻繁に変更される可能性が
あります。制度変更は事業の収益性や運用方法に影響を及ぼすことから、当社グループにおきましては、政策動
向や制度改正に関する情報収集を強化し、環境変化に柔軟に対応できる事業運営体制の構築が課題であると認識
しております。
④ 蓄電池設備の調達と初期投資への対応
系統用蓄電池事業においては、蓄電池本体や関連設備の調達に多額の初期投資を要します。設備コストの低減
に向けて、国内外のサプライヤーからの最適な調達を検討するとともに、補助金制度の活用や多様な資金調達手
法の検討を通じて、投資採算性の確保と機動的な事業展開を図ってまいります。
(GPUサーバー等事業)
① 最先端ハードウェアの安定調達とコスト対応
世界的なAI需要の急増に伴い、GPUをはじめとする最先端半導体・サーバー機器はグローバルベースで需給が
逼迫しております。また、為替相場の変動が調達コストに直接的な影響を及ぼします。当社グループにおきまし
ては、主要ベンダー・サプライヤーとの強固な関係構築を図り、タイムリーかつ安定的な機材調達網を維持する
とともに、為替リスクの適切な管理によるコストコントロールの徹底が課題であると認識しております。
② データセンター事業者との連携強化
高度なGPUサーバーを安定稼働させるためには、膨大な電力を供給でき、かつ高発熱に対応できる冷却システ
ムを備えたデータセンターインフラが不可欠であります。当社グループにおきましては、顧客のAI基盤構築を支
援するため、AI処理に最適化されたデータセンター事業者との連携を強化し、顧客ニーズに応じた最適なインフ
ラ環境の提案・確保に努めてまいります。
③ 競争激化に伴う差別化と収益性の維持
GPUサーバー関連事業への新規参入業者の増加に伴い、価格競争による収益性の低下が懸念されます。当社グ
ループにおきましては、単なる機材の価格競争に陥ることなく、顧客ニーズに合わせた最新世代GPUの迅速な提
供、柔軟な提供スキームの構築、ならびに安定的な保守・サポート体制の整備等を通じて付加価値を高め、市場
における競争優位性の確立と収益基盤の強化に取り組んでまいります。
(全般)
系統用蓄電池事業及びGPUサーバー等事業においては、高額な機器・商品・部材等の仕入に多額の資金を要しま
す。加速度的に成長する市場需要を確実に取り込むため、金融機関との良好な関係維持や多様な資金調達手法の検
討を通じて、機動的かつ安定的な資金調達基盤を確立することが課題であると認識しております。

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