有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
※ 本「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に、りそなグループの人材戦略の基本方針、給与等の決定方針、指標・目標・実績を集約して記載しております。なお、ガバナンス及びリスク管理に関する全社的な枠組みは「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
りそなグループは、パーパス「金融+で、未来をプラスに。」や長期ビジョン「リテールNo.1」の実現のため、「共鳴(Resona)」を起点とした『人財戦略』を策定し、価値創造の原動力である「人財」への投資を拡充※しております。

※ 人財投資額:中期経営計画期間(2026-2028年度)は処遇向上を中心に、前中期経営計画期間累計+330億円を上回る投資を予定。
人財戦略では、「共創(りそなと外(パートナー)の共鳴)」、「プロフェッショナル(多様な専門性の共鳴)」、「エンゲージメント(従業員と会社の共鳴)」を強化していく3つの柱として定め、「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環を実現していくことを目指しております。この実現に向けて、未来へ向けて変えていく6つのドライバー(リーダー・越境・専門性・自律と支援・働きがい・働きやすさ)を設定し、各種施策に取り組んでまいりました。
環境変化が進む中でも、「人財」はりそなグループにとって経営戦略を支える最も重要な財産であることに変わりはありません。「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環を継続して目指しながら、2026年度から始まる新中期経営計画において、新たに注力テーマとして、従業員の主体性・当事者意識・挑戦志向の向上による「行動変容・成長」を掲げ、企業文化の変革を通じて人財戦略をさらに加速させてまいります。

① 従業員の行動変容・成長を促すための戦略
a. 背景と課題認識
りそなグループは、新中期経営計画「Shift to the Next Stage -新たなカタチをつくる3年間-」において「コア事業の成長」と「次世代成長ドライバーの創出」を両輪として掲げています。これを実現するためには、挑戦・変革を日常化する組織への転換、すなわち従業員一人ひとりの仕事に対する主体性・当事者意識・挑戦志向の向上による「行動変容・成長」が不可欠と認識しております。
人財戦略を加速させる上での組織課題の特定にあたり、従業員に対して匿名アンケート等を実施し現状を把握した結果、「守りの姿勢」「ハレーション回避」「評価・処遇の平準化」などが一部で確認されました。こうした組織課題を放置することは、共創・プロフェッショナル・エンゲージメントの3つの柱の強化が不十分となり、経営戦略実現に向けたリスクとなり得ます。一方で、これらの課題を克服し、3つの柱の“共鳴”をさらに加速させることができれば、人財戦略の実現を通じたりそなグループの競争優位性の強化につながる機会と認識しています。
b. 組織課題の要因分析
上記課題をもたらしている要因として、主に以下の2点を認識しています。
(i)環境要因(歴史的背景等)
2003年に公的資金が注入されて以降の改革期においては、りそなグループの生き残りをかけて、挑戦・変革が当たり前にある環境でした。その後、公的資金を完済し、安定期へと移行してきたことから、もともとある人の良さやアットホームな社風とも相まって、挑戦・変革が当時と比較して少ない環境となりつつあります。
(ii)人事運用・マネジメント要因
公的資金注入後の採用抑制の影響等により、組織のマネジメントを担う世代が一部で手薄となるなど、人員構成上の課題が生じています。この影響から、マネジメント層の不足を補うため、従来よりも早期化することも含めて様々な形で登用を進めていく必要があり、結果として登用難易度が相対的に低下する傾向が見られました。その結果、優秀層と他の従業員との相対的な差が縮小し、成果にこだわり挑戦する意欲が生まれにくい環境となりつつあります。また、上司側の経験やスキルの不足も相まって、部下の挑戦意欲を十分に引き出せない状況になりつつあると認識しています。
これらの要因をさらに分解して、表層(予定調和的/完了基準が曖昧な目標設定)、深層(優秀層と標準層の処遇差縮小、減点主義と認識される人事運用、マネジメントの経験・スキル不足)、構造的要因(歪な年齢構成)に整理し、従業員の行動変容・成長を阻む真因を特定しました。
c. 従業員の行動変容・成長を促す取り組み
前述の表層・深層・構造的要因を解消するため、以下のような取り組みを実行します

d. 新指標「行動変容・成長スコア」の導入
従業員の行動変容・成長の進捗や企業文化の変革を定点観測するため、新指標として「行動変容・成長スコア」を導入します。本スコアは、従業員への匿名アンケートにおける主体性・当事者意識・挑戦志向に関する設問群のポジティブ回答率平均で定義され、中期経営計画期間である2028年度までに65%を目標とし、毎年の進捗を確認します。
行動変容・成長スコア65%(2028年度目標)は、現状52%からの13pt改善を企図する挑戦的目標であり、各取り組みの実行を通じて段階的な改善を図ります。

※1 スコア定義:従業員の主体性・当事者意識・挑戦志向に関する意識および環境認識等を問うリッカート式設問(9問)への回答のうち、[『そう思う』『どちらかといえばそう思う』等]のポジティブ回答を肯定的回答とみなし、各設問における肯定的回答割合を基に算出した指標。
※2 基礎期間:2025年度を起点とする。(但し、2025年度数値は、2025年12月に実施した簡易サーベイ(対象:443名)に基づく数値。今後の開示においては、より精緻な実態把握のため、全従業員を対象とした意識調査への統合を行う予定。)
② 人財戦略の実現に向けた方針および6つのドライバー推進
価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向けて、個々の従業員が自律的に成長することを目的とした「人財育成方針」と個々の従業員が持てる力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした「社内環境整備方針」を整備しております。
これらの方針に沿い、6つのドライバー(リーダー、越境、専門性、自律と支援、働きがい、働きやすさ)に基づく具体的な取り組みを実施しております。引き続き6つのドライバーへの投資を継続するとともに、行動変容・成長の促進を通じて、「共創」「プロフェッショナル」「エンゲージメント」の3つの柱をさらに強化していきます。
a. 人財育成方針
りそなグループでは、従業員が自律的に学び、成長することを目指して、以下の取り組みを実施しております。
(i)多様なリーダーの育成(人財戦略のドライバー:リーダー)
社内外の多様な人財との共創・価値創造を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンをより高いレベルで進めるべく、様々な性別・経験・年代などのリーダーの育成・確保に取り組んでおります。具体的には、マネジメントスキル・リーダーシップの向上を目的とした階層別研修や選抜型研修に加えて、出向や外部派遣研修での異文化経験、多面評価(360度評価)を通じた自己認知・意識改革等、本人の能力や適性に応じて様々な機会を提供しております。
<女性活躍>女性リーダーの育成・登用は特に重要な取り組みと認識しております。2021年6月に公表したサステナビリティ長期目標では、りそなホールディングスの女性役員比率30%以上、グループ5社(※2)の女性経営職階比率20%以上、グループ5社の女性ライン管理職比率40%以上を2030年度に向けた女性登用・活躍推進の目標として掲げ、達成に向けて女性従業員の成長サポートを実施しております。具体的には、新たに経営職階に昇格した女性向けのメンタリング制度による業務面・メンタル面のサポートや、女性従業員を対象としたリーダー研修による意識醸成サポート、トレーニー制度による未経験業務への挑戦サポート等を実施しております。また、経営直轄の諮問機関である「りそなWomen’s Council」は2005年から継続して活動を実施しており、グループ横断で選抜された女性従業員がリーダーシップをとり、職場環境の整備やキャリア形成のサポート等、様々な施策を提言・実現してきました。2025年度よりメンバーの男女比を3:7として性別を限定しない活動に発展させ、より高次のダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指しており、2026年度からは名称も「りそなDiversity Council」へ変更しています。今後も、このような取り組みを通じて、女性従業員を含む多様な人財がより幅広い分野で活躍する組織を実現し、新たな価値創造を目指してまいります。
[女性活躍推進にかかる指標]

※1 役員は4月1日時点。経営職階、ライン管理職は3月末時点
※2 りそなホールディングス、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行の合算。2024年3月末までは関西みらいフィナンシャルグループを含む
<キャリア採用>専門人財確保やダイバーシティ&インクルージョンの進展を目指しキャリア採用にも力を入れております。社外で培ったスキル・経験を活かしてリーダーとして活躍できるよう、キャリア採用者向けの研修や交流会等の取り組みも強化しており、キャリア採用管理職比率についても2025年度で14.4%に向上(前年度比+1.3%)しております。
※ キャリア採用管理職比率:2023年度11.7%/2024年度13.1%/2025年度14.4%。キャリア採用人財は本部専門分野を中心として幅広く活躍。
(ii)異文化経験を通じた多様な価値観・ネットワークの形成(人財戦略のドライバー:越境)
<越境プログラム>新たな視点の獲得による多様性への受容力向上や共創に向けた多様なネットワークの構築を目指し、りそなグループ内外にかかわらず所属する組織の枠を超えた経験や交流機会を提供しております。
具体的には、他社や官公庁への出向、大学院への派遣プログラムや異業種人財との共創による新規事業創出経験等、従業員の能力や適性に応じた派遣先を選定し、所属する組織の枠を超えた経験を提供しております。
また、自己研鑽サポートとしても、外部ビジネススクールへの派遣をはじめ、公募型の越境プログラムを取り入れています。年々、その派遣先を追加する等、従業員が自律的に手を挙げて他企業の人々と交流できる機会を拡充しております。
加えて、グループ企業間での出向も拡大する等、人財交流を通じた新たな経験による成長とグループ連結運営の強化を進めております。
<アルムナイネットワーク>りそなグループでは、従前よりアルムナイ採用制度があり、アルムナイが外部での経験を積んだのちに当グループへと再入社し、活躍しています。2024年3月より、アルムナイとの関係性を更に深化させるべく、双方向のコミュニケーションがとれる関係性を築き上げるアルムナイネットワークを構築しております。
再入社だけでなく、顧客としての取引関係やビジネスパートナーとしての協業・提携等の多種多様なつながりにより、りそなグループの従業員とアルムナイがともに組織の枠を超えたキャリア・ネットワーク形成を通じて成長することで人的資本を拡大し、共創による新たな価値創造を目指してまいります。
(iii)多様なこまりごとに対応できるプロフェッショナル人財の育成(人財戦略のドライバー:専門性)
りそなグループでは、従業員全員が各業務分野において、多様なお客さまのこまりごとを解決し、より大きな喜びをもたらす「専門性」と「人間力」を兼ね備えた「プロフェッショナル人財」を目指しております。
具体的には、20以上のコースからなる複線型人事制度において、コース毎に育成体系を用意し、OJTと社内・社外研修等を通じてコース毎に必要な「専門性」の向上に取り組んでおります。経営戦略や組織課題に合わせて、制度の見直しや内容のアップデートを行っており、2026年度にはりそな銀行・埼玉りそな銀行及び一部のグループ会社に加え、複線型人事制度の対象を関西みらい銀行・みなと銀行にも拡大しています。
また、時代の変化に合わせて必要とされるスキルを身につけられるように、各種リスキリングへの取り組みを実施しております。具体的には、DX・SX・AMLに関する知識・実践力向上に資する取り組み等を進めており、特に標準的な活用が求められている生成AIに関しては、研修・セミナーを中心に従業員の学習機会の拡充に取り組んでおります。
加えて、真のプロフェッショナル人財は業務知識やスキルだけに留まらず、お客さまと信頼関係を築き、「こまりごと」を深く理解した上で解決に導く必要があるという考えのもと、リベラルアーツをはじめ幅広いテーマでの公募型研修の実施等を通じて「人間力」の向上にも取り組んでおります。
<高度専門人財>お客さまのこまりごとが多様化・複雑化していく中で、より深いコンサルティングを通じた課題解決を可能とする高度な専門知識等を有する人財を確保・育成していく必要があるという課題認識のもと、2030年度に高度専門人財3,000人の目標を掲げ、人財投資を拡充してきました。
年代別の人員構成の影響等もあり、退職による相応の減少要因がある中で、2025年度の高度専門人財は前年比増加となりました。これはキャリア採用を中心とした専門人財の採用強化に加え、高度専門資格の取得支援の拡充といった継続的な取り組みによるものです。また、40歳以下の若手層についても人数は着実に増加しており、従業員に占める割合も概ね同水準を維持しています。高度専門人財へと成長していく母集団の一つである社内の専門コース認定者も着実に増加しております。
[高度専門人財※にかかる指標]

※ りそなホールディングス・りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行が対象
これまでは高度専門人財として、社内の専門コースにおける上位認定者及び同等の資格保有者を一括して計上していたため、どのような専門性をもった人財がどれだけいるかが一見して分かりにくい指標となっておりました。そのため、2026年度からは専門性の指標体系を、コース別・資格別・AI応用スキル別の3区分に再編しております。(計上方法の詳細や2025年度実績(参考遡及値)及び2030年度目標は、⑥指標及び目標に記載)
(iv)従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成に向けた支援(人財戦略のドライバー:自律と支援)
従業員の自律的なキャリア形成を促進するため、2021年の複線型人事制度導入に伴い、キャリア実現に向けた一連の行動(キャリアを知りたい、考えたい・相談したい、実現したい)をサポートする「トータルキャリアサポート体制」を整備しております。
<トータルキャリアサポート体制>

これまでは、従業員の自律的なキャリア形成およびその支援度を測る指標として「社内公募合格者数累計」の人数を計上しておりましたが、「支援」には従業員が自ら手を挙げて応募することそのものを後押しする意味が含まれていることや、その一歩を踏み出した従業員の裾野の広がりを把握するという観点から、「キャリア公募応募経験者割合」に見直ししております。(計上方法の詳細や2025年度実績(参考遡及値)及び2030年度目標は、⑥指標及び目標に記載)
b. 社内環境整備方針
りそなグループでは多様な人財の活躍と確保に向けて、従業員それぞれが持てる力を最大限発揮できるように以下の取り組みを実施しております。
(i)多様な就業価値観をもつ従業員一人ひとりが活躍できる機会の提供(人財戦略のドライバー:働きがい)
りそなグループでは、これまでも多様な人財のプロフェッショナルとしての成長や自己実現のサポート、年齢にとらわれない評価・処遇、適材適所の登用配置により、複線型かつ全世代が活躍できる環境を整えてまいりました。
近年、技術革新や労働人口減少等による環境変化が急激におこり、就業価値観の多様化も急速に進んでいます。このため、「職務価値に応じた処遇体系」と合わせて、「多様な就業価値観への順応」をキー・コンセプトとして、2026年度より人事制度の見直しを実施しています。複線型人事制度のもと、ゼネラリスト・スペシャリストにかかわらず、満足感のある処遇が実現できるように制度体系を見直しつつ、これまで以上に従業員が自身の成長と働きがいを実感しながら活躍できるようにすることを目的に、キャリアや働き方の選択肢を拡充し、個人の就業価値観に合わせて働ける環境を整備しております。また、既に65歳までの選択定年制や70歳までの再雇用制度を導入しておりますが、60歳以降の従業員の処遇制度も一部見直す等、多様な年齢層が活躍できる環境整備により、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めてまいります。
(ii)多様性を認め合う心理的安全性の高い職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きがい)
多様な従業員が働く職場環境において、従業員がともに理解し合い風通しの良い職場環境にすることを目的として毎年全従業員向けに各種研修を実施しております。アンコンシャスバイアスや人権等をテーマとしてとりあげ、各職場単位で所属長が自ら解説を行うことにより従業員の理解を深めております。
また、上司・部下間の更なるコミュニケーション活性化による風通しの良い職場づくりや部下の自律的な成長支援等を目的に1on1ミーティングを導入しております。1on1ミーティングの質を高め部下従業員のエンゲージメント向上や成長に繋げていくために希望者に対して1on1ミーティングの取り組みに対する研修を実施しております。他にも従業員と経営トップが意見を交わす「タウンミーティング」を2003年から実施しており、直接の対話を通じて、従業員と経営トップが同じベクトルを共有する機会にするとともに、経営参画への意識や新たな視点の獲得などにもつなげております。
(iii)ライフイベントに沿った多様な働き方へのサポート(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<多様な働き方>勤務時間の制約の有無等にかかわらず、誰もが活躍できる環境整備として、一人ひとりの業務やライフイベントにあった働き方の選択肢の拡充を図っております。

※ 服装の自由化・テレワーク制度等は、多様な働き方の選択肢を提供することを目的としており、利用は従業員個人の選択に委ねております。
<両立支援>育児関連休暇・休業、育児勤務等の制度や各種セミナー等からなる復職支援プログラムを用意し、仕事と育児の両立を支援するための環境整備を行っております。法定を上回る支援に加え、仕事と育児の両立に向けた意識改革の取り組みを継続して進めてきた結果、男性の育児休業取得率は向上し、2025年度で100.2%※となっております。2026年度からは「産後パパ育休」において有給部分を14日間から28日間まで拡大する等、今後も男性の育児参画を促進していきます。
また、育児や介護事由等による休業・休務者や短時間勤務者を業務面でサポートする周囲の従業員に対し、業績インセンティブ・業績賞与に一部加算して支給する仕組み「ハートフルファンド」を2026年度より実施します。これにより、周囲に気兼ねなく休業・休務や短時間勤務を行うことができるような環境づくりを行ってまいります。
※ りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行の合算
男性の育児休業等取得率は、厚生労働省の基準に合わせ、「対象年度中に育児休業を取得開始した人/対象年度に子が産まれた人」を計上しているため、年度により100%を超える場合があります。
(iv) 心身ともに健康的に働くことができる職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<健康経営>りそなグループでは、すべての従業員が持てる力を最大限発揮するためには、従業員の心身両面にわたる健康の保持・増進と快適かつ衛生的な職場環境づくりの推進が必要と考えております。そのために会社・健康保険組合・従業員が一体となって健康経営を推進していくことを2023年度に「健康経営宣言」として公表しております。「健康経営により解決したい経営上の課題」「期待する効果」「具体的な取り組み」のつながりを明確にするため、健康経営戦略マップを策定し、各種数値を取りまとめて効果検証を実施しております。りそなホールディングスの取り組みに対しては「健康経営優良法人2025」の外部認定を受けております。
[健康経営の取り組み]

<ハラスメント対策>従業員一人ひとりが心身ともに健康に働くためにはハラスメントのない職場づくりが重要であるとの考えのもと、「ハラスメント防止指針」を制定しており、企業として未然防止への取り組みを強化しています。毎年全従業員を対象に「ハラスメント防止研修(eラーニング)」を実施し、セクシャルハラスメントやパワーハラスメント防止の留意点を周知するほか、定期的に「ハラスメント防止通信」を発信しています。
また、「カスタマーハラスメント対応方針」を公表し、カスタマーハラスメントに該当する行為に対し会社として毅然と対応することを通じて、従業員が安心して就業できる職場環境の整備に努めています。
<ファイナンシャルウェルネス>お金や生活に関する不安を解消し、りそなグループで長く安心して働ける環境を提供することは従業員のWell-beingや生産性向上につながると考え、以下の資産形成をサポートする制度の導入及び制度の適切な活用やリテラシー向上へとつなげる運用サポートを実施しております。
[ファイナンシャルウェルネスの取り組み]

※その他セーフティーネットとしての借り換えサポートやライフイベントに応じた各種福利厚生制度有
③ 目指す姿(人財投資のインパクトチェーン)
[経営戦略と人財戦略の連動]

従業員の行動変容・成長を促し、3つの柱(共創、プロフェッショナル、エンゲージメント)の共鳴をさらに加速させることで、下記のような変化および成果を目指します。

④ ガバナンス
人財育成方針や社内環境整備方針などの人的資本経営にかかる方針や取組状況については、経営戦略と人財戦略の連動等を目的として、経営会議における審議を経て取締役会への定期的な報告を行い、適切な監督が図られる体制を整えております。詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティへの対応(全般)①ガバナンス」をご参照ください。
⑤ リスク管理
りそなグループは人財に関するリスクを、当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いトップリスクの1つとして認識しております。
具体的には、高度な専門性とコンプライアンス意識を持った人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、ないしは最適な人的資源配賦ができない場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクについては、6つのドライバーに係る指標をはじめとする人財に関する各種状況を把握することにより定期的にモニタリング・評価し、経営会議および取締役会へ報告・協議する体制としております。
リスクを識別・評価・管理する全社的な過程の詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティへの対応(全般)③リスク管理」をご参照ください。
一方、人財戦略の推進は、りそなグループの価値創造につながる機会でもあります。当グループは、人財戦略の推進状況を6つのドライバーに係る指標により把握し、経営会議において議論のうえ、取締役会へ定期的に報告しております。これらの指標及び目標は「⑥指標及び目標」に記載しております。なお、3つの柱(共創/プロフェッショナル/エンゲージメント)は、6つのドライバーに基づく取組みが目指す方向性として位置づけております。人財確保等のため、採用活動や人財育成策の充実、処遇の向上、ダイバーシティ推進によるキャリアの多様化、テレワーク環境の整備、デジタル化による業務効率化、男性の育児参画、介護休暇取得の促進等の取組みに加え、従業員の行動変容・成長を促し、人的資本の強化を進めております。
⑥ 指標及び目標
注力テーマである、従業員の行動変容・成長の進捗を測るため、新指標「行動変容・成長スコア」を新たに設定しております。
また、価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向けて「共創」「プロフェッショナル」「エンゲージメント」の3つの柱を強化すべく、従来より6つのドライバーに対して以下の指標及び目標を設定しております。

※1:連結対象会社のうち、主要な事業を担っているりそなホールディングス・りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行が対象
※2:行動変容・成長スコア:従業員意識調査による主体性・当事者意識・挑戦志向に関する設問のポジティブ回答率平均値(詳細の説明は第5 (1)①d. 新指標「行動変容・成長スコア」の導入 に記載)
※3:越境:海外赴任・外部出向・一定のグループ内出向及び一定条件を満たす外部派遣
※4:コース別高度専門人財:専門コース認定者のうち、一定グレード以上の者
※5:コンサルティング資格保有人財:コンサルティング業務を行う上で必要な一定以上の資格保有者(宅地建物取引士等の業務関連資格を新たに加えて算出)
※6:AI応用スキル習得人財:AI応用スキル習得に足る一定水準以上の研修受講者
※7:キャリア公募経験者:キャリア形成に資する一定の社内公募制度への応募(2021年度以降)を経験した人財
※8:目標ではなく、変更後指標の2025年度実績(参考遡及値)を表示
※9:目標は「向上」であるため、前期比の数値を表示
※10:学習管理システム、タレントマネジメントシステム
<指標及び目標の状況>上表に記載の取組みにより、6つのドライバーに関する指標のうち、「リーダー・越境・自律と支援」については、上昇傾向を維持するとともに、2025年度目標を達成しております。「働きがい」指標のうち、(i)仕事のやりがいは上昇傾向かつ2025年度目標を達成し、(ii)職場の風通しについては、2025年度に小幅な低下は見られたものの、引き続き高水準を維持しております。「働きやすさ」については、前年度比で小幅な低下は見られたものの、2025年度目標は達成しております。「専門性」については、2025年度目標は未達となりましたが、退職に伴う一定の減少要因があった中でも上昇傾向で推移しており、高度な専門知識等を有する人財の確保・育成に向けた基盤整備は、着実に進展しているものと認識しております。
新たに導入した「行動変容・成長スコア」も含め、これらの指標の推移を継続的にモニタリングするとともに、他の人財に関する各種状況も踏まえ、課題の把握及び施策の見直しを行いながら、継続的な改善につなげてまいります。
<変更説明>「専門性」及び「自律と支援」については、2026年度より指標体系を変更しております。変更理由につきましては、② a.(ⅲ)・(ⅳ)に記載しており、変更後の指標及び目標は、上表に記載しております。
⑦ 従業員給与等の決定方針
りそなグループは、人財戦略で目指す「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環の実現に向け、会社業績と従業員処遇を同時進行的に向上するという基本的な考え方のもと、全体的な処遇水準を決定しております。
a. 基本給(職務給)の決定に関する方針
基本給(職務給)は、職務価値を基礎とした等級制度に基づき決定します。
具体的には、従業員の発揮する専門性の高さおよび担う職務・職責の大きさに応じて認定されるプロフェッショナルグレードと、担うポストの職責の重さに応じたポストグレードにより決定します。
また、2026年7月からは外部労働市場との均衡を踏まえ、特定分野においてはマーケット水準を考慮した手当等を設定し、採用競争力の確保に努めてまいります。
b. 賞与(業績インセンティブ・業績賞与)の決定に関する方針
賞与は、業績連動型の報酬として位置付け、グループの業績連動により総資金量を決定し、組織業績・個人業績を踏まえて配分します。
個人への配分にあたっては、評価制度に基づき、各人の貢献度をきめ細かく反映し、メリハリある支給ができる仕組みになっています。
c. 昇給(昇級・昇格)の決定に関する方針
昇給は、原則、上位職務等級への昇級・昇格によります。昇級は、毎年7月のプロフェッショナルグレード認定(昇級判定)により行い、業務遂行状況や能力発揮、求められる人財像への到達の程度を踏まえた前年度評価等に基づき、総合的に判定します。昇格は、異動により随時ポストに就いた際に行い、そのポストに相応しい人財かどうかを見極めた上で登用します。
なお、今後は従業員の行動変容・成長をより後押しするために、お客さまや社会への価値提供に資する挑戦を適切に評価し処遇へ反映することで、より納得性高くメリハリある処遇を実現してまいります。
※ 本「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に、りそなグループの人材戦略の基本方針、給与等の決定方針、指標・目標・実績を集約して記載しております。なお、ガバナンス及びリスク管理に関する全社的な枠組みは「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
りそなグループは、パーパス「金融+で、未来をプラスに。」や長期ビジョン「リテールNo.1」の実現のため、「共鳴(Resona)」を起点とした『人財戦略』を策定し、価値創造の原動力である「人財」への投資を拡充※しております。

※ 人財投資額:中期経営計画期間(2026-2028年度)は処遇向上を中心に、前中期経営計画期間累計+330億円を上回る投資を予定。
人財戦略では、「共創(りそなと外(パートナー)の共鳴)」、「プロフェッショナル(多様な専門性の共鳴)」、「エンゲージメント(従業員と会社の共鳴)」を強化していく3つの柱として定め、「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環を実現していくことを目指しております。この実現に向けて、未来へ向けて変えていく6つのドライバー(リーダー・越境・専門性・自律と支援・働きがい・働きやすさ)を設定し、各種施策に取り組んでまいりました。
環境変化が進む中でも、「人財」はりそなグループにとって経営戦略を支える最も重要な財産であることに変わりはありません。「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環を継続して目指しながら、2026年度から始まる新中期経営計画において、新たに注力テーマとして、従業員の主体性・当事者意識・挑戦志向の向上による「行動変容・成長」を掲げ、企業文化の変革を通じて人財戦略をさらに加速させてまいります。

① 従業員の行動変容・成長を促すための戦略
a. 背景と課題認識
りそなグループは、新中期経営計画「Shift to the Next Stage -新たなカタチをつくる3年間-」において「コア事業の成長」と「次世代成長ドライバーの創出」を両輪として掲げています。これを実現するためには、挑戦・変革を日常化する組織への転換、すなわち従業員一人ひとりの仕事に対する主体性・当事者意識・挑戦志向の向上による「行動変容・成長」が不可欠と認識しております。
人財戦略を加速させる上での組織課題の特定にあたり、従業員に対して匿名アンケート等を実施し現状を把握した結果、「守りの姿勢」「ハレーション回避」「評価・処遇の平準化」などが一部で確認されました。こうした組織課題を放置することは、共創・プロフェッショナル・エンゲージメントの3つの柱の強化が不十分となり、経営戦略実現に向けたリスクとなり得ます。一方で、これらの課題を克服し、3つの柱の“共鳴”をさらに加速させることができれば、人財戦略の実現を通じたりそなグループの競争優位性の強化につながる機会と認識しています。
b. 組織課題の要因分析
上記課題をもたらしている要因として、主に以下の2点を認識しています。
(i)環境要因(歴史的背景等)
2003年に公的資金が注入されて以降の改革期においては、りそなグループの生き残りをかけて、挑戦・変革が当たり前にある環境でした。その後、公的資金を完済し、安定期へと移行してきたことから、もともとある人の良さやアットホームな社風とも相まって、挑戦・変革が当時と比較して少ない環境となりつつあります。
(ii)人事運用・マネジメント要因
公的資金注入後の採用抑制の影響等により、組織のマネジメントを担う世代が一部で手薄となるなど、人員構成上の課題が生じています。この影響から、マネジメント層の不足を補うため、従来よりも早期化することも含めて様々な形で登用を進めていく必要があり、結果として登用難易度が相対的に低下する傾向が見られました。その結果、優秀層と他の従業員との相対的な差が縮小し、成果にこだわり挑戦する意欲が生まれにくい環境となりつつあります。また、上司側の経験やスキルの不足も相まって、部下の挑戦意欲を十分に引き出せない状況になりつつあると認識しています。
これらの要因をさらに分解して、表層(予定調和的/完了基準が曖昧な目標設定)、深層(優秀層と標準層の処遇差縮小、減点主義と認識される人事運用、マネジメントの経験・スキル不足)、構造的要因(歪な年齢構成)に整理し、従業員の行動変容・成長を阻む真因を特定しました。
c. 従業員の行動変容・成長を促す取り組み
前述の表層・深層・構造的要因を解消するため、以下のような取り組みを実行します

d. 新指標「行動変容・成長スコア」の導入
従業員の行動変容・成長の進捗や企業文化の変革を定点観測するため、新指標として「行動変容・成長スコア」を導入します。本スコアは、従業員への匿名アンケートにおける主体性・当事者意識・挑戦志向に関する設問群のポジティブ回答率平均で定義され、中期経営計画期間である2028年度までに65%を目標とし、毎年の進捗を確認します。
行動変容・成長スコア65%(2028年度目標)は、現状52%からの13pt改善を企図する挑戦的目標であり、各取り組みの実行を通じて段階的な改善を図ります。

※1 スコア定義:従業員の主体性・当事者意識・挑戦志向に関する意識および環境認識等を問うリッカート式設問(9問)への回答のうち、[『そう思う』『どちらかといえばそう思う』等]のポジティブ回答を肯定的回答とみなし、各設問における肯定的回答割合を基に算出した指標。
※2 基礎期間:2025年度を起点とする。(但し、2025年度数値は、2025年12月に実施した簡易サーベイ(対象:443名)に基づく数値。今後の開示においては、より精緻な実態把握のため、全従業員を対象とした意識調査への統合を行う予定。)
② 人財戦略の実現に向けた方針および6つのドライバー推進
価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向けて、個々の従業員が自律的に成長することを目的とした「人財育成方針」と個々の従業員が持てる力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした「社内環境整備方針」を整備しております。
これらの方針に沿い、6つのドライバー(リーダー、越境、専門性、自律と支援、働きがい、働きやすさ)に基づく具体的な取り組みを実施しております。引き続き6つのドライバーへの投資を継続するとともに、行動変容・成長の促進を通じて、「共創」「プロフェッショナル」「エンゲージメント」の3つの柱をさらに強化していきます。
a. 人財育成方針
りそなグループでは、従業員が自律的に学び、成長することを目指して、以下の取り組みを実施しております。
(i)多様なリーダーの育成(人財戦略のドライバー:リーダー)
社内外の多様な人財との共創・価値創造を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンをより高いレベルで進めるべく、様々な性別・経験・年代などのリーダーの育成・確保に取り組んでおります。具体的には、マネジメントスキル・リーダーシップの向上を目的とした階層別研修や選抜型研修に加えて、出向や外部派遣研修での異文化経験、多面評価(360度評価)を通じた自己認知・意識改革等、本人の能力や適性に応じて様々な機会を提供しております。
<女性活躍>女性リーダーの育成・登用は特に重要な取り組みと認識しております。2021年6月に公表したサステナビリティ長期目標では、りそなホールディングスの女性役員比率30%以上、グループ5社(※2)の女性経営職階比率20%以上、グループ5社の女性ライン管理職比率40%以上を2030年度に向けた女性登用・活躍推進の目標として掲げ、達成に向けて女性従業員の成長サポートを実施しております。具体的には、新たに経営職階に昇格した女性向けのメンタリング制度による業務面・メンタル面のサポートや、女性従業員を対象としたリーダー研修による意識醸成サポート、トレーニー制度による未経験業務への挑戦サポート等を実施しております。また、経営直轄の諮問機関である「りそなWomen’s Council」は2005年から継続して活動を実施しており、グループ横断で選抜された女性従業員がリーダーシップをとり、職場環境の整備やキャリア形成のサポート等、様々な施策を提言・実現してきました。2025年度よりメンバーの男女比を3:7として性別を限定しない活動に発展させ、より高次のダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指しており、2026年度からは名称も「りそなDiversity Council」へ変更しています。今後も、このような取り組みを通じて、女性従業員を含む多様な人財がより幅広い分野で活躍する組織を実現し、新たな価値創造を目指してまいります。
[女性活躍推進にかかる指標]

※1 役員は4月1日時点。経営職階、ライン管理職は3月末時点
※2 りそなホールディングス、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行の合算。2024年3月末までは関西みらいフィナンシャルグループを含む
<キャリア採用>専門人財確保やダイバーシティ&インクルージョンの進展を目指しキャリア採用にも力を入れております。社外で培ったスキル・経験を活かしてリーダーとして活躍できるよう、キャリア採用者向けの研修や交流会等の取り組みも強化しており、キャリア採用管理職比率についても2025年度で14.4%に向上(前年度比+1.3%)しております。
※ キャリア採用管理職比率:2023年度11.7%/2024年度13.1%/2025年度14.4%。キャリア採用人財は本部専門分野を中心として幅広く活躍。
(ii)異文化経験を通じた多様な価値観・ネットワークの形成(人財戦略のドライバー:越境)
<越境プログラム>新たな視点の獲得による多様性への受容力向上や共創に向けた多様なネットワークの構築を目指し、りそなグループ内外にかかわらず所属する組織の枠を超えた経験や交流機会を提供しております。
具体的には、他社や官公庁への出向、大学院への派遣プログラムや異業種人財との共創による新規事業創出経験等、従業員の能力や適性に応じた派遣先を選定し、所属する組織の枠を超えた経験を提供しております。
また、自己研鑽サポートとしても、外部ビジネススクールへの派遣をはじめ、公募型の越境プログラムを取り入れています。年々、その派遣先を追加する等、従業員が自律的に手を挙げて他企業の人々と交流できる機会を拡充しております。
加えて、グループ企業間での出向も拡大する等、人財交流を通じた新たな経験による成長とグループ連結運営の強化を進めております。
<アルムナイネットワーク>りそなグループでは、従前よりアルムナイ採用制度があり、アルムナイが外部での経験を積んだのちに当グループへと再入社し、活躍しています。2024年3月より、アルムナイとの関係性を更に深化させるべく、双方向のコミュニケーションがとれる関係性を築き上げるアルムナイネットワークを構築しております。
再入社だけでなく、顧客としての取引関係やビジネスパートナーとしての協業・提携等の多種多様なつながりにより、りそなグループの従業員とアルムナイがともに組織の枠を超えたキャリア・ネットワーク形成を通じて成長することで人的資本を拡大し、共創による新たな価値創造を目指してまいります。
(iii)多様なこまりごとに対応できるプロフェッショナル人財の育成(人財戦略のドライバー:専門性)
りそなグループでは、従業員全員が各業務分野において、多様なお客さまのこまりごとを解決し、より大きな喜びをもたらす「専門性」と「人間力」を兼ね備えた「プロフェッショナル人財」を目指しております。
具体的には、20以上のコースからなる複線型人事制度において、コース毎に育成体系を用意し、OJTと社内・社外研修等を通じてコース毎に必要な「専門性」の向上に取り組んでおります。経営戦略や組織課題に合わせて、制度の見直しや内容のアップデートを行っており、2026年度にはりそな銀行・埼玉りそな銀行及び一部のグループ会社に加え、複線型人事制度の対象を関西みらい銀行・みなと銀行にも拡大しています。
また、時代の変化に合わせて必要とされるスキルを身につけられるように、各種リスキリングへの取り組みを実施しております。具体的には、DX・SX・AMLに関する知識・実践力向上に資する取り組み等を進めており、特に標準的な活用が求められている生成AIに関しては、研修・セミナーを中心に従業員の学習機会の拡充に取り組んでおります。
加えて、真のプロフェッショナル人財は業務知識やスキルだけに留まらず、お客さまと信頼関係を築き、「こまりごと」を深く理解した上で解決に導く必要があるという考えのもと、リベラルアーツをはじめ幅広いテーマでの公募型研修の実施等を通じて「人間力」の向上にも取り組んでおります。
<高度専門人財>お客さまのこまりごとが多様化・複雑化していく中で、より深いコンサルティングを通じた課題解決を可能とする高度な専門知識等を有する人財を確保・育成していく必要があるという課題認識のもと、2030年度に高度専門人財3,000人の目標を掲げ、人財投資を拡充してきました。
年代別の人員構成の影響等もあり、退職による相応の減少要因がある中で、2025年度の高度専門人財は前年比増加となりました。これはキャリア採用を中心とした専門人財の採用強化に加え、高度専門資格の取得支援の拡充といった継続的な取り組みによるものです。また、40歳以下の若手層についても人数は着実に増加しており、従業員に占める割合も概ね同水準を維持しています。高度専門人財へと成長していく母集団の一つである社内の専門コース認定者も着実に増加しております。
[高度専門人財※にかかる指標]

※ りそなホールディングス・りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行が対象
これまでは高度専門人財として、社内の専門コースにおける上位認定者及び同等の資格保有者を一括して計上していたため、どのような専門性をもった人財がどれだけいるかが一見して分かりにくい指標となっておりました。そのため、2026年度からは専門性の指標体系を、コース別・資格別・AI応用スキル別の3区分に再編しております。(計上方法の詳細や2025年度実績(参考遡及値)及び2030年度目標は、⑥指標及び目標に記載)
(iv)従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成に向けた支援(人財戦略のドライバー:自律と支援)
従業員の自律的なキャリア形成を促進するため、2021年の複線型人事制度導入に伴い、キャリア実現に向けた一連の行動(キャリアを知りたい、考えたい・相談したい、実現したい)をサポートする「トータルキャリアサポート体制」を整備しております。
<トータルキャリアサポート体制>


これまでは、従業員の自律的なキャリア形成およびその支援度を測る指標として「社内公募合格者数累計」の人数を計上しておりましたが、「支援」には従業員が自ら手を挙げて応募することそのものを後押しする意味が含まれていることや、その一歩を踏み出した従業員の裾野の広がりを把握するという観点から、「キャリア公募応募経験者割合」に見直ししております。(計上方法の詳細や2025年度実績(参考遡及値)及び2030年度目標は、⑥指標及び目標に記載)
b. 社内環境整備方針
りそなグループでは多様な人財の活躍と確保に向けて、従業員それぞれが持てる力を最大限発揮できるように以下の取り組みを実施しております。
(i)多様な就業価値観をもつ従業員一人ひとりが活躍できる機会の提供(人財戦略のドライバー:働きがい)
りそなグループでは、これまでも多様な人財のプロフェッショナルとしての成長や自己実現のサポート、年齢にとらわれない評価・処遇、適材適所の登用配置により、複線型かつ全世代が活躍できる環境を整えてまいりました。
近年、技術革新や労働人口減少等による環境変化が急激におこり、就業価値観の多様化も急速に進んでいます。このため、「職務価値に応じた処遇体系」と合わせて、「多様な就業価値観への順応」をキー・コンセプトとして、2026年度より人事制度の見直しを実施しています。複線型人事制度のもと、ゼネラリスト・スペシャリストにかかわらず、満足感のある処遇が実現できるように制度体系を見直しつつ、これまで以上に従業員が自身の成長と働きがいを実感しながら活躍できるようにすることを目的に、キャリアや働き方の選択肢を拡充し、個人の就業価値観に合わせて働ける環境を整備しております。また、既に65歳までの選択定年制や70歳までの再雇用制度を導入しておりますが、60歳以降の従業員の処遇制度も一部見直す等、多様な年齢層が活躍できる環境整備により、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めてまいります。
(ii)多様性を認め合う心理的安全性の高い職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きがい)
多様な従業員が働く職場環境において、従業員がともに理解し合い風通しの良い職場環境にすることを目的として毎年全従業員向けに各種研修を実施しております。アンコンシャスバイアスや人権等をテーマとしてとりあげ、各職場単位で所属長が自ら解説を行うことにより従業員の理解を深めております。
また、上司・部下間の更なるコミュニケーション活性化による風通しの良い職場づくりや部下の自律的な成長支援等を目的に1on1ミーティングを導入しております。1on1ミーティングの質を高め部下従業員のエンゲージメント向上や成長に繋げていくために希望者に対して1on1ミーティングの取り組みに対する研修を実施しております。他にも従業員と経営トップが意見を交わす「タウンミーティング」を2003年から実施しており、直接の対話を通じて、従業員と経営トップが同じベクトルを共有する機会にするとともに、経営参画への意識や新たな視点の獲得などにもつなげております。
(iii)ライフイベントに沿った多様な働き方へのサポート(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<多様な働き方>勤務時間の制約の有無等にかかわらず、誰もが活躍できる環境整備として、一人ひとりの業務やライフイベントにあった働き方の選択肢の拡充を図っております。

※ 服装の自由化・テレワーク制度等は、多様な働き方の選択肢を提供することを目的としており、利用は従業員個人の選択に委ねております。
<両立支援>育児関連休暇・休業、育児勤務等の制度や各種セミナー等からなる復職支援プログラムを用意し、仕事と育児の両立を支援するための環境整備を行っております。法定を上回る支援に加え、仕事と育児の両立に向けた意識改革の取り組みを継続して進めてきた結果、男性の育児休業取得率は向上し、2025年度で100.2%※となっております。2026年度からは「産後パパ育休」において有給部分を14日間から28日間まで拡大する等、今後も男性の育児参画を促進していきます。
また、育児や介護事由等による休業・休務者や短時間勤務者を業務面でサポートする周囲の従業員に対し、業績インセンティブ・業績賞与に一部加算して支給する仕組み「ハートフルファンド」を2026年度より実施します。これにより、周囲に気兼ねなく休業・休務や短時間勤務を行うことができるような環境づくりを行ってまいります。
※ りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行の合算
男性の育児休業等取得率は、厚生労働省の基準に合わせ、「対象年度中に育児休業を取得開始した人/対象年度に子が産まれた人」を計上しているため、年度により100%を超える場合があります。
(iv) 心身ともに健康的に働くことができる職場環境づくり(人財戦略のドライバー:働きやすさ)
<健康経営>りそなグループでは、すべての従業員が持てる力を最大限発揮するためには、従業員の心身両面にわたる健康の保持・増進と快適かつ衛生的な職場環境づくりの推進が必要と考えております。そのために会社・健康保険組合・従業員が一体となって健康経営を推進していくことを2023年度に「健康経営宣言」として公表しております。「健康経営により解決したい経営上の課題」「期待する効果」「具体的な取り組み」のつながりを明確にするため、健康経営戦略マップを策定し、各種数値を取りまとめて効果検証を実施しております。りそなホールディングスの取り組みに対しては「健康経営優良法人2025」の外部認定を受けております。
[健康経営の取り組み]

<ハラスメント対策>従業員一人ひとりが心身ともに健康に働くためにはハラスメントのない職場づくりが重要であるとの考えのもと、「ハラスメント防止指針」を制定しており、企業として未然防止への取り組みを強化しています。毎年全従業員を対象に「ハラスメント防止研修(eラーニング)」を実施し、セクシャルハラスメントやパワーハラスメント防止の留意点を周知するほか、定期的に「ハラスメント防止通信」を発信しています。
また、「カスタマーハラスメント対応方針」を公表し、カスタマーハラスメントに該当する行為に対し会社として毅然と対応することを通じて、従業員が安心して就業できる職場環境の整備に努めています。
<ファイナンシャルウェルネス>お金や生活に関する不安を解消し、りそなグループで長く安心して働ける環境を提供することは従業員のWell-beingや生産性向上につながると考え、以下の資産形成をサポートする制度の導入及び制度の適切な活用やリテラシー向上へとつなげる運用サポートを実施しております。
[ファイナンシャルウェルネスの取り組み]

※その他セーフティーネットとしての借り換えサポートやライフイベントに応じた各種福利厚生制度有
③ 目指す姿(人財投資のインパクトチェーン)
[経営戦略と人財戦略の連動]

従業員の行動変容・成長を促し、3つの柱(共創、プロフェッショナル、エンゲージメント)の共鳴をさらに加速させることで、下記のような変化および成果を目指します。

④ ガバナンス
人財育成方針や社内環境整備方針などの人的資本経営にかかる方針や取組状況については、経営戦略と人財戦略の連動等を目的として、経営会議における審議を経て取締役会への定期的な報告を行い、適切な監督が図られる体制を整えております。詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティへの対応(全般)①ガバナンス」をご参照ください。
⑤ リスク管理
りそなグループは人財に関するリスクを、当グループに重大な影響を及ぼす可能性の高いトップリスクの1つとして認識しております。
具体的には、高度な専門性とコンプライアンス意識を持った人財が確保できない場合や人財の一斉流出等が発生した場合、ないしは最適な人的資源配賦ができない場合、当グループの業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクについては、6つのドライバーに係る指標をはじめとする人財に関する各種状況を把握することにより定期的にモニタリング・評価し、経営会議および取締役会へ報告・協議する体制としております。
リスクを識別・評価・管理する全社的な過程の詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティへの対応(全般)③リスク管理」をご参照ください。
一方、人財戦略の推進は、りそなグループの価値創造につながる機会でもあります。当グループは、人財戦略の推進状況を6つのドライバーに係る指標により把握し、経営会議において議論のうえ、取締役会へ定期的に報告しております。これらの指標及び目標は「⑥指標及び目標」に記載しております。なお、3つの柱(共創/プロフェッショナル/エンゲージメント)は、6つのドライバーに基づく取組みが目指す方向性として位置づけております。人財確保等のため、採用活動や人財育成策の充実、処遇の向上、ダイバーシティ推進によるキャリアの多様化、テレワーク環境の整備、デジタル化による業務効率化、男性の育児参画、介護休暇取得の促進等の取組みに加え、従業員の行動変容・成長を促し、人的資本の強化を進めております。
⑥ 指標及び目標
注力テーマである、従業員の行動変容・成長の進捗を測るため、新指標「行動変容・成長スコア」を新たに設定しております。
また、価値創造とWell-beingの持続的な好循環の実現に向けて「共創」「プロフェッショナル」「エンゲージメント」の3つの柱を強化すべく、従来より6つのドライバーに対して以下の指標及び目標を設定しております。

※1:連結対象会社のうち、主要な事業を担っているりそなホールディングス・りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行・みなと銀行が対象
※2:行動変容・成長スコア:従業員意識調査による主体性・当事者意識・挑戦志向に関する設問のポジティブ回答率平均値(詳細の説明は第5 (1)①d. 新指標「行動変容・成長スコア」の導入 に記載)
※3:越境:海外赴任・外部出向・一定のグループ内出向及び一定条件を満たす外部派遣
※4:コース別高度専門人財:専門コース認定者のうち、一定グレード以上の者
※5:コンサルティング資格保有人財:コンサルティング業務を行う上で必要な一定以上の資格保有者(宅地建物取引士等の業務関連資格を新たに加えて算出)
※6:AI応用スキル習得人財:AI応用スキル習得に足る一定水準以上の研修受講者
※7:キャリア公募経験者:キャリア形成に資する一定の社内公募制度への応募(2021年度以降)を経験した人財
※8:目標ではなく、変更後指標の2025年度実績(参考遡及値)を表示
※9:目標は「向上」であるため、前期比の数値を表示
※10:学習管理システム、タレントマネジメントシステム
<指標及び目標の状況>上表に記載の取組みにより、6つのドライバーに関する指標のうち、「リーダー・越境・自律と支援」については、上昇傾向を維持するとともに、2025年度目標を達成しております。「働きがい」指標のうち、(i)仕事のやりがいは上昇傾向かつ2025年度目標を達成し、(ii)職場の風通しについては、2025年度に小幅な低下は見られたものの、引き続き高水準を維持しております。「働きやすさ」については、前年度比で小幅な低下は見られたものの、2025年度目標は達成しております。「専門性」については、2025年度目標は未達となりましたが、退職に伴う一定の減少要因があった中でも上昇傾向で推移しており、高度な専門知識等を有する人財の確保・育成に向けた基盤整備は、着実に進展しているものと認識しております。
新たに導入した「行動変容・成長スコア」も含め、これらの指標の推移を継続的にモニタリングするとともに、他の人財に関する各種状況も踏まえ、課題の把握及び施策の見直しを行いながら、継続的な改善につなげてまいります。
<変更説明>「専門性」及び「自律と支援」については、2026年度より指標体系を変更しております。変更理由につきましては、② a.(ⅲ)・(ⅳ)に記載しており、変更後の指標及び目標は、上表に記載しております。
⑦ 従業員給与等の決定方針
りそなグループは、人財戦略で目指す「価値創造」と「Well-being」の持続的な好循環の実現に向け、会社業績と従業員処遇を同時進行的に向上するという基本的な考え方のもと、全体的な処遇水準を決定しております。
a. 基本給(職務給)の決定に関する方針
基本給(職務給)は、職務価値を基礎とした等級制度に基づき決定します。
具体的には、従業員の発揮する専門性の高さおよび担う職務・職責の大きさに応じて認定されるプロフェッショナルグレードと、担うポストの職責の重さに応じたポストグレードにより決定します。
また、2026年7月からは外部労働市場との均衡を踏まえ、特定分野においてはマーケット水準を考慮した手当等を設定し、採用競争力の確保に努めてまいります。
b. 賞与(業績インセンティブ・業績賞与)の決定に関する方針
賞与は、業績連動型の報酬として位置付け、グループの業績連動により総資金量を決定し、組織業績・個人業績を踏まえて配分します。
個人への配分にあたっては、評価制度に基づき、各人の貢献度をきめ細かく反映し、メリハリある支給ができる仕組みになっています。
c. 昇給(昇級・昇格)の決定に関する方針
昇給は、原則、上位職務等級への昇級・昇格によります。昇級は、毎年7月のプロフェッショナルグレード認定(昇級判定)により行い、業務遂行状況や能力発揮、求められる人財像への到達の程度を踏まえた前年度評価等に基づき、総合的に判定します。昇格は、異動により随時ポストに就いた際に行い、そのポストに相応しい人財かどうかを見極めた上で登用します。
なお、今後は従業員の行動変容・成長をより後押しするために、お客さまや社会への価値提供に資する挑戦を適切に評価し処遇へ反映することで、より納得性高くメリハリある処遇を実現してまいります。