有価証券報告書-第9期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 14:39
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり緩やかな景気回復基調で推移いたしましたが、海外経済の不確実性の高まりや力強さを欠く個人消費等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社が属するドラッグストア業界は、同業各社の積極的な出店や法的規制緩和による競争環境のめまぐるしい変化を受け、異業種を交えた業務・資本提携、M&A等、企業の生き残りをかけた統合・再編の動きが活発化しております。
①ドラッグストア・調剤事業
(概要)
当社は、「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念のもと、事業の質的向上のため、グループ全社が一体となって、お客様へのサービスや利便性を徹底的に高めると同時に、高収益体質への変革を推進しております。平成29年3月期は、①積極的な改装による既存店舗の活性化、②顧客特性に応じたマーチャンダイジングの標準化、③ICT活用による更なるお客様の利便性の向上、④モバイル端末活用による店舗作業の効率化、⑤地域の方々の健康増進を支援する「健康サポート薬局」機能の強化を推進してまいりました。特にお客様の利便性を高める取り組みとして、スマートフォン用アプリ「ココカラ公式アプリ」の立ち上げや、カスタマー向けデジタル販売促進媒体の統合により、お客様の更なる利便性向上施策を推進いたしました。また、モバイル端末の導入・活用開始により商品の発注精度向上や店舗作業の時間短縮などが実現し、中長期的な効率経営に向けた取り組みも進捗しております。
春・夏における天候不順や台風による消費低下、一部のインバウンド関連商品の伸び悩み、C型肝炎治療薬の患者数減少等の影響があったものの、主に既存店舗の活性化策によりカバーし、既存店売上高は前連結会計年度比0.8%増となりました。また厳しい消費環境の中、販売促進策の効率運営や各種経費コントロールなど収益化に向けた取り組みを行った結果、第3四半期連結会計期間以降は前年同期比増益に転じ、当連結会計年度の減益幅を縮小することができました。
結果、当連結会計年度の売上高は374,795百万円(前連結会計年度比1.0%増)、営業利益は10,235百万円(同8.6%減)となりました。
(出退店状況)
出退店につきましては、中期経営計画の中で前期と当期は、継続する店舗と撤退する店舗を明確化し経営資源を集中させて、店舗ごとの最適化を推進する時期と位置づけており、ドラッグストア店舗は21店舗純減となりました。また調剤取り扱い店舗につきましては、新規出店に加えて、積極的なM&Aを行い17店舗の純増(ドラッグストアの調剤併設店舗含む)となりました。新規35店舗を出店(子会社化及び事業譲受した13店舗を含む)、不採算店38店舗を退店し収益改善を図るとともに、67店舗の改装を実施する等店舗の新陳代謝を促進いたしました。結果、当連結会計年度末の当社グループ店舗数は、1,304店舗(前連結会計年度末比3店舗減)となりました。
[国内店舗数の推移]
平成28年4月1日
期首時点の総店舗数
出店退店平成29年3月31日
現在の総店舗数
株式会社ココカラファイン ヘルスケア1,24923381,234
株式会社岩崎宏健堂581-59
有限会社東邦調剤-11-11
合計1,30735381,304
(内、調剤取扱)(232)(19)(2)(249)


[国内地域別店舗分布状況(平成29年3月31日現在)]
地域店舗数地域店舗数地域店舗数地域店舗数
北海道28富山県3兵庫県104福岡県56
宮城県3石川県1奈良県36佐賀県2
山形県1福井県2和歌山県29長崎県18
福島県3山梨県3鳥取県14熊本県7
茨城県2長野県3島根県2大分県5
栃木県7岐阜県18岡山県9沖縄県6
群馬県1静岡県37広島県29
埼玉県45愛知県95山口県72
千葉県22三重県58徳島県4
東京都241滋賀県10香川県7
神奈川県55京都府38愛媛県5
新潟県66大阪府154高知県3合計1,304

(商品販売状況)
一般用医薬品は高付加価値目薬などが順調に推移しましたが、インバウンドの動向に関連性の高いビタミン剤などが伸び悩み、売上高54,429百万円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。調剤は薬価・診療報酬改定の影響による押し下げがあったものの、ジェネリック医薬品の普及や在宅調剤などの取り組みを推進した結果、売上高は48,994百万円(同2.5%減)となりました。化粧品につきましては、高付加価値品の販売強化や新商品の好調などにより、売上高は100,363百万円(同1.1%増)となり、健康食品につきましては、昨年好調だったダイエット商品の反動減などにより、売上高は10,479百万円(同8.3%減)となりました。衛生品はインバウンドの動向に関連性の高い子供用おむつの販売減少により40,996百万円(同3.1%減)、日用雑貨は47,068百万円(同1.6%増)、食品につきましては、店舗改装やレイアウト変更などによる機能強化により、売上高は36,772百万円(同7.2%増)となりました。また卸売につきましては取引先数増加などにより35,689百万円(同13.7%増)となりました。
②介護事業
当社は、医療・介護に携わる多職種協働により、地域における在宅医療・介護を一体的に提供する「地域におけるヘルスケアネットワーク」の構築を社会的使命と位置づけております。具体的には、訪問看護事業への取り組み強化や、訪問介護事業を展開する株式会社山本サービスの子会社化を行うなど、在宅医療の受け皿としての機能を拡充するとともに、地域での健康セミナー開催を通じた地域コミュニティへの参画により、ヘルスケアネットワークのモデルづくりを一層加速させております。
当連結会計年度におきましては、訪問看護と機能訓練型リハビリデイの複合施設の収益化や本部費用の効率化などにより収益改善を図りましたが、訪問看護事業における先行投資や人件費高騰等の影響をカバーすることができず、当連結会計年度の売上高は2,410百万円(前連結会計年度比7.5%増)、セグメント損失(営業損失)は前連結会計年度比8百万円減の79百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は377,203百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益は10,159百万円(同8.6%減)、経常利益は12,507百万円(同7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,037百万円(同1.6%増)となりました。
※当社グループにおける商品分類別実績につきましては、2「仕入及び販売の状況」(3) セグメント別及び商品区分別売上状況に記載のとおりであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は13,441百万円(前連結会計年度比539百万円の増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得された資金は9,381百万円(前連結会計年度比8,429百万円の減少)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が11,339百万円に対して、主な増加要因として非資金費用である減価償却費及びその他の償却費の計上3,698百万円、減損損失の計上945百万円、のれん償却額の計上324百万円、仕入債務の増加額1,227百万円、その他の増加額977百万円があったものの、減少要因として、売上債権の増加額988百万円、たな卸資産の増加額214百万円、未収入金の増加額1,265百万円、法人税等の支払額7,154百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は6,115百万円(前連結会計年度比2,419百万円の増加)となりました。これは主として新規出店及び改装等による有形固定資産の取得による支出3,404百万円、無形固定資産の取得による支出761百万円、事業譲受による支出407百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出837百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用された資金は2,726百万円(前連結会計年度比4,649百万円の減少)となりました。これは主として、短期借入金の減少額600百万円、リース債務の返済による支出283百万円、配当金の支払額1,842百万円があったこと等によるものであります。